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カテゴリー「ジャズ」の1000件の記事

2021/12/09

Brilliant Corners/Bennie Wallace With Yosuke Yamashita

Benniebrill 日本制作による、変わった顔合わせのベニー・ウォレス盤。ベニーのオリジナルも1、5曲目にありますけど、割合は減って、セロニアス・モンクはじめジャズメン・オリジナルやスタンダードなどが入ってます。しかし、相手が山下洋輔ですし、もう個性と個性のぶつかり合いになっていて面白い、収録時間は61分と、CD時代だから長めになります。ベースとドラムスは割とオーソドックスなので、サックスとピアノが余計に目立ってますね。ピアノも調性は合っているような、もっと自由に弾くぞ、俺は、的なところもあって、なかなかにスリリング。実際フリー的なフレーズに走っているところもありますしね。日本ならではの制作だとこうなります。

 

Brilliant Corners/Bennie Wallace(Ts) With Yosuke Yamashita(P)(Denon) - Recorded September 7and 8, 1986. Jay Anderson(B), Jeff Hirshfield(Ds) - 1. Blues Yamashita 2. My Ideal 3. It Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing 4. Rhythm-a-ning 5. Another Beauty 6. Brilliant Corners 7. Light Blue 8. Night In Tunisia 9. P.S. I Love You

邦題「P.S.アイ・ラヴ・ユー」。ベニー・ウォレスと山下洋輔。これぞ個性と個性のぶつかり合い、という感じのアルバム。ブルースの1曲目からゴリゴリの格闘技の様相を呈していて、聴くのに体力がいります。一転して2曲目は個性的ながらも泣かせるバラード。3曲目はデュオながらスゴい迫力で格闘しています。このアルバムにはモンクの曲が3曲入っていますが、その4、6-7曲目は、彼ら流モンクの表現に拍手喝采といったところ。メロディアスでもフリーっぽくもある不思議な雰囲気の5曲目、テーマでサックスのボキャッという唸りで目が覚め、一気に9分を突っ走ります。9曲目はピアノとのデュオで、この2人でいかに歌心あふれる演奏ができたかを証明した曲。素晴らしいし、意外。逆にドラムとベースが少々平凡な印象も。

2021/12/07

Twilight Time/Benny Wallace

Bennietwilight またベニー・ウォレスのアルバムに戻ります。このアルバムともう1枚、ブルーノートからアルバムを出すようになります。エンヤの前作から引き継いでいるメンバーもあるとはいえ、曲ごとにメンバーも替わり、そのメンバーもけっこう豪華なことになってます。ただし、肝心のベニーは相変わらずマイペースな演奏に終始していますけど。それでもそれを取り囲むメンバーによって、アルバムから受ける印象はだいぶ違うものになりますね。物量作戦ともいえるのですけど、その後にまたエンヤに戻っていくのは、やはりあまりセールスがうまくいかなかったのか、どうか。まあ、これはこれで面白いアルバムなのですけど。収録時間は47分。

 

Twilight Time/Benny Wallace(Ts)(Blue Note) - Released 1986. Ray Anderson(Tb), Bob Cranshaw(B), Jack DeJohnette(Ds), Dr. John(P, Organ), Rabbit Edmonds(Sax), Eddie Gomez(B), Chris Parker(Ds), Bernard Purdie(Ds), John Scofield(G), Stevie Ray Vaughn(G) - 1. All Night Dance 2. Is It True What They Say About Dixie? 3. Sainte Fragile 4. Tennessee Waltz 5. Fresh Out 6. Willie Mae 7. Trouble In Mind 8. Saint Expedito 9. Twilight Time

ごついテキサス出身のニュー・オリンズ・テナー・サウンドのジャズとでも言うのでしょうか。渋さと土臭さ(失礼!)が入り混じったような感じで、これはこれで面白いものがあります。1曲目と7曲目はスティーヴィー・レイ・ボーンのギターが入っていて、こちらもなかなかグッときます。ジャズというよりはブルースか。2曲目もけっこう明るい。ブラス中心のニュー・オリンズ・ジャズ(ちょっと違いますが)を思わせる3、8曲目、やはり大らかな4曲目、音が飛びまくるテーマでノリの良い5曲目、やはりこれもブルースと言うべきかと思う6曲目。そして泣かせるタイトル曲の9曲目。2-6、8-9曲目にエディ・ゴメスが、2、4-5曲目にジャック・ディジョネットが、ジョン・スコフィールドが4-6、8-9曲目に参加 しています。

