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2023年11月の記事

2023/11/24

2023年私的ジャズベスト3

2796_20231123053901Chickthefuture_20231123054001Ueharasonicwon_20231123054001昨年の12月から今年の11月までに届いたアルバムからのベストです。今年は、なぜかベスト3を考えはじめると、すぐに3枚がパッと頭に浮かんできて、これで行こうということになりました。いつもの年なら、全部リストアップしていってから絞り込むんですけど。まあ、10枚選ぶのは大変ですが、3枚だと私の場合こうなるよね、という結果になってしまいました。個人的なものだから、まあ、いいかと。珍しく、上半期のベスト3ともかぶっていません。(注)月末近くにあと最大5枚届くはずだったのですが、結局12月に入ってからになりました。

 

Uncle John's Band/John Scofield(G)(ECM 2796/97)(輸入盤) - Recorded August 2022. Vicente Archer(B), Bill Stewart(Ds) - [CD1] 1. Mr. Tambourine Man 2. How Deep 3. TV Band 4. Back In Time 5. Budo 6. Nothing Is Forever 7. Old Man [CD2] 1. The Girlfriend Cord 2. Stairway To The Stars 3. Mo Green 4. Mask 5. Somewhere 6. Ray's Idea 7. Uncle John's Band

(23/11/05)CD2枚組。収録時間は90分。ジョン・スコフィールド作が[CD1]2-4、6曲目、[CD2]1、3-4曲目で、他はボブ・ディラン作、ニール・ヤング作やミュージカル、ジャズメン・オリジナル等、いろいろなところからの演奏。とは言うものの、出てくるフレーズはいつものジョン・スコ節で、全曲彼自身のオリジナルかのように、自由奔放に演奏を繰り広げているところがすっきりとしています。特にギター・トリオなので、ギター好きにはたまらない1枚なのでは。CD1枚ではおさまらなかったですが、これはあえてLP2枚分ということで焦点を定めているのかなと思います。ドラムスも相性のいいビル・スチュワートなので、なおのこと自由に3人の演奏をしているように聴こえます。ラストのタイトル曲はオリジナルではなかったです。

 

ザ・フューチャー・イズ・ナウ/チック・コリア(P、Synth)・エレクトリック・バンド(Candid)
The Future Is Now/The Chick Corea(P, Synth) Elektric Band(Candid) - Recorded 2016-2018. Eric Marienthal(Sax), John Patitucci(B), Frank Gambale(G), Dave Weckl(Ds) - 1. Changed Particles 2. Trance Dance 3. C.T.A. 4. Jocelyn - The Commander 5. Beneath The Mask 6. Ished 7. Alan Corday 8. Johnny's Landing 9. Got A Match

CD2枚組のライヴで収録時間は118分。3曲目がジミー・ヒース作のジャズメン・オリジナルの他は、チック・コリア作ないし共作。時々この、エレクトリック・バンドの創成期の頃のメンバーで復活ライヴをやっていたようだけど、ここまでまとまって音源があって、それをセレクトして発表できる分量があるとは思ってませんでした。ついたり離れたりしながらもう何十年も演奏をしている仲なので(しかも素晴らしいメンバー)、これは、論評抜きで素晴らしいといえます。チックの亡くなる前はこのアルバムの制作をしていたということなので、なおさら。再演曲がほとんどですが、ライヴならではの流れで、その時にしか味わえない演奏をしています。こういうカチッとした演奏を、最近の録音でじっくりと聴けるのは幸せだと思っています。(23年11月3日発売)

 

Sonicwonderland/上原ひろみ(P、Key) Hiromi's Sonicwonder(Telarc) - Recorded May 25-28, 2023. Hadrien Feraud(B), Gene Coye(Ds), Adam O'Farrill(Tp, w/pedals), Oli Rockberger(Vo on 6) - 1. Wanted 2. Sonicwonderland 33. Polaris 4. Go Go 5. Up 6. Reminiscence Feat. Oli Rockburger 7. Trial And Error 8. Utopia 9. Bonus Stage Bouns Track: 10. Reminiscence

