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2022年12月の記事

2022/12/31

Curves Of Life/Steve Coleman And Five Elements

Stevecurveso スティーヴ・コールマンのリーダー作。年末だけど、通常進行で。ライヴ3部作の3枚目だけど、よくこういろいろな種類の音楽をわずかの期間で録音できるなあ、と思います。手持ちのこのシリーズはBMGフランスからの発売ですが、あっちの方がこういうジャズに関してはファンが多かったのかな、と思わせるような感じです。なぜアメリカではなかったのか、とか、興味深いです。今でも活躍するミュージシャンの名前も見受けられますし、演奏は文句なしなんだけど、初期の頃のメンバーはすごいメンバーが集まっていたので、どうしてもそれと比較されてしまうのはやむを得ないのかな。この時期もなかなか魅力的なメンバーですけど。

 

Curves Of Life/Steve Coleman(As) And Five Elements(BMG France)(輸入盤) - Recorded March 29, 1995. Andy Milne(P), Reggie Washington(B), Gene Lake(Ds), David Murray(Ts), Black Indian(Lyricist), Sub-Zero(Lyricist), Kokayi(Lyricist) - 1. Multiplicity Of Approaches(The African Way Of Knowing) 2. Country Bama 3. The Streets 4. 'Round Midnight 5. Drop Kick Live 6. The Gypsy 7. I'm Burnin Up

ライヴ3部作3枚目でファイヴ・エレメンツの演奏。7曲中5曲がスティーヴ・コールマンの作曲。基本編成がクァルテットになって贅肉が削ぎ落とされつつも迫力のライヴ。2、7曲目にデヴィッド・マレイがゲスト出演して、フリーキーなトーンも出てゴリゴリと押しまくります。1曲目は彼ららしい変拍子ファンクの演奏が15分も続き、ライヴならでは。2曲目は19分台の演奏でマレイとコールマンのバトルが後半繰り広げられて凄まじい演奏。何と4曲目にセロニアス・モンクの「ラウンド・ミッドナイト」が出てきます。しかも変拍子で。6曲目は短いながらも静かできれいな曲。7曲目も13分もあってお腹いっぱい。のっけからマレイのフリーキーなホーンの雄叫びが。それにラップが続きます。それにしてもパワーがある曲が多いです。

2022/12/30

The Way Of Cipher/Steve Coleman And Metrics

Stevethewayof スティーヴ・コールマンのリーダー作。ここでは変拍子ラップに挑んでいます。今でこそこういう音楽派増えてきたと思いますが、当時は変拍子でラップなんてけっこう珍しかったんではないでしょうか。バックのメンバーはほとんど同じなのに、サウンドもガラリと変わっています。けっこう面白いと思うのですけど、こういう時はラップの意味を分かった方がいいと思う性格で。でも日本語ラップってあまり興味ないんですけどね。時々バックとヴォイスのやり取りがけっこう面白かったりします。まあ、イントネーションとリズムの妙味があるというか。これをフュージョン/ファンクに押し込めるのは少々無理があるかもしれませんけれども、あえてそうしておきます。

 

The Way Of Cipher/Steve Coleman(As) And Metrics(BMG France)(輸入盤) - Recorded March 26 and 28, 1995. Kokayi(Lyric), Sub-Zero(Lyric), Black Indian(Lyric), Ralph Alessi(Tp), Andy Milne(P), Reggie Washington(B), Gene Lake(Ds), Josh Jones(Per), Laila(Dance) - 1. Freestyle 2. Fast Lane 3. Slow Lane 4. S-Ludes 5. Black Genghis 6. Chaos(Tech Jump) 7. Hyped 8. Lazed & Warped 9. Bight Breed

ライヴ3部作2枚目。いわゆるスティーヴ・コールマンのラップのグループによる変拍子ラップ・アルバム。 全曲彼の作曲ないしは合作。彼独特のリズムとハーモニーを使い、そこにラップがかぶさってきますが、ドラムスとベースが打ち込みでないので、ファンクっぽくて好みの音ではあります。 ただ、変拍子の曲は十分に刺激的かも。メンバーも基本的な5人は同じなので、すんなりと聴ける要因。ただし個人的にはラップにはそれほど親しみがないため、楽器のソロの部分を中心に聴いています。スティーヴ・コールマンのソロの部分になると彼はマイペースな感じ。2曲目など、時々恐ろしいリズムの展開があって、このノリは他のミュージシャンのラップでは聴けません。7曲目、8曲目の疾走感も気持ちがいい。

2022/12/29

Myths, Modes And Means/Steve Coleman & The Mystic Rhythm Society

Stevemythsm スティーヴ・コールマンのリーダー作。ここから輸入盤が多くなります。当時はCDは国内盤で買うものと思っていたため、なかなか新譜出ないなあと、後になって調べてみたら、何枚も輸入盤が出てました。しかも、この時期から、活動は多様性が出てきて、今日紹介するアルバムから、短期間で3種類ものアルバムをライヴ収録していたりと、けっこう活発ですね。ただ、方向性がこのアルバムの場合、民族音楽的な要素も強くなっているため、やや聴く人を選ぶんじゃないか、という段階にもなってきています。後進のミュージシャンに与えた影響は大きいとは思うのですが、だんだん入手が難しくなっていくので、ちょっとジレンマではありました。

 

Myths, Modes And Means/Steve Coleman & The Mystic Rhythm Society(BMG France)(輸入盤) - Recorded March 24 and 25, 1995. Ralph Alessi(Tp), Andy Milne(P), Reggie Washington(B), Gene Lake(Ds), Vijay Lyer(Key), Miya Masaoka(Koto), Josh Jones(Per), Ramesh Shotham(Per), Kokayi(Lyricist), Yassir Chadly(Vo, Per), Laila(Dance) - 1. Mystic Dub 2. Finger Of God 3. The Intiate 4. Madras 5. Song Of The Beginnings 6. Numerology 7. Transits

ライヴ3部作の1枚目。以下、趣向の違う3枚のライヴ演奏を何と1週間弱で録音しています。ここでは全曲スティーヴ・コールマンのオリジナル。パンドのメンバーに琴(フレーズはやはりアヴァンギャルドではあります)が入り、パーカッションも何人もいて厚く、民族音楽のように聞こえる部分も あります。ある意味でM-BASEとワールドミュージックを融合していくようなサウンドです。1曲目は短いファンクの曲。2曲目は24分台の大作で琴からはじまりその後ヴォイスが絡み、盛り上がっていつものサウンドに。3曲目はラップ風(アフリカ風?)ヴォーカルが加わり、4曲目はパーカッションをバックにサックスがフレーズを奏でます。5曲目も19分台、7曲目も20分と大作の曲が多く、ライヴならではの演奏が続きます。

2022/12/28

Def Trance Beat (Modalities Of Rhythm)/ Steve Coleman And Five Elements

Stevedeftrance スティーヴ・コールマンのリーダー作。基本的には国内盤はこのアルバムで途切れ、しばらく経ってから、この後の輸入盤を捜しまわることになります。このあたりまでが国内では売れていたということの指標になるのでは。ストリーミングでもこのアルバムが見つからなかったので、このアルバムが展開点になるのかな、という気も。相変わらず鋭い変拍子ファンクが繰り広げられてますが、メロディなどアピールする点が多くないので、このあたりから、好きな人は追いかけている、という感じになったのかもしれません。当時のCDの録音時間68分というのは大サービスなんですけれどもね。相変わらずトンガっています。既成の曲も出てきてます。

 

Def Trance Beat (Modalities Of Rhythm)/ Steve Coleman(As) And Five Elements(Novus) - Recorded June 14-17, 1994. Andy Milne(P), Reggie Washington(B), Gene Lake(Ds), Ravi Coltrane(Ts), Specioal Guests: Craig Handy(Ts), Matthew Garrison(B), Michael Wimberly(Per), Jalal Sharriff(Per), Kwe Yao Agyapan(Per), Ronnie Roc(Per) - 1. Flint 2. Verifiable Pedagogy (From Pedagogy And Confirmation) 3. Dogon 4. Multiplicity Of Approaches (The Afrikan Way Of Knowing) 5. The Khu (Divine Will) 6. Pad Thai 7. Jeannine's Sizzling (From Fire Revisited And Jeannine I Dream Of Lilac Time) 8. Patterns Of Force 9. The Mantra (Intonation Of Power) 10. Salt Peanuts

