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2022年10月の記事

2022/10/31

The Heart Of Things Live In Paris/John McLaughlin

Johntheheartlive昨日に引き続き、ジョン・マクラフリンのグループで、これはライヴになっています。収録時間は77分と1曲が長め。このバンドはライヴの方がいいかなあ、と思うのですけど、どうでしょうか。曲も前作のダブりもありますけど、ライヴになってどう変わったかも興味深いところ。まあ、勢いがあっていいですね。マシュー・ギャリソンとデニス・チェンバースの組み合わせだったら、エネルギーを浴びることもできますし。昔は何度も聴いたアルバムですが、最近は体力がないせいか、久しぶりになってます。でも、今聴くと意外にマイルドな部分も。他でも書いてますけど、こういうライヴを観ることができたらなあ、と思います。これももう30年以上前になるんですね。

 

The Heart Of Things Live In Paris/John McLaughlin(G)(Verve) - Recorded 4 and 5, 1998. Dennis Chambers(Ds), Gary Thomas(Ts, Ss), Mathew Garrison(B), Otmaro Ruiz(Key), Victor Williams(Per) - 1. Seven Sisters 2. Mother Tongues 3. Fallen Angels 4. The Divide 5. Tony 6. Acid Jazz

スタジオ録音と3曲ダブっています(1、3、6曲目)が、こちらの方はやはりライヴならではのエネルギーがあります。大半の曲が10分を超える長尺の演奏。ハードなフュージョン(ファンク)の曲が多いですが、ジョン・マクラフリンの速いパッセージが聴いていて気持ち良い。メロディアスでギターとサックスのかけ合いも見事な1曲目、とにかく疾走感はただものでない2曲目、スローでスペイシーながら不思議な雰囲気の3曲目、ゲイリー・トーマス作で彼の土俵に引き込んだサウンドの4曲目。5曲目はトニー・ウィリアムスに捧げた曲で、デニス・チェンバースのドラム・ソロが見事。6曲目は前半が意外に抑制の効いている「アシッド・ジャズ」ですが 、後半になってギターはけっこうロックして盛り上がっています。(00年3月29日発売)

2022/10/30

The Heart Of Things/John McLaughlin

Johntheheartof デニス・チェンバースのサイド参加作がもう少し続きます。さすがにこれもこのメンバーだとパワフルだし、ハードなフュージョンになっています。ただ、今聴くとそう極端にハードではなかったなあと。他にもいろいろ参加していますけど、とりあえずまだブログにアップしていないものとなると、限定されてきますね。ジョン・マクラフリンのカッコいい新グループ。この頃にはあまり出なくなったゲイリー・トーマスが参加していますが、やっぱり独特の味があってグループとしてはいいんじゃないでしょうか。本当はこれはブログアップされているはずだったんですがゲイリー自身のアップがブログ以前だったのでもれていました。収録時間は47分。このグループで続いて欲しかったですが、あとは次に紹介するライヴのみになってます。

 

The Heart Of Things/John McLaughlin(G)(Verve) - Released 1997. Gary Thomas(Ts, Ss, Fl), Jim Beard(P, Synth), Mathew Garrison(B), Dennis Chambers(Ds), Victor Williams(Per), Jean-Paul Celea(B) - 1. Acid Jazz 2. Seven Sisters 3. Mr. D.C. 4. Fallen Angels 5. Healing Hands 6. When Love Is Far Away

ジョン・マクラフリンの新しいバンド。全曲彼が作曲しています。独特なスリルあるサウンド。場面によってはこのメンバーならではの重量級のすごい音が出てきます。ドラムとベースの影響でしょう。ただ、スタジオ録音中心という事で、エネルギーが少し抑えられている感じもします。1曲目はタイトルとはあまり関連性がない曲。ただし、後半の盛り上がりはスゴいです。2曲目はメロディアスなテーマではじまりますが、まさに変幻自在の10分の曲。盛り上がったり静かだったり。3曲目は、これでもか、のハイパワーで弾きまくり叩きまくり。スローテンポでエキゾチックな4曲目、メカニカルなフレーズのファンクの5曲目と続きます。そして6曲目のみライヴで、生ギターとシンセサイザーによる静かな、心に染み入る曲。

