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カテゴリー「ECM1001-1050番」の46件の記事

2019/09/27

Improvisations For Cello And Guitar/David Holland/Derek Bailey

1013 ECMの未CD化盤聴き4日目。今日のアルバムは、なんて言っていいか分からないのですが、デレク・ベイリーのファンなら分かるでしょうけど、そうでない人にはアルバム1枚聴き通すのが大変なアルバムっていうことになるのかもしれません。いわゆる非イディオム系で、メロディがほとんど存在せずに、ただ音(しかも楽器本来の音は少ない)のみが出てくる、というものです。デイヴ・ホランドのこういう演奏は珍しいと思うのですけど、2人とも同化したようにベイリーの方に合わせている感じです。これはCD化されなかったのも分かるような気がします。私は割とこっち方面も好きなことは好きなんですけど。けっこう危険なアルバムかも。

 

Improvisations For Cello And Guitar/David Holland(Cello)/Derek Bailey(G)(ECM 1013)(ストリーミング配信) - Recorded January 1971. - 1. Improvised Piece III 2. Improvised Piece IV 3. Improvised Piece V

(19/09/22)全曲2人のフリー・インプロヴィゼーションのライヴ。チェロとギターによる演奏だけれども、完全な非イディオム系で、メロディが存在しません。鳥の声のような音、ミュートしたような弦の鳴り、時折聴こえる楽器本来の音が、交互にひたすら音のやり取りだけが続く、かなり聴く人を選ぶアルバム。そこにドラマがあるのかを見つけるよりは音自体として認識。そこを忍耐強く聴いていくと、新しい地平が開けるような感じ。デイヴ・ホランドの方が、デレク・ベイリーのいつもの演奏方法に合わせているのだけど、両者がうまく融合していて、果たしてどちらの音か、と考えながら聴くのも面白い(?)。静かなやり取りが続くので、これまたECMとしては方針が合っている。おそらくECMのジャズの中でもかなり難物だと思います。

2019/09/26

Girl From Martinique/Robin Kenyatta

1008 ECMの未CD化盤聴き3日目。こうやって追いかけてみると、なぜこのアルバムがCD化されて、このアルバムが未CD化なのか、ECMに関しては分からない場合も多いです。でもやっぱりなるほどなあ、と思うことも。このアルバムについては、ECMということになると、CD化されてもいいんじゃないかなあ、とも思いますけど、やはりいったん作ってしまって売れないと、赤字になってしまいますからね。そういう意味では分かるような気がします。やはりこのあたりの時代のECMは欧州フリーが基調で、これもそこからはみ出さないという意味では、貴重だと思います。ただ、今しばらくレーベルの試行錯誤は続いていますので、初期のアルバムもいくつかは再発されなかったのも、むべなるかな、といったところ。

 

Girl From Martinique/Robin Kenyatta(Fl, As, Per)(ECM 1008)(ストリーミング配信) - Recorded October 30, 1970. Wolfgang Dauner(Clavinet, P), Arild Andersen(B), Fred Braceful(Ds) - 1. Girl From Martinique 2. Blues For Your Mana 3. Thank You Jesus 4. We'll Be So Happy

(19/09/22)全曲Robin Kenyattaの作曲。欧州フリー的なサウンドで、電気楽器も聴こえつつ、フリージャズ、ブルースなどを演奏しています。「イパネマの娘」をもじったのではないとは思いますが、ある意味東洋的な感じもするような間を活かした静かで自由なバックで、幻想的なフルートを吹いて不思議なサウンドを醸し出しつつ後半は8ビートになる1曲目、ブルースというよりはロック的な8ビートサウンドでせまってきて、サックスも映えて、このサウンドの当時の新しさを物語っている2曲目、サックスと後半フルートを吹き、静かな演奏のバラードが心なしか敬虔な雰囲気もあって、ゆったりと進んでいって後半はビートも出てきて賑やかになる3曲目、やや時代を感じさせる音ですが、4曲の中で一番ポップな感じのある4曲目。