スティーヴ・コールマン作曲あるいは合作は全10曲中6曲。相変わらず変拍子の曲が多いですが、自然な形で演奏されています。コールマンのサックスも、独自の奏法ながら既成の曲の引用が何ヶ所かに見られることも含めて、分かりやすいメロディになったと思います。これもある意味での成熟かと 思います。例えば、2曲目のチャーリー・パーカーの「コンファーメーション」。まさかこれをやるとは。7曲目も聴いたことのあるメロディが。こういうジャズで勝負に出たということは、時期が熟したと言えるのだろうと思うのですが。ジェリー・ゴールドスミス作の1曲目は印象的なメロディ。10曲目は何と「ソルト・ピーナッツ」しかも変拍子ヴァージョン。オリジナルの曲もそれぞれに個性的。特に6曲目のスピード感がいい。

2022/12/27

The Tao Of Mad Phat - Fringe Zones/Steve Coleman And Five Elements

Stevethetaoof スティーヴ・コールマンのリーダー作。ここでメンバーが大部分代わって、スティーヴ・コールマン中心のサウンドになってます。最初過去に聴いていた時はあまり気が付かなかったのですけど、ギターのデヴィッド・ギルモアがずっと参加していて、後から彼のリーダー作を集め始めた、間接的なきっかけはこのグループでした。意外なところに接点がありますね。今回はスタジオ・ライヴという形をとってますけど、メンバーが代わっても、このバンド演奏がけっこう好きでした。次作までは国内盤が出るのですが、その後は主に輸入盤でしか手に入らなくなります。日本での人気と連動していたような気も。

 

The Tao Of Mad Phat - Fringe Zones/Steve Coleman(As) And Five Elements(Novus) - Recorded May 6, 7, and 23, 1993. Reggie Washington(B), Andy Milne(P), David Gilmore(G), Oliver Jene Lake Jr.(Ds), Special Guests: Roy Hargrove(Tp), Kenny Davis(B), Josh Roseman(Tb), Junior "Gabu" Wedderburn(Per), Matthew Garrison(B) - 1. The Tao Of Mad Phat 2. Alt-Shift-Return, Collective Meditations I (Suite): 3. Change Of The Guard 4. Guards On The train 5. Relax Your Guard 6. All the Guards There Are 7. Enter The Rhythm (People) 8. Incantation 9. Laid Back Schematics 10. Polymad Nomads 11. Little Girl On Fire

スタジオ・ライヴ形式での録音。メンバーもだんだん入れ替わってきて、グループ名義ながらもスティーヴ・コールマンが中心になってきたのが特徴。リズム的には複雑な中にもはっきりしたリズムになってきたようです。ドラムのキャラクターか。サウンド全体もシンプルになった感じがします。1曲目は15分以上の大作で、サックス、ギター、ドラムと印象的なソロが続きます。2曲目は同じフレーズの繰り返しを強調。3-7曲目は組曲の構成で、連続してファンク調の短めの曲が続きます。8曲目と10曲目にゲスト参加あり。特に10曲目は3管編成。変拍子リズムにのって独特なアンサンブルを聴かせます。11曲目は彼らなりの語法でメロディアスなジャズができることを証明した曲だと思います。でも変拍子で途中からファンク。

2022/12/26

Drop Kick/Steve Coleman And Five Elements

Stevedropkスティーヴ・コールマンのリーダー作。メンバーも少しずつ代わってきてますが、このアルバムまではまだ知っているメンバーとゲストが多く出ています。次作からは大きく主要メンバーが代わっていくのですけど、それでも大きなサウンドの変化はないところがまたいい。M-BASE理論って、ちょっと理解が難しいものではありますが、それが中心になっているからなんだろうなあ、と思います。時代は’90年代に入ってますがこの頃もまだけっこう売れていた記憶があります。この数年後かな? 輸入盤だけでしか出なくなって、少し遅れて慌てて集め始めたものでした。ハードでありながらダンスミュージック的に聴こえるy変拍子ファンクって他ではなかなかないですね。

 

Drop Kick/Steve Coleman(As) And Five Elements(Novus) - Recorded January 1992. Andy Milne(P), James Weidman(P), David Gilmore(G), Reggie Washington(B), Marvin "Smitty" Smith(Ds, Per), Special Guests: Cassandra Wilson(Vo), Michael Wimberly(Per), Lance Bryant(Ts), Don Byron(Cl, Bcl), Greg Osby(As), Camille Gainer(Ds), Meshell Johnson(B) - 1. Ramses 2. Drop Kick 3. Terra Nova 4. The Journeyman 5. Simbius Web 6. Dread Drop 7. Tschanz 8. Contemplation 9. Shift On The Fly 10. Bates Motel 11. Z Train

全11曲中、スティーヴ・コールマンの作曲ないしは合作は8曲。再びファイブ・エレメンツ名義のアルバム。相変わらずのスリルある変拍子路線は踏襲していますが、昔一緒だったメンバーがまた共演している事もあり、洗練されてきた面と、いい意味でのマンネリも少しあるかと思います。個人的には勢いのある9曲目が好み。マーヴィン・”スミッティ”・スミスは1、3-5、7-10曲目(やはり変拍子に関しては彼が一歩抜きん出ています。9曲目の変拍子ドラムソロはさすが。)に、カサンドラ・ウィルソンは4曲目(サックスとのユニゾンや掛け合いの印象的なスキャットの曲)に、ドン・バイロンは1、7曲目(7曲目のクラリネット・ソロはけっこういいぞ)に、グレッグ・オズビーは6、11曲目に参加しています。

2022/12/25

Rhythm In Mind/Steve Coleman

Steverhythmi スティーヴ・コールマンのリーダー作で、おそらくアルバムで聴くことができるオーソドックスなジャズでは初めての方では。彼は別なアルバムのライナーによると、譜面も読めてかなり器用だということで、こういうジャズの曲もある演奏も、意外でしたけど難なくこなせてしまいます。やはりフレーズを吹くと独特なところもありますが、こういうことができたことに驚きでした。ジャズでも彼らしい曲もありますし。まあ、割と大手のレーベルではあったので、1枚ずつちょっと趣向を変えて、というところもあったのかもしれませんけど。彼のアルバムが国内盤で出てた時期はもう少し続きます。やはりそれまではけっこう売れていたんだと思います。

 

Rhythm In Mind/Steve Coleman(As)(Novus) - Recorded April 29, 1991. Von Freeman(Ts), Kenny Wheeler(Tp, Flh), Kevin Eubanks(G), Tommy Flanagan(P), Dave Holland(B), Ed Blackwell(Ds), Marvin "Smitty" Smith(Ds) - 1. Slipped Again 2. Left Of Center 3. Sweet Dawn 4. Pass It On 5. Vet Blues 6. Zec 7. Afterthoughts

ボン・フリーマンやトミー・フラナガンらベテラン陣との共演アルバム。彼らの活動からすれば珍しかったことですが、活動領域が広がりました。何とサド・ジョーンズの曲を、2曲(1、6曲目)も普通のフォービートでやっています。ケニー・ホイーラーやデイヴ・ホラン ドのような両刀使いもいて、面白い組み合わせ。ビートもジャズ寄りになっています。それでも2曲目などはスティーヴ・コールマンのペースで、ケヴィン・ユーバンクスも時々心持ちキレています。3曲目はオリジナルにしては非常にトミー・フラナガンのピアノがきれい。ボン・フリーマンもただ伝統だけの人ではなかった事を改めて認識。6曲目はギターもオーソドックスなジャズ・ギターなのが面白い。7曲目のバラードはホイーラーがメインになって、これまたきれい。

2022/12/24

Phase Space/Steve Coleman & Dave Holland

Stevephasesスティーヴ・コールマンの競演作で、国内制作盤。さすがにディヴ・ホランドとのデュオは、共演が多かったし、息の合ったところを見せつけてくれています。それでいて、それまでのジャズの伝統を感じさせない、コールマン独自の路線のまま行っているのがいい。でも、アコースティック・ベースとのデュオなので、ジャンル上はジャズということになるのかな。ビートがないのでつかみにくいけれど、変拍子のオンパレードになっているような感じです。DIWレーベルということで、今ではちょっと入手しづらいところもありますが、今聴いてもこれはなかなか飽きさせない58分間です。こういうジャズがあってもいいなあ、と思います。

 

Phase Space/Steve Coleman(As) & Dave Holland(B)(DIW) - Recorded January, 1991. - 1. Ah-Leu-Cha 2. Dream Of The Elders 3. Syzygy 4. Straight Ahead 5. In Brief 6. Prescience 7. Cud Ba-Rith 8. Little Girl I'll Miss You 9. See Saw