2022/10/29

Let The Juice Loose/Bill Evans Group Live At Blue Note Tokyo

Billlettheloo デニス・チェンバースのサイド参加作に入っていきます。そろそろCD処分を考えている時期なので、まだブログアップしていないものはなるべく避けて選別しなければならないけど、どこまでできるか。そして、今回のビル・エヴァンスはサックスの方で、さすがにこのメンバーがすごいので、けっこうタイトにフュージョンというかファンクの演奏をしていますね。気分爽快。収録時間も73分とけっこう長めなので、お腹いっぱいになります。もう30年以上前とはいえ、機会があればこういうパワフルなライヴに足を運んでみたかったです。エヴァンス個人としてはあまり追いかけていなかったけど、手持ちの参加アルバムは多いと思います。

 

Let The Juice Loose/Bill Evans(Ss, Ts) Group Live At Blue Note Tokyo(Jazz City) - Recorded September 9, 1989. Chuck Loeb(G), Jim Beard(Key), Darryl Jones(B), Dennis Chambers(Ds) - 1. Let The Juice Loose 2. Hobo 3. My Favorite Little Sailboat 4. Let's Pretend 5. In The Hat 6. Ginza 7. The Wait 8. Kwitchur Baliakin

ブルーノート東京でのライヴ録音。このメンバー、このリズム隊ならではの超強力なファンク・アルバムとなりました。全曲ビル・エヴァンスかメンバーのオリジナル。1曲目はこれでもかと言わんばかりの演奏が繰り広げられます。そしてけっこう渋めな2曲目、タイトなリズムが気持ちよく、徐々に盛り上がっていく3曲目、静かに展開していく4曲目、盛り上がった部分が異様に強力な5曲目、サックスがブロウするこれぞファンクといった6曲目、ドラマチックな展開のファンクの7曲目。4、8曲目は前作「サマータイム」でも演奏されていたので、聴き比べると面白いかも。8曲目も4ビートジャズでなく、ファンクになってしまいました。やっぱりリズムが強力ですが、聴きやすさはあるので、体力はあまり消耗しないかも。(01年5月16日発売)

2022/10/28

円安と輸入盤CDの価格

とうとう一時1ドル151円台になってしまい、円安も一体どこへ行くのやら、という感じになってきました。個人的には1ドル110円ぐらいが生活していくのにちょうどいいくらいで、130円になった時にちょっと安すぎるんじゃないか、と思ったものでしたが、その時も円がさらにどんどん下落していくとは思いもしませんでした。まあ、可能性はあったわけですけど。

最近までは輸入盤は主にHMVでまとめ買い、国内盤はAmazonで(配送料がないため)というパターンで、特にHMVでの輸入盤まとめ買いは安かったのでよく利用していました。ところが先週のはじめごろから、そのまとめ買いセールがなくなったのが4日間ほど。21日からまとめ買いセールが23日まで3枚セールが再開したけど、買える値段が一段高くなってます。その後もセールは中断(書いている27日時点)((28日追記)今日28日から11月3日まで3枚セールが復活した模様)。以前からCDの元値も少しずつ上がっていて、特に最近のアルバムは元値がグッと上がってますし。今まで新譜は2千円前後で1枚買えていたのが、ものによっては3千円近くするようになって、やっぱり円安の効果はきてますねえ、という感じです。これでは国内盤があるのはそっちを買った方が安いのが出るんじゃないかとも思えます。まあ、高いものは高い。もう5枚セールはないかな、と今日時点では、思ったりしています。

当然購入意欲にも影響していて、私の周りでは高ければ買わない、一番安いところを厳選して買う、枚数を絞る、ストリーミングに移行するなど、円安でCD業界にとってみれば良くないことばかり。円安が続けは大手通販でも立ちいかなくなる可能性はありますね。私も思いきり枚数を絞ることにしましたし。まさかこんな時期が来るとはね。実際、対ドルレートで1.5倍の価格になるので、理屈では合ってますが、小遣いは増えないのですよ。それどころか諸物価みんな値上げしているので、ますます厳しいです。

つい先日にCDをある程度処分しましたけど、これも今になってみると最良の策だったのかどうか(買取査定が出てきたので承認はしましたが)。古いのを持ち続けていて、ひたすらそれらを聴いていくのも、生活するうえでの防衛手段ではないかなあ、とも思えます。でも円安に対して、日本は金利を上げられずになすすべがないようで、まだ円安が進む可能性があります。CD集めも受難の時代になってきてますね。一度安いのを経験すると、高いものはなかなか受け入れられません。まあ、物事には二面性はあるけど、買う方が主な趣味なものだから。

(11月4日追記)今日夕方から、8日まで輸入盤5枚40%引きセール、復活しましたね。元値が上がっているとはいえ、他よりは安いので、今注文の差し替えをしているところです。

