Verces/Wallace Roney
ゲイリー・トーマスのサイド参加作。スペシャル・エディションといい、ウォレス・ルーニーのバンドといい、記録媒体としては最初の方から彼はいい位置につけていますね。ここでのメンバーもすごいですし。今ではルーニーも故人になってしまったけど、けっこう大きな足跡を残したんではないでしょうか。当時追い求めていたカッコいい現代ジャズ、という点では、なかなかいいセンいっていたと思います。特にここではかつてのマイルス・バンドを想像させるような、それでいて当時の今のサウンドで攻めていて、それはトニー・ウィリアムスがメンバーとして入っていることも、要因ではなかったかと思います。
Verces/Wallace Roney(Tp)(Muse) - Recorded February 19, 1987. Gary Thomas(Ts), Mulgrew Miller(P), Charnett Moffet(B), Tony Williams(Ds) - 1. Float 2. Verses 3. Blue In Green 4. Topaz 5. Lawra 6. Slaves
ウォレス・ルーニーの初リーダー作。6曲中2曲が彼の作曲です。ゲイリー・トーマスを除いて全員が当時のトニー・ウィリアムス・クインテットでした。メイン・ストリーム系のサウンドであっても、ウォレス・ルーニーのメロディアスながらもクロマチックなフレーズとゲイリー・トーマスの個性的なメカニカルなフレーズとうまくマッチしています。1曲目はウエイン・ショーター時代のマイルス・クインテットを何となく連想してしまいます。聴くならアップテンポで繰り広げられる2曲目が圧巻。ビル・エヴァンス作の渋い3曲目(ちょっと誰かを意識しすぎ?)、リズムのキメも気持ちよい4曲目、トニー・ウィリアムス作のテーマが印象的な5曲目と続きます。6曲目は気合いの入った長いトランペットのソロが聴ける12分の大作オリジナル。
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