2021/12/01

Sweeping Through The City/Bennie Wallace

Benniethewing ベニー・ウォレスはこのアルバムを出した後、しばらくEnjaレーベルを離れます。また戻ってくることにはなるのですが。今回のアルバムもEnjaらしいといえば、らしい顔ぶれで、なかなかゴキゲンにはなるのですが、あくまでもこういうサウンドが好きな個人的な感想ということで。個性的というか変態的なサウンドを持つミュージシャンが3人もいるのですから、たまりません。比較的大人数になっても、やはり面白さは出てますね。ここまでEnjaから立て続けにアルバムが出たのも、彼の人気度がうかがえます。国内盤として出たのは彼の前期においてはあまりなかったですけれどもね。こういうアルバムも、けっこう好きだなあ。

 

Sweeping Through The City/Bennie Wallace(Ts)(Enja)(輸入盤) - Recorded March 1984. John Scofield(G), Ray Anderson(Tb), Mike Richmond(B), Dennis Irwin(B on 7), Tom Whakey(Ds), The Wings Of Song(on 3, 7) - Pat Conley(Vo), Marybelle Porter(Vo), Cora Hill(Vo), Frances Kenkins(Vo, Per) - 1. Eight Page Bible 2. On Radio 5 3. Trouble And Woe 4. Some Might Think We Are Dancing 5. Refrain 6. The Bread Man 7. Sweeping Through The City

(01/04/01)珍しく比較的大きい編成での演奏ですが、それでもクインテット。3、7曲目にはゴスペル調のヴォーカル・グループも参加していて、この2曲はモロにゴスペルのヴォーカル曲という感じです。これはこれで楽しいかもしれませんが。1曲目はゆったりとして時々立ち止まるような感じの曲。複雑なテーマがどことなくユーモラスな2曲目、ニューオリンズ的なゴチャゴチャしたサウンドが何だか楽しげな4曲目、ゆったりとしているバラードのわりに混沌としている5曲目、けっこうぶっ飛んだ曲調の6曲目。それにしても、レイ・アンダーソンやジョン・スコフィールドって、ベニー・ウォレスのサウンドにけっこうマッチしていますね。何たって、3人ともかなり個性的なフレーズを奏でているのですから。 ここが決め手か。

2021/11/30

Big Jim's Tango/Bennie Wallace

Benniebigjim ベニー・ウォレスお得意のピアノレス・トリオでの演奏ですが、メンバーをここで大きく変えてます。それでも有名なメンバーで録音できるのは、やっぱり実力があるからなんだろうなあ、と思います。エディ・ゴメスとダニー・リッチモンドとのトリオとは印象がけっこう違いますけど、やっぱり彼は(特に初期の頃は)トリオでの演奏がいちばん向いているなあ、と思わせる演奏でした。収録時間は42分。2曲目がスタンダードの他は、全部ベニーのオリジナルなのも、彼らしいところ。時代を経るにしたがって、まるくなっていきますけど、それでもブラインドでベニーの音だと分かる人はけっこういるような感じです。

 

Big Jim's Tango/Bennie Wallace(Ts)(Enja) - Recorded November 30 and December 1, 1982. Dave Holland(B), Elvin Jones(Ds) - 1. Big Jim's Tango 2. My Heart Bolongs To Daddy 3. Green & Yellow 4. Monroe County Moon 5. The Free Will

ベニー・ウォレスのオリジナルは全5曲中4曲もあります。ドラムとベースが何とも変わった取り合わせの、しかも強力な2人。ピアノレス・トリオで音が寂しくないのはサックスも強力な証拠 です。1曲目からいきなり哀愁の漂うタンゴでせまります。このメンバーで、ただのタンゴでないのがいい。2曲目はスタンダードを淡々としかも大らかに歌い上げています。3曲目は再演曲で、これも大らかなカリプソ、時々アグレッシヴという変化に富んだ曲。4曲目はブルース進行のスローなバラードでけっこう渋いですが、フレーズは相変わらずあちこち飛び回っています。5曲目も再演曲。やはりここでもテナーのフレーズが個性的で、デイヴ・ホランドのサポートもあって調性が分かりにくいスリルある面白さとなっています。

