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カテゴリー「ジャズ」の1000件の記事

2023/12/07

ア・ラブサム・シング/カート・ローゼンウィンケル、ジェリ・アレン

Gerialove 当初輸入盤で注文したけど、発売予定日に入荷日未定になっていて、輸入盤国内仕様の方が在庫ありだったので、注文替えをして、ようやく届きました。最近はストリーミングでも聴けるんだけど、気に入ったアルバムはCDで持っていたいというのはあります。カート・ローゼンウィンケルはだいぶ前にライヴを観に行っていて、その時にスタンダードオンパレードの演奏でしたが、けっこうメロディアスでうまく、ほれぼれした記憶があります。今回のジェリ・アレントのデュオも、録音が10年以上前ということでも、未発表演奏なので気になっていました。淡々とやり取りが交わされるようなイメージですが、繊細な部分がよく出ていて、なかなかいいアルバムだと思います。

 

ア・ラブサム・シング/カート・ローゼンウィンケル(G)、ジェリ・アレン(P)(Motema/Agate)
A Lovesome Thing/Kurt Rosenwinkel(G), Geri Allen(P)(Motema Agate) - Recorded September 2012. - 1. A Flower Is A Lovesome Thing 2. Embraceable You 3. Geri's Introductions 4. Simple #2 5. Ruby My Dear 6. Kurt's Introductions 7. Open-Handed Reach

ライブの演奏で、収録時間は53分。4曲目がカート・ローゼンウィンケル作で、7曲目がジェリ・アレン作、イントロダクションの他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。ピアノとギターとでかなり繊細なデュオの演奏が聴けます。さすがにこの2人の演奏という感じで、繊細さとメロディが浮き出るような美しさがあります。カートの演奏は、ライヴではスタンダードを演奏することが当時は多かったので、その表現力はさすがといわざるを得ません。ジェリの演奏も、そちらに振れているような弾き方で、それそれに速いフレーズが混ざりこむものの、やはり何度も言うように、美しさがあります。オリジナルも、4曲目は多少ダイナミクスは出るも、メロディ感があるワルツだし、7曲目は2人のやり取りが乾いた感じもする好演奏です。(23年11月24日発売)

2023/12/06

Most Peculiar/Lage Lund Quartet

1412 Criss Crossの新譜も今年はこれで終わりかな。1417まで先に出ていて、1412のこのアルバムが今になって出るのも、新生Criss Crossになってから順番通りでもなくなっているので、まあ、いいかと思います。同じメンバーでは2作目の録音で、以前より慣れてきて、さらに高度になっていてけっこういいところもあるんだけど、ちょっと頭でっかちに感じる部分もあります。彼らが進化したのか、私がついていけなくなったのか分かりませんが、本来こういう演奏、私は好きなんですけどね。メロディがいい曲も現代ジャズしているような感じが少々もったいないかなあ、なんてことも感じてしまうので、自分も歳はとりたくないなあ、と思ってもいるところです。

 

Most Peculiar/Lage Lund(G) Quartet(Criss Cross 1412)(輸入盤) - Recorded June 17, 2022. Sullivan Fortner(P), Matt Brewer(B), Tyshawn Sorey(Ds) - 1. Cigarettes 2. Trees 3. Circus Island 4. Warsaw 5. Elephants 6. Stone Age 7. Lost In Your Hometown 8. Antarctica 9. Bad Acrobat 10. Horses

(23/12/05)全曲Lage Lund作曲。収録時間は59分。メンバーとしても申し分ないし、ギターの魅力も十分。1曲目は何となくバラバラに聴こえるような気がするけど、変拍子ではないようだし、メンバーが自由に弾いているせいなのか。2曲目もその自由な雰囲気なんだけど、フリーまでは行かないサウンドが出てます。あまりストレートにいくことなく、ひねくれた現代ジャズという路線で曲が続いている感じ。Criss Crossとしてはけっこう実験的な印象だけど、周りを見渡すとけっこうこういう演奏は多い。それでもこのレーベルというと、この路線は、少し頭でっかちになるのかなという気も少々。それでいて、流れは現代ジャズで、そんなに極端にトンガっているという感じでもない。曲によって変拍子はあるようで、好みの問題かも。

