百 ワン・ハンドレッド・ドリームス/藤井郷子
新譜が届いたので先に聴いていきます。藤井郷子さんの何と100枚目のリーダー作。ジャケットの中の冊子にアルバムのリストがジャケ入りで掲載されていますが、この他にサイド参加作もあって、さすがにそちらは全部追い切れてないなあ、とリストを見て思いました。思い返せば、彼女とポール・ブレイのデュオ作がCDショップ店頭で目にとまり、そこから買いだしたのが最初で、もう15年以上前になるかもしれません。その時はまだそんなにたくさんのアルバムが出ていなかったのですが、みるみるうちにどんどん出てくるようになりました。今回はその集大成的なアルバムですけど、当時からの聴く力というのが自分はあまり進歩していなくて、藤井さんがどんどん深化して行っているような気がします。聴く人を選ぶとは思いますが、この音世界、個人的にはけっこう病みつきになります。記譜された部分とフリーの部分も絶妙です。
百 ワン・ハンドレッド・ドリームス/藤井郷子(P)(Libra Records)
Hyaku - One Hundred Dreams/Satoko Fujii(P)(Libra Records) - Recorded September 20, 2022. Ingrid Laubrock(Ts), Sara Schoenbeck(Bassoon), Wadada Leo Smith(Tp), Natsuki Tamura(Tp), Ikue Mori(Electronics), Brandon Lopez(B), Tom Rainey(Ds), Chris Coorsano(Ds) - 1. One Hundred Dreams, Part One 2. One Hundred Dreams, Part Two 3. One Hundred Dreams, Part Three 4. One Hundred Dreams, Part Four 5. One Hundred Dreams, Part Five
全曲藤井郷子がコロナ禍の時に作曲したものをアレンジした曲で、ライヴでの演奏。収録時間は58分。大編成だけれども、ビッグバンドとは違って、場面によって登場する楽器が違っていて、その中で静かな場面と盛り上がりのある場面との交錯していて、なかなか見事。ある意味雅楽とか、和の世界にも通ずるところがあるのかなあ、またはフリーでもあり、何となく現代音楽的でもあり、と聴いていて思った次第。フリーなので聴く人を選ぶかもしれませんが、この音と間の具合がなかなかいい。これだけの集中力のあるバンドリーダーであり、ピアニストはなかなかいないと思います。今までの集大成にふさわしい。ジャケットは今までのリーダー作の一覧があって豪華だし、初回作からの26年間、いろいろ思い出されます。(22年12月9日発売)
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