2019/09/25

Output/Wolfgang Dauner

1006 ECMレーベルのストリーミング配信聴き2日目。簡単にストリーミングでECM廃盤が聴けるようになって、感謝です。まだ数枚、ストリーミング化されていないものもありますが、それも本編ではわずか。JAPOレーベルも13枚同じように聴けるようになったので、そのうち聴いてみたいと思います。さて、今日はウォルフガング・ダウナーのアルバム。’60年代半ばから、フリーとかアヴァンギャルドの方に向かったようで、このアルバムも電子楽器で割とフリーなところも聴かせてくれます。さすがにこういう内容だとCD化されなかったのも分かるような気もしますけど(ジャケ写もECMらしからぬ)、個人的には割と好きな方向性。改めてこういう音楽か、というのがレーベルの時系列的に見えてきました。

 

Output/Wolfgang Dauner(P. Ringmodulator, Hohner Electra-clavinet)(ECM 1006)(ストリーミング配信) - Recorded September 15 and October 1, 1970. Fred Braceful(Per, Voice), Eberhard Weber(B, Cello, G) - 1. Mudations 2. Output 3. Bruch 4. Nothing To Declare 5. Abraxas 6. Brazing The High Sky Full

(19/09/22)全曲ウォルフガング・ダウナーの作曲ないしは共作。1曲目から落ち着いてはいるんだけど、電子楽器の絡んだある程度前衛的なサウンドでゆったりと進んでいきます。ベースもエバーハルト・ウェーバーで、ここではアルコ奏法ながら、個性的な味を見せてくれます。そこに時折り絡むヴォイス。ドラムスが入って、フリー的な電子音も加えながら、アヴァンギャルド的に進んでいくタイトル曲の2曲目、スペースの多い静かなやり取りが徐々にフリーで盛り上がる3曲目、ジャズロック的な8ビートで、少し時代を感じさせる音とノリの4曲目、エキゾチックなフレーズと何やら素朴なビートが絡んで、不思議な異国情緒的なものを味わいつつ進んでいく5曲目、ドラムスが淡々と進む中で、他の楽器が絡んでいく趣向の6曲目。

2019/09/24

Just Music

1002 10022 今までCD媒体だけでブログのコメントアップをしていたのですが、先日、ECMは未CD化アルバムのほとんどをストリーミング配信で公開しました。それでもなかなか重い腰を上げられないでいたら、つい1週間ほど前かな(9月17日らしい)、Amazon Music HDで、非圧縮やハイレゾのストリーミング配信がはじまり、急きょネットワークプレイヤーを購入して聴いてみました。そうしたら、少なくとも未CD化アルバム等新しく加えたものは、ハイレゾの配信になっていたんですよね。ここはCDのみという方針を変えても、聴いて記録を残しておいた方がいいかなと。以前だったらLPを探して買い集めて、という時間もコストもかかる方法しかなかったので、便利になったのを機会に聴いていこうと思います。なお、各曲の作曲者名等の情報はストリーミングには掲載ないので「ECM Catalog」(’10年 河出書房新社)を参考にさせていただいてます。このアルバムもネットで検索すると「Alfred Harth率いるJust Music」とか、いろいろ出てきますが、あまり予備知識なく聴いていきたいと思ってます。右側のジャケ写は初期にごく少量流通したものだそうです。

(追記)他にもECMのCD黎明期のアルバムのうちいくらかは、リマスターされてハイレゾ配信がされているそうです。ただ、それを楽に探せる方法がないのが、少々面倒ですね。

 

Just Music(ECM 1002)(ストリーミング配信) - Recorded December 13, 1969. Alfred Harth(Ts, Cl, Bcl, Tp), Dieter Herrmann(Tb), Johanes Kramer(G), Franz Volhard(Cello), Thomas Stoward(Cello, Fl), Peter Stock(B), Thomas Cremer(Per, Cl) - 1. Stock-Vol-Hard 2+1 2. Jaust A Moment 2+2

(19/09/21)両方の曲ともにJust Music名義なので、フリー・インプロヴィゼーションかと思われます。ちょうどLP時代のA面1曲、B面1曲という収録でしょう。演奏を続けて録音して、タイトルは後からつけた感じもします。あまりドシャメシャなフリーではなく、静寂からはじまって、徐々にゆったりと盛り上がりつつ、それぞれの楽器が音を出して混沌とした世界に引き込んでいくイメージ。盛り上がったかと思うと静寂が再び訪れたりと、ある意味楽器の音と非イディオム系のインプロヴィゼーションと混ざった独特な音世界。ホーンの叫びというか咆哮もあって、なかなかにハードな世界を作り出しています。音の波やパルスなどの出るところ、引くところが絶妙で、静かな場面が目立ちます。2曲目の方が音的には賑やかになってます。

