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カテゴリー「ECM1051-1100番」の46件の記事

2019/10/05

Azimuth/John Taylor/Norma Winstone/Kenny Wheeler

1099 ECMでこの番号(1099)では未CD化で、1546-48という、割と早い時期に3枚組としてCD発売されたアルバム。今聴くと、3枚とも似通った印象なので、その再発当時にまとめてしまえ、とマンフレート・アイヒャーが思ったのかどうかは知りません。楽器の編成からか、盛り上がる場面では3人で一緒にということが多いけれど、静かな場面では1人か2人での演奏の場面も目立っています。私の語彙力の不足で、アルバムコメントも単調なものになってしまった可能性もありますけど、こういうサウンドも好きなんだけど、ちょっと地味かなという印象もあったりします。でもこのくらいの方がECMらしくていいのかもしれません。

 

Azimuth/John Taylor(P, Synth)/Norma Winstone(Voice)/Kenny Wheeler(Tp, Flh)(ECM 1099)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded March 1977. - 1. Siren's Song 2. O 3. Azimuth 4. The Tunnel 5. Greek Triangle 6. Jakob

(19/09/25)グループの1枚目。全曲ジョン・テイラー作曲、歌詞入りはノーマ・ウィンストン作詞。変わった3人編成が、研ぎ澄まされたメロディアスなサウンドを生み出して、浮遊感を伴った清涼感とでもいうような雰囲気。3拍子の中をたゆたうように流れていく1曲目、消え入りそうな静かなピアノではじまヴォイス、そしてトランペットで中盤盛り上がるドラマチックな2曲目。アルバムそしてグループ名のタイトル曲の3曲目が、反復するシンセサイザーのバッキングの中をフレーズが舞う内省的な12分台の曲。ピアノと主にシンセサイザーをバックにヴォイス、トランペットが絡むバラードの4曲目、トランペットのみの多重録音の小品の5曲目、ピアノが語りかけるようにドラマチックにせまり、他の2人も徐々に盛り上がっていく6曲目。

(注)CDではECM 1546-48で再発
(注’24年2月25日)このアルバム単独でストリーミングにあるのを発見。

2019/10/04

Polarization/Julian Priester And Marine Intrusion

1098 ECMの未CD化盤をストリーミングで。このアルバム、クレジットされたメンバーが全曲に出ているわけではないんですが(特にギターなどは限定的)、いちおう表記に従って、ということにしておきます。どの曲に何の楽器が参加していたというメモを残さなかったのもありますけど。このアルバムもファンク的な部分はありますが、総じてECMサウンド的なアルバムではあります。ジュリアン・プリ―スターは器用な人で、フリーの方からこっちの方までいろいろできる人。このアルバムにもいろいろな要素が入っています。少し地味な印象もあったりしますけど、こういうアルバムこそ聴いてみたかったもののひとつですね。

 

Polarization/Julian Priester(Tb, String Ensemble) And Marine Intrusion(ECM 1098)(ストリーミング配信) - Recorded January 1977. Ron Stallings(Ts, Ss), Ray Obiedo(G), Curtis Clark(P), Heshima Mark Williams(B), Augusta Lee Collins(Ds) - 1. Polarization 2. Rhythm Magnet 3. Wind Dolphin 4. Coincidence 5. Scorpio Blue 6. Anatomy Of Longing

(19/09/25)1-2曲目がJulian Priesterの作曲で、Ray Obiedo作が4曲目、Curtis Clark作が5-6曲目、3曲目がBruce Horiuchiという人の作曲。複数のホーンで静かにはじまる、少し短めのタイトル曲の1曲目、続くように徐々に他の楽器も入りつつ、ベースはエレクトリックで、静かなファンクとでもいうのか、少し不思議なサウンドでベースが細かいビートを刻みながらホーンを含めて進み、ドラム・ソロで終わる2曲目、ホーンのハーモニーがゆったりと入り込み、割とのんびりと立ち止まったりしながら中盤フリー・ジャズに曲が進む3曲目、ECMらしいしっとりと静かなバラードの4曲目、ブルースというよりノリの良いファンクで後半一部フリーになる5曲目、トロンボーンのソロからピアノ他が加わる味わいのあるバラードの6曲目。

