共同企画(’21年終了)

無料ブログはココログ

カテゴリー「上半期・年間ベスト」の46件の記事

2025/01/12

2024年みんなのベスト3

昨年暮れから、ドラさんの25年にわたるみんなのベスト3を私が引き継いで、第26回みんなのベスト3を私のホームページでやっています。これは昨年聴いたジャズの中でベスト3をそれぞれが書いていくもので、新旧問わず、それぞれが考えたものをあげていくのですが、それでも一定の傾向が出てくるのが面白いです。掲示板は1月末まで開けておきますので、もしベスト3を書き込みたい方がいらしたら、よろしくお願いします。

当初、私のやり方が悪かったのか、周知が徹底されてなかったのか、12月下旬になっても数人しか書き込みがなくて、少々焦りました。ただ、その後ドドっと書き込みがあって、現在10件((注)その後11件まで増えました)あります。昨年が13件だったので、まあまあかなと思います。昔は、もっと件数があったようなのですが、これも時代の流れですかね。それでも書き込み初年度の方もいらして、活況を呈している、というほどではないですけど、思ったよりもご意見が集まってうれしいです。これをもとに、ストリーミングで音源を聴いてみたりして、さすが皆さんが選ぶだけあって、いいアルバムが多いですね。

こういう企画ものはホームページではずいぶん久しぶりのことです。もう20年ぶりぐらいになるのかな。今度は書きたい方が参加すればよくて、義務感があまりないのがいいですね。お時間があったら覗いてみてください。もしご興味があったら書き込みをお願いします。

(´25年2月1日)24年の募集は終わりました。また今年の12月にお会いしましょう。ありがとうございます。

2024/11/24

「ドラさんのジャズ・コーナー」での「みんなのベスト3」を引き継ぎました

241002dragonhp

(追記 ’24年11月24日)「みんなのベスト3」第26回(「ドラさんのジャズ・コーナー」より引継ぎました。)

(以下、’24年10月2日記述)

ドラさんが運営しているホームページ「ドラさんのジャズ・コーナー」での「みんなのベスト3」を年末から引き継ぐことになりました。これは毎年12月に、ドラさんのホームページの掲示板に、毎年それぞれのジャズのベスト3を書いて盛り上がり、ホームページにまとめていくものです。すでに’99年から昨年’23年まで、25回も続いている特集です。ドラさんの場合、それを分析して「みんなのベスト3のまとめ」を作られていて、誰がいつベストを投稿したか、人気のミュージシャン、人気のアルバムなども25年分、まとめています。

ドラさんがご高齢になってきたため、誰か引き継いでくれないか、というので、今年はじめにその話が出た時から考えていたのですが、私がこの年末より第26回、としてやることになりました。まだ具体的には動いてはいないですけど、それは12月になってから、考えながらやることにします。ホームページのみの企画って、もう何年も私はなかったのですが、久しぶりに新しい特集ができる予定です。運営する人もホームページも変わるので、投稿してくれる顔ぶれも変わってくるかもしれないし、投稿する人は果たして増えるのか、減るのかも予想がつかないのですが、とりあえずはやってみて、考えていくことにしたいと思います。

ドラさんは掲示板を12月1日から開き、12月31日に閉じてらっしゃったようだけど、私の場合は、12月1日に始められるかどうか、他の用もあって分からないのですが、1月も少し開けておこうかと思っています。どういう風になるのか、とりあえずはあと2か月ほど、お待ちください。

 

2024/11/21

’24年の私的ジャズベスト3

Mikeechoes_20241121093301 Chriseagles_20241121093401 Charlesthesky_20241121093501昨年12月から今年11月までの私的ベストです。最近は偏ったジャズ/フュージョンの聴き方をしているので、果たして自分のベスト3が通用するのかどうか、ちょっと疑問です。他にもウェイン・ショーターやキース・ジャレットなど、いい新譜のアルバムはあるのですが、録音がしばらく前ということで、選外になってしまいました。そこまで厳しくやらなくても、とは思いますけど、そうなってくると3枚に絞るのが難しくなってきてしまうということもあります。今回は上半期のベストに選んだのが2枚入ってきてしまいましたし、ECMのアルバムが登場しないのも珍しいです。また、他にも11月に届いたものもありますが、SACD/CDプレイヤーを修理に出しているので、次回にまわします。まあ、いろいろな人が出してくるジャズのベスト3は、それぞれに内容がばらけていることが多いので、だからこそジャズは面白いと思います。以下、順不同です。

 

Echoes And Other Songs/Mike Stern(G, Back Vo on 9)(Artistry Music)(輸入盤) - Released 2024. Chris Potter(Ts on 1-3, 6-8, 10-11), Jim Beard(P, Key), Christian BcBride(B on 1-3, 6-8, 10-11), Antonio Sanchez(Ds on 1-3, 6-8, 10-11), Leni Stern(Ngoni on 1, 5, 8), Arto Tnucboyacian(Per on 1-5, 8-11), Richard Bona(B on 4-5, 9, Vo on 5, 9), Dennis Chambers(Ds on 4-5, 9), Bob Franceschini(Ss on 5, Ts on 4, 9) - 1. Connections 2. Echoes 3. Stuff Happens 4. Space Bar 5. I Hope So 6. Where's Leo? 7. Gospel Song 8. Crumbles 9. Curtis 10 Climate 11. Could Be

(24/09/19)全曲マイク・スターンの作曲。収録時間は77分。プロデューサーは今年3月に亡くなったジム・ベアードで、アルバムは彼への追悼の意味もあるのでしょう。4-5、9曲目とそれ以外とでメンバーがおおよそ分かれていて、2つの録音を合わせたものと思われます。それにしても豪華なメンバー。ベースのクリスチャン・マクブライドもエレキ・ベース使用のことが多く、活気があったり、渋めの曲もあったりと変化に富んでいます。スターンのギターもどんな曲でも彼ならではの音だし、収録時間も長いので、けっこうお腹がいっぱいになります。クリス・ポッターの参加曲が多いのも、サウンドの決め手になるかも。1曲目は4ビートもあり、5、9曲目は少しエスニックな香りもあり。そして8曲目にはフリーっぽくなる場面も。