2014/01/28

Seven Songs For Quartet And Chamber Orchestra/Gary Burton

1040
ECMレーベルで初CD化旧譜作品が5枚届きました。ECMとしても初CD化を一度に5枚、というのは近年例がなかったことではないでしょうか。しかも、今だと誰も知らないミュージシャンならまだしも、名前の知れたミュージシャンばかりだし、内容的にも、なぜ今までLP以来廃盤だったのか分からないものばかり。皆さんもジャンジャン初CD化作品を買って、ECMが今後も初CD化作品を出すように仕向けて下さい(笑)。さて、今日のアルバム、ECMではオーケストラを使うことは初めてではないにしても、ジャズのメンバーとオーケストラをこういう風に組み合わせるのは当時でも異例ではなかったかと思います。ジャズ色はかなり薄いですが、なかなかドラマチックなサウンドです。


Seven Songs For Quartet And Chamber Orchestra/Gary Burton(Vib)(ECM 1040)(輸入盤) - Recorded December 1973. Michael Goodrick(G), Steve Swallow(B), Ted Seibes(Ds), Member Of The NDR-Symphony Orchestra, Michael Gibbs(Cond) - 1. Nocturne Vulgaire/Arise, Her Eyes 2. Throbs 3. By Way Of A Preface 4. Phases 5. The Rain Before It Falls 6. Three

(14/01/27)サブタイトルに「Musci By Michael Gibbs」。1曲目後半以外がマイケル・ギブス作、1曲目後半はスティーヴ・スワロウ作。オーケストラとの共演で、1曲目は特にオーケストラ色のみから徐々にヴァイブラフォンが静かに入っていき、1台での演奏になり、再び静かなバンド含め、交じり合う構成。ゆったりとした牧歌的8ビートでメロディアスに進行していき、バンド色も強めな2曲目、激しいオーケストレーションからはじまり、現代クラシックにヴァイブラフォン駆け巡る、プラスバンド感覚の3曲目、オーケストラのあと、ゆっくりとエレキ・ベースのメロディがたゆたい、再び盛り上がる4曲目、しっとりとしたバラードから少しエキゾチック、そしてビート感と進む5曲目、やや哀愁のあるエレキ・ベース他の楽器のソロが印象的な6曲目。

2007/09/30

The Jewel In The Lotus/Bennie Maupin

1043 今月紹介するECMの未CD化作品の再発2枚目。このアルバムはECMでは唯一ハービー・ハンコックが参加していて、その露出度もややあり、時にスゲー、というフレーズも垣間見えるのですが、キーワードは「流れていくような4ビートではないサウンド」なので、ハンコックを期待して買った人には少々肩透かしだったかもしれません。メンバーも、これだけ揃っていたらもっと発散する、それこそカッコ良いジャズができるのに、と思います。でも、この録音がECM流なんですね。ただ、ECM初期としては違和感なく聴けるこのアルバム、何で今まで廃盤になっていたのか、よく分かりません。そのメンバーのせいでしょうか。

 

The Jewel In The Lotus/Bennie Maupin(Reeds, Voice, Glockenspiel)(ECM 1043)(輸入盤) - Recorded March 1974. Herbie Hancock(P, Key), Buester Williams(B), Frederick Waits(Ds, Marimba), Billy Hart(Ds), Bill Summers(Per), Charles Sullivan(Tp) -1. Ensenada 2. Mappo 3. Excursion 4. Past + Present = Future 5. The Jewel In The Lotus 6. Winds Of Change 7. Song For Tracie Dixon Summers 8. Past Is Past

(07/09/29)全曲Bennie Maupinの作曲。ここにはオーソドックスな4ビートは出てこず、あくまでもECM流。ハービー・ハンコックの存在感がある曲も。流れていくリズムの上を、漂っていくメロディがもっとゆったりと流れていく1曲目、濃いアフリカン・ビートで自由なスペースの中をソロ楽器が自由に泳いでいく2曲目、ドローンのようなサウンドの中を呪文のようなものが漂っていき後半やや盛り上がる神秘的な3曲目、静かに寒色系で流れていくテンポのない4曲目、静かな場面から朗々としたサックスやエレキピアノなどを通して、あくまでもゆったりと進んでいく5曲目、ホーンを中心とした静かな小品の6曲目、ベース・ソロから、極めてスペイシーでゆったりした動きの7曲目、ホーンとピアノを中心に語り合うバラードでの8曲目。

