Poetic Motion/Marc Copland
マーク・コープランドはこの時期いろいろなレーベルからアルバムを出してますが、これはスケッチレーベルからのソロ・ピアノのアルバム。澤野工房で出してくれたので見つけやすかったです。このレーベルからはもう1枚あるようですが。どこのレーベルからでも彼の綾織系とでもいうのか、独特な和音を使いつつ、深淵の世界に引きこまれるようなピアノは健在です。しかもソロなので、それを十分に楽しめます。また、この時期は収録時間が60分前後のアルバムも多いですね。オリジナルばかりですけど、彼の音世界を好きな人にはたまらない1枚となるのではないでしょうか。なかなか味のある1枚になっています。
Poetic Motion/Marc Copland(P)(Sketch) - Recorded October 24 and 25, 2001. - 1. Second Sight 2. Blackboard 3. Not Going Gently 4. Nevertheless 5. Spartacus Love Theme 6. When We Met 7. Bittersweet Road 8. Dark Territory 9. Naima
ソロ・ピアノのアルバムで、全9曲中7曲が彼のオリジナル。やや寒色系の色調で、憂いをおびていて繊細、なおかつあまり甘口になっていません。ある程度盛り上がる部分はあっても決して爆発することなく、バランスのとれた演奏。ビル・エヴァンスの演奏で有名な5曲目の「スパルタカス~愛のテーマ」もかなり繊細ながら彼独特の間と色合いでゆったりと進んでいきます。9曲目の「ネイマ」も静かにしっとりと、これまたゆったりと歌い上げていきます。とは言うものの、聴いていて他のオリジナルと違和感はなく、はじめから終わりまで一貫したソロ・ピアノでの叙事詩を聴いているような感じも。万人向けではないかもしれませんが、こういう叙情的な世界があっても良いのでは。 絵画的な世界を見ることができます。(02年3月10日発売)
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