2022/10/27

Evgueni Galperine/Theory Of Becoming

2744ECMの新譜の2日目で一段落。今月はECMが多かった気がします。今日のはNew Seriesですけど、作曲者自らが、エレクトロニクスとサンプリングを使ってトラックを作り、そこに何曲かでゲストの参加があるという変わった現代音楽です。まあ、この歴史を見ても、電気楽器やコンピュータなどを使う音楽があったりしたので、そんなに驚かなくてもいいのかも。エフゲニー・ガルペリンは、ただECM以外でも他のアルバムを出しているようですけど、映画音楽とかの方面かな、ジャケットを見るとそんな感じのアルバムが目立ちますね。Wikiを見ても、映画音楽の方で主に活動していることが分かりました。現代音楽家という定義はちょっと違うかな、とも。

 

Evgueni Galperine(Electronics, Sampling)/Theory Of Becoming(ECM New Series 2744)(輸入盤) - Recorded 2020-2021. Sergei Nakariakov(Tp on 2, 6, 8), Sebastien Hurtaud(Cello on 1), Maria Vasyukova(Voice on 9) - 1. THis Town Will Burn Before Dawn 2. Cold Front 3. Oumuamua, Space Wanderings 4. Soudain, Le Vide 5. Kaddish 6. The Wheel Has Come Full Circle 7. La Lettre D'un Disparu 8. After The Storm 9. Don't Tell 10. Loplop Im Wald

(22/10/24)Evgueni Galperineはロシア生まれで現在パリ在住の現代音楽家。収録時間は43分。彼自身エレクトロニクスやサンプリングを演奏していて、現代音楽ではあるも、実験音楽、アンビエント系に近いサウンドを出しています。そこに何曲かでゲストの演奏者が加わって幅を広げている感じ。ここまでくると作曲という観点からどうなのよ、と思いますけど、ボーダーレスなECMだからこそ発表できるいろいろな陰影を交えた世界。

2022/10/26

Last Decade/Benjamin Lackner

2736 ECMの新譜が届いたので、聴いていきます。最初、アルバムジャケットがけっこう渋いので、ハードだったらどうしようかと思ったのですが、いざ聴いてみると、哀愁系だしメロディアスな曲、演奏のピアニストだったのでホッとしました。どこかで聴いたこともあるような、とも思ったのですが、メーカーのインフォメーションをネットで見てみると、師匠はやっぱりブラッド・メルドーだったんですね。その静かな部分を抽出して、そこに自分の個性を加えたような演奏でした。彼のアルバム、まだECMからこれからも出るんじゃないかな。実は食わず嫌いで聴くのが1日遅れた、ということもあるのですけど、このアルバム、いいですねえ。

 

Last Decade/Benjamin Lackner(P)(ECM 2736)(輸入盤) - Recorded September 2021. Mathias Eick(Tp), Jerome Regard(B), Manu Katche(Ds) - 1. Where Do We Go From Here 2. Circular Confidence Camino CIelo 4. Hung Up On The Ghost 5. Last Decade 6. Remember This 7. Open Minds Lost 8. Emile 9. My People

(22/10/24)ベース・ソロの8曲目のみJerome Regard作で、他は全曲Benjamin Lackner作。収録時間は41分。哀愁系のメロディアスなピアニストのようで、レーベルの範疇では、やや普通にビート感のある曲も含め、あまりクセのない、流れに乗っている音楽を奏でています。1曲目の冒頭からつかまれてしまうその響きは、トランペットのMathias Eickとも相性が良く、彼の出身が分かるような、ECMにしては分かりやすいメロディでアルバムは進んでいきます。4曲目はやや元気だけど、陰影のあるサウンドにこだわりか。タイトル曲の5曲目はいくぶん地味だけど、渋いバラード。7曲目はピートがはっきりしている8分の6拍子で、これはドラムスがマヌ・カッチェだからか。聴きやすい美しめのヨーロッパジャズに浸るにはいい。

2022/10/25

Watching the Snow/Michael Franks

Michaelwatch マイケル・フランクスのクリスマス・アルバム。前回のアルバムが移籍アルバムだと思ったら、またコロンビアからアルバムを出していますね。まあ、クリスマス・アルバムは、特に欧米の人は好きだから、1枚ぐらいは欲しいところ。でも全曲オリジナルでやっているというのも珍しいですね。彼のシンガーソングライターのプライドがそうさせたのか、どうか。マイペースに歌ってますが、それでもクリスマスの雰囲気が、ややアコースティックなサウンドに乗せて聴こえてくるところはなかなかいいですね。リーダー作は、自分が把握してなかったのかどうか、この後今までに3作しか見当たらないので。落ち着いてしまったのでしょうか。