2023/12/05

Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg/Jakob Bro/Marilyn Mazur

2812ECMの新譜2枚目で年内はこれで一段落だと思います。コロナ禍以降、ECM番号にけっこう空き番があって、それらは今後どうするのか分からないですが、その一方でこのように2800番台に突入しているのだから、相当数企画はあったのだと思います。今回の2枚は持ち込み音源のようで、マンフレート・アイヒャーも歳なので、持ち込み音源が増えてくるのかなあ、などと気にはしていますが。このアルバム、作曲の中心がヤコブ・ブロですし、好きなギタリストのひとり。静かなサウンドが持ち味ですけど3曲目は盛り上がりますねえ。こういう場面もあってこそのライヴだとは思いますが、緩急の緩を中心にワンポイントあるというのが、ECMらしくていいですね。

 

Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg(Tp, Flh)/Jakob Bro(G)/Marilyn Mazur(Per)(ECM 2812)(輸入盤) - Recorded February 2023. - 1. Gefion 2. Oktober 3. Returnings 4. Strands 5. Youth 6. Lyskaster

(23/12/04)収録時間は46分。5曲目がPalle Mikkelborg作、1-2、4、6曲目がJakob Bro作、3曲目が2人の共作。ライヴですが、ECMらしく静かであり朗々としたホーンのサウンドが効いている、落ち着いた曲がメインで続きます。1曲目はその静かなサウンドとメロディが印象的な曲。パーカッションも音数少なく、その静かな場に寄り添うような雰囲気で演奏します。2、4曲目はやや淡く、哀愁も伴っていますが、似たようなサウンドで進んでいきます。特に4曲目は12分。ブロの作品は全体的にそのような感じでもあります。それでも3曲目はけっこうな盛り上がりを見せ、ライヴでの華になっています。ホーンの響きがゆったりと他の楽器と絡みながら漂っていく5曲目、そしてそのまま続くように小品の6曲目で幕を閉じます。

2023/12/04

Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian

2788 ECMから新譜が2枚届いたので、聴いていきます。今日のはグルジェフ・アンサンブルで、民族楽器を使ったビッグ・バンドというのか、大編成の民族楽器のワールドミュージックというのか、以前よくあった西洋との折衷音楽ではなくて、完全に現地の音になっています。歌唱のあるものもあって、クラシック的な意識のサウンドはよく聞くと1曲目だけなんですね。それにしてもアルメニアの音楽はクセがけっこう強くて、もうアラビア音楽にかなり近いのではないかと思います。こういう作品が多少グループ名を変えながら3枚目というのも、ヨーロッパでの需要があるのでは、と思わせるところがあります。まあ、好きな人は好きでしょうね、と思いますが。

 

Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian(Artistic Director)(ECM 2788)(輸入盤) - Recorded December 2021. Vladimir Papikyan(Voice, Santur, Burvar, Tmbuk. Singing Bowls), Emmanuel Hovhannisyan(Dukduk, Pku), Meri Vardanyan(Kanon), Armen Ayvazyan(Kamancha, Cymbal), Gagik Hakobyan(Duduk), Norayr Gapoyan(Duduk, Bass Duduk, Pku), Avag Margaryan(Blul), Aram Nikoghosyan(Oud), Astgnik Snetsunts(Kanon), Davit Avagyan(Tar), Mesrop Khalatyan(Dap, Tmbuk, Bells, Triangle), Orestis Moustidis(Tombak), National Chamber Choir Of Armenia, Robert Mlkeyan(Director) - Georges I. Gurdjieff: 1. Pythia 2. No.10 3. Sayyid Chant And Dance No.41 4. Introduction And FUneral Ceremony 5. Oriental Dance Ashugh Jivami: 6. Kankaravor Enker Sayat-Nova 7. Dard Mi Ani Georges I. Gurdjieff: 8.Thirty Gestures 9. Prayer And Despair 10. Sayyid Chant And Dance No.42 Sayat-Nova 11. Ashkharhes Me Panjara e (The World Is A Windos) Georges I. Gurdjieff: 12. Trembling Dervish Baghdasar Dbir: 13. ZArtir Georges I. Gurdjieff: 14. The Great Prayer