 

イーグルズ・ポイント/クリス・ポッター(Ts、Ss、Bcl)(Edition Records)
Eagle's Point/Chris Potter(Ts, Ss, Bcl)(Edition Records) - Released2024. Brad Mehldau(P), John Patitucci(B), Brian Blade(Ds) - 1. Dream Of Sale 2. Cloud Message 3. Indigo Ildiko 4. Eagle's Point 5. Aria For Anna 6. Other Plans 7. Malaga Moon 8. Horizon Dance 9. All The Things You Are(Bonus Track)

ボーナス・トラックの9曲目(ソロ)がスタンダードの他は全曲クリス・ポッター作曲。収録時間は66分。このメンバーだからかなりすごいことになっているだろうと思ったけど、落ち着いたところもある現代ジャズという感じ。バス・クラリネットを含めたサックスの切れ味は抜群で、リーダーの音を追いかけるだけでもけっこう満腹感があります。それどころか、誰のソロ・パートでもかなり聴きごたえあり。超豪華なメンバーも相まって、非4ビート系メイン(4ビートの部分もあり)のジャズとしては、完成度が高いと思わせます。エッセンス的にはメカニカルな感じなんだろうけど、メロディを感じる吹き方が彼独特でなかなかいい感じ。ラストのサックス・ソロも短くはなく、かなり聴きごたえがあるので、日本盤推薦の理由にもなっています。(24年3月8日発売)

 

The Sky Will Still Be There Tomorrow/Charles Lloyd(Ts, As, Bfl, Afl)(Blue Note)(輸入盤) - Released 2024. Jason Moran(P), Larry Grenadier(B), Brian Blade(Ds) - 1. Defiant, Tender Warrior 2. The Lonely One 3. Monk's Dance 4. The Water Is Rising 5. Late Bloom 6. Booker's Garden 7. The Ghost Of Lady Day 8. The Sky Will Still Be There Tomorrow 9. Beyond Darkness 10. Sky Valley, Spirit Of The Forest 11, Balm In Gilead 12. Lift Every Voice And Sing 13. When The Sun Comes Up, Darkness Is Gone 14. Cape To Cairo 15. Defiant, Reprise; Homeward Dove

(24/05/15)CD2枚組。全曲がチャールス・ロイドの作曲で、新曲も再演曲もある構成。収録時間は90分。すごいメンバーでのクァルテットです。演奏は相変わらずマイペースという感じですが、熟成してきてどこを聴いても彼の音楽になっています。CD1枚につき45分という構成はLP2枚組でも発売されているから。サイドも、バリバリ演奏しているところも多めではないのに、このメンバーなら文句ないだろうという演奏を聴かせているし、ある種洗練されたスピリチュアルというものをサックスからも感じます。フリーに半分入った形の曲も目立ちますが、サウンドの様式美が見えるようです。曲によって様々に変化があって、90分で15曲飽きさせず聴かせてくれます。聴く人を選ぶかもしれないですが、なかなかの大作ですね。

 

(次点)Tributes/Antonio Farao(P)(Criss Cross 1420)(輸入盤)

2024/06/22

’24年私的上半期のジャズベスト3

2760_20240621194001 Chriseagles_20240621194001 Charlesthesky_20240621194101 ’24年上半期は新譜のジャズのCDをそんなに枚数を聴いていなかったので、ベスト3を挙げるとはいっても最大公約数的になってしまうのですが、その中でも、これらのアルバムの印象が強く、何回も聴いてしまいました。いつものように順位はつけずに、3枚挙げてみます。6月は下旬にあと9枚届く予定があるのですが、時期的に聴ききれないため、それは下半期として年間ベストの候補の方に加えたいと思います。

今年の上半期は新譜以外のタワーレコードのSACDハイブリッド中心に購入していて、主に’60年代から’70年代のものが多かったような感じで、有名盤ばかり50枚前後集めてしまいましたが、最近になってSACD/CDドライブのメカの供給から撤退する企業の話があって、SACDとして聴けるのも、今のプレイヤーで終わりなのかなあ、という気もしています。

 

Compassion/Vijay Iyer(P)/Linda May Han Oh(B)/Tyshawn Sorey(Ds)(ECM 2760)(輸入盤) - Recorded May 2022. - 1. Compassion 2. Arch 3. Overjoyed 4. Maelstrom 5. Prelude: Orison 6. Tempest 7. Panegyric 8. Nonaah 9. Where I Am 10. Ghostrumental 11. It Goes 12. Free Spirits/Drummer's Song

(24/02/04)3曲目がスティーヴィー・ワンダー作、8曲目がロスコ―・ミッチェル作、12曲目前半がジョン・スタブルフィールド作、後半がジェリ・アレン作の他は全曲Vijay Iyer作。収録時間は65分。このトリオでは2作目で、息の合ったところを見せてくれます。1曲目のようにゆったりと波打つような曲があるかと思えば、2曲目のようにけっこうスピリチュアル的に盛り上がるような曲もあって、変化に富んでいます。変拍子の曲もあるようですけど、分析するのは難しい。曲によってけっこう盛り上がるのですが、ミキシングのせいかスマートに聴こえます。ECMとしてはけっこう自由にさせてもらっているようで、1曲1曲がドラマチックで、あまり平易ではない語り口にしても、引きこまれるものを持っています。なかなか気になる1枚。

 

イーグルズ・ポイント/クリス・ポッター(Ts、Ss、Bcl)(Edition Records)
Eagle's Point/Chris Potter(Ts, Ss, Bcl)(Edition Records) - Released2024. Brad Mehldau(P), John Patitucci(B), Brian Blade(Ds) - 1. Dream Of Sale 2. Cloud Message 3. Indigo Ildiko 4. Eagle's Point 5. Aria For Anna 6. Other Plans 7. Malaga Moon 8. Horizon Dance 9. All The Things You Are(Bonus Track)