’83年にデイヴ・ホランドのバンドに加わってから2人の付き合いは長く、息の合った、しかもスリルのあるデュオのプレイを聴かせています。既製のバップフレーズが出てこないで勝負しているスティーヴ・コールマンとオール・ラウンド・プレイヤーのデイヴ・ホランド。ドラムスはいませんけれど、この2人ならばおそらく、曲によって複雑な変拍子の曲も演奏しているのだろうと思います。チャーリー・パーカーの1曲目やマル・ウォルドロンの4曲目などもあって聴き覚えのメロディで少々ホッとする部分もありますが、その個性はやっぱり彼ら2人のもの。 緊張感が漂っています。他にスティーヴ・コールマンの曲が4曲と、デイヴ・ホランドの曲が2曲。シンプルな編成なだけに、2人のすごい実力が見えてくるかも。

2022/12/23

Black Science/Steve Coleman And Five Elements

Steveblacks スティーヴ・コールマンのリーダー作を時系列的に。まとめて何枚か聴いていると、その差別化がこのあたりの時期は難しいのですが、そもそも変拍子のダンス・ミュージックだと思えば極上のサウンドになります。時にヴォーカルが入るのも当時はよくありましたし。久しぶりに聴くと、最近は変拍子ジャズも多くなってきているけど、その起源はこのあたりのM-BASEのミュージシャンの活動にあるのかな、とも思います。よほどテクニックがないと演奏できない部類の音楽でもあるし、それを聞き流せてしまうのも、やはりミュージシャンの熟練度だと思います。今では有名になってしまったカサンドラ・ウィルソンも昔の系譜はここにもありました。

 

Black Science/Steve Coleman(As) And Five Elements(Novus) - Recorded December 1990. James Weidman(P), David Gilmore(G), Reggie Washington(B), Marvin "Smitty" Smith(Ds), Special Guests: Cassandra Wilson(Vo), Dave Holland(B), Najma Akhtar(Vo), Dave Mills(Voice) - 1. The X Format (Standard Deviation) 2. Twister 3. Turburence 4. Beyond All We Know 5. A Vial Of Calm 6. Black Phonemics 7. Ghost Town 8. Magneto 9. Cross-Fade 10. Black Phonemics (Reprise)

全10曲中、スティーヴ・コールマンの作曲ないしは合作が9曲。基本的に前作のファンク路線の延長線上にあるアルバム。いや、さらに進化か。これでもかと言わんばかりに攻める変拍子と複雑なリズムも相変わらず 、このノリの良さは全面的に参加しているマーヴィン・”スミッティ”・スミスの影響によるところが大きいです。特に3曲目の変拍子ドラムソロは壮絶。2曲目はときおりビートの間に揺らぐ3連符の不思議なメロディとハーモニー。1、4-5曲目にカサンドラ・ ウィルソン、7曲目に何とナジマのヴォーカルの参加。幻想的な4曲目、個性的なスキャットの5曲目。そしてナジマのきれいなヴォーカルに絡むラップ。また、8曲目以降は一気に聴かせます。デイヴ・ホランドが2、4-5曲目に参加しています。

2022/12/22

Rhythm People (The Resurrection Of Creative Black Civilization)/Steve Coleman And Five Elements

Steverhythmp スティーヴ・コールマンのリーダー作。ここからしばらくNovusレーベルから出てます。あれだけ一世を風靡したのに、それゆえ流通量が多かったせいか、中古価格が安くなってしまっていますね。ホームページをはじめた頃の’97年あたりはまだけっこう私、心酔していて、まず真っ先にM-BASE関係のミュージシャンのアルバムを取り上げたんですけどね。今聴くと、どれも似ているようにも聴こえるので、そこが時代の変化なのかなと思います。曲調もこの後、いろいろ幅が出てきたり、内省的にもなってきて、そこがまた少し難しいということにもなっていくのですが。この時代の割と素直(変拍子なので素直ではありませんけど)の時期は今でもけっこう好きです。

 

Rhythm People (The Resurrection Of Creative Black Civilization)/Steve Coleman(As) And Five Elements(Novus) - Recorded February 1990. James Weidman(P), David Gilmore(G), Reggie Washington(B), Marvin "Smitty" Smith(Ds), Special Guests: Robin Eubanks(Tb), Dave Holland(B), Cassandra Wilson(Vo) - 1. Rhythm People 2. Blues Shifting 3. No Conscience 4. Neutral Zone 5. Ain't Goin' Out Like That 6. Step'n 7. Dangerous 8. Ice Moves 9. The Posse 10. Armageddon (Cold-Blood-Ed)

完全にファンク系といった感じですが、何拍子か分からないような複雑な変拍子を多用しているのに、曲によってはタテノリのダンスミュージックのように聞こえるあたり、さすがです。このような変拍子でのグルーヴ感は、変拍子に強いマーヴィン・スミッティ・スミスのドラムによるところが大きいのでは。どの曲もすごい。3、7曲目のようにラップの曲もあります。いわゆるジャズの要素はほとんど見当たらないのにデイヴ・ホランドのベースがうまく溶け込んでいるので、やはり新しい流れのひとつと言うべきか。ロビン・ユーバンクスは2、4、6-7、10曲目に、デイヴ・ホランドは2、5-7曲目(アコースティック・ベースでの参加ですが、かなり強力。)に、カサンドラ・ウィルソンは10曲目に参加しています。

2022/12/21

Sine Die/Steve Coleman And Five Elements

Stevesinedie スティーヴ・コールマンは今でこそ知る人ぞ知る存在になっているようですが、’80年代はジャズ界を2分するような勢いで、ブルックリン派とも言われていました。このアルバム、1枚だけちょっと特殊なレーベルなので、ストリーミングでも見かけないようです。入手できなくなったのも比較的早かったため、昔はこのアルバムを探している人が多かったように感じます。彼のアルバムの中で1枚というと、メンバーの豪華さや曲の良さから、やはりこのアルバムになるかなあ、と思います。しばらくM-BASE関係のアルバムが続くことになりますが、自分自身にひと区切り付けたいこともあり、ご容赦ください。

 

Sine Die/Steve Coleman(As) And Five Elements(Pangea) - Recorded 1987 and 1988. Cassandra Wilson(Vo), Graham Haynes(Tp), Robin Eubanks(Tb), James Weidman(P), David Gilmore(G), Kevin Bruce Harris(B), Marvin "Smitty" Smith(Ds) Special Guests: Geri Allen(Key), Branford Marsalis(Ts), Gary Thomas(Ts), Greg Osby(As), Jimmy Cozier(Bs), Lonnie Plaxico(B) - 1. Destination 2. Cinema Saga 3. Soul Melange 4. Circle C 5. Proteus 6. Passage 7. First Sunrise 8. Ur-Beat 9. Dark To Light 10. Profile Man 11. Proteus Revamp

スティングの興したパンジア・レーベルへの録音。(何と発売はCBS/SONYでした。)彼のアルバムの中では一番豪華な参加ミュージシャン。まさにオールスターキャストの録音となりました。曲も印象に残るものが多いです。 11曲中10曲はスティーヴ・コールマンの作曲。4拍子と3拍子が交互に来るポップな1曲目、なだらかにはじまって一転急速調のサックス・ソロの2曲目、ホーンが前面にでる4-6、8曲目、美しくエキゾチックな9曲目など多彩 な表現が魅力です。カサンドラ・ウィルソンは1-3、7、9曲目(10曲目は別人?)に、ジェリ・アレン(1曲目のシンセ・ソロのセンスはすごい)とブランフォード・マルサリスは1曲目に、ゲイリー・トーマスは5-6曲目に、グレッグ・オズビーは6曲目に参加しています。

2022/12/20

Rodan/Sato Michihiro

Satorodanこのアルバム、ジャケットのスキャンは撮ってあるのですが、なぜかブログ検索で出てこなかったアルバム。実はスティーヴ・コールマンをやろうとしたら、残りはリーダー作(ちと多いですが)ばかりで、サイド参加作がほとんどなくてこれくらいなんですね。ブル・フリゼールの時にやったような気もしているのですが。まあ、レーベルがHat hutなので、アヴァンギャルドなジャズになってます。ジョン・ゾーンのプロデュースですし。津軽三味線でここまでやっていいのか、という革新性が当時はあったわけです。ただ、コールマンもフリゼールも参加した曲数は少なかったので、果たしてこれを紹介していいものかどうか。

 

