アロフト/田村夏樹、藤井郷子
田村夏樹、藤井郷子9作目のデュオ。とは言うものの他にも3ケタにのぼる膨大なアルバムを作っているだけに、今回はどういう風にせまってくるのだろう、という楽しみもあります。同じような曲が過去にもあったということはほぼなくて、恐ろしいほどのヴァリエーションを持っています。今回のアルバムもその通りで、飽きずに一気に50分、聴いてしまいました。ただフリー・インプロヴィゼーションということで、やはりそちらが好きな人向け、ということはあるのでしょうが、意外にカッチリしているところもあって、オーソドックスなジャズを聴く人がどんな感想を持つのかも聞いてみたいところです。まるで情景描写、という印象が今回は強かったでした。
アロフト/田村夏樹(Tp)、藤井郷子(P)(Libra Records)
Aloft/Natsuki Tmura(Tp), Satoko Fujii(P)(Libra Records) - Recorded December 2023. - 1. Migration 2. Wintering 3. Traveling Bird 4. Lifting 5. On The Flyway 6. Waiting For Dawn
デュオの9作目。全曲2人のフリー・インプロヴィゼーション。収録時間は50分。ライナーには「鳥の世界を想起させる」とあり、フリーインプロヴィゼーションとしてはカッチリしている部分も。まるで作曲された1曲目のような曲もあります。2曲目はトランペットで息を吐く特殊奏法ではじまり、硬派で基本的には静かなフリーが目の前に現れます。やはりこの2人でないと出てこないサウンドで、これがあるからこそ、と思います。まるで間合いをはかりながら、会話を続けるような緊張感のある3曲目、鳥の鳴き声のような、あるいは叫び声のようなトランペットをピアノが支えて情景描写が見るような4曲目、変拍子と、野太い声と掛け合わせたトランペットが印象的な5曲目、低音が流れていき、まさに夜明け前を表している6曲目。(24年7月12日発売)
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