2021/11/29

Mystic Bridge/Bennie Wallace

Benniemystic 邦題ではなぜか「ベニー・ウォレス&チック・コリア」になっていて、しかも国内盤の発売としては、これがベニーにとって初でした。だからチックの名前で売ろうとしたのかな、と思います。チックのピアノも何となくですけど、セロニアス・モンク的な部分も見せたりして、面白い。彼らしい流ちょうなピアノの場面が多いですが。今ではアルバムコメントに一度名前を書くと、2度目以降は姓か名かのどちらかを使うようにしてますけど、コメント初期にはここのようにチック・コリアと3回も書いたりしていて、まだ形式的に定まってない部分もありました。ちなみに収録時間は最近書くようになって、このアルバムは47分。6曲目はCDのみの収録曲です(LP併売の時代には多かった)。

 

Mystic Bridge/Bennie Wallace(Ts)(Enja) - Recorded May 4 and 5, 1982. Chick Corea(P), Eddie Gomez(B), Dannie Richmond(Ds) - 1. The Bob Crosby Blues 2. Mystic Bridge 3. My One And Only Love 4. Foxtrot 5. 'Llowed/Head 6. Outline

個性派サックスを中心に、面白いメンバーのクァルテット。チック・コリアの影響か、全体的に硬質なサウンドになっています。ベニー・ウォレス作は全6曲中2曲。1曲目のテーマは音階が飛びまくるブルースで、サックスもピアノもゴリゴリくるフレーズが印象的。2曲目はチック・コリア作で8分の6拍子の美しく研ぎ澄まされた佳曲。フレーズのキメもいい。3曲目のスタンダードはピアノとのデュオで真剣勝負しかも歌心入り。これでもかとひっかかりまくるテーマの4曲目も、ソロも含めてここまでやってくれると小気味良い。短いバラードが一転、メドレーで続く急速調のスリルある演奏が迫力の5曲目。6曲目はチック・コリアの曲で、けっこうアグレッシヴに感じます。エディ・ゴメスのベースソロもかなりなもの。

2021/11/28

2021年の私的ジャズベスト3

Charlestone_20211125220901 Daveanother_20211125220801 2671_20211125220701 たぶん今までで一番風変わりな、毎年恒例の年間ベスト3です。昨年12月から今年11月までで選んでます。今年は上半期にいいのがあって迷い(ECMとかは1年を通して最後まで迷いました)、そして日本人のアルバムもいいのがあって迷い(上半期で次点で3枚選んでます)、なかなか決まらなかったのですが、結局上半期で選んだ2枚と、マーク・ジョンソン作のベース・ソロアルバムにしました。パット・メセニーの作曲家に専念したアルバムとか、上原ひろみの弦楽四重奏団とのアルバムなども気になっていたのですが、3枚となるとどうしても最大公約数的にはなってしまいます。しかも、ジャズの好みは十人十色で、ベスト3をやっても、あまり他の人と重なるところがないのが面白い。私も今回次点を含めて4ビートはほぼないし、今年は特殊だと思います。ベース関係が2枚になってしまったのは、自分がエレキ・ベースを趣味程度ですが弾くことと関係あるのかもしれません。つまらん、とか言われそう。なお、この5枚は偶然にも、Amazon Music HDのストリーミングで、全てハイレゾ(96k/24)で聴けます。

 

Tone Poem/Charles Lloyd(Ts, Afl) & The Marvels(Blue Note)(輸入盤) - Released 2021. Bill Frisell(G), Greg Leisz(Steel G), Reuben Rogers(B), Eric Harland(Ds) - 1. Peace 2. Ramblin' 3. Anthem 4. Dismal Swamp 5. Tone Poem 6. Monk's Mood 7. My Amor (Live) 8. Lady Gabor 9. Prayer

