No-Vibe Zone/Don Byron Quintet
ドン・バイロンのリーダー作。なぜかこれだけニッティングファクトリーからの発売(ライヴ)ですが、クインテット編成でしかもメンバーもすごく、シリアスなジャズが67分収録というのがたまりません。特にここでのギターのデヴィッド・ギルモアのギターは今っぽくてけっこうカッコいい。今までのアルバムはジャズとは言いながらいろいろなジャンルの要素も取り入れたりしていたけど、ここまでジャズ(といっても現代ジャズですが)に取り組んでくれたので、聴く価値はあると思います。ただ、これはストリーミングにはないんですよね。クラリネットでジャズはここまでいけるということを証明したアルバム、と言ってもいいんじゃないかな。
No-Vibe Zone/Don Byron(Cl) Quintet(Knitting Factory)(輸入盤) - Recorded January 7, 1996. David Gilmore(G), Uri Caine(P), Kenny Davis(B), Marvin "Smitty" Smith(Ds) - 1. Wru 2. Sex/Work 3/4. Next Love/The Allure Of Entanglement 5. Tangerine 6. Tuskegee Strutter's Ball
まず、メンバーがすごい。演奏は従来のクラリネット奏者の常識をくつがえすもので、けっこう現代ジャズしているイメージがあります。全6曲中、オリジナルが4曲。どの曲も9分から17分と長尺。オーネット・コールマン作の1曲目はオリジナルのような雰囲気で、デヴィッド・ギルモアのロックのような過激なギターも印象的。フリーっぽい出だしから、淡々としたようにみえて意外に盛り上がる2曲目、いわゆるラテン系風味もある3曲目、ピアノをバックにあるいはソロで歌い上げて、ラストがドシャーンとくる4曲目、比較的オーソドックスに耳に響くスタンダードの5曲目。そしてエネルギーが有り余っている感じで一瞬ユーモアもある6曲目。マーヴィン・”スミッティ”・スミスのあのドラムが健在なのでほっとしました。
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