ボーナス・トラックの9曲目(ソロ)がスタンダードの他は全曲クリス・ポッター作曲。収録時間は66分。このメンバーだからかなりすごいことになっているだろうと思ったけど、落ち着いたところもある現代ジャズという感じ。バス・クラリネットを含めたサックスの切れ味は抜群で、リーダーの音を追いかけるだけでもけっこう満腹感があります。それどころか、誰のソロ・パートでもかなり聴きごたえあり。超豪華なメンバーも相まって、非4ビート系メイン(4ビートの部分もあり)のジャズとしては、完成度が高いと思わせます。エッセンス的にはメカニカルな感じなんだろうけど、メロディを感じる吹き方が彼独特でなかなかいい感じ。ラストのサックス・ソロも短くはなく、かなり聴きごたえがあるので、日本盤推薦の理由にもなっています。(24年3月8日発売)

 

The Sky Will Still Be There Tomorrow/Charles Lloyd(Ts, As, Bfl, Afl)(Blue Note)(輸入盤) - Released 2024. Jason Moran(P), Larry Grenadier(B), Brian Blade(Ds) - 1. Defiant, Tender Warrior 2. The Lonely One 3. Monk's Dance 4. The Water Is Rising 5. Late Bloom 6. Booker's Garden 7. The Ghost Of Lady Day 8. The Sky Will Still Be There Tomorrow 9. Beyond Darkness 10. Sky Valley, Spirit Of The Forest 11, Balm In Gilead 12. Lift Every Voice And Sing 13. When The Sun Comes Up, Darkness Is Gone 14. Cape To Cairo 15. Defiant, Reprise; Homeward Dove

(24/05/15)CD2枚組。全曲がチャールス・ロイドの作曲で、新曲も再演曲もある構成。収録時間は90分。すごいメンバーでのクァルテットです。演奏は相変わらずマイペースという感じですが、熟成してきてどこを聴いても彼の音楽になっています。CD1枚につき45分という構成はLP2枚組でも発売されているから。サイドも、バリバリ演奏しているところも多めではないのに、このメンバーなら文句ないだろうという演奏を聴かせているし、ある種洗練されたスピリチュアルというものをサックスからも感じます。フリーに半分入った形の曲も目立ちますが、サウンドの様式美が見えるようです。曲によって様々に変化があって、90分で15曲飽きさせず聴かせてくれます。聴く人を選ぶかもしれないですが、なかなかの大作ですね。

 

(追記6月24日)次点 September Night/Tomasz Stanko(Tp) Quartet(ECM 2650)(輸入盤)

2024/01/25

ホームページ「ドラさんのジャズコーナー」で25年間続いた今年のベスト3

私もホームページの開設が’97年とけっこう古い方だったので、昔からのネットの知り合いはたくさんいます。当時は親しかったけど今は音信不通になっている人も多いのですが。そんな中で、「ドラさんのジャズコーナー」というホームページを作っているドラさん、毎年今年のベスト3を皆から集めてやっていたのですが、そろそろ年齢も年齢なので、と今回で最後の特集との宣言がありました。一番最初が’99年のことなので、四半世紀、25年間毎年続いたというのもなかなかすごいことです。

私も最初の’99年からお付き合いがありまして、ベスト3を投稿し続けていましたが、’00年、’01年は投稿してなかったようですね。実はここのブログにも特集がありますけど、それと基本的には文章は同じだったと思います。そして、年代をさかのぼった時に、私のところに原稿が残ってなかったので、ドラさんのホームページから自分の文章を拝借して再現をしたことも。

特集は「みんなのベスト3」というところで、皆が投稿した文章が揃っていて、ジャズなので傾向は十人十色のことも多くてアルバムが重なるということはなかなかないのですが、それでも時々2人、3人と同じアルバムを選ぶこともありましたね。そして、「みんなのベスト3まとめ」というページで、演奏者ベスト、アルバム別ベスト、参加者年別ベスト3、と、集計と分析が加わっていて、けっこう力を入れてやっていたんだな、ということが分かります。

基本的にはベスト3、一人だけでやっていても意義のあることだとは思いますが、こうやってまとまってみると、けっこうなデータベースになっていて役に立つなあ、と思った次第です。ドラさんは私にこの特集を引き継がないか、と打診がありましたけど、自分ももう峠はこえてしまったこともあって、今年の年末近くになってから、どうしようか考えてみたいと思ってます。ドラさん、25年間お疲れ様でした。

2023/11/24

2023年私的ジャズベスト3

2796_20231123053901Chickthefuture_20231123054001Ueharasonicwon_20231123054001昨年の12月から今年の11月までに届いたアルバムからのベストです。今年は、なぜかベスト3を考えはじめると、すぐに3枚がパッと頭に浮かんできて、これで行こうということになりました。いつもの年なら、全部リストアップしていってから絞り込むんですけど。まあ、10枚選ぶのは大変ですが、3枚だと私の場合こうなるよね、という結果になってしまいました。個人的なものだから、まあ、いいかと。珍しく、上半期のベスト3ともかぶっていません。(注)月末近くにあと最大5枚届くはずだったのですが、結局12月に入ってからになりました。

 

Uncle John's Band/John Scofield(G)(ECM 2796/97)(輸入盤) - Recorded August 2022. Vicente Archer(B), Bill Stewart(Ds) - [CD1] 1. Mr. Tambourine Man 2. How Deep 3. TV Band 4. Back In Time 5. Budo 6. Nothing Is Forever 7. Old Man [CD2] 1. The Girlfriend Cord 2. Stairway To The Stars 3. Mo Green 4. Mask 5. Somewhere 6. Ray's Idea 7. Uncle John's Band

