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カテゴリー「ECM1401-1450番」の42件の記事

2006/06/03

Bridge Of Light/Keith Jarrett

1450

キース・ジャレット作曲のNew Seriesのアルバム。オーケストラ用の作品で、哀愁もあってメロディアスかつ、なかなか気合の入っている曲だと思いますが、肝心のキースは半分弱ほどのピアノでの参加になっています。彼は以前、自分が弾かないクラシック作品というのも作曲したことがあり、クラシック方面に寄り添ったアルバムもあったりして、珍しくはないのですが。やはり気に入っているのは、彼がピアノで参加した曲(3-7曲目)でしょうか。アドリブなのか記譜されているのかは気になるところですが、やはりクラシック(現代音楽的な部分もある)なので、自分のパートも譜面に起こしてあると思います。

 

Bridge Of Light/Keith Jarrett(P, Comp)(ECM New Series 1450) - Recorded March 1993. Michelle Makarski(Vln), Marcia Butler(Oboe), Patricia McCarty(Viola), Thomas Crawford(Cond), The Fairfield Orchestra - 1. Elegy For Violin And String Orchestra 2. Adagio For Oboe And String Orchestra 3-7. Sonata For Violin And Piano 8. Bridge Of Light For Viola And Orchestra

全曲キース・ジャレットのオリジナル作品集(クラシック)で、逆に、ピアノを演奏しているのは半分弱 (3-7曲目)というアルバム。現代音楽とクラシックの間のような曲調ですが、比較的聴きやすい感じ。1曲目は哀愁に満ちているところもあり、なかなかひきこまれます。やはりゆったりとした感じのオーボエがきれいな2曲目。ヴィオラを中心としたタイトル曲の8曲目。個人的には本人がピアノで参加している3-7曲目が気に入っています。

2006/06/02

A Wider Ensemble/Trevor Watts Moire Music Drum Orcestra

1449 ECMというと静寂に近い冷たい感触のサウンドを意識する人が多いのですが、これはワールド・ミュージックに属する部類。サックスやエレキ・ベースなど西洋音楽の様式を取り入れている部分も多いですけれど、けっこう原初的なアフリカ(ガーナ)のサウンドに近いのではないかと思います。このアルバムもECMレーベルを意識して集めている人には後回しになりやすいアルバムです。それだけかなりマニアックな民族音楽。でもサックスのエキゾチックさとパーカッション(リズム)の強力なことで、非常に強い個性で迫ってきます。

 

A Wider Ensemble/Trevor Watts(As, Ss) Moire Music Drum Orchestra(ECM 1449) - Recorded April 1993. Nana Tsiboe(Per, Fl, Vo, etc.), Nee-Daku Patato(Per, Vo, etc.), Jojo Yates(Per, Vo, etc.), Nana Appiah(Per, Vo, etc.), Paapa J. Menasah(Per, Vo, etc.), Colin McKenzie(B) - 1. Egugu 2. Medley: Ahoom Mbram, Tetegramatan, Free Flow, Tetegramatan Reprise 3. Opening Gambit 4. Otublohu 5. Bomsu 6. Hunter's Song: Ibrumankuman 7. The Rocky Road To Dublin 8. Brekete Takai 9. Southern Memories 10. We Are

ガーナ出身のドラマー(パーカッショニスト)5人 プラス・アルファのメンバーが織り成す、アフリカのドラム・ミュージックとさまざまなジャンルの融合。ECMにしてはけっこう元気。トラディショナルも1、6-7曲目にあるし、フリー・インプロヴィゼーションも8、10曲目に配置。Trevor Wattsのサックスもなかなかにエキゾチック。基本的には原初的な色彩の強いアフリカン・サウンドですが、曲によって表情はさまざまです。1曲目は哀愁漂うサウンドだけれども、2曲目の出だしや5-6曲目あたりは一転アフリカの陽気な面が見えます。繰り返される強力なドラムスがある種のトランス状態に持っていくような感じ。ベースはエレキ・ベースで、ファンクのような感じも。7曲目でベースがフィーチャー。エキゾチックとファンクが混ざる8曲目。