(23/12/04)グルジェフ・アンサンブルの3枚目。収録時間は55分。グルジェフは19-20世紀のアルメニアの作曲家。ここでは民族楽器を用いて、クラシック的なサウンドも1曲目で少し意識していたと思ったら、その後は民族的なサウンドが前面に出てきます。グルジェフ以外にも、作曲家(吟遊詩人?)の名前が出ていて、歌唱もあってジャズではないんだけどECMでは割とある民族音楽の世界です。ECMではよくある折衷音楽ではなくて、いわゆる純粋種の民族音楽ととらえられますが、New Seriesにしていないのは、その民族的側面が強く出ているからかもしれません。Levon Eskenianのアレンジも3枚目。アレンジも、アラビア音楽にどちらかというと近い、というのはなじみが薄いだけに病みつきになりそうなサウンド。

2023/11/24

2023年私的ジャズベスト3

2796_20231123053901Chickthefuture_20231123054001Ueharasonicwon_20231123054001昨年の12月から今年の11月までに届いたアルバムからのベストです。今年は、なぜかベスト3を考えはじめると、すぐに3枚がパッと頭に浮かんできて、これで行こうということになりました。いつもの年なら、全部リストアップしていってから絞り込むんですけど。まあ、10枚選ぶのは大変ですが、3枚だと私の場合こうなるよね、という結果になってしまいました。個人的なものだから、まあ、いいかと。珍しく、上半期のベスト3ともかぶっていません。(注)月末近くにあと最大5枚届くはずだったのですが、結局12月に入ってからになりました。

 

Uncle John's Band/John Scofield(G)(ECM 2796/97)(輸入盤) - Recorded August 2022. Vicente Archer(B), Bill Stewart(Ds) - [CD1] 1. Mr. Tambourine Man 2. How Deep 3. TV Band 4. Back In Time 5. Budo 6. Nothing Is Forever 7. Old Man [CD2] 1. The Girlfriend Cord 2. Stairway To The Stars 3. Mo Green 4. Mask 5. Somewhere 6. Ray's Idea 7. Uncle John's Band

(23/11/05)CD2枚組。収録時間は90分。ジョン・スコフィールド作が[CD1]2-4、6曲目、[CD2]1、3-4曲目で、他はボブ・ディラン作、ニール・ヤング作やミュージカル、ジャズメン・オリジナル等、いろいろなところからの演奏。とは言うものの、出てくるフレーズはいつものジョン・スコ節で、全曲彼自身のオリジナルかのように、自由奔放に演奏を繰り広げているところがすっきりとしています。特にギター・トリオなので、ギター好きにはたまらない1枚なのでは。CD1枚ではおさまらなかったですが、これはあえてLP2枚分ということで焦点を定めているのかなと思います。ドラムスも相性のいいビル・スチュワートなので、なおのこと自由に3人の演奏をしているように聴こえます。ラストのタイトル曲はオリジナルではなかったです。

 

ザ・フューチャー・イズ・ナウ/チック・コリア(P、Synth)・エレクトリック・バンド(Candid)
The Future Is Now/The Chick Corea(P, Synth) Elektric Band(Candid) - Recorded 2016-2018. Eric Marienthal(Sax), John Patitucci(B), Frank Gambale(G), Dave Weckl(Ds) - 1. Changed Particles 2. Trance Dance 3. C.T.A. 4. Jocelyn - The Commander 5. Beneath The Mask 6. Ished 7. Alan Corday 8. Johnny's Landing 9. Got A Match

CD2枚組のライヴで収録時間は118分。3曲目がジミー・ヒース作のジャズメン・オリジナルの他は、チック・コリア作ないし共作。時々この、エレクトリック・バンドの創成期の頃のメンバーで復活ライヴをやっていたようだけど、ここまでまとまって音源があって、それをセレクトして発表できる分量があるとは思ってませんでした。ついたり離れたりしながらもう何十年も演奏をしている仲なので(しかも素晴らしいメンバー)、これは、論評抜きで素晴らしいといえます。チックの亡くなる前はこのアルバムの制作をしていたということなので、なおさら。再演曲がほとんどですが、ライヴならではの流れで、その時にしか味わえない演奏をしています。こういうカチッとした演奏を、最近の録音でじっくりと聴けるのは幸せだと思っています。(23年11月3日発売)