 

Watching the Snow/Michael Franks(Vo)(Columbia) - Released 2003. Jay Anderson(B), Jay Azzolina(G), Charles Blenzig(P, Key, Per), Cafe(Per), John Clark(French Horn), Chris Hunter(Sax, Fl), Billy Kilson(Ds), Romero Lumambo(G), Veronica Nunn(Vo), Alex (Sasha) Sipiagin(Tp, Flh) - 1. The Way We Celebrate New Year's 2. Watching The Snow 3. Christmas In Kyoto 4. My Present 5. I Bought You A Plastic Star (Fot Your Aluminum Tree) 6. Said The Snowflake 7. The Kiss 8. When The Snowman Sings 9. Island Christmas 10. My Present (Reprise)

マイケル・フランクスのクリスマス・アルバム。曲の題材はクリスマスや冬にとっているものの、何と全曲彼のオリジナルというところがうれしいところ。しかも、曲が全体的にけっこうジャジーだったり、1、9曲目のようにボッサもあったりと、比較的アコースティックにホンワカとせまってきます。ヴォーカルは相変わらずですが、そこがまた良い感じ。今回はミュージシャンの編成はシンプル。4曲目のようなポップスのバラードのような曲も何気ないジャズの香りが漂ってきます。5曲目はクリスマスサウンドとジャズのうまい取り合わせ。7曲目のようにしっとりとした曲も彼らしい優しさが。9曲目はヴェロニカ・ナン(Vo)との共演のボッサの曲。10曲目は4曲目の静かな別テイク。やや地味ながらじっくり何度も聴きたいアルバム。(03年10月29日発売)

2022/10/24

Barefoot On The Beach/Michael Franks

Michaelbarefoot マイケル・フランクスのブログ空白期に、重要な移籍アルバムが出ていますね。ウィンダム・ヒル・ジャズですが、いつものウィンダム・ヒルのシンプルさとは違い、豪華なミュージシャンを入れ替わりで、贅沢に使っているのが特徴です。改めて、メンバーを見るとすごいことになっています。それでも、彼のヘタウマな歌はいつもの通りなんですけど。私は初期のメジャーアルバム3枚時代から、割とリアルタイムでファンになっていたのですけど、その後の彼のアルバムは、歌のないフュージョンと同じような感覚で聴いています。そこがファンをけっこう続けられた理由かも。最近は新譜がないようですけど。ただ、このレーベルではこの1枚で終わっているようです。

 

Barefoot On The Beach/Michael Franks(Vo)(Windham Hill Jazz) - Released 1999. Will Lee(B, Vo), Charles Blenzig(Key, Prog), Chris Hunter(As, Fl), Jay Azzolina(G), David Charles(Per), Carmen Cuesta(Vo), Jimmy Haslip(B, Key), Shawn Pelton(Ds), Chris Palmaro(Key), Jeff Mironov(G), Bashiri Johnson(Per), Bob Mintzer(Ts), Valerie Simpson(Vo), Brian Dunne(Ds), Mike Ricchiuti(Key), Andy Snitzer(As, Ts), Jim Hynes(Flh), Birch Johnson(Tb), David Mann(Fl), Wolfgang Haffner(Cymbal Rolls), Chuck Loab(G), Steve Gadd(Ds), Steve Khan(G), Dave Samuels(Vib), Larry Lunetta(Tp), Michael Brecker(Ts), Lani Groves(Vo), Bob James(P), John Patitucci(B), Randy Brecker(Tp), Jim Beard(Strings), Tawasha Agee(Vo), etc - 1. Beafoot On The Beach 2. Heart Like An Open Book 3. Now Love Has No End 4. The Fountain Of Youth 5. When You Smiled At Me 6. Double Talk 7. Every Time She Whispers 8. Why Spring Ain't Here 9. A Walk In The Rain 10. Mr. Smooth 11. Like Moon Behind A Cloud

移籍第一弾ですが、曲によってミュージシャンが入れ替わる豪華さはマイケル・フランクスのいつものパターン。これでもか、と言わんばかり。プロデューサーはチャック・ローブとジミー・ハスリップが曲ごとに担当。前作よりもポップになったかなという印象ですけれど、ちょっと肩の力が抜けたAOR(これも死語かな?)路線は相変わらずです。どこを切ってもマイケル・フランクス。ヴォーカルや曲中心に聴いてもよし、ミュージシャンのソロに焦点を当てた聴き方もよし、BGMにしてもよし。ただしジャズのアルバムかと言うと、4ビートっぽい曲があってもやっぱりポップスのアルバム。マイケル・ブレッカーは5曲目に、ボブ・ジェームスは6曲目に、ジョン・パティトゥッチは6、9曲目に、ランディ・ブレッカーは9曲目に参加。(99年6月23日発売)