全曲上原ひろみの作曲ないしは共作(6曲目)。収録時間は75分。このメンバーだとどんなにすごいことをやっているのだろうと思ったら(確かにすごいが)、1曲目は大人の味のあるフュージョンと言う感じで少々抑えた具合がカッコいい。もちろんピアノがはじけている部分もありますが。エレキ・ベースのアドリアン・フェローもテクを見せてくれますし。タイトル曲の2曲目は、ややアップテンポで、キーボードとベースのユニゾンがなかなかすごいことになっています。今回はトランペットも参加していて、ピアノがその分負担軽減になっているような気がします。時に鋭く盛り上がりつつ余裕を持った曲が多いのも、成熟してきた表れではないかと。6曲目のヴォーカル曲はポップス的。カチッとしているけど各演奏者の自由度も高め。(23年9月6日発売)

2023/11/23

Over Here/Jim Rotondi Quintet

1417 さて、今回届いたうちの最後のアルバムはCriss Crossレーベルから。このレーベル、もう1枚3日に発売になっているはずなんだけど、現地からの輸送の関係か、いつも遅れてまだ入荷してないようです。今日のアルバム基本的な印象はジャズの王道路線だけど、ダニー・グリセットと、特にリック・マギーツァが今のフレーズを吹く傾向が強く、そこが現代ジャズとの接点になるのかな、という気もしています。もちろん、リーダーのジム・ロトンディも両刀使い的な感じではあります。最後に近づくにつれて、現代ジャズ的なサウンドが強くなっていくという感じでしょうか。それでも、王道路線のイメージの方が勝っているかな、と感じましたけれども。

 

Over Here/Jim Rotondi(Tp, Flh) Quintet(Criss Cross 1417)(輸入盤) - Recorded May 10, 2023. Danny Grissett(P), Rick Margitza(Ts), Joshua Ginsburg(B), Vladimir Kostadinovic(Ds) - 1. I'll Be Seeing You 2. Pete's 32 3. I Concentrate On You 4. Jim's Blues 5. Moclieda 6. Voice 7. Leemo 8. Father John 9. Happy Feet

(23/11/23)1、3、5曲目がスタンダードなどで、4曲目がDanny Grissett作、8曲目がRick Margitza作、他は全曲Jim Rotondi作。収録時間は52分。1、3曲目も彼のアレンジと明記されていて、今聴ける、温かみのあるハード・バップ的なサウンドが全体を通して支配しています。それぞれのメンバーもテクニックもあって、派手さはないもののメロディアスで渋いジャズが展開しています。演奏曲は3-7分台とコンパクトにまとまっていますが、美味しいところをギュッと詰め込んだ感じ。サウンドは時々は今になるけど、こういう王道を行くようなジャズは久しく聴いてなかった気がする。非4ビートの曲もあるけど、オリジナルもスタンダードもシームレスにアルバムを安心して1枚楽しめるという点ではなかなかいいアルバムです。

2023/11/22

Arvo Part/Tractus

2800 ECMの新譜はこれで一段落。年内に遅れてなければ、あと2枚は届くはずなんですが、それはそれとして。2800番という区切りのいい番号のアルバムは、その時に意味を持つというのをどこかで読んだことがあるのですが、アルヴォ・ペルトはECM New Seriesから有名になった作曲家なので、やはりアルバムの内容も、あまり深く考えずに広く、いろいろなところで聴けると思え、そう言うところが彼をそこまで大きくしていたのかなあ、とも思えます。このアルバムは近年に作曲されたもの、あるいはヴァージョン・アップされたものが多いので、彼のアルバムが、今ではけっこう推されてるのかな、とも思います。なかなか良かったでした。

 

Arvo Part/Tractus(ECM New Series 2800)(輸入盤) - Recorded September 2022. Estnian Philharmonic Chamber Choir, Tallin Chamber Orchestra, Tonu Kaljuste(Cond), Maria Listra(Soprano) - 1. Littlemore Tractus 2-8. Greater Antiphones I-VII 9. Cantique Des Degres 10 Sequentia 11. L'abbe Agathon 12. These Words... 13. Veni Creator 14. Vater Unser

(23/11/21)Arvo Partはエストニアの現代音楽家。収録時間は67分。20世紀末から最近までに作曲された曲が並びます。相変わらず現代音楽というよりは、ゆったりとした情景描写のサウンドが続き、ある部分は宗教音楽的に聴こえますが、この音世界に浸っていたい、という欲求にとらわれる、落ち着いた景色が見えます。透明度の高いオーケストラと合唱団というイメージ。ヴァージョンアップした曲が多く、ラストは指揮者の編集。