Rodan/Sato Michihiro(Tugaru Shamisen)(Hat hut) - Recorded April 11-16, 1988. Bill Frisell(G), Fred Frith(G), Tenko(Voice), Mark Miller(B), Nicolas Collins(Electronics), Christian Marclay(Turntables), Steve Coleman(As), Toh Ban Djan: Ikue Mori(Ds), Luli Shioi(B, Voice), Semantics: Elliott Sharp(G, B), Samm Bennett(Ds), Ned Rethenberg(As), Tom Cora(Cello), Joey Baron(Ds), Mark Dresser(B), Gerry Hemingway(Ds) - 1. SM/BF/FF 2. SM/T/MM 3. SM/NC/CM 4. SM/SC 5. SM/Toh Ban Djan 6. SM/NC/CM 7. SM/T/MM 8. SM/SB/ES 9. SM/NC/CM 10. SM/TC 11. SM/Semantics 12. SM/ES 13. SM/BF/FF 14. SM/ES/SB 15. SM/MD/BF/FF 16. SM/T 17. SM/BF/FF 18. SM/SB 19. SM/NC/CM 20. SM/SC/JB 21. SM/FF 22. SM/MD/GH/BF 23. SM/BF/FF

(99/04/12)楽器が津軽三味線というのも異色ですけれど、鋭い異種格闘技戦。短いものは1分台で長くても5分台と、短めのアヴァンギャルドな曲が23曲も連なり、ジョン・ゾーンを思わせるような作風、と思ったらやっぱりジョン・ゾーンのプロデュースでした。タイトルは参加者のイニシャルの組み合わせらしい。曲ごとに入れ替わるメンバーの組み合わせの妙もあります。佐藤通弘自身はあくまでも自分のペースで、しかも無理なくバトルを繰り広げています。 トンガリ系のミュージシャンも多く、津軽三味線とのバランスを聴くのも面白い。はっきり言って一般向けではないですが、好きな人にはたまらないアルバム。スティーヴ・コールマンは4、20曲目に、ビル・フリゼールは1、13、15、17、22-23曲目に参加。

2022/12/19

New York Moments/Karin Krog, Steve Kuhn Trio

Karinnewyorkm カーリン・クローグのリーダー作で、今日で彼女の紹介は終わり。最後になってやっと普通のジャズ・ヴォーカルのアルバムが出てきました。なぜこのアルバムを紹介していなかったのか分からないのですが、おそらくはブログ前夜だったからだと思います。相手はスティーヴ・キューンなので、悪かろうはずはありませんし。おそらくブログを読まれている方たちは、こういうアルバムを待っていたのでは、と思います。とは言いつつ、こういうアルバムのコメントに関しては他に適任者がいっぱいいると思うので、あまり内容には触れませんけど、今聴いてもいいなあ、と思える内容になっています。おすすめ盤。収録時間は53分。

 

New York Moments/Karin Krog(Vo), Steve Kuhn(P) Trio(Enja) - Recorded November 4-6, 2002. David Finck(B), Billy Drummond(Ds) - 1. The Meaning Of Love 2. Where You At? 3. Lazy Afternoon 4. It Could Be Hip 5. Speak Of Love 6. Canto Mai 7. Saharan 8. You Say you Care 9. Kaleidoscopic Vision 10. Missing Calada 11. Gloomy Sunday

スタンダード、スティーヴ・キューン作、プロデューサーのジョン・サーマン作の曲が適度にブレンド。広く好感度をもって受け入れられそうなアルバム。キューン作のしっとりした1曲目から、そのヴォーカルと歌伴のピアノの絶妙な優しいバランスでその世界に引き込まれていきます。2 、8曲目はノリの良い曲。意外にスタンダードは少な目ですが、聴いているとどの曲もおなじみの曲に聴こえてきます。カーリン・クローグのオーソドックスな歌い方も十分魅力的だけれど、3曲目のように静かな曲で、時折り見せる彼女の独特な旋律がゾクゾクきます。個人的にはしっとり系で繊細なキューン作の1、5、7曲目が好み。ラテン系のサーマン作の6 、10曲目もやや温度感が低いながら盛り上がります。他のサーマン作の4、9曲目も魅力的。(03年4月25日発売)

2022/12/18

Bluesand/Karin Krog & John Surman

Karinbluesand2 カーリン・クローグのリーダー作。残念ながら現物のCDを見つけられず、しかもストリーミングにもなし。おそらく1曲目だけつけたCMの曲の権利が関係しているんだろうとは思うのですが、1曲目のみ別ミュージシャンで、2曲目以降はジョン・サーマンの多重録音と合わせているので、昨日紹介したアルバムと雰囲気はおおむね似ています。アルバムリリースが’00年というだけで、本当はもっとずっと前に録音されたものなのかどうか、気になるところではありますね。やはり今まで私も紹介できなかったアルバムということで、彼女の変わった位置付けにあるアルバムの紹介ばかりになってしまってますが、ご容赦ください。

 

Bluesand/Karin Krog(Vo) & John Surman(Ss, Bs, P, Synth)(Seven Seas) - Released 2000. Morgan Fisher(Key), Brendan Weightman(Uillean Pipes), Masahiro Tanaka(Cello) - 1. Air On The G String 2. The Nightingale 3. Ribbon Of Sand 4. Sombre Woods 5. Voice Shadow 6. It Could Be Hip 7. Don't Just Sing 8. SAS Blues 9. So Blue 10. Bluesand 11. Hidden Dreams 12. Secret Games 13. Fly Away

1曲目のみCM用に作成した曲を、2曲目以降ジョン・サーマン(Ss、Bs、P、Synth)との多重録音によるデュオの「ブルー・サンド」というアルバムとカップリング。2曲目以降はまさにジョン・サーマンならではの幻想的、あるいは非ジャズ的な世界が広がっていますが、他のミュージシャンによる吹き込みの1曲目も雰囲気的にうまく溶け込んでいます。やはり話題となるのは1曲目の月桂冠のCMの曲(これが実に彼女ならではの歌唱)ですけれど、それ以外の曲にも目を向けて欲しいなという感想。ただし、 2曲目以降はこの2人の世界に入りこんでいて、いわゆるジャズからは離れています。ある種ヒーリング系、あるいはECM的な部分や実験的な部分も少なからずあるので、聴く人は選ぶかもしれないアルバム。(00年1月28日発売)

2022/12/17

Cloud Line Blue/Karin Krog & John Surman

Karincouldline カーリン・クローグのリーダー作(競演作かな?)。今回紹介している’03年に国内盤化されたアルバムはどれもひと癖あって、今日のアルバムもジョン・サーマンの作曲で、もう少し静かならECMから出せたんじゃないか、という雰囲気もあったりするサウンドです。やはり普通のヴォーカルファンからは少し遠いところにあるような曲が続きます。実際、少し冒険的な曲でECMに彼女が参加したことがありますし。ベースはエレキなのか、ペダルなのか分からないような、多重録音では当時よくあるような音で出ています。ある意味ジョン・サーマンのファンには、これいいなあ、と言わせるものがあるのでは、と思います。やはり聴く人を選びますけれども。

 

Cloud Line Blue/Karin Krog(Vo) & John Surman(Ss, Bs, Bcl, Synth, G, P, etc)(P-VINE) - Recorded 1977 and 1978. Janett Cooke(P, Synth), Stu Martin(Ds) - 1. Alone Song 2. New Spring 3. Eyeless In Movement 4. Jonathan 5. Empty Streets 6. Cloud Line Blue 7. Edge Piece

全曲ジョン・サーマンの作曲。詞は全曲Paul Rowlandsのもの。独特な薄暗い雰囲気と、哀愁が支配していて、ある種独特な印象。1曲目からいかにもジョン・サーマンとのコラボレーション、といった感じの演奏です。エレクトロニクスと楽器のサウンド、そしてそれに絡みついていくヴォーカルで盛り上がりを見せている2曲目、せわしない電子音と北欧的なメロディが交錯する中でしっとりと、そしてゆったりと進んでいく3曲目、沈んだ色調がエキゾチックなサウンドをもたらして、後半ドラムスが加わる4曲目、やはり静か系ですが、後半サーマンのバリトンサックスのソロになる5曲目、2人での多重録音なのに壮大な叙事詩を聴いているような雰囲気(ここもサックスソロあり)の6曲目、トータルアルバムを意識させる7曲目。(03年11月25日発売)