2006/06/01

Dona Nostra/Don Cherry/Lennart Aberg/Bobo Stenson

1448 ドン・チェリーの久々のECM復帰作とのことですが、彼のオリジナルはなし。リーダーとしてではなくて、参加していない曲もあるのであくまでもメンバーとしてという感じが強いです。でも、他は皆北欧勢だというのに、ドン・チェリーが音を放つと、サウンドが彼の色に染まってくるという強烈な個性(特にバリバリと吹きまくっているわけでもないのですが)があります。やっぱりこのアルバムには彼が必要かと。それにしても半分以上をフリー・インプロヴィゼーションで録音して、8曲目のようにいかにもフリーという曲もあるにしろ、アルバムとしてまとまってしまうところはやっぱりスゴいなあ、と思います。もちろん北欧の冷たさの部分も楽しめますし。

 

Dona Nostra/Don Cherry(Tp)/Lennart Aberg(Sax, Fl)/Bobo Stenson(P)(ECM 1448) - Recorded March 1993. Anders Jormin(B), Anders Kjellberg(Ds), Okay Temiz(Per) - 1. In Memorium 2. Fort Cherry 3. Arrows 4. M'bizo 5. Race Face 6. Prayer 7. What Reason Could I Give 8. Vienna 9. Ahayu-Da

ヨーロッパ人のミュージシャンと組んでドン・チェリーも参加した録音。Lennart Abergの曲が1、4曲目。メンバーのフリー・インプロヴィゼーションが2-3、6、8-9曲目、オーネット・コールマン作が5、7曲目。ドン・チェリーらしい鋭い演奏。しっとりとしたメロディでゆったりと進行する1曲目、パーカッションの上をホーンやピアノが舞い飛ぶ感じのある2曲目、ミステリアスなサウンドとスペイシーな空間でせまる3曲目、漂うようにフレーズが流れていくバラード的な4曲目、4ビートではないですがジャズ的な魅力のある5曲目、チェリーが大きくフィーチャーされるアフリカ的な6曲目、トランペットとピアノの美しいデュオの7曲目、かなりフリー的要素が強い曲調の8曲目、アフリカンなリズムの上をホーンやピアノが流れていく9曲目。

2006/05/31

Mojotoro/Dino Saluzzi Group

1447 今日はディノ・サルーシのバンドネオンの演奏ですが、録音場所はアルゼンチンになっています。おそらく地元で録音したテープをECMに持ち込んだものか。アットホームな雰囲気もあって、落ち着いて聴けます。フュージョンっぽい演奏になるのもご愛嬌ですが、私はこういう演奏もわりと好きです。サルーシのバンドネオン、通常のアルゼンチン・タンゴならコッテリでタンゴ色が強いのですが、彼の場合、あっさりとした淡色系のサウンドと洗練されたものを持っているので、そこがECMのレーベルカラーとうまくマッチするのかな、と思います。地味と言えば地味なんですけれど、そういう面も持っていてなかなか興味深いミュージシャンの一人ではあります。

 

Mojotoro/Dino Saluzzi Group(Bandoneon, Per Voice)(ECM 1447) - Recorded May 1991. Celso Saluzzi(Bandoneon, Per, Voice), Felix "Cuchara" Saluzzi(Ts, Ss, Cl), Armando Alonso(G, Vo), Guillermo Vadala(B, Voice), Jose Maria Saluzzi(Ds, Per, Voice), Arto Tuncboyaci(Per, Voice) - 1. Mojotoro 2. Tango A Mi Parde - Nocturno - Elegia 3. Mundos - Exposicion - Desarrollo - Cadensia - Imitacion - Marcha - Recapitulacion 4. Lustrin 5. Viernes Santo - Introduccion - Part A - Part B 6. Milonga(La Punalada) 7. El Camino - Introduccion - Imitacion

6曲目以外はディノ・サルーシの作曲。故郷アルゼンチンで、家族らと共に(彼らもミュージシャン)吹き込んだアルバム。とは いうものの伝統的なタンゴではなく、新しい音楽としてのサウンド。哀愁もあり、雄大かつ繊細、ドラマチックな展開を示す、途中アルゼンチン・フュージョンといった感じになるタイトル曲の1曲目、しっとりと優しいメロディが奏でられていく小品の2曲目、いろいろなパートに分かれていて、哀愁のあるアルゼンチンの雰囲気が出ている10分台の3曲目、ややフュージョンの色合いとバンドネオンがマッチしている4曲目、静かで哀愁感覚たっぷりのバンドネオンのゆったりした響きが聴ける5曲目、やはりキメの多いフュージョン的な色彩のある6曲目、優雅で洗練されたバンドネオンのやや静かな展開の7曲目。