2019/10/03

Motility/Steve Kuhn And Ecstasy

1094 ECMの未CD化盤聴き。今日も別番号でCDBOXになったものを、改めて1枚のアルバムとして、コメントし直す作業です。このアルバムもスティーヴ・キューンらしくて好きな1枚なのですが、音的に出るところは出るし、4ビートもあったりけっこううるさい場面もあるので、それが遅れた原因かなとも思います。それにしても耽美的できれいなピアノの部分は、聴いていてホーッとなってしまいますね。それでもCDBOXが出たのももう10年以上前の’08年。その時に、こういう部分もコメント化していけばよかったかなあと、今さらながら思っています。まあ、今回出たことで、その楽しみがいっぺんに来たというのもありますけれども。

 

Motility/Steve Kuhn(P) And Ecstasy(ECM 1094)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded January 1977. Steve Slagle(Ss, As, Fl), Hervie Swartz(B), Michael Smith(Ds) - 1. The Rain Forest 2. Oceans In The Sky 3. Catherine 4. Bittersweet Passages 5. Deep Tango 6. Motility/The Child Is Gone 7. A Dance For One 8. Places I've Never Been

(19/09/24)3、8曲目がハーヴィー・シュワルツの作曲で、他は全曲スティーヴ・キューンの作曲。ドラマチックで美しいピアノではじまる叙情的で風景的なバラードの1曲目、その叙情的でうねるピアノの出だしで、ロック基調にもなって盛り上がる耽美的な2曲目、サックスのメロディが印象的な、やや明るめのバラードの3曲目、ピアノの出だしから、ドラマチックな展開で盛り上がっていく、フリーっぽくもなるスリリングな4曲目、タイトル通り、今っぽいタンゴでゆったりと流れていく5曲目、フリーっぽい出だしとテーマのユニゾンからアップテンポの4ビート、そのままフリーとガンガン攻めて、急にゆったりしたジャズロックに転換する6曲目、明るいジャズロック的なソロ・ピアノの7曲目、ラテンのリズムで明るく勢いのある8曲目。

(Life's Backward Glances - Solo And Quartet/Steve Kuhn(ECM 2090-92)で再発 ’08年) 初CD化

2019/10/02

Shimri/Arild Andersen

1082 ECMの未CD化盤聴き、今回はCDBOXで別番号になって発売されたもの(アリルド・アンデルセンの前のアルバムと同様)で、ストリーミングからではなくてCDから聴いてコメントを書いたものです。このアルバム、完全にECMという感じで、なぜCD化が遅れたのか分かりません。もうビートはテンポがないかバラードの部分が多く、スピリチュアルではあるけれども空間もある程度ある感じですし。まあ、BOX化されて’10年にはCDにはなってはいますけれども。できれば単体でCD発売されているのを聴いてみたいところ。とは言うもののCD音源にはなっているので、まあ、それを聴ければ文句はないかとは思いますけれども。

 

Shimri/Arild Andersen(B)(ECM 1082)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded October 1976. Juhani Aaltonen(Ts, Ss, Fl, Per), Lars Jansson(P), Pal Thowsen(Ds, Per) - 1. Shimri 2. No Tears 3. Ways Of Days 4. Wood Song 5. Vaggvisa For Hanna 6. Dedication

(19/09/24)5曲目がLars Jansson作曲で、4曲目が4人のインプロヴィゼーション、他の曲は全曲アリルド・アンデルセンの作曲。2人前作とはメンバーが替わっています。いかにも北欧ジャズらしい、美しいメロディと静けさが印象的でテンポがあまりないようなタイトル曲の1曲目、浮遊感のあるテーマのメロディやピアノのフレーズが乾いていて、スピリチュアルな感じもあるバラードから中盤8ビートでテンポが良くなるドラマチックな2曲目、少し陰影のあるフルートからはじまり、比較的静かにゆったりと進行する3曲目、空間を漂うような間が多い4曲目、自由に吹きまくるフルートとピアノのややメランコリックな対比がいい5曲目、スピリチュアルなサウンドの出だしから哀愁のあるバラードへ、中盤サックスが盛り上がる6曲目。

(注)Green In Blue/Arild Andersen(B) Early Quartets(ECM 2143-45)の3枚組BOXとして’10年に再発。初CD化