(23/11/05)CD2枚組。収録時間は90分。ジョン・スコフィールド作が[CD1]2-4、6曲目、[CD2]1、3-4曲目で、他はボブ・ディラン作、ニール・ヤング作やミュージカル、ジャズメン・オリジナル等、いろいろなところからの演奏。とは言うものの、出てくるフレーズはいつものジョン・スコ節で、全曲彼自身のオリジナルかのように、自由奔放に演奏を繰り広げているところがすっきりとしています。特にギター・トリオなので、ギター好きにはたまらない1枚なのでは。CD1枚ではおさまらなかったですが、これはあえてLP2枚分ということで焦点を定めているのかなと思います。ドラムスも相性のいいビル・スチュワートなので、なおのこと自由に3人の演奏をしているように聴こえます。ラストのタイトル曲はオリジナルではなかったです。

 

ザ・フューチャー・イズ・ナウ/チック・コリア(P、Synth)・エレクトリック・バンド(Candid)
The Future Is Now/The Chick Corea(P, Synth) Elektric Band(Candid) - Recorded 2016-2018. Eric Marienthal(Sax), John Patitucci(B), Frank Gambale(G), Dave Weckl(Ds) - 1. Changed Particles 2. Trance Dance 3. C.T.A. 4. Jocelyn - The Commander 5. Beneath The Mask 6. Ished 7. Alan Corday 8. Johnny's Landing 9. Got A Match

CD2枚組のライヴで収録時間は118分。3曲目がジミー・ヒース作のジャズメン・オリジナルの他は、チック・コリア作ないし共作。時々この、エレクトリック・バンドの創成期の頃のメンバーで復活ライヴをやっていたようだけど、ここまでまとまって音源があって、それをセレクトして発表できる分量があるとは思ってませんでした。ついたり離れたりしながらもう何十年も演奏をしている仲なので(しかも素晴らしいメンバー)、これは、論評抜きで素晴らしいといえます。チックの亡くなる前はこのアルバムの制作をしていたということなので、なおさら。再演曲がほとんどですが、ライヴならではの流れで、その時にしか味わえない演奏をしています。こういうカチッとした演奏を、最近の録音でじっくりと聴けるのは幸せだと思っています。(23年11月3日発売)

 

Sonicwonderland/上原ひろみ(P、Key) Hiromi's Sonicwonder(Telarc) - Recorded May 25-28, 2023. Hadrien Feraud(B), Gene Coye(Ds), Adam O'Farrill(Tp, w/pedals), Oli Rockberger(Vo on 6) - 1. Wanted 2. Sonicwonderland 33. Polaris 4. Go Go 5. Up 6. Reminiscence Feat. Oli Rockburger 7. Trial And Error 8. Utopia 9. Bonus Stage Bouns Track: 10. Reminiscence

全曲上原ひろみの作曲ないしは共作(6曲目)。収録時間は75分。このメンバーだとどんなにすごいことをやっているのだろうと思ったら(確かにすごいが)、1曲目は大人の味のあるフュージョンと言う感じで少々抑えた具合がカッコいい。もちろんピアノがはじけている部分もありますが。エレキ・ベースのアドリアン・フェローもテクを見せてくれますし。タイトル曲の2曲目は、ややアップテンポで、キーボードとベースのユニゾンがなかなかすごいことになっています。今回はトランペットも参加していて、ピアノがその分負担軽減になっているような気がします。時に鋭く盛り上がりつつ余裕を持った曲が多いのも、成熟してきた表れではないかと。6曲目のヴォーカル曲はポップス的。カチッとしているけど各演奏者の自由度も高め。(23年9月6日発売)

2023/06/26

2023年上半期私的ジャズベスト3

Ueharablueg_20230626230401 2758_20230626230401 Patdreambox_20230626230501 さて、昨年12月から今年6月までの少し変則ですが、2023年ジャズベスト3です。実は今年3月にCDの大量処分をしていて、その後は買うCDの量も少し減ってもいて、その中から選ぶというのも少しきつい気がしてますが、それでも選ぶならこれ、っていう感じでしょうか。今年は映画「Blue Giant」に振り回された前半でもありましたし。順不同です。

 

Blue Giant(オリジナルサウンドトラック)/上原ひろみ(P, Key( on 16) except 14, 19, 25-26)(Universal Classic &Jazz)
Blue Giant(Original Motion Picture Soundtrack)/Hiromi Uehara(P, Key(on 16) except 14, 19, 25-26)(Universal Classic & Jazz) - Released 2023) 本間将人(Ts on 1 , 16. As on 22)、田中晋悟(B on 1, 4, 16, 22)、柴田亮(Ds on 1, 4, 16, 22)、國田大輔(G on 2, 7-9, 13-15, 18-20)、Marty Holoubek(B on 2-3, 5, 7-11, 13, 15, 18, 20-21, 24-25)、石若駿(Per on 2, 7, 13, Ds on 17, 26, 28-29)、小林未侑(Cl on 2, 7)、西江辰郎(Vln on 2-3, 5, 7, 10-11, 13-15, 18-21, 23-25, 27)、田村直貴(Vln on 2-3, 5, 7, 10-11, 13-15, 18-21, 23-25, 27)、田中笑美子(Vln on 2-3, 5, 7, 10-11, 13-15, 18-21, 23-25, 27)、ビルマン聡平(Vln on 2-3, 5, 7, 10-11, 13-15, 18-21, 23-25, 27)、松崎千鶴(Vln on 2-3, 5, 7, 10-11, 13-15, 18-21, 23-25, 27)、中恵菜(Viola on 2-3, 5, 10-11, 15, 18-21, 23, 25, 27)、古谷聡見(Viola on 2-3, 5, 10-11, 15, 18-21, 23, 25, 27)、井上銘(G on 3, 5, 23, 25)、伊吹文裕(Ds on 3, 20, Cymbal on 27)、野津雄太(Fl on 3, 20-21)、向井航(Cello on 3, 5-6, 10-11, 14, 18-21, 23, 25, 27)、下谷万乃(Cello on 3, 5, 14, 18-21, 23, 25, 27)、篠崎由紀(Cello on 9, 11)、挾間美帆(Cond on 3, 5, 14, 18-21, 23, 25, 27)、田辺充邦(G on 4)、菅野知明(Ds on 7-9, 11, 13, 15)、片山士駿(Fl on 7, 11)、佐瀬悠輔(Tp on 9, 11)、三原万里子(Tb on 10, 15)、馬場智章(Ts on 12, 17, 26, 28-29)、中林薫平(B on 12)、井川晃(Ds on 12)、伊藤駿(Tp on 14, 27)、村上基(Tp on 16)、神農広樹(Oboe on 25, 27) - 1. Impressions 2. Omelet Rice 3. Day By Day 4. Kawakita Blues 5. Ambition 6. Blue Giant -Cello & Piano- 7. Motivation 8. In Search Of... 9. The Beginning 10. Monologue 11. Forward 12. Another Autumn 13. Next Step 14. Challange 15. Kick Off 16.Samba Five 17. N.E.W. 18. Recollection 19. No Way Out 20. New Day 21. Reunion 22. Count On Me 23. Faith 24. Nostargia 25. What It Takes 26. We Will 27. From Here 28. Firstnote 29. Blue Giant