2022/12/16

百 ワン・ハンドレッド・ドリームス/藤井郷子

Fujiihyaku 221215fujii 新譜が届いたので先に聴いていきます。藤井郷子さんの何と100枚目のリーダー作。ジャケットの中の冊子にアルバムのリストがジャケ入りで掲載されていますが、この他にサイド参加作もあって、さすがにそちらは全部追い切れてないなあ、とリストを見て思いました。思い返せば、彼女とポール・ブレイのデュオ作がCDショップ店頭で目にとまり、そこから買いだしたのが最初で、もう15年以上前になるかもしれません。その時はまだそんなにたくさんのアルバムが出ていなかったのですが、みるみるうちにどんどん出てくるようになりました。今回はその集大成的なアルバムですけど、当時からの聴く力というのが自分はあまり進歩していなくて、藤井さんがどんどん深化して行っているような気がします。聴く人を選ぶとは思いますが、この音世界、個人的にはけっこう病みつきになります。記譜された部分とフリーの部分も絶妙です。

 

百 ワン・ハンドレッド・ドリームス/藤井郷子(P)(Libra Records)
Hyaku - One Hundred Dreams/Satoko Fujii(P)(Libra Records) - Recorded September 20, 2022. Ingrid Laubrock(Ts), Sara Schoenbeck(Bassoon), Wadada Leo Smith(Tp), Natsuki Tamura(Tp), Ikue Mori(Electronics), Brandon Lopez(B), Tom Rainey(Ds), Chris Coorsano(Ds) - 1. One Hundred Dreams, Part One 2. One Hundred Dreams, Part Two 3. One Hundred Dreams, Part Three 4. One Hundred Dreams, Part Four 5. One Hundred Dreams, Part Five

全曲藤井郷子がコロナ禍の時に作曲したものをアレンジした曲で、ライヴでの演奏。収録時間は58分。大編成だけれども、ビッグバンドとは違って、場面によって登場する楽器が違っていて、その中で静かな場面と盛り上がりのある場面との交錯していて、なかなか見事。ある意味雅楽とか、和の世界にも通ずるところがあるのかなあ、またはフリーでもあり、何となく現代音楽的でもあり、と聴いていて思った次第。フリーなので聴く人を選ぶかもしれませんが、この音と間の具合がなかなかいい。これだけの集中力のあるバンドリーダーであり、ピアニストはなかなかいないと思います。今までの集大成にふさわしい。ジャケットは今までのリーダー作の一覧があって豪華だし、初回作からの26年間、いろいろ思い出されます。(22年12月9日発売)

2022/12/15

We Could be Flying/Karin Krog

Karinwecouldカーリン・クローグのリーダー作。スティーヴ・キューンの参加で、オーソドックスなジャズを想像するのですが、1曲目の出だしで期待していると、いわゆるジャズ・ロックの世界に入り込んでいきます。ピアノ表記にしていますけどエレキ・ピアノですね。この時はスティーヴ・スワロウもエレキ・ベースになっていますし。本格的なジャズ・ヴォーカルファンは、ちょっと敬遠してしまうんではないかなと思います。ただ、時代的には、ジャズ・ロックの時代だったので、こういう記録が残るのは何ら不思議ではないと思います。たまたまカーリンのアルバムなので、遅れて国内盤で再発されたんだ、という認識ではいますけど。

 

We Could be Flying/Karin Krog(Vo)(P-VINE) - Recorded July 30 and 31, 1974. Steve Swallow(B), Steve Kuhn(P), Jon Christensen(Ds, Per) - 1. We Could be Flying 2. Meaning Of Love 3. Sometime Ago 4. All I Want 5. Sing Me Softly Of The Blues 2. Raindrops, Raindrops 7. Lament 8. Hold Out Your Hand 9. Time To Go

9曲中4曲はスティーヴ・キューンのオリジナル。キーボードにエレキベースという編成で、曲によってはクロスオーヴァーというか、ジャズロックのサウンドなので、このアルバムもけっこう異色。1曲目は派手に8ビートでせまってくる重々しいサウンド。ベースが絡みつきながらもメロディアスで軽やかな感じのジャズロックになっている2曲目、一転メロウなバラードになる3曲目、この時期にしては珍しくジョニ・ミッチェルの曲でロック的なアップローチの4曲目、カーラ・ブレイ作の徐々に盛り上がるブルースでの4ビートの5曲目、16ビートでアップテンポ、間奏のキーボードソロもスリリングな6曲目、ピアノのみをバックにしっとりと歌い上げる7曲目、細かいリズムでノリの良い8曲目、メロディとジャズロックの間で揺れる9曲目。(03年11月25日発売)

2022/12/14

Joy/Karin Krog & Friends

Karinjoy 私が取り上げている数少ないヴォーカリストのカーリン・クローグです。本当はヘレン・メリル他、何人か途中までホームページで作ってはみたものの、途中で挫折しました。オーソドックスなヴォーカル・アルバムで名盤を残している反面、アヴァンギャルドなアルバムを何枚も出し、あるいは参加していて、そちら方面でも有名でもあります。今日のアルバムは、’68年録音にしてはずいぶんと冒険していて、オーソドックスなアルバムから入った人は時々腰が引けてしまうんではないかと思います。それが’03年になってやっと国内盤が出た理由かなと思います。今はストリーミングでも聴けますので、まずは聴いてみてください。

 

Joy/Karin Krog(Vo, Per) & Friends(P-VINE) - Recorded July 6 and October 2, 1968. Jan Garbarek(Ts, Per), Terje Bjorklund(P), Arild Andersen(B), Svein Christiansen(Ds), Espen Rud(Per), Palle Danielsson(B) - 1. Mr. Joy 2. Karin's Mode 3. Round About Midnight 4. Maiden Voyage - Lazy Afternoon

ヴォーカルのアルバムなのに収録曲は4曲のみで、少々冒険的で異色。1曲目は、アーネット・ピーコック作の哀愁あふれるメロディがせまってきますが、後半の比較的自由に歌っている部分も印象に残る8ビート系の曲。時々ヴォーカルにエフェクトが。2曲目はヤン・ガルバレク作で出だしが変拍子、かつアヴァンギャルドな、ヴォイスパフォーマンスで勝負しています。その旋律が何となく北欧的。ヴォーカルの露出度は低く、フリージャズに突入する珍しい例かも。3曲目は「ラウンド・ミッドナイト」を2人のベースと、ドラムスのみをバックに、気だるげに歌っています。この曲のみライヴ。4色目は「処女航海」と他の曲のメドレーで、出だしのヴォーカルに派手にディレイがかかっていてビックリ。それでもけっこう聴かせます。(03年11月25日発売)

2022/12/13

Virtuosi/Gary Burton & Makoto Ozone

Garyvirtuosiゲイリー・バートンのリーダー作というよりは競演作ということになるのかな。と同時に彼の作品も今日まで。小曽根真との共演も多いですけど、デュオでクラシックをほとんど題材に、というのは、確かこれだけではなかったかな。小曽根の確かなピアノのウデがないと、クラシックを題材にというのはなかなか難しいと思います。クラシックを基調にジャズ方面にまで出張する、ということは、他の人選だとまた違った雰囲気になると思います。収録時間も69分で、クラシックのいいところ、ジャズのいいところをとって演奏している感じが聴いていてなかなか心地よいです。譜面によるところとアドリブによるところと想像しながら聴くのもまた良い。

 

Virtuosi/Gary Burton(Vib) & Makoto Ozone(P)(Concord) - Recorded August 14 and 15, October 14 and 15, 2001. - 1. Le Tombeau De Couperin 1 - Prelude 2. Excursions 1, Opus 20 3. Prelude 8 , Opus 32 4. Milonga 5. Prelude 2 6. Sonata K. 20 7. Impromptu - From Three Little Oddities 8. Piano Concerto In F - Movement 3 9. Lakme Medley: Berceuse/Duettino 10. Capriccio 2, Opus 76 11. Something Borrowed, Something Blue

ほとんどがクラシックからの曲で、それをヴァイブラホンとピアノのデュオ用にアレンジしていて、ということでクラシック的な演奏を聴かせてくれます。ただし全部がクラシック寄りかというとそうでもなく、例えば、5曲目はジョージ・ガーシュインの曲なので、さすがにブルース的でジャジーな雰囲気が漂ってきたり、7、8曲目のあたりでは途中けっこうジャズして盛り上がります。2人の息はぴったり合っていて、難しい楽器の組み合わせにもかかわらず融合したサウンドが飛び込んできます。中には哀愁漂うタンゴの曲や小曽根真のオリジナルも。それにしてもアドリブなのか譜面に書かれた演奏なのか気になる部分も多いカッチリとしてまとまりの良い演奏。いわゆるジャジーではなくても、やっぱり彼ら流のジャズ、かな。(02年3月21日発売)