2022/10/23

Live/Michael Franks with Crossfire

Michaellivec ちょっとマイケル・フランクスの方に行ってみます。実はこのアルバム、オーストラリアでのライヴなんですが、LP時代は持ってました。ところが、CDになってLPを処分してしまったため、このアルバムがなかなかでなくて、輸入盤で’03年に発見して購入したものです。うれしかったなあ。天下の彼のアルバムがCDで出ないということは当時予想もできなかったですからね。その後は国内盤でも発売されたようではありますが。今聴くと、取り立てて何ということはない初期3枚からのアルバムなんですが、カセットにダビングして聴いていたもののため、それぞれのフレーズまで覚えています。こういうアルバムは本当は手放したらいけないですよね。

 

Live/Michael Franks(Vo) with Crossfire(Warner Music Australia)(輸入盤) - Recorded September 25, 27 and 29, 1980. - 1. Don't Be Blue 2. When The Cookie Jar Is Empty 3. The Lady Wants To Know 4. B'wana-He No Home 5. Chain Reaction 6. Antonio's Song 7. Monkee See - Monkey Doo 8. Popsicle Toes

(03/07/13)LP時代に出ていて、しばらくCD化されていなかったオーストラリアでのライヴが出ました。曲目としては「The Art Of Tea」「Sleeping Gypsy」「Burchfield Nines」からの選曲になっています。バックのグループ、クロスファイアのクレジットが見当たらなかったのは少々残念ですが、上記のスタジオ録音とあまり雰囲気が変わることなく、クロスオーヴァーからあまり洗練されていない渋めのフュージョン路線の演奏がライヴで聴けるのはうれしいところ。ヴォーカルはいつものようにひょうひょうとしていますが、ギターのソロが派手ではないにしても、ライヴなので少々長めだし、けっこうカッコ良いです。 5曲目はジャジーで、特に4ビートをバックにしたサックスの間奏が渋いかも。もちろん、超有名な6曲目も印象的。

2022/10/22

Far Star/Gilad Hekselman

Giladfarstar来ている新譜も、これで一段落。5月の新譜をやっと購入。コロナ禍の時は多重録音で、時に共演者の演奏をかぶせてアルバムを出すミュージシャンが多かったけど、これもその1枚。クリス・ポッターも完全一人多重録音でアルバムを出していたっけ。これはうまくいく時とあまりそうでもない時があって、なかなか難しい。ギラッド・ヘクセルマンはギターがかなりうまいだけに、キーボードとかベースのフレーズやアレンジの仕方がちょっと気になってしまったりして、曲がいいのが多いので、ぜひ、ライヴとかで、生のミュージシャンの演奏が聴きたいなあ、と思えたアルバムでした。あと、一部フランスでも録音があったようですね。

 

Far Star/Gilad Hekselman(G, Key, B, Per, Voice, etc.)(Edition Records)(輸入盤) - Recorded March 2020 - June 2021. Eric Harland(Ds on 1-3, 5-6), Sai Maestro(Key on 2), Nathan Schram(Viola, Vln on 4), Oren Hardy(B on 4), Alon Benjamini'Ds, Per on 4), Nomok(Key on 7), Amir Bresler(Ds, Per on 7), Ziv Ravitz(Ds on 8) - 1. Long Way From Home 2. Fast Moving Century 3. I Didn't Know 4. Far Star 5. Magic Chord 6. Cycles 7. The Headrocker 8. Rebirth

(22/10/17)録音のうち、’20年12月まではイスラエルで、それ以降はニューヨークでの録音。収録時間は47分。ギラッド・ヘクセルマンの多重録音が中心なので、いわゆるコロナ禍での多重録音という性質を持っているのだろうか。彼の作曲のうち、共演者がCo-productionとなっている場合があるので共作の曲もあると思います。この時期、多くのミュージシャンが多重録音をやっているので、そういう意味では自然な流れ。彼のギターは相変わらず冴えていますが、あとは共演者の力量にかかっている感じ。曲はいろいろな傾向のものがごった煮的に入っていますけど、それを彼の多重録音の、主にキーボードとベースで統一感をとっています。それぞれの曲のエッセンスはけっこうだけど、やはり多重録音が少しネック。