石塚真一原作のジャズマンガの映画化のオリジナルサウンドトラック。72分収録。ほぼ全面的に上原ひろみの作曲、アレンジ、演奏と関わっています。それにしても豪華なメンバー。映画での中心メンバーとなる上原ひろみ、馬場智章、石若駿のトリオの演奏が思ったよりも少なかったけど、その分、通常のサントラ盤、ジャズ(と言ってもストリングスが入っている曲も多いし、他は現代のジャズに近いものでもあるけど)として、気楽にかけられるアルバムに仕上がっています。ただ、このアルバムを聴くよりも、まず映画館へ走れ、と言った方が良いかもしれないくらい、映画と音楽のシンクロ度合いがハンパではありません。それを観てからこのアルバムを聴くのもひとつの方向性だと思います。なかなか力の入ったアルバム。(23年2月17日発売)

 

At First Light/Ralph Towner(G)(ECM 2758)(輸入盤) - Recorded February 2022. - 1. Flow 2. Strait 3. Make Someone Happy 4. Ubi Sunt 5. Guitarra Picante 6. At First Light 7. Danny Boy 8. Fat Foot 9. Argentinian Nights 10. Little Old Lady 11. Empty Stage

(23/03/21)3、7、10曲目がスタンダードなどで、他はラルフ・タウナ-の作曲。収録時間は44分。ECMでの50周年を記念して録音されたというソロ・ギターのアルバム。今回はクラシック・ギター1本での録音ですが、相変わらず彼らしい演奏がうれしい。ジャズというよりは彼の表現する音楽というものがそのまま前面に出てきています。これをジャズ・ギターと言うと異論もあるでしょうけど、それもまたありかなと。じっくり聴き込むも良し、アルバムを通して聞き流しながら聴くも良しのアルバムで、、メロディアスな側面がそのまま出てきていて、衰えも知らない安心して聴ける音。素直なフレーズも多いですが、その中で乾いたような和音が出てくるのもいい感じです。10曲目はジャズ的なノリ。ギター1本で広がっていく空間。

 

Dream Box/Pat Metheny(G, Baritone G)(Modern Recordings)(輸入盤) - Recorded 2021-2022. - 1. The Waves Are Not The Ocean 2. From The Mountains 3. Ole & Gard 4. Trust Your Angels 5. Never Was Love 6. I Fall In Love To Easily 7. P.C. Of Belgium 8. Morning Of The Carnival 9.Coluds Can't Change The Sky

(20/06/20)5-6、8曲目がスタンダードやボッサなどで、他はパット・メセニーの作曲。収録時間は56分。エレキ・ギターとバリトン・ギターの多重録音になっていて、一人で演奏をこなしています。今までアルバムを作る時に書いたり演奏しようとしたりして、結局世に出なかった曲たちを集めてひとつのアルバムにしたとのことで、ある種コンピ的な、と書いてある解説もありました。曲としては落ち着いているものが多くてメロディも印象的。どう聴いて欲しいか、いろいろだと思うけど、ヴォリュームを絞り気味にしてBGMにもなるし、じっくり聴いてもいいし、とどのようにも聴けます。タイトルにはホロウボディのギターの意味もあるようで、エレキでもソフトな音色がまたいい感じです。時間ある時にゆったりとしたところで聴きたい。

 

(次点)
Moving Again '19→'23/外山安樹子(P)トリオ(Rice Records)
百 ワン・ハンドレッド・ドリームス/藤井郷子(P)(Libra Records)

2022/11/26

私的2022年のジャズベスト3

1411_20221112140601 Marcsomeday_202211121407012763 今年は上半期ベストとほとんどかぶらないセレクトとなってしまいました。しかも、ベスト3は10-11月購入のものばかりだったり。今年は購入枚数が少なかったのですが、最後の時期に前倒しでドドッとCDが届いてみたりして、あくまでも私的なベスト3ということで、ご理解をお願いします。11月配送予定のCDがなかなか来なくて、ストリーミングであたりをつけて聴く、ということも今年はやりました。その後12月予定のCDも前倒しで来てみたり。皆さんのベスト3はどうでしょうか。順不同です。過去の「上半期・年間ベスト3」を見ると、昔は多くの人が挙げるようなアルバムがけっこうあったのですが、最近は皆違う、というようなケースが多いですね。

 

Sky Continuous/Noah Preminger(Ts) Trio(Criss Cross 1411)(輸入盤) - Recorded November 9, 2021. Kim Cass(B), Bill Stewart(Ds) - 1. Ftgop 2. High Or Booze 3. The Late 90's 4. Iris 5. You'll Never Win 6. Armor 7. Sky Continuous 8. Jamz 9. Little Molonae

(22/10/20)サックス・トリオでのピアノレスの演奏。9曲目がジャッキー・マクリーンの作曲の他は全曲Noah Preminger作。収録時間は55分。1曲目の冒頭、短いスピーディなユニゾンのテーマ。それが時々あるも(5曲目も)、メカニカルな雰囲気を交えて、コードから自由になりつつもフリーな感じにはあまり至らない、という微妙なバランス。高度な曲もあり、さすが今の人、という演奏です。ベースもドラムス(有名)もテクニシャンだし。2曲目はマイナー・ブルースのリズムだそうだけど、そうは聴こえないし。サックスはやや複雑だけど歌っている感じはします。3曲目のように4ビート中心の曲もあるけど、やはり今のジャズ。4、6曲目のバラードもやや独特。9曲目のおなじみ曲も1曲目方式で、アドリブになるとマイペースか。