2022/12/12

For Hamp, Red, Bags, And Cal/Gary Burton

Garyforhamp ゲイリー・バートンのリーダー作。彼はもう引退してしまいましたが、この時期の彼のアルバム制作はいろいろと精力的にやっていて、今回はヴァイブラフォンの過去の名プレイヤーに捧げられたアルバムになっています。他のメンバーも複数使い分けて、メンバーもすごいし、やはりこの時期ジャズにとってもある意味黄金時代だったことは、疑いようがないですね。過去のプレイヤーに捧げられているとは言っても、アレンジやサウンドは昔の面影も少し残しつつ、やはり当時(今)の演奏で通してるような気がしています。一部ラグタイムのような演奏もありますが、そこはそれでなかなかいいんじゃないかと思います。

 

For Hamp, Red, Bags, And Cal/Gary Burton(Vib)(Concord) - Recorded May and June, 2000. Horacio Hernandez(Ds), Russell Malone(G), Christian McBride(B), Mulgrew Miller(P), Lewis Nash(Ds), Makoto Ozone(P), John Patitucci(B), Danilo Perez(P), Luis Quintero(Per) - 1. Afro Blue 2. Bag's Groove 3. Move 4. Midnight Sun 5. Flying Home 6. Django 7. Back Home Again In Indiana 8. Body And Soul 9. Godchild 10. Joao 11. Hole In The Wall 12. Dance Of The Octopus

邦題「グレイト・ヴァイブス」。ヴァイブラホンの名プレーヤー達に捧げられたナンバーで、メンバーがチェンジしつつ、過去の有名な曲を中心に演奏されています。けっこう聴きやすいサウンドかもしれません。いつもよりは温度感が高いかな、とも思えますが、聴けばやっぱり彼の音らしいという気にもさせてくれます。個人的には3、7、9曲目のラッセル・マローンとクリスチャン・マクブライドとのトリオでの演奏が、張り切っていて好き。特にギターがスゴい感じ。そして、ダニーロ・ペレスが参加する曲はやっぱりラテンっぽい。11-12曲目の小曽根真とのデュオはラグタイムっぽかったりしますが、なかなか一体感のある演奏を聴かせてくれます。ジョン・パティトゥッチは1、8、10曲目に参加しています。(01年2月21日発売)

2022/12/11

Libertango/Gary Burton

Garyliberta ゲイリー・バートンのリーダー作。このあたりのアルバムはひとまとめにして置いてあって、探すのは楽でした。便宜上ジャズにしてあるけど、モロに全曲アストル・ピアソラ集でタンゴのアルバムになっています。彼の録音歴の中でもタンゴの曲を収録したアルバムは、アストル・ピアソラと共演したアルバムがあって、かなり心酔しているんだな、ということが分かります。収録時間は71分と、けっこう長め。元々のタンゴにはないと思われるのはヴァイブラフォンだと思うのだけど、それがピッタリと全体のサウンドにマッチしているように感じます。こっち方面が好きな方にはおすすめです。

 

Libertango/Gary Burton(Vib)(Concord)(輸入盤) - Released 2000. Fernando Suarez-Paz(Vln), Marcero Nisinman(Bandoneon), Pablo Ziegler(P), Nicolas Ledesma(P), Horacio Malvicino(G), Hector Console(B) - 1. Libertango 2. Invierno Porteno 3. Escualo 4. Buenos Aires Hora Cero 5. Fuga Y Misterio 6. Milonga Del Angel 7. Michelangelo 70 8. Contrabajissimo 9. Fugata 10. Mumuki 11. Milonga Loca 12. Adios Monino

(00/04/12)ゲイリー・バートンによるアストル・ピアソラ集で、全曲がピアソラの曲。共演のミュージシャンも全員がタンゴ畑出身のようです。ピアソラの曲はタンゴとしてはけっこう現代的な感じがしますが、それでもやっぱりタンゴ。ジャズの要素はほとんどなく、タンゴの中にヴァイブラホンが溶け込んでいるという感じのサウンドで、ゲイリー・バートンの端正で綺麗な音がうまく全体にマッチしています。おそらく大部分は譜面に書かれたものでしょう。そのサウンドやメロディから漂う哀愁はかなりのもので、作曲者ピアソラの偉大さが今さらながらに分かります。聴いたことがある曲が多いのがうれしい。BGMにもじっくり聴くにも良い感じです。 ジャズファンよりは、おそらくタンゴファンに受けるのではないかと思います。

2022/12/10

Pier Paolo Pasolini/Land Der Arbeit/Christian Reiner

2768 ECM New Series新譜(?)が届いたので先に聴いていきます。まず、注意しなければならないのは、このアルバムは音楽がなくて、ドイツ語の語りだけで成り立っている点。ECMのファンでもそこを検討して、購入した方がいいです。ただし、ECMは過去に何枚も語りだけ、あるいは語り中心のアルバムを出しているので、そこは一貫した方針だと思います。まあ英語ならまだしも、ドイツ語だし、ライナーもドイツ語だけなので、ドイツ国内盤向けの様相になっています。これもストリーミングがありますので、それを聞いてみてください。それからの判断でも遅くはないのではないかと思います。私個人としては、言葉の問題でアルバムの核心に近づけないのが残念。頼りはメーカーの広報です。

 

Pier Paolo Pasolini/Land Der Arbeit/Christian Reiner(Narration) (ECM New Series 2768)(輸入盤) - Recorded 2021-2022. - 1. Land Der Arbeit 2. Brief An Jewtuschenko 3. An Den Fursten 4. Bitte An Meine Mutter 5. Grosse Vogel, Kleine Vogel 6. Wenn Die Klassische Welt Verbraucht Sein Wird 7. Patmos 8. Am Quai Von Siracusa

(22/12/09)収録時間は45分。イタリアの映画監督のパゾリーニの、本来の文章はイタリア語だと思いますが、ここではそれをドイツ語で表現しています。’58年から’80年までの記録集で、音楽はなく、ドイツ語の話し言葉なので、完全にドイツ国内盤の趣き。CDのライナーもドイツ語のみなので、一層その感を強く感じます。ただECMには過去にもこういうアルバムを何枚か出しているので、そういう意味では一貫した方針なのかも。

2022/12/09

Departure/Gary Burton & Friends

Garydepart ゲイリー・バートンのリーダー作。本来手直しする時期に差し掛かる頃のアルバムになりました。他のミュージシャンのところで、すでに取り上げたと思っていましたが、他で特集しているリーダーがいる時にはそちらで直す、というルールを決めておいたため、混乱に陥らなくて済んでいます。それにしても豪華すぎるくらい豪華なメンバーでのアルバムです。ある意味ジャズが財政的にも潤っていた時期でもあるため、こういうアルバムを聴けるのは幸せですね。バートンの性格からか、あまり過激な演奏もなく、リラックスして上質なジャズを聴くことができます。しかも有名な曲が多いので、それも楽しいですね。

 

Departure/Gary Burton(Vib) & Friends(Concord)(輸入盤) - Recorded September 20-22, 1996. Peter Erskine(Ds), Fred Hersch(P), John Scofield(G), John Patitucci(B) - 1. September Song 2. Poinciana 3. Depk 4. Tenderly 5. If I Were A Bell 6. For All We Know 7. Japanese Waltz 8. Tossed Salads And Scrambled Eggs 9. Born To Be Blue 10. Ecaroh

(99/01/06)大物ばかりのメンバーで、有名な曲を料理しています。これだけのミュージシャンが揃っていながら、比較的オーソドックスな、しかも余裕のリラックスしたジャズに徹しているところがスゴいです。とは言いつつも、こういう感じになるのはゲイリー・バートンの資質かも。ちなみに彼自身のプロデュース。フレッド・ハーシュの繊細なピアノ、ジョン・スコフィールドの浮遊感のあるギター、ゲイリー・バートンの知的なヴァイブラホンが交互に、あるいは合わさってメロディを奏でる雰囲気がいい感じ。テーマ部分に関してはけっこう緻密にアレンジされているようです。そんな中でもジョン・スコフィールドはここではおとなしめですが、どこへいっても彼らしいフレーズ。存在感があります。 ファンにはうれしいところかも。

