Pariah's Pariah/Gary Thomas
ゲイリー・トーマスのリーダー作で、手持ちではこれが一番新しいもの。ジャック・ディジョネットのスペシャル・エディションで一緒だったグレッグ・オズビーとのピアノレス・クァルテットのアルバムで、ある意味いちばん彼らしいアルバムになっているんじゃないかなと思います。ただ、旬の時期は過ぎているかもなあ、と演奏を聴いて何となく。編成もシンプルでいいんだけど、今となってはちょっと地味な印象も。やっていることはなかなかすごいんですけれども。M-BASEとしては、それには近いんだけれども拡散の時期で、それを意識しつつも演奏は独自の方向に向かっている、という感じがします。
Pariah's Pariah/Gary Thomas(Ts, Fl)(Winter & Winter) - Recorded October 24 and 25, 1997. Greg Osby(As), Michael Formanek(B), John Arnold(Ds) - 1. Who's In Control? 2. Only Hearsay 3. Pariah's Pariah 4. Zero Tolerance 5. Vanishing Time 6. For Those Who Still Hear The... 7. Is Everything Relative?
グレッグ・オズビーとゲイリー・トーマスのピアノレス・クァルテットでしかも全曲オリジナル。当然のことながらハードな内容です。テーマもアドリブも歌いにくい無機的なフレーズの連続で変拍子もあり、彼らならではの独特な空間がアルバム全体にわたって漂います。ピアノレスなのでその自由度は高く、熟練の域に達した彼らの演奏を聴くのは楽しい。曲ごとにどうこうというよりも、その独特な空間にまかせて一気に最後まで聴いてしまいます。無機的なフレーズではあってもかなりタイム的にきっちりしていて咆哮もなく、これがフリージャズと一線を画する理由です。あまり一般的にはオススメしませんが、極めると深みにはまりそうな気配。 あえてピアノレスで2管フロントにしたのが個性的サウンドになりました。
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