(21/03/30)チャールス・ロイド作は4-5、9曲目で、オーネット・コールマン作が1-2曲目、レナード・コーエン作が3曲目、セロニアス・モンク作が6曲目、ガボール・サボ作が8曲目など。収録時間は70分。Marvels名義では3作目なので、けっこう力を入れているグループ。やはりビル・フリゼールとGreg Leiszが全体に及ぼすサウンドの効果は大きく、彼らの名義にしてもおかしくないような影響力を持ってます。特に3曲目など。今回はカヴァー曲は多めですが、1-2、6曲目なども、彼らのオリジナルのような調子で演奏してます。4曲目のアルト・フルートもなかなか雰囲気がいい。タイトル曲の5曲目は出だしに自由なスペースがあって、本編はメロディアスな雰囲気。ロック的なビートに乗る8曲目はややアグレッシヴな感じ。

 

Another Land/Dave Holland(B), Kevin Eubanks(G) & Obed Calvaire(Ds)(Edition Records)(輸入盤) - Recorded September 11, 2019. - 1. Grave Walker 2. Another Land 3. Gentle Warrior 4. 20 20 5. Quiet Fire 6. Mashup 7. Passing Time 8. The Village 9. Bring It Back Home

(21/06/11)2、5、7、9曲目がデイヴ・ホランド作曲、1、4、6、8曲目がケヴィン・ユーバンクス作曲、3曲目がObed Calvaire作曲。収録時間は67分。ホランドは一部エレクトリック・ベース(1、6、8曲目)とアコースティック・ベースを使い分けて、ファンク的な曲が入っています。ギター・トリオというシンプルな編成でこれだけの時間聴かせるのはなかなか大変なのに、また録音でのエレキベースは最近ほとんどなかっただけに、やはりホランドは年齢の割になかなかトンガっているなあと。静かな曲もありますが、なかなか渋くて雰囲気が出ています。時間が長めなので、それぞれの演奏の間の空き方(同じフレーズの繰り返しとか)にも味が出ていることが分かります。熟練の2人と若手のドラマーとの渋いコラボレーションですね。

 

Overpass/Marc Johnson(B)(ECM 2671)(輸入盤) - Recorded January and February 2018. - 1. Freedom Jazz Dance 2. Nardis 3. Samurai Fly 4. Love Theme From Spartacus 5. Life Of Pai 6. And Strike Each Tuneful String 7. Yin And Yang 8. Whorled Whirled World

(21/08/28)1曲目がエディ・ハリス作、2曲目がマイルス・デイヴィス作、4曲目が映画音楽の他は、マーク・ジョンソンの作曲ないしは即興演奏。収録時間は43分で、アコースティック・ベースのソロになっています。プロデュースはマーク・ジョンソンとイリアーヌ・エライアス。1曲目はベースパートを奏でつつのそこにメロディのアドリブをはさんでいるので、ノリがあって退屈させない演奏になってます。他の曲でもその攻め方は実践しているようで。3曲目は音からすると多重録音のようですが。さすがやり手のベテラン・ベーシストという雰囲気の曲が続き、ECMにしては少し賑やかかな、という感じも、おそらく持ち込み音源だからなのかも。それでいて、ベース・ソロでの間というか、自然発生的にできてくる空間を大切にしています。

 

Ueharasilver_20211125221901 Patroadto_20211125221901 (次点2枚)
シルヴァー・ライニング・スイート/上原ひろみ(P) ザ・ピアノ・クインテット(Telarc)
Road To The Sun/Pat Metheny(Comp, 42 String G on 11)(Modern Recordings)

実は創りこみとかサウンドの点では、この次点の2作の方が圧倒的に高いのだけど、もっと気軽に聴けてしみこむものを、というのは年齢に関連するかもしれないなあ、と思ってみたりもします。

 