2006/05/30

Solitudes/Tamia/Pierre Favre

1446 このあたりの時代(’90年代前半)はどんどん国内盤(これは輸入盤国内仕様)が発売されていたため、手直しも必然的に多くなります。そして、より以前の有名なアルバムに比べ、比較的日本では無名のミュージシャンのアルバムも多くある時代。今日のアルバムも、ヴォイス(ヴォーカルというよりは、ヴォイスの方が似合っている)とパーカッションのデュオ。クレジットされていないけれどキーボード、あるいはメロディの出る打楽器の使用があるようです。メレディス・モンクほどではないにしても、なかなか鋭いヴォイスがときに出てきます。やっぱり静かでマニアックな音作りのため、聴く人を選ぶだろうとは思いますが。

 

Solitudes/Tamia(Voice)/Pierre Favre(Per)(ECM 1446) - Recorded April 1991. - 1. Chant d'Exil 2. Drame 3. Clair - Obscur 4. Pluies 5. Allegria 6. Erba Luce 7. Sables 8. Solitudes

タミアが5曲、ピエール・ファヴルが3曲作曲。ヴォイスと、パーカッションのデュオ。多重録音あり。教会音楽的に聴こえる曲や、アフリカのリズムのような曲もあり、さまざま。ヴォイスの強靭な印象は頭に残ります。パーカッションも静寂の中、メロディアスに響きます。空間の奥から哀愁のあるヴォイスがゆったりと彷徨っている1曲目、静寂の中から浮かび上がる張りのあるヴォイスとパーカッションの2曲目、低い声、高い声を使い分け、広大な大地で発せられるヴォイスのような3曲目、パーカッションのみで「雨」を表現する4曲目、ミステリアスなメロディが心にささる5曲目、ヴォイスと、無国籍なテイストで打楽器が繰り広げる6曲目、静けさの中を淡々とヴォイスが舞う7曲目、流れるサウンドをバックにゆったりと歌う8曲目。

2006/05/29

Nonsentration/Jon Balke(Key) w/Oslo 13

1445 ヨン・バルケ・ウィズ・オスロ13ですが、2トランペット、1トロンボーン、3サックス、2ドラムス、2パーカッション、1キーボードとかなり変わった編成です。ベースが必要な部分はヨン・バルケがベース・シンセサイザーを弾いています。これだけ打楽器が多かったらかなり熱い演奏が繰り広げられるんじゃないかと思うのですが、温度感はけっこうクールで、寒いくらいの場面もあったりします。こういうところがECMマジックなのかも。鋭くて温度感が低いのは、随所にあらわれるヨン・バルケのピアノにしても同じ。

 

Nonsentration/Jon Balke(Key) w/Oslo 13(ECM 1445) - Recorded September 1990. Per Jorgensen(Tp), Nils Petter Molvaer(Tp), Torbjorn Sunde(Tb), Morten Halle(As), Tore Brunborg(Ts), Arne Frang(Ts), Audun Kleive(Ds), Jon Christensen(Ds, Per), Finn Sletten(Per), Miki N'Doye(Per) - 1. Stealing Space 1 2. Stealing Space 2 3. Stop 4. Blic 5. Constructing Stop 6. The Laws Of Freedom 7. Disappear Here 8. Nord 9. Circling The Square 10. The Art Of Being

ヨン・バルケが全曲作曲。彼のピアノのフレーズも魅力的。室内楽的に聴こえる曲もあれば、パーカッションが強力な曲もあり、無国籍的で ミステリアス。ピアノでメロディが静かに、その後にパーカッションやホーンが加わり、淡々と進む1-2曲目、速いテンポのパーカッションとホーンのリズムのキメ、そして冷淡なピアノ・ソロが印象的な3曲目、パーカッションの上をピアノ、ホーンが低い温度感で歩んでいく4曲目、ちょっとミステリアスなサウンドで静かなバラードの5曲目、静かなピアノのソロが冷たい感触の6曲目、リズミカルな曲にトロンボーンが舞う7曲目、やはり浮遊感のあるテーマとリズミカルな曲の対比の8曲目、ゆったりしたホーンの眠そうなフレーズから盛り上がる9曲目、優しいミュートのトランペットが奏でる10曲目。