 

Sonicwonderland/上原ひろみ(P、Key) Hiromi's Sonicwonder(Telarc) - Recorded May 25-28, 2023. Hadrien Feraud(B), Gene Coye(Ds), Adam O'Farrill(Tp, w/pedals), Oli Rockberger(Vo on 6) - 1. Wanted 2. Sonicwonderland 33. Polaris 4. Go Go 5. Up 6. Reminiscence Feat. Oli Rockburger 7. Trial And Error 8. Utopia 9. Bonus Stage Bouns Track: 10. Reminiscence

全曲上原ひろみの作曲ないしは共作(6曲目)。収録時間は75分。このメンバーだとどんなにすごいことをやっているのだろうと思ったら(確かにすごいが)、1曲目は大人の味のあるフュージョンと言う感じで少々抑えた具合がカッコいい。もちろんピアノがはじけている部分もありますが。エレキ・ベースのアドリアン・フェローもテクを見せてくれますし。タイトル曲の2曲目は、ややアップテンポで、キーボードとベースのユニゾンがなかなかすごいことになっています。今回はトランペットも参加していて、ピアノがその分負担軽減になっているような気がします。時に鋭く盛り上がりつつ余裕を持った曲が多いのも、成熟してきた表れではないかと。6曲目のヴォーカル曲はポップス的。カチッとしているけど各演奏者の自由度も高め。(23年9月6日発売)

2023/11/23

Over Here/Jim Rotondi Quintet

1417 さて、今回届いたうちの最後のアルバムはCriss Crossレーベルから。このレーベル、もう1枚3日に発売になっているはずなんだけど、現地からの輸送の関係か、いつも遅れてまだ入荷してないようです。今日のアルバム基本的な印象はジャズの王道路線だけど、ダニー・グリセットと、特にリック・マギーツァが今のフレーズを吹く傾向が強く、そこが現代ジャズとの接点になるのかな、という気もしています。もちろん、リーダーのジム・ロトンディも両刀使い的な感じではあります。最後に近づくにつれて、現代ジャズ的なサウンドが強くなっていくという感じでしょうか。それでも、王道路線のイメージの方が勝っているかな、と感じましたけれども。

 

Over Here/Jim Rotondi(Tp, Flh) Quintet(Criss Cross 1417)(輸入盤) - Recorded May 10, 2023. Danny Grissett(P), Rick Margitza(Ts), Joshua Ginsburg(B), Vladimir Kostadinovic(Ds) - 1. I'll Be Seeing You 2. Pete's 32 3. I Concentrate On You 4. Jim's Blues 5. Moclieda 6. Voice 7. Leemo 8. Father John 9. Happy Feet

(23/11/23)1、3、5曲目がスタンダードなどで、4曲目がDanny Grissett作、8曲目がRick Margitza作、他は全曲Jim Rotondi作。収録時間は52分。1、3曲目も彼のアレンジと明記されていて、今聴ける、温かみのあるハード・バップ的なサウンドが全体を通して支配しています。それぞれのメンバーもテクニックもあって、派手さはないもののメロディアスで渋いジャズが展開しています。演奏曲は3-7分台とコンパクトにまとまっていますが、美味しいところをギュッと詰め込んだ感じ。サウンドは時々は今になるけど、こういう王道を行くようなジャズは久しく聴いてなかった気がする。非4ビートの曲もあるけど、オリジナルもスタンダードもシームレスにアルバムを安心して1枚楽しめるという点ではなかなかいいアルバムです。

