Seventh Quadrant/Gary Thomas
ゲイリー・トーマスのリーダー作に行きます。これがデビュー作じゃなかったかと。当時からある意味メカニカルな吹き方で、ゴリゴリとせまってくる特徴はあるのですが、今聴くと、この時はM-BASEとはちょっと離れた位置にいたんではないかなあ、という印象を持ちます。こういうハードなジャズってけっこう当時は好みだったですね。人脈的にはスティーヴ・コールマンとかぶっているところはありますが、実際の競演は思ったよりも少ないようでした。彼も、知る限りでは、リーダー作は’90年代までなので、その後どうなったのか、地元に帰ったのかどうか、気になります。聴き直しても、昔だけではなく、今でもこういうサウンド、好きですけど。
Seventh Quadrant/Gary Thomas(Ts, Fl)(Enja) - Recorded April 3 and 4, 1987. Paul Bollenback(G, Synth), Renee Rosnes(P), Anthony Cox(B), Jeff Watts(Ds), Billy Murphy(Ds on 2) - 1. Foresight, Preparation And Subterfuge 2. Tablet Of Destinies 3. No 4. First Sketches 5. Seventh Quardrant 6. Labyrinth 7. Chiaroscuro 8. The Eternal Present
初リーダー作。ほとんどオリジナルで勝負しています (全8曲中6曲)。ハードでもいわゆるストレートなジャズを演奏していましたが、強力な1曲目からいきなり分かりにくいフレーズのテーマの曲でサックスのソロも同様。個性はすでにこの頃から強烈です。2曲目は8分の6拍子ですがけっこうジャズしています。3曲目はアップテンポのスリルのあるジャズ。サックスがドラムとのデュオになだれこみます。フルートで浮遊感のあるジャズを演出している4、7曲目、8分の7拍子で攻めてくる5曲目、ピアノとのデュオでテンポのないバラードを演奏する6曲目。そして 8曲目はテリ・リン・キャリントン作でどこかで聴いたことのある印象的なテーマになります。だんだん盛り上がって、珍しくサックスの咆哮が聴けます。
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