2019/10/01

Untitled/Jack DeJohnette’s Directions

1074 ECM未CD化盤のストリーミング聴きが続きます。このアルバム、ジャック・ディジョネットの知名度とか、参加メンバーのことを考えると、なぜ今まで未CD化だったのか分からないアルバムでもあります。これを発売せずして何としよう、っていう感じですね。インプロヴィゼーションも多めだけど、このぐらいだとこのレーベルでは珍しいことではないし。当時から変拍子の得意なドラマーではありました。拍子を取ろうとしてカウントできない(昔は割と出来た方なんですけど)ので、自然に聴こえていれば、まあ、何拍子かまではいいかなあ、と思うようになりました。ディレクションズの1枚目のアルバムなので、聴く価値はあると思います。

 

Untitled/Jack DeJohnette’s Directions(Ds, Ts on 4)(ECM 1074)(ストリーミング配信) - Recorded Fenruary 1976. John Abercrombie(G), Alex Foster(Ts, Ss), Mike Richmond(B), Warren Bernhardt(P, Key, Clavinet, Cowbell) - 1. Flying Spirits 2. Panasori Visions 3. Fantastic 4. The Vikings Are Coming 5. Struttin 6. Morning Star 7. Malibu Reggae

(19/09/23)6曲目のみウォーレン・バーンハートの作曲で、ジャック・ディジョネット作が1、4、7曲目、他の曲は彼と出演者の共作のインプロヴィゼーション。ディレクションズというグループ名。8分の6拍子のようで変拍子のリズムでドラムスを中心にサックスやキーボードなどがスピリチュアルに絡んでいく13分台の1曲目、ギターとドラムスで東洋の?民族音楽的に曲がエキゾチックに展開する2曲目、バーンハート以外の参加でエレキベースとビートの効いたフリーファンク的なインプロヴィゼーションの3曲目、ディジョネットがサックスを吹く明るいバラードの4曲目、ドラムス、ギター、サックスの丁々発止のフリーの5曲目、メロディアスなんだけどテーマ部その他が変拍子っぽい6曲目、中間部はレゲエポップのような7曲目。

2019/09/29

Clouds In My Head/Arild Andersen

1059 ECMの未CD化とはいっても、このアルバムのように別番号でBOX化されてCD化されているものもあります。そういう時は今までBOXの方でまとめてコメントを書いていたのですけど、そうすると3枚組でも同じ長さのコメントなので、中身をあまり書いてないんですね。そういうわけで、今回旧作がまとめてストリーミング配信で聴けるようになったので、こちらの方もLP時代の番号のところにアルバムコメントの手をつけたいと思います。でもそうすると今回ECMだけで40枚超えてしまうんですけれども。このアルバムもそういういきさつになったのは、ズバリ、8曲目がアップテンポの4ビートで、マンフレート・アイヒャーの意に沿わなかった、という可能性はあるのかもしれないですね。

 

Clouds In My Head/Arild Andersen(B)(ECM 1059)(この番号では未CD化、別番号でCDBOX発売) - Recorded February 1975. Jon Balke(P), Knut Riisnaes(Ts, Ss, Fl), Pal Thowsen(Ds) - 1. 305W18St 2. Last Song 3. Outhouse 4. Song For A Sad Day 5. Clouds In My Head 6. Cycles 7. Siv 8. The Sword Under His Wings

(19/09/23)全曲アリルド・アンデルセンの作曲。比較的初期のECMらしいジャズ。北欧らしいメロディと8ビートの組み合わせが興味深い1曲目、哀愁も漂うけどフリーっぽいゆったりした語り合いの2曲目、メカニカルな速いユニゾンのテーマの後に4ビート気味のアップテンポの応酬がなかなか面白い3曲目、ゆったりしたベース・ソロのからスローで哀しみのあるバラードを展開する4曲目、やはり朗々としたサックスが印象的なバラードのタイトル曲の5曲目、非4ビート系のドラムスが効いていて、ベースのフレーズのアクセントでピアノが思い切りメカニカルに奏でたり、個性的な6曲目、フルートがエキゾチックな表情でせまるバラードの7曲目、密度よりもユニゾンが濃く、後半アップテンポの4ビートでガンガン攻める8曲目。

(注)Green In Blue/Arild Andersen(B) Early Quartets(ECM 2143-45)の3枚組BOXとして’10年に再発。初CD化