2006/05/28

Star/Jan Garbarek/Miroslav Vitous/Peter Erskine

1444 奇しくもヤン・ガルバレクの参加作が2作近くで続くことになってしまいましたが、こちらは民族色はなく、しかもメンバーがスゴい。何気なく寄り添って三人が勝手に音を発しているのだけれど、それがまとまったサウンドになって私たちの耳に送り届けられるような雰囲気があります。いわゆる4ビートジャズではないけれど、それでもかまわない人ならば、聴いてみても損はないアルバムだと思います。ECMのこのあたりのアルバムって、まだ手持ちのCDの枚数が少なかった時代に買っているので、けっこう繰り返し聴いています。だから内容を覚えていて、そういうことも可能なんです。

 

Star/Jan Garbarek(Ss, Ts)/Miroslav Vitous(B)/Peter Erskine(Ds)(ECM 1444) - Recorded January 1991. - 1. Star 2. Jumper 3. Lamenting 4. Anthem 5. Roses For You 6. Clouds In The Mountain 7. Snowman 8. The Music Of My People

7曲目がフリー・インプロヴィゼーションで、他の曲は3人それぞれの曲。うち、ミロスラフ・ヴィトウス作が4曲(2-3、5-6曲目)。サックストリオの演奏といっても、このメンバーでは単なるトリオの演奏にとどまりません。ヤン・ガルバレク作の牧歌的な哀愁を持つゆったりしたタイトル曲の1曲目、4ビートっぽいですが、全員がソロをとっているような不思議なサウンドの2曲目、まったりと全員が寄り添って語り合うような3曲目、ゆったりと素朴なメロディが舞う中、自由にリズムが動く4曲目、淡々とそれぞれがフレーズを出していながらまとまりのある5曲目、スピーディーなフレーズだけれど妙な安心感のあるサウンドの6曲目、フリーでも感触は他の曲と変わらない安定感のある7曲目、リズミカルなビートでソロの集合体の8曲目。

2006/05/27

Ragas And Sagas/Ustad Fateh Ali Khan & Jan Garbarek

1442 ヤン・ガルバレクがでてきましたが、またインド音楽との異種格闘技戦というか、新たなる融合というか。彼がいなければ、完全にあっち側の民族音楽の世界ですが、サックスでやたら迎合するわけでもないのですが、彼のサウンドを曲げずに寄り添う姿勢を見せていて、それで不思議なサウンド空間が出来上がったという感じです。この時期、ECMではこういうアルバムもあまり珍しくはなくなってきていますけれど、彼のサックスの存在感はやっぱりスゴいな、と思います。フツーのジャズをやっているわけではなく、その音を発するだけで彼の音だと分かりますものね。

 

Ragas And Sagas/Ustad Fateh Ali Khan(Voice) & Jan Garbarek(Ss, Ts)(ECM 1442) - Recorded May 1990. Ustad Shaukat Hussain(Tabla), Ustad Nazim Ali Khan(Sarangi), Deepika Thathaal(Voice), Manu Katche(Ds) - 1. Raga 1 2. Saga 3. Raga 2 4. Raga 3 5. Raga 4

ヤン・ガルバレクの、南アジアを代表するミュージシャンとの共演。というより、ウスタッド・アリ・カーンの曲が4曲(1、3-5曲目)を占めていて、また曲がインド音楽(タイトルにはMusicians From Pakistanと書いてある)なので、北インド音楽(伝統的なそれとは違うのかも)のようなアルバムになって、立場は逆かも。2曲目のみヤン・ガルバレク作曲、マヌ・カッチェ参加。かの地の深いマイナー系のメロディが繰り返され、ゆったりと時が過ぎていく1曲目、エキゾチックながらもリズミカルで少し洋楽寄りのサウンドを持つ2曲目、うねるような民族的なメロディでせまってくる懐かしく、またリズムも出てくる3曲目、変幻自在なパーカッションの上をマイペースで歌っていく4曲目、さらにエキゾチックな色の度合いを濃くする民族的な5曲目。

