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2024/06/22

’24年私的上半期のジャズベスト3

2760_20240621194001 Chriseagles_20240621194001 Charlesthesky_20240621194101 ’24年上半期は新譜のジャズのCDをそんなに枚数を聴いていなかったので、ベスト3を挙げるとはいっても最大公約数的になってしまうのですが、その中でも、これらのアルバムの印象が強く、何回も聴いてしまいました。いつものように順位はつけずに、3枚挙げてみます。6月は下旬にあと9枚届く予定があるのですが、時期的に聴ききれないため、それは下半期として年間ベストの候補の方に加えたいと思います。

今年の上半期は新譜以外のタワーレコードのSACDハイブリッド中心に購入していて、主に’60年代から’70年代のものが多かったような感じで、有名盤ばかり50枚前後集めてしまいましたが、最近になってSACD/CDドライブのメカの供給から撤退する企業の話があって、SACDとして聴けるのも、今のプレイヤーで終わりなのかなあ、という気もしています。

 

Compassion/Vijay Iyer(P)/Linda May Han Oh(B)/Tyshawn Sorey(Ds)(ECM 2760)(輸入盤) - Recorded May 2022. - 1. Compassion 2. Arch 3. Overjoyed 4. Maelstrom 5. Prelude: Orison 6. Tempest 7. Panegyric 8. Nonaah 9. Where I Am 10. Ghostrumental 11. It Goes 12. Free Spirits/Drummer's Song

(24/02/04)3曲目がスティーヴィー・ワンダー作、8曲目がロスコ―・ミッチェル作、12曲目前半がジョン・スタブルフィールド作、後半がジェリ・アレン作の他は全曲Vijay Iyer作。収録時間は65分。このトリオでは2作目で、息の合ったところを見せてくれます。1曲目のようにゆったりと波打つような曲があるかと思えば、2曲目のようにけっこうスピリチュアル的に盛り上がるような曲もあって、変化に富んでいます。変拍子の曲もあるようですけど、分析するのは難しい。曲によってけっこう盛り上がるのですが、ミキシングのせいかスマートに聴こえます。ECMとしてはけっこう自由にさせてもらっているようで、1曲1曲がドラマチックで、あまり平易ではない語り口にしても、引きこまれるものを持っています。なかなか気になる1枚。

 

イーグルズ・ポイント/クリス・ポッター(Ts、Ss、Bcl)(Edition Records)
Eagle's Point/Chris Potter(Ts, Ss, Bcl)(Edition Records) - Released2024. Brad Mehldau(P), John Patitucci(B), Brian Blade(Ds) - 1. Dream Of Sale 2. Cloud Message 3. Indigo Ildiko 4. Eagle's Point 5. Aria For Anna 6. Other Plans 7. Malaga Moon 8. Horizon Dance 9. All The Things You Are(Bonus Track)

ボーナス・トラックの9曲目(ソロ)がスタンダードの他は全曲クリス・ポッター作曲。収録時間は66分。このメンバーだからかなりすごいことになっているだろうと思ったけど、落ち着いたところもある現代ジャズという感じ。バス・クラリネットを含めたサックスの切れ味は抜群で、リーダーの音を追いかけるだけでもけっこう満腹感があります。それどころか、誰のソロ・パートでもかなり聴きごたえあり。超豪華なメンバーも相まって、非4ビート系メイン(4ビートの部分もあり)のジャズとしては、完成度が高いと思わせます。エッセンス的にはメカニカルな感じなんだろうけど、メロディを感じる吹き方が彼独特でなかなかいい感じ。ラストのサックス・ソロも短くはなく、かなり聴きごたえがあるので、日本盤推薦の理由にもなっています。(24年3月8日発売)

 

The Sky Will Still Be There Tomorrow/Charles Lloyd(Ts, As, Bfl, Afl)(Blue Note)(輸入盤) - Released 2024. Jason Moran(P), Larry Grenadier(B), Brian Blade(Ds) - 1. Defiant, Tender Warrior 2. The Lonely One 3. Monk's Dance 4. The Water Is Rising 5. Late Bloom 6. Booker's Garden 7. The Ghost Of Lady Day 8. The Sky Will Still Be There Tomorrow 9. Beyond Darkness 10. Sky Valley, Spirit Of The Forest 11, Balm In Gilead 12. Lift Every Voice And Sing 13. When The Sun Comes Up, Darkness Is Gone 14. Cape To Cairo 15. Defiant, Reprise; Homeward Dove

(24/05/15)CD2枚組。全曲がチャールス・ロイドの作曲で、新曲も再演曲もある構成。収録時間は90分。すごいメンバーでのクァルテットです。演奏は相変わらずマイペースという感じですが、熟成してきてどこを聴いても彼の音楽になっています。CD1枚につき45分という構成はLP2枚組でも発売されているから。サイドも、バリバリ演奏しているところも多めではないのに、このメンバーなら文句ないだろうという演奏を聴かせているし、ある種洗練されたスピリチュアルというものをサックスからも感じます。フリーに半分入った形の曲も目立ちますが、サウンドの様式美が見えるようです。曲によって様々に変化があって、90分で15曲飽きさせず聴かせてくれます。聴く人を選ぶかもしれないですが、なかなかの大作ですね。

 

(追記6月24日)次点 September Night/Tomasz Stanko(Tp) Quartet(ECM 2650)(輸入盤)

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