 

2005/09/06

Love, Love/Julian Priester Pepo Mtoto

1044 最近、廃盤だったものがリイシューで初CD化された作品がありますので、順番が前後しますが紹介します。

ECMレーベルは以前は廃盤になかなかならなかったのですが、どうもCD化の時にある程度の枚数がCD化されなくて、そこで廃盤になってしまったものがあります。ECMは聴きはじめるとどうせなら全部聴いてみたい、と思う人が多いのですが、私のようにLP(アナログ)のプレイヤーがないと、CD化されていなければ聴くことができません。今回初めてCD化されたジュリアン・プリースターのこのアルバム、’70年代前半のジャズシーンをけっこう引きずっていて、エネルギーがあるというかけっこううるさく(笑)、いわゆるECM色が希薄です。そういった意味で今までCD化されていなかったのかもしれませんけど、やっぱり聴いてみて良かったと思います。ただ、やっぱり聴く人を選ぶだろうなあ、とは思いますが。

この際だから、限定プレスでもいいから、未CD化作品を全部出して欲しいと思うのは私だけではないはず。

 

Love, Love/Julian Priester(Btb, Ttb, Atb, Baritone Horn, Post Horn, Whistle Fl, Per, Synth) Pepo Mtoto(ECM 1044)(輸入盤) - Recorded June 28 and September 13, 1973. Pat Glesson(Synth, Sequencer), Hadley Caliman(Fl, Ss, Ts, Bcl), Bayete Umbra Zindiko(Key, P, Clavinet), Nyimbo Henry Franklin(B), Ndugu Leon Chancler(Ds), Mguanda David Johnson(Fl, Ss), Kamau Eric Gravatt(Ds, Congas), Ron McClure(B), Bill Connors(G) - 1. Prologue Love, Love 2. Images Eternal Worlds Epilogue

(05/08/30)Julian Priesterの作曲で、1曲目と2曲目は録音日や参加メンバーが違っています。やや静かなフリージャズともとれるプロローグの後に、エレキベースを強調した1発モノの当時流行ったようなファンクビート(7拍子半を含む)が延々と続く曲。ECMらしからぬ感じがやっと初CD化された原因かも。このあたりマイルスのエレクトリック・ファンクの影響が強いのかと思いますが、シンセサイザーを含むソロの楽器がけっこう視覚的に聴かせます。2曲目では出だしは軽めなビートになってクロス・オーヴァーっぽいテーマですが、中間部ではシンセまじりのフリー・ジャズ色もかなり強くなって、自由な世界を展開。その後アップテンポになってラテンのような激しいリズム、ラストでアンサンブルでエピローグの収束に向かいます。

 

2005/07/20

Belonging/Keith Jarrett

1050

これは、あまり付け加えて言うこともないほどの有名盤ですね。ヤン・ガルバレクの前回作のボボ・ステンソンをキース・ジャレットに入れ替えたバンドと言ってもいいのかもしれないですが、そこでこれだけサウンドが違ってくるというのは、なかなかなものがありますね。8ビート的な曲が多くても、まさに「ヨーロピアン・クァルテット」という言葉がふさわしいのではないかなあと。そのうちに「アメリカン・クァルテット」も2枚、ECMから出すことになるので、キースに対するこのレーベルの吸引力というのはすごいものだなあと思います。ここまででもキースのアルバム、何枚も出てきましたし。

 

Belonging/Keith Jarrett(P)(ECM 1050) - Recorded April 24 and 25, 1974. Jan Garbarek(Ts, Ss), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Spiral Dance 2. Blossom 3. 'Long As You Know You're Living Yours 4. Belonging 5. The Windup 6. Solstice