2006/05/26

The Cure/Keith Jarrett Trio

1440 以前にスタンダーズの紙ジャケットが出たときに、アルバムコメントの手直しをまとめてやってしまっていたのですが、紙ジャケットで出ているのは、いわゆるLP時代のもの。このアルバムになると1枚で77分収録なので、完全にCD時代の作品ということになります。だからこのトリオのアルバムをコメントを手直ししつつ聴くのはずいぶん久しぶりになります。でも、他のECM作品と比べて、スタンダードやジャズメン・オリジナルで固められているので、聴くのが楽しい、ということはあると思います。ピアノも、バップの手法によらず、心の底から自然発生的にメロディが出てくるようなフレーズは、独特でもあるし、印象深いものです。やっぱり、このトリオは別格。

 

The Cure/Keith Jarrett Trio(P)(ECM 1440) - Recorded April 21, 1990. Gary Peacock(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. Bemsha Swing 2. Old Folks 3. Woody'n You 4. Blame It On My Youth 5. Golden Earrings 6. Body And Soul 7. The Cure 8. Things Ain't What They Used To Be

邦題「ボディ・アンド・ソウル」。ニューヨークのタウン・ホールでのライヴ。7曲目のみキース・ジャレットの作曲で、77分8曲のスタンダードやジャズメンオリジナル。セロニアス・モンク作をピアノではじまり雰囲気を出しつつ独自のトリオ・サウンドで魅了する1曲目、夢見心地でロディアスなバラードから、中盤ミディアムでやや盛り上がる2曲目、アップテンポでバップとは一味違うピアノのソロで盛り上げる3曲目、優しいバラードできれいなメロディを聴かせる4曲目、親しみやすい哀愁あふれるメロディでせまる5曲目、クラシック的にピアノがはじまりしっとりとしたバラードからミディアムの13分もの6曲目、マイナーの一発ものだけれど印象深いタイトル曲の7曲目、デューク・エリントン作をスローなブルースのように料理する8曲目。

2006/05/25

Jimmy Giuffre 3, 1961

1438 ECMでは他レーベルなどの過去の音源を買い取って自分のところで発表したアルバムがいくつかありますが、この時期にまさかジミー・ジュフリーのVerve音源が2枚組で再発などとは思ってもいませんでした。でも、曲を聴くと納得と思えるようなサウンドです。’61年のジャズとはとても思えないような(逆に言えば当時こんなアルバムが売れたのかと心配するような)内容です。2枚組で20曲あるため、1枚のアルバムコメントの長さを決めている私としては、1曲ごとの内容に踏み込めないのが少々残念ですが、2枚目の方がよりフリーに、急速調の曲も増えている感じではありました。’90年代に出しても違和感のない音。でも、やっぱりマニアックかな、とは思います。

 

Jimmy Giuffre 3, 1961(ECM 1438/39) - Disc1 "Fusion" - Recorded March 3, 1961. Jimmy Giuffre(Cl), Paul Bley(P), Steve Swallow(B) - 1. Jesus Maria 2. Emphasis 3. In The Mornings Out There 4. Scootin' About 5. Cry, Want 6. Brief Hesitation 7. Venture 8. Afternoon 9. Trudgin' Disc2 "Thesis" - Recorded April 8, 1961. Jimmy Giuffre(Cl), Paul Bley(P), Steve Swallow(B) - 1. Ictus 2. Carla 3. Sonic 4. Whirrr 5. That's True, That's True 6. Goodbye 7. Flight 8. The Gamut 9. Me Too 10. Temporarily 11. Herb & Ictus

もともとヴァーヴで発表されていた2枚のアルバムの権利をECMが買い取って、リミックスしたもの。演奏はとても’61年の録音とは思えないもので、音質もECMらし くクリアです。ジミー・ジュフリーの作曲が大半ですが、その中にカーラ・ブレイの作品がやや目立つ感じ。メンバーも強力だし、未発表曲も4曲あったというおまけ付き。ややゆったりした感じの曲調で、4ビートになっていないところもあったり、バップ的ではない緊張感のあるフレーズが続いている感じ。2枚目の方が急速調の曲がややあります。全20曲という曲数は、クールな感じながらけっこうお腹いっぱいになります。それにしてもクラリネットはメロディを吹いているのに、音色は温かくてもやっぱり冷たいフレーズの感触。この外れ具合がECMにフィットしてます。

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