(追記11月30日)偶然ですが私のベスト3のうち2枚が1位と9位で、下記Webに掲載されてます。最近のアメリカの人気度かしら。

https://www.jazzwise.com/features/article/the-20-best-jazz-albums-of-2021

2021/11/27

アンダーグラウンド/フタリ

Futariunder 藤井郷子さんの同時発売の2枚目。これまた遠隔録音で、録音時期が離れていて、あとから重ねた曲も半分ほどあります。マリンバやヴァイブラフォンとピアノのデュオということで、なおかつ即興演奏というのは、同じスタジオではないとなおさら難しいと思うのですが、丁々発止というよりは静かな中での情景描写のような場面が多く、なおかつある部分ではドラマチックな進行もあるので、なるほど、こうきたか、と思わせるようなサウンドでした。ミニマルとかドローン的な部分もあって、聴いていて催眠状態に陥る(?)ようになりそうなことも。ぶーなすトラックの10曲目って、あえて書いてあるのは珍しいなと思いましたが藤井さんのヴォイスを思いっきり堪能できます。

 

アンダーグラウンド/フタリ(Libra Records)
Underground/Futari(Libra Records) - Recorded July 2018, July and August 2021. 齊藤易子(Marimba, Vib), 藤井郷子(P, Voice) - 1. Underground 2. Break In The Clouds 3. Meeresspiegel 4. Air 5. Frost Stirring 6. Memory Illusion 7. Finite Or Infinite 8. Asayake 9. Street Ramp 10. One Note Techno Punks(Bonus Track)

全曲2人のフリー・インプロヴィゼーション。収録時間は50分。収録方法は同時期の遠隔録音のものと、1-2、5-6、8曲目が’18年に齊藤が録音していたものに藤井がかぶせる、という手法。グループとしては2作目で、楽器の性格からか、静かな中にも情景が見えるような穏やかな展開の曲が多め。このアルバムもまるで同じ場所で録音したかのような一体感があります。硬質な中にも、あちこちにドラマがあって、ああ、こう来たか、という展開になります。特殊奏法もあるかな。3、5曲目のようにやや賑やかで重厚なピアノがかぶさるのもドラマチックで面白い。基本がフリーなだけに、抽象的なサウンドがメインになりますが、これらのやや硬質な世界に身を任せるのもいい。10曲目は珍しくヴォイスが入って活発な印象。(21年11月20日発売)

2021/11/26

モザイク/ディス・イズ・イット!

Thisismosa 藤井郷子さん関連の新譜が2枚届きましたので、先に聴きたいと思います。この時期出るアルバムはいずれもコロナ禍全盛期なので、遠い距離の場合、一緒にスタジオに集まって録音ができません。このアルバムも、神戸と埼玉の、それぞれ自宅での遠隔録音とのことでした。フリー・ジャズの場合、アイ・コンタクトなどが無ければ、なかなか一体感を出すのが難しかったと思いますが、ライナーによれば、音をよく聴いて、そして神経を集中させて録音に臨んだということでした。そしてこの試みが、また新たな音の出会いというか、サウンドを出していると思います。こういう時期でなければできなかった音が、このアルバムには込められています。グループ2枚目。

 

モザイク/ディス・イズ・イット!(Libra Records)
Mosaic/This Is It!(Libra Records) - Recorded June 2021. 田村夏樹(Tp), 藤井郷子(P), 井谷享志(Per, Ds) - 1. Habana's Dream 2. Dieser Zug 3. Kumazemi 4. Sleepless Night 5. 76 RH

全曲藤井郷子作曲。収録時間は54分。今回は藤井・田村と井谷にそれぞれ分かれ、遠隔で録音しなければならないということで、同一のスタジオのような、例えばアイコンタクトで合わせるということができなかったので、インプロヴィゼーションとしては難しかったと思います。双方自宅なので、ドラムス、パーカッションは控えめ。それでも1曲目のように、ピアノとトランペットが別の部分で演奏しているところにパーカッションが加わって見事なバランスで曲が成り立っていました。静かなヴァイブラフォンからはじまり徐々にやんわりと進んでいく14分台の2曲目もいい。逆境を超えて、更なるアイデアで攻めてくる3-4曲目もフリー好きはたまらない内容かも。温度感低めで印象的な叙情性と情念を併せ持つ5曲目で幕を閉じます。(21年11月20日発売)