2023/11/21

Call On The Old Wise/Nitai Hershkovits

2779 ECM新譜の到着2日目。Nitai HershkovitsのECM初リーダー作。彼はECM以外だとアヴィシャイ・コーエン(B)のバンドの録音もあり、ECMだとOded Tzurのアルバムに現時点で2枚参加しています。ECMでソロ・ピアノというと実力のあるプレイヤーが多いのですが、彼もさすがだなあ、と思います。音数は少なくはないけれど、聴いていて穏やかな雰囲気になる曲が多め。50分で18曲と、短めの曲が並んでいますけど、過不足のない表現の長さだと思います。聴き心地が良いので、つい流して聴いてしまいがちですが、なかなかいいと思います。意外にクラシックの素養が出ているなあ、という感じもありますね。

 

Call On The Old Wise/Nitai Hershkovits(P)(ECM 2779)(輸入盤) - Recorded June 2022. - 1. The Old Wise 2. Enough To Say I Will 3. Mode Antigona 4. Of Trust And Remorse 5. Intermezzo No.3 6. Majestic Steps Glow Far 7. Dream Your Dreams 8. Placid In Africansque 9. Mode Brilliante 10. Single Petal Of A Rose 11. A Rooftop Minuet 12. Late Blossom 13. Intermezzo No.4 14. In Satin 15. This You Mean To Me 16. Of Mentorship 17. For Suzan 18. River Wash Me

(23/11/21)7、10曲目以外はNitai Hershkovitsの作曲。ECMでは初リーダー作で、収録時間は50分。1分から4分ほどの短い曲が続きます。短い断片を膨らませて、あるいはインプロヴィゼーションを演奏しているようでいて、けっこうメロディアスで哀愁を保ちつつ、まるでクラシックや現代音楽のようなピアノに聴こえることもあり、その構築力は素晴らしいと思います。曲にもいろいろタイトルがついていて、その表情を変えつつ、物語が進んでいくような叙情的なピアノ。全体的には抑え気味ではあるけれども、ある程度音数もあって、ジャケット写真のように自然の風景を眺めているような印象の曲が多いです。イスラエル色は、聴いた限りではほとんどなくて、西欧的な要素が強め。それにしても引き出しの多さに感動します。

2023/11/17

Here Now/Soren Bebe Trio

Sorenherenow デンマークからのアルバムになります。ソレン・べべと呼ぶのかと思ったら、あるサイトではサン・ビービーとなってました。Oに/が付く綴りなので、読み方が難しい。でも、彼の名前は日本でも目にすることが多く、今回聴いてみて、けっこう好きな、繊細でメロディアスなヨーロッパ系のピアニストだということが分かりました。40分の収録時間というのはLPを意識してのことだと思いますが、昔はCDでも収録時間が長かったですけど、このくらいの音の旅をするのが、一番音楽にひたりやすい時間ではないかなと思います。ガンガン行くピアノも好きですが、この晩秋のシーズンには、こういう繊細なピアノがピッタリくると思います。もとより私はこっち系のピアノや、オリジナル系もけっこう好きですし。

 

Here Now/Soren Bebe(P) Trio(From Out Here Music)(輸入盤) - Recorded April 18 and 18, 2023. Kasper Tagel(B), Knut Finsrud(Ds) - 1. Here Now 2. Tangeri 3. Grateful 4. Winter 5. Misha 6. Be Well 7. Folksy (To Jan) 8. Day By Day 9. Summer 10. On And On

(23/11/17)全曲Soren Bebeの作曲で、収録時間は40分。ジャケット写真の淡い緑色で霞んでいるイメージの、繊細なピアノ・トリオ。1曲目のタイトル曲は静かに始まって、徐々に語りかけてくる叙情的なサウンド。2曲目は哀愁の漂うタンゴのメロディで、洗練された味わい。曲は10曲収録されてそれぞれ3-4分台で、語りたいことをその中で語りつくしてはいるものの、ごく自然に語り掛けてくる旋律が印象的。トリオが寄り添い、なおかつ儚げな美しい4曲目等、派手さこそないものの、印象的なメロディの曲が続きます。変拍子系の7曲目も面白い。4曲目の対極にある唯一明白なビート感のやや穏やかなジャズロックの9曲目。ベース・ソロが少し饒舌な10曲目で幕を閉じます。まさにデンマークのヨーロッパ的な叙情性。