2022/12/08

Gary Burton Quartet In Concert

Garyinconcert ゲイリー・バートンのリーダー作。ブログをはじめる2か月ほど前のアルバムは、だいたいブログに取り上げているのですが、これは再発盤だったので、そのままになっていたと思われます。この時期の彼のアルバムは。さらに遅れて’10年代あたりに国内盤化されたものも多く、’60年代の彼のアルバムは、私はあまり積極的に輸入盤まで手を出していなかったようです。昨日のアルバムと比べて、ドラマーだけは変わっているけど、十分にアピールできたジャズだったろうなあ、と思うコンサートではあります。曲によって濃淡はありますけど、新しいサウンドを取り入れた曲もあるので。この時期、多作だったんですね。リーダー作は追い切れてないとは思いますが。

 

Gary Burton(Vib) Quartet In Concert(RCA) - Recorded Fabruary 23, 1968. Larry Coryell(G), Steve Swallow(B), Bob Moses(Ds) - 1. Blue Comedy 2. The Sunset Bells 3. Lines 4. Walter L. 5. Wrong Is Right 6. Dreams 7. I Want You 8. One, Two, 1-2-3-4

ライヴ盤で、ゲイリー・バートンの曲ないしは合作は全8曲中4曲。ラリー・コリエルの曲もやや多め。曲によっては、当時としては新しいサウンドだったのでは。その中では意外にオーソドックスな4ビートのブルースで攻めているマイク・ギブス作の1曲目、バートンらしい少し冷めた温度感の静かなバラードの2曲目、ヴァイブラホンとギターとのデュオで、速めのパッセージも息の合っている3曲目、カントリー的だったりブルース(ロック)的だったりするギターがなかなか面白いノリの良い4曲目、これまたメロディアスでややテンポの速い5曲目、バートンのソロが静かに展開する6曲目、何とボブ・ディラン作の曲をベースでテーマを弾いています。8曲目は「ダスター」でも演奏された合作で、けっこう自由に爆発している10分台の曲。(04年3月24日発売)

2022/12/07

Duster/The Gary Burton Quartet

Garyduster 次はゲイリー・バートンのリーダー作へ。この当時はまだ国内盤のあるものはそちらを買っていたことも多かったため、今日のような旧譜もその国内盤の発売日から、20年ほど前のカテゴリーになってしまうものもあります。この時期はけっこうジャズしていた時代のアルバムですね。彼のアルバムの知名度としては、割とある方なのに今になって聴き直しています。ピアノレスで、ラリー・コリエルがギターで入っているのがいいですね。今見ると、有名なメンバーばかりで、スティーヴ・スワロウもこの時期はアコースティック・ベースでした。でも、この時期のバートンの他のアルバムは、あまり聴き直さないかなあ、とも。

 

Duster/The Gary Burton(Vib) Quartet(RCA) - Recorded April, 1967. Larry Coryell(G), Steve Swallow(B), Roy Haynes(Ds) - 1. Ballet 2. Sweet Rain 3. Portumouth Figurations 4. General Mojo's Well Laid Plan 5. One, Two, 1-2-3-4 6. Sing Me Softly Of The Blues 7. Liturgy 8. Responce

8曲中マイク・ギブス作が3曲、スティーヴ・スワロウ作が2曲、自作が2曲(うち1作は共作)などの構成。意外にジャズしています。ただ、ラリー・コリエルのギターはロックにも近いし、当時としてはけっこう新鮮なサウンドだったかも。この時のベースはアコースティック。1曲目はやや元気の良い3拍子の曲。その後のECM的な彼の世界を連想させる静かなバラードの2曲目、ジャズしているのにやはり個性的なサウンドの3曲目、8ビートでスマートなジャズロックの雰囲気を伝える4曲目、ギターが過激なフレーズでせまってくるフリージャズにも近いような5曲目、カーラ・ブレイ作のしっとりとしたサウンドのバラードの6曲目、これもジャズロックになるノリが良く流れていく7曲目、ちょっと浮遊感のある落ち着いたバラードの8曲目。(04年2月25日発売)

2022/12/06

Holiday For Strings/Paul Motian & The Electric Bebop Band

Paulholiday ポール・モチアンのエレクトリック・ビバップ・バンドの6作目にして集大成か。((注)この後ECMから’04年録音で「Garden Of Eden/Paul Motian Band」という、実質エレクトリック・ビバップ・バンドのアルバムを出してました。)このアルバムではモチアンのオリジナルが多く、そしてメンバーも曲を何曲か提供して、ビバップの要素が薄れてきています。それで当時、やや聴く人を選ぶかも、ということを書いていたんだな、と思います。でも、他のモチアンのリーダー作を聴きなれている方にとっては、許容範囲内だし、むしろこっちの方が好き、という方も多いのでは。リーダー作はこのバンドを3日間続けて、サイド参加作は今回はなし、というのも興味深い結果です。

 

Holiday For Strings/Paul Motian(Ds) & The Electric Bebop Band(Winter & Winter) - Recorded November 10-12, 2001. Anders Christensen(B), Chris Cheek(Ts), Pietro Tonolo(Ts, Ss), Ben Monder(G), Steve Cardenas(G) - 1. Arabesque 2. 5 Miles To Wrentham 3. Morpion 4. Luteous Pangolin 5. Look To The Black Wall 6. Holiday For Strings 7. Endgame 8. It Never Entered My Mind 9. Roundup 10. Oh, What A Beautiful Morning

このメンバーでは2作目。エレキ系の楽器でビバップを演奏する、という趣旨ではじまったバンドですが、ここでは半分ほどの曲はポール・モチアンかメンバーの曲で、前半にほぼかたまっています。彼の曲はノリの良さよりは、テンポが奥に引っ込んでいて不思議な浮遊感を追求している曲が多いです。その彼の世界を堪能するには良い1-3曲目。ほのぼのとした感じもあるけれども、爆発はせずにベクトルは内面を向いている感じ。8曲目あたりでおなじみのメロディが聴けるものの、定速4ビートは5曲目ぐらいで、タイトル曲の6曲目も浮遊感があふれています。結果、ビバップよりもポール・モチアンで「買い」ということに。2サックス、2ギターの編成が独特ですが、聴いていて心地良い。やや聴く人を選ぶかも。(02年7月28日発売)

2022/12/05

Europe/Paul Motian & The Electric Bebop Band

Pauleurope ポール・モチアンのエレクトリック・ビバップ・バンドの5作目。彼のオリジナルもありますが、やっぱりグループの趣旨としてのビバップ関連の曲が多いですね。ここでメンバーを大きく替えていますけど、やはりモチアンの個性で出来ているバンドだなあと、聴いていて思います。サウンド的に多少は変わるものの、基本的には前から継続しているような感じです。ここでもメンバーが興味深いですね。先を見る目があるというか、そんな感じのメンバー。なぜこんなにこのバンドにこだわるのか、それは聴いていて、その独創的なサウンドにあると思います。ゆったりした曲の浮遊感も何とも言えず、いいなあと思います。

 

Europe/Paul Motian(Ds) & The Electric Bebop Band(Winter & Winter) - Recorded July 2-5, 2000. Anders Christensen(B), Chris Cheek(Ts), Pietro Tonolo(Ts, Ss), Ben Monder(G), Steve Cardenas(G) - 1. Oska T 2. Birdfeathers 3. Blue Midnight 4. Introspection 5. New Moon 6. Fiasco 7. Gallops Gallop 8. If You Could See Me Now 9. 2300 Skidoo

メンバーをほとんど一新したものの、編成自体は変わってはいません。今までの延長線上ですが、相変わらず個性的なエレクトリック(?)サウンド。テーマを中心に軽く演奏するモンク作の1曲目、バップだけども新しい感じの、ノリの良いパーカー作の2曲目、浮遊感漂う空間的な、時に空間を埋めていくオリジナルの3曲目、渋めのアンサンブルのモンク作の4曲目、メンバーのオリジナルとは思えないメロディアスな5曲目、全員によるフリー・インプロヴィゼーションかと思えるようなオリジナルの6曲目、自由奔放な演奏が聴ける、これまたモンク作の7曲目、この曲だけは比較的オーソドックスに甘く語りかけてくる8曲目。ハービー・ニコルズ作のオーソドックスなリズムの上にのるエレクトリックといった9曲目。(01年 7月25日発売)