2021/11/25

Bennie Wallace Plays Monk

Bennieplaysmo ベニー・ウォレスのアルバムを聴き直して、やぱりいいなあ、と思います。このアルバムはモンク集だし、ベニーもサックスでのモンク然としたところがあって、このアルバムでも基本的には、ピアノレス・トリオで2-3、7曲目にトロンボーンのジミー・ネッパーが加わります。それでなかなか雰囲気が出てしまうところがすごい。いつも書いているけど、フリーを吹いているように見えて、ちゃんと曲になり立ってしまうところが彼らしいところです。あと、どういうわけだか、ベースがエディ・ゴメスなことが多いのも特徴で、やはりこのくらいのテクニシャンでないとベニーにはついていけない、ということかな。

 

Bennie Wallace(Ts) Plays Monk(Enja)(輸入盤) - Recorded March 4 and 5, 1981. Jimmy Knepper(Tb on 2-3, 7), Eddie Gomez(B), Dannie Richmond(Ds) - 1. Skippy 2. Ask Me Now 3. Evidence 4. Round About Midnight 5. Straight No Chaser 6. Prelude 7. Ugly Beauty 8. Variation On A Theme(Tinkle Tinkle) 9. Round About Midnight(Alternate Take)

(01/01/16)6、8(これはインプロヴィゼーションのソロ)曲目を除いて、全てセロニアス・モンク集。ジミー・ネッパーは2-3、7曲目に参加。サックスを含め全体のサウンドでモンクらしさを表現している感じがあります。1曲目はいきなりサックスが全開で突っ走ります。サックスとトロンボーンの絡みを聴かせるスローな2曲目、モンクの曲らしいテーマの展開とスリルのあるアドリブの3曲目、アヴァンギャルドな出だしから哀愁のあるテーマに移り、その後もスペイシーな、有名な4曲目(9曲目はその別テイク)、とぼけた風味のあるテーマからウネウネサックスのアドリブに展開する5曲目、オリジナルでありながら他の曲と違和感のない小品の6曲目とサックス1本で勝負する8曲目、2管で味のある7曲目。

2021/11/24

This Earth!/Alfred Harth

1264 ECMの未CD化アルバムで、ストリーミング化されてないLPが届いたので、さっそく聴いてみました。ECMの場合、未CD化作品のストリーミング化で、え?こんなアルバムがストリーミング化されているのに、このアルバムがなぜないんだ、ということがあります。1250番台にかたまって本編では3枚ストリーミングではないものがあったので、’19年におそらく順番にやっていったけど、思ったほどアクセスがなかったのかどうか、その後は進展がないですね。幸いLPの再生環境が昨年春に整ったので、LPも購入しています。それでもチェックがもれていて、ちゃんとネットを見ていたら、あと2枚ぐらいは入手出来ていたかもなあ、ということがあります。このアルバムはメンバーもいいし、本当はCD化されていてもおかしくないアルバムです。特に参加のポール・ブレイ、好きだなあ。

 

This Earth!/Alfred Harth(Ts, As, Ss, Bcl)(ECM 1264)(LPのみ)(輸入盤) - Recorded May 1983. Paul Bley(P), Trilok Gurtu(Per). Maggie Nicols(Voice), Barre Phillips(B) - 1. Female Is The Sun 2. Relation To Light, Colour and Feeling 3. Studying walk, A Landscape 4. Body & Mentation 5. Energy: Blood/Air 6. Three Acts Of Recognition 7. Come Oekotopia 8. Waves Of Being 9. Transformate, Transcend Tones and Images

(21/11/23)6、7曲目を除きAlfred Harthの作曲で、6曲目はポール・ブレイとの、7曲目はパール・フィリップスとトリロク・グルトゥとのインプロヴィゼーション。メンバーがすごい。ヴォーカル入りの曲も多めで、不思議な世界へと導きます。1曲目から2曲目の流れはヴォーカル入りのバラードで、ある種の浮遊感が心なしか緊張感を与えてくれます。3曲目は少し跳ねるような8分の6拍子の世界で、やはり不思議感覚。幽玄な中を歩いていくような、ECM独特のサウンドが心地よい。内向的なヴォーカルとECMジャズのコラボの5曲目、静かなで見事なインプロヴィゼーションを構築する6曲目と盛り上がりのある7曲目、ヴォーカルのソロではじまりインストの4ビートもあるドラマチックな8曲目、組曲的にヴォーカルで締める9曲目。

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