2022/10/21

Sky Continuous/Noah Preminger Trio

1411Criss Crossの新譜が届いたので先に聴きます。このレーベル、だんだん復活しているようで、近日中にもう1枚出る予定。とりあえずは続いて良かった。届いたCDのジャケットが、1センチ近く奥の方に入っていて、少し折れ曲がっていたのは残念だけど、許容範囲か。けっこう高度な技を使うトリオで、アルバム中、サックスとベースのユニゾンも目立つし、ドラムソロもけっこういいです。聴く人によってはフリーを感じるんじゃないかなあ、と思いますが、少し入るもその一歩手前で踏みとどまり、またメロディに戻っていく感じがします。ただ、やっぱり今のジャズの人なんだな、と通して聴いて思いました。個人的には好みです。

 

Sky Continuous/Noah Preminger(Ts) Trio(Criss Cross 1411)(輸入盤) - Recorded November 9, 2021. Kim Cass(B), Bill Stewart(Ds) - 1. Ftgop 2. High Or Booze 3. The Late 90's 4. Iris 5. You'll Never Win 6. Armor 7. Sky Continuous 8. Jamz 9. Little Molonae

(22/10/20)サックス・トリオでのピアノレスの演奏。9曲目がジャッキー・マクリーンの作曲の他は全曲Noah Preminger作。収録時間は55分。1曲目の冒頭、短いスピーディなユニゾンのテーマ。それが時々あるも(5曲目も)、メカニカルな雰囲気を交えて、コードから自由になりつつもフリーな感じにはあまり至らない、という微妙なバランス。高度な曲もあり、さすが今の人、という演奏です。ベースもドラムス(有名)もテクニシャンだし。2曲目はマイナー・ブルースのリズムだそうだけど、そうは聴こえないし。サックスはやや複雑だけど歌っている感じはします。3曲目のように4ビート中心の曲もあるけど、やはり今のジャズ。4、6曲目のバラードもやや独特。9曲目のおなじみ曲も1曲目方式で、アドリブになるとマイペースか。

2022/10/20

Ruins And Remains/Wolfert Brederode

2734 ECMの新譜。今回はWolfert Brederodeのアルバムで、弦楽四重奏とドラムス(パーカッション)が入るところがECMらしいなあと思います。収録時間がLPサイズなのと、曲が14曲も入っているので1曲あたり1-5分台と短め。1曲1曲聴いていくよりは、アルバム全体の流れとして聴くように作られている感じではあります。印象的にはちょっと地味かなあ、とも思いますけど、そもそもECMのファンにとっては好物の部類ではないでしょうか。ドラムス(パーカッション)の音も、静かめにズドーンと入っているところもあって、オーディオ的にも興味深いところ。4曲目が少し賑やかだけど、静かにさりげなくアルバムをかけるというのもいいかも。

 

Ruins And Remains/Wolfert Brederode(P)(ECM 2734)(輸入盤) - Recorded August 2021. Matangi Quartet: Maria-Paula Majoor(Vln), Daniel Torrico Manacho(Vln), Karsten Kleijer(Viola), Arno Van Der Vuurst(Cello), Joost Lijbaart(Ds, Per) - 1. Ruins I 2. Swallow 3. Remains 4. Cloudless 5. Ruins And Remains 6. Ka 7. Ruins II 8. Duhra 9. Ruins III 10. Retrouvailles 11. Nothing For Granted 12. Dissolve 13. March 14. Ruins IV

(22/10/16)全曲Wolfert Brederodeの作曲。収録時間が47分で14曲なので、短めの曲が多めです。ドラムス(パーカッション)と弦楽四重奏団との演奏で、こういうあたりはECMならでは。少し薄暗いような、静かな景色の中を漂うピアノが叙情的でもあり、全体の雰囲気を導いています。弦楽四重奏団は、割と平易で溶け込むような演奏をしていますが、時に叙情性を上げるような、静けさの中から持ち上がっていくような、雰囲気を盛り上げるところがあります。曲によってはドラムスの適度なアタック感と合わさって、ECMにしてはやや快活な場面もあります(4曲目)。「荒廃」と「残るもの」と言っていいのかどうか、そのさびれた風景の中に、そっとその諦念を漂わせている感じの演奏。マンフレート・アイヒャーのプロデュース。