2023/11/21

Call On The Old Wise/Nitai Hershkovits

2779 ECM新譜の到着2日目。Nitai HershkovitsのECM初リーダー作。彼はECM以外だとアヴィシャイ・コーエン(B)のバンドの録音もあり、ECMだとOded Tzurのアルバムに現時点で2枚参加しています。ECMでソロ・ピアノというと実力のあるプレイヤーが多いのですが、彼もさすがだなあ、と思います。音数は少なくはないけれど、聴いていて穏やかな雰囲気になる曲が多め。50分で18曲と、短めの曲が並んでいますけど、過不足のない表現の長さだと思います。聴き心地が良いので、つい流して聴いてしまいがちですが、なかなかいいと思います。意外にクラシックの素養が出ているなあ、という感じもありますね。

 

Call On The Old Wise/Nitai Hershkovits(P)(ECM 2779)(輸入盤) - Recorded June 2022. - 1. The Old Wise 2. Enough To Say I Will 3. Mode Antigona 4. Of Trust And Remorse 5. Intermezzo No.3 6. Majestic Steps Glow Far 7. Dream Your Dreams 8. Placid In Africansque 9. Mode Brilliante 10. Single Petal Of A Rose 11. A Rooftop Minuet 12. Late Blossom 13. Intermezzo No.4 14. In Satin 15. This You Mean To Me 16. Of Mentorship 17. For Suzan 18. River Wash Me

(23/11/21)7、10曲目以外はNitai Hershkovitsの作曲。ECMでは初リーダー作で、収録時間は50分。1分から4分ほどの短い曲が続きます。短い断片を膨らませて、あるいはインプロヴィゼーションを演奏しているようでいて、けっこうメロディアスで哀愁を保ちつつ、まるでクラシックや現代音楽のようなピアノに聴こえることもあり、その構築力は素晴らしいと思います。曲にもいろいろタイトルがついていて、その表情を変えつつ、物語が進んでいくような叙情的なピアノ。全体的には抑え気味ではあるけれども、ある程度音数もあって、ジャケット写真のように自然の風景を眺めているような印象の曲が多いです。イスラエル色は、聴いた限りではほとんどなくて、西欧的な要素が強め。それにしても引き出しの多さに感動します。

2023/11/20

Thomas Larcher/The Living Mountain

2723 久しぶりにECMのCD新譜などが入ってきたので聴いていきます。今日のアルバムはNew Seriesで、しかも現代音楽だし、オペラ的な声楽のものもあるしで、なかなかハードルが高いです。ただ、こういうジャンルを好きな方もいらっしゃるだろうし、自分もECMは全部追っかけという目標を立ててしまったので、あえて聴いてます。でも音的にはなかなかそのダイナミクスというのがECMでは珍しく大きくて、それと録音の良さもあってか、なかなか興味深い仕上がりにはなっていますね。しかも最も古い作曲で’15年、他の2曲は’19-20年と、けっこう新しい作曲であることも興味を引きます。まずはストリーミングなどで聴いてみてください、ということで。

 

Thomas Larcher/The Living Mountain(ECM New Series 2723)(輸入盤) - Recorded June 2021 and May 2022. Sarah Aristidou(Soprano), Alisa Weilerstein(Cello), Aaron Pilsan(P), Luka Juhart(Accordion), Munchener Kammerorchester, Clements Schuldt(Cond), Andre Schuen(Bariton), Daniel Heide(P) - 1-6. The Living Mountain 7-9. Ouroboros 10-22. Unerzahlt

(23/11/20)Thomas Larcherは20-21世紀のオーストリアの作曲家、ピアニスト。収録時間は57分。3曲からなり、いずれも世界初録音だそうです。現代音楽ではあっても、ソプラノとオーケストラのための時に情緒を感じさせる1-6曲目、7-9曲目はチェロとオーケストラのための、かなり硬派な部分のある現代音楽の作品、10-22曲目はバリトンとピアノのための小品の連なりの曲です。8曲目などはダイナミックレンジが広い。