 

Someday/Marc Copland(P) Quartet(Inner Voice Jazz)(輸入盤) - Recorded January 11 and 12, 2022. Robin Verheyen(Ts, Ss), Drew Gress(B), Mark Ferber(Ds) - 1. Someday My Prince Will Come 2. Spinning Things 3. Dukish 4. Let's Cool One 5. Round She Goes 6. Encore 7. Day And Night 8. Nardis

(22/11/12)マーク・コープランド作が2、5、7曲目、Robin Verheyen作が3、6曲目で、他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。収録時間は59分。コープランド独特の、ちょっとヒヤッとした、叙情的なサウンドが特徴です。サックスはそれに比べて既成曲では柔らかく、暖色系。その取り合わせが1曲目のタイトル曲からもにじみ出ていて、興味深い。4曲目のセロニアス・モンク作、8曲目のマイルス・デイヴィス作もそう。ただ、オリジナルの2曲目は、ややアップテンポでシリアスで緊張感を伴い、スリリングでもあり。5曲目は4ビートではないけど、鋭い切込みのある感覚のジャズ。7曲目は4ビートだけど、印象は似ている。Verheyen作の方は基調は同じながらも、穏やかな感じが支配している気も。好みのクァルテット。

 

Affirmation/Arild Andersen(B) Group(ECM 2763)(輸入盤) - Recorded November 2021. Marius Neset(Ts), Helge Lien(P), Hakon Mjaset Johansen(Ds) - 1-4. Affirmation Part I 5-7. Affirmation Part II 8. Short Story

(22/11/17)8曲目のみアリルド・アンデルセンの作曲で、他の組曲は全曲フリー・インプロヴィゼーションのようです。収録時間は45分。新しいクァルテットとのことで、エルゲ・リエンの参加にも注目。それにしても、フリー・インプロヴィゼーションとは思えないくらい曲が整っていて、美しい演奏が連なります。マンフレート・アイヒャーのプロデュースではないですが、そのような演奏が未編集でCD化されたということで、何か奇跡が起こっているような感覚にとらわれます。ゆったりとした場面が続きながら、それでいて美しいドラマ性を持っているということで、まさに北欧のフリーですね。実際先入観なしに聴いていると前もって組み立てられた音楽の連なりのように聴こえます。ジャズというよりECMのファンに最適ではないかと。

 

少々地味なラインナップですが、1枚目は、ベストやり始めてからたぶん初のサックスのピアノレス・トリオ、2枚目は、トリオ、デュオ、ソロでは名の通っているピアニストのクァルテット作、3枚目はこの素晴らしい演奏をフリー・インプロヴィゼーションでやってしまったこと。

Pasqualebebop 2727_20221120090801  (次点)
Be-Bop!/Pasquale Grasso(G)(Master Works)(輸入盤)(注)私が正統派ジャズファンだったらこれをベスト3にあげてたかも。
John Scofield/John Scofield (G, Looper)(ECM 2727)(輸入盤)

(追記)現時点でマーク・コープランド以外はストリーミングで聴けると思います。

2022/06/25

’22年上半期私的ジャズベスト3

Onishigrand_20220624131401 Bobfeellike_20220624131501 2684_20220624131601 ’21年12月から22年6月までという変則的なベストになりますが、今回は枚数が少ないので、今回もちょっと偏っているかもしれません。いつもよりは渋めというか、地味かなあとも。ウィリアムス浩子以外はストリーミングでも聴けます。

 

グランドヴォヤージ/大西順子(P)クァルテット(Somethin' Cool)
Grand Voyage/Junko Onishi(P) Quartet(Somethin' Cool) - Recorded September 26-29, 2021. 井上陽介(B)、大儀見元(Per、Vo)、吉良創太(Ds)、ゲスト:小野リサ(G、Vo) - 1. Wind Rose 2. Turquoise Drops 3. Printmakers 4. Tridacna Talk 5. Ground Swell 6. Harvest! Harvest! 7. Flor De Organdi 8. I Love Music 9. Charlie The Wizard 10. High Tide 11. Kow Tide 12. Un Dia De Colo Azul 13. It's A Fine Day 14. Kippy

3曲目がジェリ・エレン作、4曲目が大儀見元作、7曲目の詞は小野リサ作、8曲目はHole Smith作、12曲目の歌詞は石塚隆充と大儀見元の作曲で、14曲目がダラー・ブランド作、他は全曲大西順子作曲。オビに「カーニバル的な」とありますが、ラテンアメリカ的なサウンドもあるけれど、彼女自身のジャズに加えて、意外に1曲目のようにアフリカン・リズム的な曲も多かったりして、けっこうハードな感じもあって、最初から最後まで引きこまれてしまいます。ピアノ・トリオにパーカッションが入るというアクセントがなかなかいい。そんな中に2曲のヴォーカル曲を加えて、サウダージ的なサウンドもあるってことも、このアルバムの幅の広さを物語っています。彼女でしか成しえないサウンドがそこにあって、何度も聴くのが楽しい。(21年12月29日発売)

 

Feel Like Making Live!/Bob James(P, Key)(Evosaound)(輸入盤) - Recorded October 8 and 9, 2018. Michael Palazzolo(B), Billy Kilson(Ds) - 1. Angela 2. Rocket Man 3. Maputo 4. Topside 5. Misty 6. Avalabop 7. Nautilus 8. Downtown 9. Niles A Head 10. Feel Like Making Love/Night Crawler 11. Submarine 12. Mister Masic 13. Nardis (SACD Only) 14. Westchester Lady