2023/11/05

Uncle John's Band/John Scofield

2796 ECMの新譜を待っているのですが、このアルバム、待ちきれずにストリーミングで何度も聴いてしまったため、届く前のフライングでアップです。今回収録時間がCD2枚組にしては少々中途半端なんですが、もうLPが復権して来て、LP2枚分の分量とすれば納得のいく長さになります。曲順からしても最初からLPを意識しているんじゃないかなあ、と思います。内容は、好きなジョン・スコフィールドが、好きなECMレーベルで、しかもレーベルをあまり意識させない作りになっているので、自分の中では今年けっこう印象に残った1枚となります。これを10月発売直後にCD入手出来ていればなあ、と後悔しましたが、まとめて注文済みなので、止むを得ませんね。もう何回も聴いています。(追記)11月19日にCDが到着しました。

 

Uncle John's Band/John Scofield(G)(ECM 2796/97)(輸入盤) - Recorded August 2022. Vicente Archer(B), Bill Stewart(Ds) - [CD1] 1. Mr. Tambourine Man 2. How Deep 3. TV Band 4. Back In Time 5. Budo 6. Nothing Is Forever 7. Old Man [CD2] 1. The Girlfriend Cord 2. Stairway To The Stars 3. Mo Green 4. Mask 5. Somewhere 6. Ray's Idea 7. Uncle John's Band

(23/11/05)CD2枚組。収録時間は90分。ジョン・スコフィールド作が[CD1]2-4、6曲目、[CD2]1、3-4曲目で、他はボブ・ディラン作、ニール・ヤング作やミュージカル、ジャズメン・オリジナル等、いろいろなところからの演奏。とは言うものの、出てくるフレーズはいつものジョン・スコ節で、全曲彼自身のオリジナルかのように、自由奔放に演奏を繰り広げているところがすっきりとしています。特にギター・トリオなので、ギター好きにはたまらない1枚なのでは。CD1枚ではおさまらなかったですが、これはあえてLP2枚分ということで焦点を定めているのかなと思います。ドラムスも相性のいいビル・スチュワートなので、なおのこと自由に3人の演奏をしているように聴こえます。ラストのタイトル曲はオリジナルではなかったです。

2023/10/07

Dance Of The Elders/Wolfgang Muthspiel/Scott Colley/Brian Blade

2772 ECMの新譜の3日目。今回届いたうちの唯一のジャズの方のアルバム。ウォルフガング・ムースピールのこのメンバーではECM2枚目のアルバムですが、やっぱりこういう雰囲気は好きですね。ただ、ECMではありがちなんですが、静かな場面が目立っていて、そういう点で少し敬遠される人もいらっしゃるようです。メンバーがメンバーなので、なおさらですね。自分も、聴く前に頭になっている音はもう少し賑やかなものを想定してますが、それでも静かな場面ばかりでもなくて、盛り上がりのあるところもありますし。アコースティック・ギターを使っている場面も多いので、ジャジーというよりはフォーキーという感じもしないでもないですけど。

 

Dance Of The Elders/Wolfgang Muthspiel(G)/Scott Colley(B)/Brian Blade(Ds)(ECM 2772)(輸入盤) - Recorded February 2022. - 1. Invocation 2. Prelude To Bach 3. Dance Of The Elders 4. Liebeslied 5. Folksong 6. Cantus Bradus 7. Amelia

(23/10/06)4曲目がクルト・ワイルらの作曲、7曲目がジョニ・ミッチェルの作曲の他は全曲Wolfgang Muthspielの作曲。収録時間は45分。このメンバーではECM2作目だけど、1曲目は静かに始まります。テクニックよりも場の雰囲気を重視する感じも。このメンバーでは文句なしなんだけど、もう少し冒険したところも聴いてみたいような気もします。それでもそれなりに盛り上がるところもあり、10分台の1曲目も途中からブルース的な盛り上がりを見せます。ギターはエレクトリックもアコースティックも使い、2-3、5-6曲目はアコで演奏。フォークっぽい曲も。3曲目のタイトル曲は変拍子で少し目立つ演奏になってます。4曲目もオリジナルのサウンドに感じます。6曲目は割と元気な部分も。7曲目はそのままジョニを連想。

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