2023/11/17

Here Now/Soren Bebe Trio

Sorenherenow デンマークからのアルバムになります。ソレン・べべと呼ぶのかと思ったら、あるサイトではサン・ビービーとなってました。Oに/が付く綴りなので、読み方が難しい。でも、彼の名前は日本でも目にすることが多く、今回聴いてみて、けっこう好きな、繊細でメロディアスなヨーロッパ系のピアニストだということが分かりました。40分の収録時間というのはLPを意識してのことだと思いますが、昔はCDでも収録時間が長かったですけど、このくらいの音の旅をするのが、一番音楽にひたりやすい時間ではないかなと思います。ガンガン行くピアノも好きですが、この晩秋のシーズンには、こういう繊細なピアノがピッタリくると思います。もとより私はこっち系のピアノや、オリジナル系もけっこう好きですし。

 

Here Now/Soren Bebe(P) Trio(From Out Here Music)(輸入盤) - Recorded April 18 and 18, 2023. Kasper Tagel(B), Knut Finsrud(Ds) - 1. Here Now 2. Tangeri 3. Grateful 4. Winter 5. Misha 6. Be Well 7. Folksy (To Jan) 8. Day By Day 9. Summer 10. On And On

(23/11/17)全曲Soren Bebeの作曲で、収録時間は40分。ジャケット写真の淡い緑色で霞んでいるイメージの、繊細なピアノ・トリオ。1曲目のタイトル曲は静かに始まって、徐々に語りかけてくる叙情的なサウンド。2曲目は哀愁の漂うタンゴのメロディで、洗練された味わい。曲は10曲収録されてそれぞれ3-4分台で、語りたいことをその中で語りつくしてはいるものの、ごく自然に語り掛けてくる旋律が印象的。トリオが寄り添い、なおかつ儚げな美しい4曲目等、派手さこそないものの、印象的なメロディの曲が続きます。変拍子系の7曲目も面白い。4曲目の対極にある唯一明白なビート感のやや穏やかなジャズロックの9曲目。ベース・ソロが少し饒舌な10曲目で幕を閉じます。まさにデンマークのヨーロッパ的な叙情性。

2023/11/07

富嶽百景(抄録)/鬼太鼓座

Ondekofugaku 久しぶりのLPの紹介です。最近長男の影響もあってか、ストリーミングで聴いていたのですが、彼の申し出により割と新しく出たLPを購入してしまいました。6曲入り9,900円。LPの中でもけっこう高いですよね。ただ、アナログマスターからのダイレクトカット盤ということなので、期待は膨らみます。それでも、ストリーミングでもハイレゾ環境で、それなりにチューニングをしたスピーカー(うちのスピーカーは長男自作なので、チューニングはやりやすい)だとかなりの迫力で聴くことができます。今、レコードからそのスピーカーにつなぐルートがないので、長男がフォノイコライザーの割と安くていいものを探しているところです。

(追記)富嶽百景のLPをヴォリュームあまり上げないで、こういう迫力のあるサウンドの時には使わないスピーカーのG2000aで聴いているけれども、さすがアナログマスター・ダイレクトカットといううたい文句の通り、いい音出てますねえ。全開にしたらどうなるのか、こわい気もする。

 

富嶽百景/鬼太鼓座(Victor)(ストリーミング、LP)ー Recorded April 7-10, 12.  - (ストリーミング)1.鬼太鼓囃子 2.弓ヶ浜 3.富嶽百景 4.花や今宵の 5.三国 6.鼕々 7.阿うん三味線 8.明暗 9.MONOCHROME II (LPの富嶽百景・抄録)1.鼕々 2.三国 3.弓ヶ浜 4.明暗 5.富嶽百景 6.鬼太鼓囃子

和太鼓の演奏で、オーディオファイルには人気のアルバム。今まで何通りもCDやLPで出てきましたが、ストリーミングはハイレゾ192k/24で聴くことができます。LPの方は富嶽百景・抄録となっていて、アナログマスターからのダイレクトカット盤を選びました。けっこうリアルな音なので、オーディオファンが買い求めてきたアルバムだということが分かります。特に和楽器でのオリジナルに興味がなくても、この音を聴いてしまうと、けっこう病みつきになってしまうと思います。太鼓も大きいものから小さいものまであり、笛、尺八、三味線の音もある時は情緒的に、ある時はエネルギッシュに奏でているので、変化が加わります。時に語りも入っています。大きい音で聴いた方がいいアルバムなので、聴く人を選ぶというよりは、聴く場所を選ぶということになりそうですが。(LPの富嶽百景・抄録は23年9月30日発売)