(22/03/07)基本的に過去のアルバムのセルフ・カヴァーをピアノ(キーボード)・トリオで、それと2、4曲目はカヴァー作。SACDで聴くと、ボーナストラックありで収録時間83分。2曲目がエルトン・ジョン作、3曲目がマーカス・ミラー作、5曲目がエロール・ガーナー作、8曲目がToni Hatch作、12曲目がラルフ・マクドナルド作、13曲目がマイルス・デイヴィス作、10曲目前半がGene McDaniels作。昔のクロスオーヴァーやフュージョンで大編成の曲もあったのを、シンプルなピアノ・トリオで、80歳を超えても、まだまだイケる演奏をしているのにはびっくりしました。その歳で無理なく、しかもその効果を最大限に発揮するジャズであり、フュージョンです。トリオアレンジもなかなかで、音もいいですし、まだまだこれから先も期待してます。

 

Return From The Stars/Mark Turner(Ts)(ECM 2684)(輸入盤) - Recorded November 2019. Jason Palmer(Tp), Joe Martin(B), Jonathan Pinson(Ds) - 1. Return From The Stars 2. Terminus 3. Bridgetown 4. It's Not Alright With Me 5. Nigeria II 6. Waste Land 7. Unacceptable 8. Lincoln Heights

(22/04/25)全曲マーク・ターナーの作曲。収録時間は64分。マンフレート・アイヒャーのプロデュース。2管のピアノレスのクァルテットで、その雰囲気はやはりクールだけど、今のジャズっぽく盛り上がる部分も多い。各楽器とも音数が多めの部分も少なくなく、普通に現代ジャズになっているので、全体のミキシングでECMにやや合わせている感じ。どこかひねくれたような曲作りになっていて、それは1曲目のタイトル曲でも感じます。テーマの部分はターナーの抑制的で内省的な性格があらわれてますが、テーマからして音数が多かったり4ビートで進行する曲もあります。ピアノがないだけ自由だけど、フリーに行きそうで結局はまとまる方向に。3、5曲目はその中でも元気な方なので、他レーベルで録音したらどうなっていたか。

 

(次点)

2727_20220624131601 Williamsanother_20220624132201 John Scofield/John Scofield(G, Looper)(ECM 2727)(輸入盤) - Recorded August 2021. - 1. Coral 2. Honest I Do 3. It Could Happen To You 4. Danny Boy 5. Elder Dance 6. Mrs. Scofield's Waltz 7. Junco Partner 8. There Will Never Be Another You 9. My Old Flame 10. Not Fade Away 11. Since You Asked 12. Trance De Jour 13. You Win Again

(22/05/13)完全ソロ作、とはいえLooperというループマシーンを使って、そこで弾いたバックの演奏を元に、ギター・ソロをとっているものが多いです。1曲目がキース・ジャレット作、3-4、7-10曲目がトラディショナルやスタンダード、13曲目がハンク・ウィリアムス作。正統派のギター・ソロのアルバムからすればどうなのよってこともあるけど、彼しかできないある意味のたくったようなフレーズといなたい雰囲気が、まさに彼の歴史を物語っていると思います。彼のファンなら最高、と叫ぶと思うけど、賛否両論あるかもしれない。こういう演奏をしてきた彼だけにできる世界が、まさに彼の名前をタイトルにしたアルバムになったのは、興味深いと思います。持ち込み音源と思われますが、ECMからこれが出たということ自体が驚き。

 

My Room Another Side/ウィリアムス浩子(Vo)(Berkeley Squiare Music)
My Room Another Side/Hiroko Williams(Vo)(Berkeley Square Music) - Recorded 2014-15 and 2021. Takayoshi Baba(G) - 1. My Wild Irish Rose 2. Scarborough Fair 3. The Water Is Wide 4. Night And Day 5. 朧月夜

収録時間18分のミニアルバム。トラディショナル2曲、スタンダード2曲と日本の曲1曲。元は雑誌「オーディオアクセサリー」での配布用のサンプラー音源に、1曲録音を足して(4曲目)発売されたとのこと。演奏もギター1本とシンプル(場所によっては多重録音になっていますが)で、ヴォーカルの良さを最大限に引き出しているし、埋もれさせておくのが惜しい音源が、とうとう発売されたか、と思います。元々のMy Roomシリーズとつながっているようなサウンドや歌い方なのもいい。2、4曲目はやや活気があり、後半にスキャットもあるけど、基本的には落ち着いて聴けるアルバム。編成のシンプルさを活かしつつ、歌に味わいがあって、やはり話題になるヴォーカリストなんだなあということを、改めて何度も聴きながら思いました。(22年6月15日発売)

2021/11/28

2021年の私的ジャズベスト3

Charlestone_20211125220901 Daveanother_20211125220801 2671_20211125220701 たぶん今までで一番風変わりな、毎年恒例の年間ベスト3です。昨年12月から今年11月までで選んでます。今年は上半期にいいのがあって迷い(ECMとかは1年を通して最後まで迷いました)、そして日本人のアルバムもいいのがあって迷い(上半期で次点で3枚選んでます)、なかなか決まらなかったのですが、結局上半期で選んだ2枚と、マーク・ジョンソン作のベース・ソロアルバムにしました。パット・メセニーの作曲家に専念したアルバムとか、上原ひろみの弦楽四重奏団とのアルバムなども気になっていたのですが、3枚となるとどうしても最大公約数的にはなってしまいます。しかも、ジャズの好みは十人十色で、ベスト3をやっても、あまり他の人と重なるところがないのが面白い。私も今回次点を含めて4ビートはほぼないし、今年は特殊だと思います。ベース関係が2枚になってしまったのは、自分がエレキ・ベースを趣味程度ですが弾くことと関係あるのかもしれません。つまらん、とか言われそう。なお、この5枚は偶然にも、Amazon Music Unlimitedのストリーミングで、全てハイレゾ(96k/24)で聴けます。

 

Tone Poem/Charles Lloyd(Ts, Afl) & The Marvels(Blue Note)(輸入盤) - Released 2021. Bill Frisell(G), Greg Leisz(Steel G), Reuben Rogers(B), Eric Harland(Ds) - 1. Peace 2. Ramblin' 3. Anthem 4. Dismal Swamp 5. Tone Poem 6. Monk's Mood 7. My Amor (Live) 8. Lady Gabor 9. Prayer