2022/10/19

Valentin Silvestrov/Maidan/Kyiv Chamber Choir/Mykola Hobdych

2359 ECM New Seriesの新譜が入ってきたので、先に取り上げます。と言いつつ、ECM番号がほとんど2700番台になっている時に2359番が。6年お蔵入りしていたことになりますが、ロシアとの戦争で急遽発売ということになったのでしょうか。ECMブログの方は2500番以前はもう出ないと思って欠番も日を空けてなかったのですが、このために200エントリー以上、日付をずらすということをやっています。歴史的なことはあまり分かりませんが、この’14年はウクライナ内部での革命があったようで、そのことを歌にしたようですね。まあ、そういうことを考えなくても、難解ではないので、合唱に身をまかせて聴くことはできますし。教会の反響音が心地よいです。

 

Valentin Silvestrov/Maidan/Kyiv Chamber Choir/Mykola Hobdych(Cond)(ECM New Series 2359)(輸入盤) - Recorded 2016. - Maiden 2014: 1-3. Cycle I 4-6. Cycle II 7-10. Cycle III 11-15. Cycle IV 16-19. Four Songs 20-21. Diptych 22-24 Triptych

(22/10/16)Valentin Silvestrovはウクライナの現代音楽家。収録時間は76分。当初はロシアによるクリミア半島占領のことを描いた作曲かなと思ったのですが、そうではなくてウクライナの内的な革命のことを歌にしたらしいです。’14年作曲で、16曲目以降は’16年作曲。今にしてはごくオーソドックスに、暗めの合唱ではあるも、難しいところはなく、すんなりと頭に入ってきます。教会での録音で反響が多く、ECMらしい仕上がりです。

2022/10/18

"Air" Air On A G String/Lew Soloff Quartet

Lewaironagルー・ソロフの2日目で一段落。多忙なので、リーダー作は私の把握しているのは9枚。日本制作が多いのも特徴かも。スタジオ・ミュージシャンとしてはファースト・コールだったので、何をやらせてもうまいですね。ただ、上手すぎてジャズに時に求められる味、という点からはどうだったのかな、という気もしてます。自分的にはけっこうファンだったのですけれども。クラシックの曲を持ってきて、それを吹けるというのは、やはりスタジオ・ミュージシャンとしてもうまくないとできないとは思います。ここではクァルテットの演奏で、メンバーもなかなか渋いです。そしてこのテーマなので、聴き込んでしまいますね。

 

"Air" Air On A G String/Lew Soloff(Tp, Flh) Quartet(Floreria) - Recorded August 2003. Larry Willis(P), Francois Moutin(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Air On A G String 2. Golden Earrings 3. Good-bye 4. After You've Gone 5. La Boheme 6. When You Wish Upon A Star 7. Lotus Blossom 8. Angel Eyes 9. Laura 10. Pavane

抑制の効いたメロディでややムード中心か。出だしのタイトル曲とラストの曲「パヴァーヌ」と、しっとりとしたクラシックの名曲を持ってきて、中間部はこれまた泣かせる控えめなスタンダード中心の構成。クラシックとは言ってもやはりアドリブに入ると1曲目ではジャジーになりますが、それでも端正な印象があります。2、9曲目はやはりミュートを効かせて抑え目に吹いていて、他のメンバーの演奏との対比が面白い。さらに抑え込んでいる静かなバラードの3曲目、オープンで吹いて陽気さ加減がやっとでてくる4曲目、切なげな哀愁でそっとせまってくるワルツの5曲目、有名な「星に願いを」を、それらしく吹いている6曲目、優しいピアノに導かれてテーマがゆったりと出てくる7曲目、しっとり感を体現した8曲目。(03年11月21日発売)

2022/10/17

Rainbow Mountain/Lew Soloff

Lewrainbowまたちょっと寄り道して、ルー・ソロフに。かなり参加アルバムの多い人ですが、マンハッタン・ジャズ・クインテットでトランぺッターとして日本で有名になり、何作かはリーダー・アルバムを制作していますね。このアルバムはジャズの曲もあるけど、メンバーがギル・エヴァンス・オーケストラ出身者が多いということもあって、けっこう多彩な演奏をしています。クレジットを見るとタイトル曲の2曲目だけは別なメンバーでの録音で、強烈な音作りのヴォイス入りファンクとでもいうのかな。基本編成には鍵盤楽器がないので、そんなに外れたりはしないけれども、けっこう自由な演奏が繰り広げられています。ある意味渋い感じ。

 