2022/12/04

Monk & Powell/Paul Motian And The Electric Bebop Band

Paulmonkpo ポール・モチアンのエレクトリック・ビバップ・バンドの4作目だそうで、これ以前はBambooレーベルで録音していたので、ブログにはアップ済み。この時期もかなりのペースで新譜のアルバムを出しています。扱う題材もセロニアス・モンクとバド・パウエルと興味深いですけど、このバンド、時にメンバーを入れ替えながらも、なかなかすごい人選になっていて、こういう豪華な(当時は若手でしたけど)メンバーを集めて演奏していたんだなあ、ということが分かります。バンドリーダーとしても、異彩を放っていました。この題材で、エレキ寄りのサウンド(内容はジャズですけど)で攻めてしまうところなんか。

 

Monk & Powell/Paul Motian(Ds) And The Electric Bebop Band(Winter&Winter) - Recorded November 28-29, 1998. Kurt Rosenwinkel(G), Steve Cardenas(G), Chris Potter(Ts), Chris Cheek(Ts), Steve Swallow(B) - 1. We See 2. I'll Keep Loving You 3. Brilliant Corners 4. Rootie Tootie 5. Blue Pearl 6. Boo Boo Birthday 7. Wail 8. San Francisco Holiday 9. Parisian Thoroughfare

2ギター、2テナーという変わった編成のバンドによる、モンク(1、3-4、6、8曲目)&パウエル(2、5、7、9曲目)集。スコンスコンいうドラムとモコモコいうベースも特徴的。ややエレクトリックでこの編成だからこそのサウンドも明るめで心地よいですが、表現はビバップ的といえばビバップ的。良い曲が多いのですが、曲はあくまでも素材としてとらえた方がいいかも しれません。ノリの良い1曲目、メロディが美しい2曲目、やはり原曲が強烈な3-4曲目、ギターが入ると哀愁が漂う5曲目、けっこうジャズらしいノリの6-7曲目、聴いていてウキウキと楽しくなってしまう8曲目。出だしがフリージャズのセッションかとも思える9曲目も意表をついています。評価は分かれそう ですが、こういう特集もありかな、と思います。(99年9月26日発売)

2022/12/03

パスクァーレ・プレイズ・デューク/パスクァーレ・グラッソ

Pasqualeplaysdu これも昨年発売の国内盤ですが、CDとしてはトリオでの初演奏。ただ、このトリオはずっと演奏をやってきての録音なのでまとまりはいいです。そこにソロの曲やヴォーカル入りの曲が混ざっていて、変化に富んでいます。かなりすごい演奏なのにもかかわらず、ヴォリュームを絞ってBGMでも聴かせられるんじゃないかと思っています。デューク・エリントン集というのがなかなかいい感じで、昔の時代のジャズのようだけど、演奏していると決して古さは感じさせないところがいい。それでいて現代ジャズという感じのメロディやフレーズではないし、こういうジャズ・ギタリストがいてもいいんじゃないかな、というところにスバっとハマりました。

 

パスクァーレ・プレイズ・デューク/パスクァーレ・グラッソ(G)(Masterworks)
Pasquale Plays Duke/Pasquale Grasso(G)(Masterworks) - Released 2021. Ari Roland(B on 1-2, 4-5, 7, 9-10, 12), Keith Balla(Ds on 1-2, 4-5, 7, 9, 12) - 1. It Don't Mean A Thing 2. Blue Rose 3. Prelude To A Kiss 4. Solitude (Featuring Samala Joy) 5. Cotton Tail 6. Warm Valley 7. Mood Indigo (Featuring Sheila Jordan) 8. In A Sentimental Mood 9. Wig Wise 10. All Too Soon 11. Day Dream 12. In A Mellow Tone 13. Reflections In D [Bonus Track] 14. I Let A Song Go Out Of My Heart

デューク・エリントン曲集で、トリオやソロなどでその魅力にせまります。収録時間は59分。4曲目にはサマラ・ジョイ、7曲目にはシーラ・ジョーダンのヴォーカルを迎え、インストルメンタルの曲ばかりではなく、ヴォーカル曲もなかなかいい感じでの演奏。昔からエリントンの曲は好きだったようで、このあたりの年代の曲と、オーソドックスなギターのように見えて、実はバカテクのすごいギタリストの演奏を聴くことができます。ここまで精緻だと何も言うことがないくらい。しかもフルアコのギターなのに5曲目のように急速調のフレーズもお手のもの。何度も書いてますが、それでいてフレーズがメロディアスで歌っているのが素晴らしい。しかも題材がエリントンなので、なおのこと。これだけのことをやりながら、BGMでもいけそう。(21年11月24日発売)

2022/12/02

ソロ・マスターピース/パスクァーレ・グラッソ

Pasqualesolomas国内盤CDが先月22日に届いていたのですが、輸入盤の新譜を聴くのに忙しく、昨年発売なので、自分の基準では今年のベスト3には入れないので(次点に彼の作品が入っているし)、やっと聴けました。実はストリーミングでは聴いてはいるのですが、やはりCDに対峙して聴くという作法は、自分にとっては重要だと思います。ジョー・パスと比べてしまいますけど、ジョー・パスは我流であそこまでいったのだとかで、正式な音楽教育を受けているパスクァーレ・グラッソは、今のジャズの方法論は入っているのかどうかわかりませんけど、かなりすごく、聴き心地も良いです。これはもっと話題になってもいいアルバムですね(もうなっているのかも)。収録時間は52分。

 

ソロ・マスターピース/パスクァーレ・グラッソ(G)(Masterworks)
Solo Masterpieces/Pasquale Grasso(G)(Masterworks) - Released 2021. - 1. All The Things You Are 2. Over The Rainbow 3. Just One Of Those Things 4. 'Round Midnight 5. Hallucinations 6. Sophisticated Lady 7. Tea For Two 8. Bouncing With Bud 9. These Foolish Things 10. Epistrophy 11. Parker's Mood 12. Body And Soul [Bonus Track] 13. Ev'ry Time We Say Goodbye

スタンダード、ジャズメン・オリジナル集にしてパスクァーレ・グラッソのデビューCD。ソロギターでの演奏ですが、ジャズだけではなくてクラシックの音楽教育も受けているそうで、その技術は驚異的。それでいて、ソロがちゃんと歌っているのも見事。これだけの演奏を他のジャズ・ギタリストでは聴いたことがないです。フルアコのギターなのに、ところによっては超スピードのフレーズが散りばめてあり、信じられない、との思いも。ただ、これだけのテクニックを持ちながら、何度も心地よく聴けてしまうのがいい。このあたりまではソロ・ギターばかりの録音だったそうで、他の誰にも似ていないソロが出来上がってしまっています。適度に古いなじんだ曲が並んでいて、何気なく聴いてしまいそうだが実はすごい、というのもなかなか。(21年5月12日発売)

2022/12/01

Book Of Innocence/Stefano Travaglini/Achille Succi

Stefanobookof イタリアから新譜が届いたので、先に聴きます。Stefano Travagliniのアルバムはなかなかいいのですが、あのディスクユニオンでもほとんど扱っていない(12月6日追記 HMVやディスクユニオンなどでももう少ししたら入荷するようです)ので、まず聴いてみたい方はストリーミングで聴いてみることをお勧めします。もう年間ベスト3は出してしまったのですけど、もう少し前に届いていたら、ベスト3か次点かに入っていた可能性が強いですね。誤解を恐れずに言うなら、ECMに激しい部分も持たせていて、少しほの暗い感触と、温度感の低さがなかなか魅力的です。パット・メセニーのトラベルズも入っていますけれども、曲名を見てなければオリジナルだと思っていたでしょうね。自分的にはだいぶ好みです。

 

Book Of Innocence/Stefano Travaglini(P)/Achille Succi(Bcl, As)(Notami Jazz)(輸入盤) - Recorded September 6 and 7, 2022. - 1. Rothko 2. Bauci 3. Silent Moon 4. Polymorph 5. Travels 6. Vipassana 7. Turning Tables 8. Blues For Days To Come 9. Book Of Innocence

(22/11/29)5曲目がパット・メセニー作で、他は全曲Stefano Travaglini作。収録時間は53分。ホーンとのデュオで、1曲目から現代音楽のような激しいピアノの左手でのフレーズの連打が強力で印象的。2曲目からも少し浮遊感を伴いつつ、硬質でなお印象的なピアノの音が魅力的。アルトサックス、バスクラリネットを使い分けるAchille Succiも現代ジャズを吹くには適材適所。静かな場面や激しい場面がありつつも温度感の低いジャズ。静かな場面では、2人の叙情性が出ていて、いかにもヨーロッパのジャズという感じです。5曲目のみメセニーの曲だけど、これも静かでオリジナルのような響き。ある意味時にクラシックでアルペジオのように激しく動くピアノの左手に魅了されます。それでいてメロディアスなところがいい。

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