キース・ジャレットのヨーロピアン・クァルテット第一弾。オーソドックスな編成でも、フォーク調か流れていくような感じの曲が多いです。ただし、アメリカン・クァルテットと違って重さはあまりない感じ。全曲キース・ジャレットのオリジナルで柔軟な展開。8ビート調でビートが効いていてテーマもカッコ良い1曲目、叙情的で優しく、そしてじっくりと聴かせてくれる12分台の2曲目、フォーク調でネアカな8ビート、中途はサックスでちょっとエキゾチックに攻めてくる3曲目、しっとりとした、印象的なメロディのタイトル曲で小品の4曲目、ゴキゲンで柔軟なテーマやアドリブ部を持っていて、フリーとまではいかないけれど軽妙な5曲目、やや寒色系で耽美的な世界が広がっていく、ゆったりとして後半でやや盛り上がる13分台の6曲目。(02年9月19日発売)

 

2005/07/19

Luminessence/Keith Jarrett

1049

キース・ジャレットのクラシック作の2作目が早くも登場。そして、サックスにヤン・ガルバレクで、これまたオーケストラの演奏です。ECMとしてはある程度売れてきて、大編成の演奏もできるようになった時期ですね。ただ、今に至ってもクラシックや現代音楽を聴いた枚数というのは数百枚程度なので、こういうオリジナル作品の評価というのは難しいです。「陰影があるようですが、素直といえば素直かも」という当時の感想を書いてありますが。こういう感じ方でも良ければ、その通りなんだと思います。クラシック作品は、ジャズ系統に比べると、初回勝負度が高いので、第一印象がそのままずっと残るということはあります。

 

Luminessence/Keith Jarrett(Comp)(ECM 1049)(輸入盤) - Recorded April 29 and 20, 1974. Jan Garbarek(Sax), Mladen Gutesha(Cond), Strings Of Sudfunk Symphony Orchestra, Stuttgart - 1. Numinor 2. Windsong 3. Luminessence

(01/08/14)オーケストラとサックスの演奏。ECM New Seriesができる前の、クラシック/現代音楽的アルバム。比較的厳かな曲の中を、寄り添うようにヤン・ガルバレクのサックスがメロディを奏でていきます。決められたメロディもあるのでしょうが、主にインプロヴィゼーションで吹いているように思えます。落ち着いていながらも、今に比べてサックスの音色はシャープな感じ。当時のキース・ジャレットの曲も陰影があるようですが、素直といえば素直かも。1、2曲目が時間軸方向に広がる陰影型なのに対して、3曲目はオーケストラのメロディがはっきりしていてある程度ドラマチックなタイプの曲。それでもやっぱりメインはヤン・ガルバレク。部分的に、オーケストラをバックに吹きまくる場面もあります。

 

2005/07/18

Tribute/Paul Motian

1048

ポール・モチアンのECMリーダー作2作目。やはり彼の作曲の曲が多いです。比較的静かなドラムスの曲が多いせいか、ECMという音世界にはマッチしたと思えるサウンドです。チャーリー・ヘイデン以外はあまり聞いたことのないミュージシャンですが、彼は若い人を育てるのもうまいので、これはこれで、メンバー的にいいのだろうと思います。個性的なヘイデンと、ギターのサム・ブラウンに少し引きずられている感じもあると書いてますけど、それもメンバーの組み合わせの妙なので、これはこれでいいのではないでしょうか。演奏も味があるし、やっぱり彼の曲(ヘイデンの曲もいいけど)が目立ってますね。

 

Tribute/Paul Motian(Ds)(ECM 1048)(輸入盤) - Recorded May 1974. Carlos Ward(As), Sam Brown(G), Paul Metzke(G), Charlie Haden(B) - 1. Victoria 2. Tuesday Ends Saturday 3. War Orphans 4. Sod House 5. Song For Che

(99/02/10)全5曲中3曲がポール・モチアンのオリジナル。1曲目は彼の作曲ながら、やや静かでかなり哀愁を帯びた世界が展開しています。チャーリー・ヘイデンとサム・ブラウンの個性に引きずられているのかも。当然ベースはぴったりのサウンド。他の曲でも、2人のギタリストがけっこう個性的でおもしろいかも。あおりたてるベースとドラムスの上を漂いながら徐々にフレーズを構築していくギターの2曲目、オーネット・コールマン作の、やや混沌としたまとまりをみせながら進んでいく3曲目、テーマで泣きのサックスが入っている比較的静かな、途中やや盛り上がる4曲目、哀愁たっぷり路線の、チャーリー・ヘイデン作の有名な5曲目。やはりギターとベースがカギになっていて、しっとり感が漂います。

(注)Paul Motian(Ds, Per)(ECM2260-65)で6枚組BOXとして、’13年に再発。

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