The Song Is You/Enrico Rava/Fred Hersch
今年はECMもコロナ禍より脱して、また多くのアルバムのリリースが復活してますが、意外なミュージシャンが登場したりしている年でもあります。ここではフレッド・ハーシュが、確かECMには初登場。しかも、多くの曲が割と有名な既成曲ということで、キース・ジャレット以外でこういうことはそんなに多くないので、これも話題にはなりそうです。最近割合的には少なくなりつつありますが、プロデューサーはマンフレート・アイヒャーだし。まあ、おそらく彼の希望でインプロヴィゼーションの曲を入れたりはしているとは思います。いろいろと話題性はあるけれど、アルバムを聴いてけっこう良いアルバムだし、適度に地味さ(渋さ)加減があるのがいいなあ、と思います。
The Song Is You/Enrico Rava(Flh)/Fred Hersch(P)(ECM 2746)(輸入盤) - Recorded November 2021. - 1. Retrato Em Branco E Preto 2. Improvisation 3. I'm Getting Sentimental Over You 4. The Song Is You 5. Child's Song 6. The Trial 7. Misterioso 8. 'Round Midonight
(22/10/03)エンリコ・ラヴァの曲が6曲目、フレッド・ハーシュの曲が5曲目、2人のインプロヴィゼーションが2曲目で、他の曲はジャズメン・オリジナルやスタンダード、ボッサなど。収録時間は42分。1曲目はアントニオ・カルロス・ジョビンの作曲で、ECMでこんなに既成曲が多いということはキース・ジャレット以外はまれなので、その叙情的でやや静かな進行を堪能しました。ハーシュもこのレーベル初めての登場。緊張感はありつつも彼ららしい即興演奏の2曲目はマンフレート・アイヒャーのリクエストによるものでしょう。ラヴァはマイペースのようですが、3曲目のハーシュはそんなに甘くなく、彼らしくも少しトガッた弾き方のようにも感じます。ただ、他の場面では耽美的な演奏も多く、淡いけどカラフルな世界が広がります。
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コメント
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工藤さん,こんばんは。
これはいいですよねぇ。Fred HerschがECMに登場するとは思っていませんでしたが,こういうかたちなら十分ありですね。
RavaとHerschというのは聞く前は相性はどうなのかなと思っていましたが,全くの杞憂でした。この二人だからこそできた世界って気がします。
ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2022/09/post-8af2a8.html
投稿: 中年音楽狂 | 2022/10/06 23:42
>中年音楽狂さん
おはようございます。
書き込みありがとうございます。
フレッド・ハーシュの登場は、以前にマーク・コープランド参加作が出たときのような衝撃がありました。でも、エンリコ・ラヴァとの相性は良いみたいで良かったです。どうせなら全曲スタンダードやジャズメン・オリジナルでいってもいいのですが、そこにインプロヴィゼーションや2人の曲を入れるあたりECMだなあ、と思います。
投稿: 工藤 | 2022/10/07 04:02