2023/11/05

Uncle John's Band/John Scofield

2796 ECMの新譜を待っているのですが、このアルバム、待ちきれずにストリーミングで何度も聴いてしまったため、届く前のフライングでアップです。今回収録時間がCD2枚組にしては少々中途半端なんですが、もうLPが復権して来て、LP2枚分の分量とすれば納得のいく長さになります。曲順からしても最初からLPを意識しているんじゃないかなあ、と思います。内容は、好きなジョン・スコフィールドが、好きなECMレーベルで、しかもレーベルをあまり意識させない作りになっているので、自分の中では今年けっこう印象に残った1枚となります。これを10月発売直後にCD入手出来ていればなあ、と後悔しましたが、まとめて注文済みなので、止むを得ませんね。もう何回も聴いています。(追記)11月19日にCDが到着しました。

 

Uncle John's Band/John Scofield(G)(ECM 2796/97)(輸入盤) - Recorded August 2022. Vicente Archer(B), Bill Stewart(Ds) - [CD1] 1. Mr. Tambourine Man 2. How Deep 3. TV Band 4. Back In Time 5. Budo 6. Nothing Is Forever 7. Old Man [CD2] 1. The Girlfriend Cord 2. Stairway To The Stars 3. Mo Green 4. Mask 5. Somewhere 6. Ray's Idea 7. Uncle John's Band

(23/11/05)CD2枚組。収録時間は90分。ジョン・スコフィールド作が[CD1]2-4、6曲目、[CD2]1、3-4曲目で、他はボブ・ディラン作、ニール・ヤング作やミュージカル、ジャズメン・オリジナル等、いろいろなところからの演奏。とは言うものの、出てくるフレーズはいつものジョン・スコ節で、全曲彼自身のオリジナルかのように、自由奔放に演奏を繰り広げているところがすっきりとしています。特にギター・トリオなので、ギター好きにはたまらない1枚なのでは。CD1枚ではおさまらなかったですが、これはあえてLP2枚分ということで焦点を定めているのかなと思います。ドラムスも相性のいいビル・スチュワートなので、なおのこと自由に3人の演奏をしているように聴こえます。ラストのタイトル曲はオリジナルではなかったです。

2023/11/04

ザ・フューチャー・イズ・ナウ/チック・コリア・エレクトリック・バンド

Chickthefutureチック・コリアが亡くなる前に制作していたというエレクトリック・バンドのライヴ。これを編集してCD2枚組にして出ました。今後も遺作は出てくるかもしれないですが、本人が制作に関わっていたという点では最後のものかもしれません。彼のレーベルはStretchなのですが、今回はCandidから出ています。まあ、そういう細かいことにこだわらなくても、けっこう楽しめるアルバムです。バンドの創成期(’86年にファーストアルバム録音)では、CDの割と初期の頃だったため、音質に関しては、最近出たものの方がいいことがあります。そしてあれからだいぶ時が経っている録音なので、熟成したものを聴けるというメリットもありますね。今思うとすごいメンバーですし。

 

ザ・フューチャー・イズ・ナウ/チック・コリア(P、Synth)・エレクトリック・バンド(Candid)
The Future Is Now/The Chick Corea(P, Synth) Elektric Band(Candid) - Recorded 2016-2018. Eric Marienthal(Sax), John Patitucci(B), Frank Gambale(G), Dave Weckl(Ds) - 1. Changed Particles 2. Trance Dance 3. C.T.A. 4. Jocelyn - The Commander 5. Beneath The Mask 6. Ished 7. Alan Corday 8. Johnny's Landing 9. Got A Match

CD2枚組のライヴで収録時間は118分。3曲目がジミー・ヒース作のジャズメン・オリジナルの他は、チック・コリア作ないし共作。時々この、エレクトリック・バンドの創成期の頃のメンバーで復活ライヴをやっていたようだけど、ここまでまとまって音源があって、それをセレクトして発表できる分量があるとは思ってませんでした。ついたり離れたりしながらもう何十年も演奏をしている仲なので(しかも素晴らしいメンバー)、これは、論評抜きで素晴らしいといえます。チックの亡くなる前はこのアルバムの制作をしていたということなので、なおさら。再演曲がほとんどですが、ライヴならではの流れで、その時にしか味わえない演奏をしています。こういうカチッとした演奏を、最近の録音でじっくりと聴けるのは幸せだと思っています。(23年11月3日発売)

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