(21/03/30)チャールス・ロイド作は4-5、9曲目で、オーネット・コールマン作が1-2曲目、レナード・コーエン作が3曲目、セロニアス・モンク作が6曲目、ガボール・サボ作が8曲目など。収録時間は70分。Marvels名義では3作目なので、けっこう力を入れているグループ。やはりビル・フリゼールとGreg Leiszが全体に及ぼすサウンドの効果は大きく、彼らの名義にしてもおかしくないような影響力を持ってます。特に3曲目など。今回はカヴァー曲は多めですが、1-2、6曲目なども、彼らのオリジナルのような調子で演奏してます。4曲目のアルト・フルートもなかなか雰囲気がいい。タイトル曲の5曲目は出だしに自由なスペースがあって、本編はメロディアスな雰囲気。ロック的なビートに乗る8曲目はややアグレッシヴな感じ。

 

Another Land/Dave Holland(B), Kevin Eubanks(G) & Obed Calvaire(Ds)(Edition Records)(輸入盤) - Recorded September 11, 2019. - 1. Grave Walker 2. Another Land 3. Gentle Warrior 4. 20 20 5. Quiet Fire 6. Mashup 7. Passing Time 8. The Village 9. Bring It Back Home

(21/06/11)2、5、7、9曲目がデイヴ・ホランド作曲、1、4、6、8曲目がケヴィン・ユーバンクス作曲、3曲目がObed Calvaire作曲。収録時間は67分。ホランドは一部エレクトリック・ベース(1、6、8曲目)とアコースティック・ベースを使い分けて、ファンク的な曲が入っています。ギター・トリオというシンプルな編成でこれだけの時間聴かせるのはなかなか大変なのに、また録音でのエレキベースは最近ほとんどなかっただけに、やはりホランドは年齢の割になかなかトンガっているなあと。静かな曲もありますが、なかなか渋くて雰囲気が出ています。時間が長めなので、それぞれの演奏の間の空き方(同じフレーズの繰り返しとか)にも味が出ていることが分かります。熟練の2人と若手のドラマーとの渋いコラボレーションですね。

 

Overpass/Marc Johnson(B)(ECM 2671)(輸入盤) - Recorded January and February 2018. - 1. Freedom Jazz Dance 2. Nardis 3. Samurai Fly 4. Love Theme From Spartacus 5. Life Of Pai 6. And Strike Each Tuneful String 7. Yin And Yang 8. Whorled Whirled World

(21/08/28)1曲目がエディ・ハリス作、2曲目がマイルス・デイヴィス作、4曲目が映画音楽の他は、マーク・ジョンソンの作曲ないしは即興演奏。収録時間は43分で、アコースティック・ベースのソロになっています。プロデュースはマーク・ジョンソンとイリアーヌ・エライアス。1曲目はベースパートを奏でつつのそこにメロディのアドリブをはさんでいるので、ノリがあって退屈させない演奏になってます。他の曲でもその攻め方は実践しているようで。3曲目は音からすると多重録音のようですが。さすがやり手のベテラン・ベーシストという雰囲気の曲が続き、ECMにしては少し賑やかかな、という感じも、おそらく持ち込み音源だからなのかも。それでいて、ベース・ソロでの間というか、自然発生的にできてくる空間を大切にしています。

 

Ueharasilver_20211125221901 Patroadto_20211125221901 (次点2枚)
シルヴァー・ライニング・スイート/上原ひろみ(P) ザ・ピアノ・クインテット(Telarc)
Road To The Sun/Pat Metheny(Comp, 42 String G on 11)(Modern Recordings)

実は創りこみとかサウンドの点では、この次点の2作の方が圧倒的に高いのだけど、もっと気軽に聴けてしみこむものを、というのは年齢に関連するかもしれないなあ、と思ってみたりもします。

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

Criss Cross1001-1050番 Criss Cross1051-1100番 Criss Cross1101-1150番 Criss Cross1151-1200番 Criss Cross1201-1250番 Criss Cross1251-1300番 Criss Cross1301-1350番 Criss Cross1351-1400番 Criss Cross1401-1450番 Criss Crossレーベル ECM1001-1050番 ECM1051-1100番 ECM1101-1150番 ECM1151-1200番 ECM1201-1250番 ECM1251-1300番 ECM1301-1350番 ECM1351-1400番 ECM1401-1450番 ECM1451-1500番 ECM1501-1550番 ECM1551-1601番 ECM1602-1650番 ECM1651-1701番 ECM1702-1750番 ECM1751-1801番 ECM1802-1851番 ECM1852-1900番 ECM1901-1950番 ECM1951-2000番 ECM2001-2050番 ECM2051-2101番 ECM2102-2150番 ECM2151-2200番 ECM2201-2250番 ECM2251-2300番 ECM2301-2349番 ECM2350-2400番 ECM2401-2450番 ECM2451-2499番 ECM2500-2550番 ECM2551-2600番 ECM2601-2650番 ECM2651-2701番 ECM2702-2750番 ECM2751-2800番 ECM2801-2850番 ECM3901番-(アナログ) ECM5001番-(映画・ドキュメンタリーDVD) ECM5501番-(音楽DVD)他 ECM5801番-, ECM SP(ジャズと詩) ECMレーベル ECM未分類(雑記含む) Enjaレーベル Hatologyレーベル J-POP JAPOレーベル JMTレーベル Steeple Chaseレーベル Winter&Winterレーベル ウェブログ・ココログ関連 オーディオ クラシック・現代音楽 ジャズ ストリーミング パソコン・インターネット フュージョン・ファンク ライヴ・コンサート レコード ロック・ポップス 上半期・年間ベスト 携帯・デジカメ 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 映画音楽・ナレーション 書籍・雑誌 楽器 澤野工房 音楽

HMVへのリンク

  • HMV&BOOKS online

アマゾンへのリンク

2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

カテゴリー

メールアドレス

友人が運営しているサイト