2019/09/28

Vanessa/Michael Naura

1053 ECM未CD化作ストリーミング聴き5日目(以後多くなりそうなので、何日目かは書きません)。このアルバム、一度は国内盤で数年前にCD化される予定だったのが中止になってしまっています。理由は、おそらくだけど、このアルバムのうち何曲かはファンクの要素がけっこう強く、かなり賑やかなところもあったりするので、マンフレート・アイヒャーが許可を出さなかったんじゃないかな、なんて勘ぐってしまいます。アルバムとしては、別に内容的に問題があるわけではないし、積極的に聴きたかった種類のサウンドなので、今回日の目を見て良かったと思います。今回数枚を除き、ほとんど聴けるようになったのは、毎日のように書いてますが、やはりうれしいですね。

 

Vanessa/Michael Naura(P)(ECM 1053)(ストリーミング配信) - Recorded September 1974. Walfgang Schluter(Vib, Marimba, Per), Eberhard Weber(B), Joe Nay(Ds), Klaus Thunemann(Bassoon) - 1. Salvatore 2. Hills 3. Baboon 4. Vanessa 5. Listen To Me 6. Black Pigeon

(19/09/23)全曲Michael Nauraの作曲か共作。変わった楽器の取り合わせだけど、エヴァ―ハルト・ウェーバーの個性的なベースと合わせて、不思議なサウンドを奏でています。幻想的にエキゾチックなサウンドではじまって中盤ファンク的な16ビートとベースも一部メロディ楽器として動いているような感じで進んでいく1曲目、ドラムスの激しいビートに乗っかって、リードベース的に突き進んでいくような2曲目、バスーンのテーマからベース(4ビート的?)に引き継いでアップテンポになりゆったりバスーンに戻る3曲目、ヴァイブラフォン主体のしっとり感の高いバラードの4曲目、静かにはじまったと思ったら、ミディアムのファンクビートになって、カッチリ進む5曲目やはり出だしはゆったりだけど、中盤16ビートで進んでいく6曲目。

2012/12/27

Hymns/Spheres/Keith Jarrett

1086 以前半分以下の曲数でCD化されましたが、ECMでの完全版としてやっと今回CD化されました。未CD化のものは別にすると、今までCD化の際にカットされた曲があるアルバムは、BOXセットでかなり再現されたので、あとはキース・ジャレットの「Concerts」(ECM 1227-29)がLP時代はミュンヘン(2枚)とブレゲンツ(1枚)だったのが、CDではミュンヘンが全部カットされてブレゲンツ1枚だけで発売されたのぐらいかな。この完全版のCD復刻には、今回のオルガン・アルバムのセールスいかんにかかってくると思うので、できるだけ買って下さい(笑)。とは言うもののパイプオルガンなので聴く人を選ぶかも。ただ、やはりカットされない完全版で聴くと、全体の印象は変わります。ちなみにこのアルバムの装丁は横長の紙ジャケでした。

 

Hymns/Spheres/Keith Jarrett(Org)(ECM 1086/87)(輸入盤) - Recorded September 1976. - 1. Hymn of Remembrance 2. Spheres (1st Movement) 3. Spheres (2nd Movement) 4. Spheres (3rd Movement) 5. Spheres (4th Movement) 6. Spheres (5th Movement) 7. Spheres (6th Movement) 8. Spheres (7th Movement) 9. Spheres (8th Movement) 10. Spheres (9th Movement) 11. Hymn of Release

(12/12/27)キース・ジャレットのパイプ・オルガン曲集で、CD2枚組。音の変化を聴くような流れるような曲もあるし、クラシック調の1曲目もあるし、と記譜されたものがあるのかどうかは不明。実はCDはECM 1302で上記のセレクションとして’85年に発売されたもののカットされた曲が多かったでした。ある修道院にある18世紀製作のバロック・オルガンを使用とのこと。ピアノのインプロヴィゼーションをオルガンに置き換えて、その響きをコントロールしているのは画期的かも。音の厚みが持続していき、そこに非常にゆったりとしたドラマが生まれてきます。ジャンルとしてはクラシックや現代音楽に近いものを感じますが、それもフリー・インプロヴィゼーションで、進んでいく物語に荘厳な、あるいは神聖なものを感じます。かなりゆったり。

