’24年の私的ジャズベスト3
昨年12月から今年11月までの私的ベストです。最近は偏ったジャズ/フュージョンの聴き方をしているので、果たして自分のベスト3が通用するのかどうか、ちょっと疑問です。他にもウェイン・ショーターやキース・ジャレットなど、いい新譜のアルバムはあるのですが、録音がしばらく前ということで、選外になってしまいました。そこまで厳しくやらなくても、とは思いますけど、そうなってくると3枚に絞るのが難しくなってきてしまうということもあります。今回は上半期のベストに選んだのが2枚入ってきてしまいましたし、ECMのアルバムが登場しないのも珍しいです。また、他にも11月に届いたものもありますが、SACD/CDプレイヤーを修理に出しているので、次回にまわします。まあ、いろいろな人が出してくるジャズのベスト3は、それぞれに内容がばらけていることが多いので、だからこそジャズは面白いと思います。以下、順不同です。
Echoes And Other Songs/Mike Stern(G, Back Vo on 9)(Artistry Music)(輸入盤) - Released 2024. Chris Potter(Ts on 1-3, 6-8, 10-11), Jim Beard(P, Key), Christian BcBride(B on 1-3, 6-8, 10-11), Antonio Sanchez(Ds on 1-3, 6-8, 10-11), Leni Stern(Ngoni on 1, 5, 8), Arto Tnucboyacian(Per on 1-5, 8-11), Richard Bona(B on 4-5, 9, Vo on 5, 9), Dennis Chambers(Ds on 4-5, 9), Bob Franceschini(Ss on 5, Ts on 4, 9) - 1. Connections 2. Echoes 3. Stuff Happens 4. Space Bar 5. I Hope So 6. Where's Leo? 7. Gospel Song 8. Crumbles 9. Curtis 10 Climate 11. Could Be
(24/09/19)全曲マイク・スターンの作曲。収録時間は77分。プロデューサーは今年3月に亡くなったジム・ベアードで、アルバムは彼への追悼の意味もあるのでしょう。4-5、9曲目とそれ以外とでメンバーがおおよそ分かれていて、2つの録音を合わせたものと思われます。それにしても豪華なメンバー。ベースのクリスチャン・マクブライドもエレキ・ベース使用のことが多く、活気があったり、渋めの曲もあったりと変化に富んでいます。スターンのギターもどんな曲でも彼ならではの音だし、収録時間も長いので、けっこうお腹がいっぱいになります。クリス・ポッターの参加曲が多いのも、サウンドの決め手になるかも。1曲目は4ビートもあり、5、9曲目は少しエスニックな香りもあり。そして8曲目にはフリーっぽくなる場面も。
イーグルズ・ポイント/クリス・ポッター(Ts、Ss、Bcl)(Edition Records)
Eagle's Point/Chris Potter(Ts, Ss, Bcl)(Edition Records) - Released2024. Brad Mehldau(P), John Patitucci(B), Brian Blade(Ds) - 1. Dream Of Sale 2. Cloud Message 3. Indigo Ildiko 4. Eagle's Point 5. Aria For Anna 6. Other Plans 7. Malaga Moon 8. Horizon Dance 9. All The Things You Are(Bonus Track)
ボーナス・トラックの9曲目(ソロ)がスタンダードの他は全曲クリス・ポッター作曲。収録時間は66分。このメンバーだからかなりすごいことになっているだろうと思ったけど、落ち着いたところもある現代ジャズという感じ。バス・クラリネットを含めたサックスの切れ味は抜群で、リーダーの音を追いかけるだけでもけっこう満腹感があります。それどころか、誰のソロ・パートでもかなり聴きごたえあり。超豪華なメンバーも相まって、非4ビート系メイン(4ビートの部分もあり)のジャズとしては、完成度が高いと思わせます。エッセンス的にはメカニカルな感じなんだろうけど、メロディを感じる吹き方が彼独特でなかなかいい感じ。ラストのサックス・ソロも短くはなく、かなり聴きごたえがあるので、日本盤推薦の理由にもなっています。(24年3月8日発売)
The Sky Will Still Be There Tomorrow/Charles Lloyd(Ts, As, Bfl, Afl)(Blue Note)(輸入盤) - Released 2024. Jason Moran(P), Larry Grenadier(B), Brian Blade(Ds) - 1. Defiant, Tender Warrior 2. The Lonely One 3. Monk's Dance 4. The Water Is Rising 5. Late Bloom 6. Booker's Garden 7. The Ghost Of Lady Day 8. The Sky Will Still Be There Tomorrow 9. Beyond Darkness 10. Sky Valley, Spirit Of The Forest 11, Balm In Gilead 12. Lift Every Voice And Sing 13. When The Sun Comes Up, Darkness Is Gone 14. Cape To Cairo 15. Defiant, Reprise; Homeward Dove
(24/05/15)CD2枚組。全曲がチャールス・ロイドの作曲で、新曲も再演曲もある構成。収録時間は90分。すごいメンバーでのクァルテットです。演奏は相変わらずマイペースという感じですが、熟成してきてどこを聴いても彼の音楽になっています。CD1枚につき45分という構成はLP2枚組でも発売されているから。サイドも、バリバリ演奏しているところも多めではないのに、このメンバーなら文句ないだろうという演奏を聴かせているし、ある種洗練されたスピリチュアルというものをサックスからも感じます。フリーに半分入った形の曲も目立ちますが、サウンドの様式美が見えるようです。曲によって様々に変化があって、90分で15曲飽きさせず聴かせてくれます。聴く人を選ぶかもしれないですが、なかなかの大作ですね。
(次点)Tributes/Antonio Farao(P)(Criss Cross 1420)(輸入盤)
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