(注)’85年に発売されたECM 1302の収録曲は以下の通り。Spheres/Keith Jarrett(Org)(ECM 1302) - Recorded September 1976. - 1. Spheres(1st Movement) 2. Spheres(4th Movement) 3. Spheres(7th Movement) 4. Spheres(9th Movement)

2005/08/27

Sun Bear Concerts/Keith Jarrett

1100

キース・ジャレットのLP10枚組が出た時、私はレコード店でそれを見て、当然私は高校生だったので、誰が買うんだこれ、と思た強烈な記憶が残ってます。まだECMも知らなかった時期です。それがCD時代になって6枚組になった時、ついに買ってしまいましたが。いい演奏が多いのですが、いかんせん長い。そういうことであまりかけなかったアルバムでもありました。でも、’23年になって、SACDでタワー限定で発売になって、それも買ってしまったのですね。1回はかけたかな。長いのがネックで、ストリーミングでもかけ始めて最後までたどり着いたことがありません。それでも、いい演奏には違いないんですけど。

 

Sun Bear Concerts/Keith Jarrett(P)(ECM 1100) - Disc1 Kyoto November 5, 1976. 1. Part 1 2. Part 2 Disc2 Osaka November 8, 1976. 1. Part 1 2. Part 2 Disc3 Nagoya November 12, 1976. 1. Part 2 2. Part 2 Disc4 Tokyo November 14, 1976. 1. Part 1 2. Part 2 Disc5 Sapporo November 18, 1976. 1. Part 1 2. Part 2 Disc6 1. Encore From Sapporo 2. Encore From Tokyo 3. Encore From Nagoya

キース・ジャレットの日本公演でのライヴ。LP時代は10枚組、CDでも6枚組、しかもソロピアノによる完全即興演奏という前代未聞のアルバム。ここでは5会場での演奏が収録されていますが、好不調の波があるライヴという状況で、会場ごとに全然違う内容の演奏が残されていて、そのどれもが一定水準以上の素晴らしい演奏というのが驚きです。場面によって、静寂、優しさ、きらめき、哀しみ、情熱などが、次から次へと彼の手からメロディに変換されて紡ぎ出されていきます。それにしても表情が豊か。1-5枚目までは各会場での演奏で、それぞれ70分台の長尺もの。6枚目はアンコールをまとめたもので4-10分台の短めの曲。1枚だけ取り出して聴いても良いですが、1回は全部通して聴きたいアルバム。

(注)国内盤SACD発売済み(タワレコ限定ハイブリッド)

2005/08/26

Water Colors/Pat Metheny

1097

パット・メセニーのECM第2作。実は1枚目のインパクトがけっこう強かったので、2枚目もその方面かな、と思っていたら、けっこう静かないわゆるECM路線だったので戸惑った記憶があります。それでも聴き込むうちに、こういう静けさが割と前面に出てくるアルバムもいいなあ、と思うようになりました。まあ、アルバムとしては賑やかな曲もあるんですけれどもね。いろいろな要素を取り込んではいますが、ドラムスにダン・ゴットリーブが参加しているあたり、その後のパット・メセニー・グループを予感させるものもあります。結局、ECMで8作全部出てから、どれも好きになってしまいましたけど。

 

Water Colors/Pat Metheny(G)(ECM 1097) - Recorded February 1977. Lyle Mays(P), Eberhard Weber(B), Dan Gottlieb(Ds) - 1. Watercolors 2. Icefire 3. Oasis 4. Lakes 5. River Quay 6. Suite: 1 Florida Greeing Song 2 Legend Of The Fountain 7. Sea Song

全曲パット・メセニーのオリジナルで、様々なサウンドが混在するアルバム。1曲目はノリが良く、初期のパット・メセニー・グループのようなサウンドでせまってきます。サウンドの色彩も豊かで、まさに水彩画的。ギター1本(15弦ハープギター?)でその冷めた幻想的な世界を表現している2曲目、しっとりと視覚的にせまってきて不思議な静寂を示すサウンドの3曲目、リズミカルでテンポ良く陽気に聴かせてくれる4曲目、やはりメロディアスにポップな雰囲気が伝わってくる5曲目、ドラムスとのダイナミックかつ繊細なデュオを展開する6曲目のパート1、ソロギターで美しく表現している同パート2、静かで表情の豊かな海をサウンドで視覚的に表現している、叙情的で時間が過ぎ去っていくような10分台の7曲目。(02年9月19日発売)

 

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