Rainbow Mountain/Lew Soloff(Tp)(M&I) - Recorded January and Fabruary 1999. Lou Marini(Sax, Fl), Joe Beck(G), Mark Egan(B), Danny Gottlieb(Ds), Delmer Brown(Synth, Vo on 2), Hiram Bullock(G on 2), Will Lee(B on 2), Jeff "Tain" Watts(Ds on 2), Miles Evans(Tp on 2), Paul Shaffer(Org on 2) - 1. Frog Legs 2. Rainbow Mountain 3. Don't Speak 4. Up From The Skies 5. Quiero No Puedo 6. Suzie Q 7. Starmaker

レッド・ツェッペリンの「天国への階段」があったり、ジミ・ヘンドリックスの曲もあり、ジャズロック的なアルバムを想像させますが、大半の曲はメンバーのオリジナル。基本編成はギル・エヴァンス・オーケストラ出身者がほとんど。ロック、ファンク、サンバ、4ビート、渋めのフュージョンなど曲によって傾向はさまざまですが、通して聴いてみると、メンバーが違う2曲目を除き、彼らならではのサウンドです。どんな曲でもルー・ソロフはこなしてしまいますけれど、彼のトランペットのフレーズ、音色、音程、どこをとっても確かなものを感じ、トランペットを追いかけて聴くと、そのスゴさが分かると思います。 やっぱりギル・エヴァンス楽団的なサウンドの印象が強いので、特に4ビートジャズにこだわらない人向けかも。(99年6月16日発売)

2022/10/16

Criss Crossレーベルを中心にCDを450枚ほど処分

221015criss 221015cd 実は、今日の午前中に、Criss Crossレーベルを中心として、CDを450枚ほど(BOXセットも含む)処分して、宅配業者に持って行ってもらいました。なぜCriss Crossレーベルなのか。1001番から3枚の未CD化欠番はあるものの、1400番まで例外ない処分です。お気に入りのミュージシャンの参加アルバムぐらい取っておけばいい、と思われるかもしれませんが、写真で分かる通り、本棚に前後2段積みで高いところ(本棚の高さ2メートル25センチ)の奥の段は、椅子を持ってきて前列のCDをどかさないと手が届きません。で、結局並べているだけで聴かない。それと、いくつかの廃盤を除いてストリーミング上にあり、検索もけっこうしやすいミュージシャンが多い、ということで、ネットワークオーディオを入れてAmazon Music Unlimitedも契約して3年以上経過したため、念のための実験でもあります。もちろん、将来また増えるCD対策も兼ねて。ホームページやブログにコメントやデータはあるし、ジャケ写も全部スキャンしてあるし。まあ、価格が出てくるのは先のことだと思いますが、期待値を超えてくるように祈ってます。今になって集めたときの苦労を思い出します。15年以上前でも探しても出てこないのは5-6枚はあったし。

最近は実際にCDを買い取りに出してないので、買取価格が下がっているという噂があっても、どのくらい下がったのかが分からない。そういうわけで、比較的まとまっていて、やや高めの買い取りになるCriss Crossでトライしてみた((追記)実際はやや高めでもなかった)、というのもあります。最初はジャズジャイアンツから、とも思ったのですが、ストリーミングに出てくるリストが多すぎて、これはまだCDで持っていた方がいいかも、とも思いました。これらもCD初期の頃のCDが多めなんですけれどもね。

どうせやるならECMでしょうと思うんだけど、これはちょっと思い入れが多いアルバムが多いのと、大量なのと、何よりもHEOSでクラシックの検索はけっこう面倒なので、そういうところをつぶしてからでないと、できないですね。ただ、他のランダムに並んでいる部分のアルバムでは処分してもよさそうなものがある程度あるので、また整理が付いたらまとめて処分したいと思います。ホームページのアルバムコメントを直していた’20年ぐらいまでは、整然と並んでいる部分のCDがほとんどだったため、探せないということはまずありませんでした。購入時期が’99年ぐらいまでですね。でもその後は見事にバラバラで、今のブログ空白期のブログアップには苦労しています。そういう整理をする場所の確保も今回の処分で何とか作りました。

写真はCriss Crossが上から1段目、2段目が前後2列で、5段目は手前だけの新譜になってました。これをほとんど処分したというわけ。もちろん、これからのこのレーベルの新譜もCDで購入していくつもりです。CDがありすぎても、いざ聴くときに敷居が高くなるので、その解消を目指しています。

(追記19日)某所でCriss Crossレーベルのセールをやってますが、私の放出品はまだ査定が確定していないので、関係ありません。

(追記27日)某店にて、CD458点の買い取りが成立。いろいろなキャンペーンがついて、合計価格では満足だけど、10年以上前と比べると、本体だけの価格では明らかに下がってますね。他を処分するかどうかは、またいろいろと考えてから。でも今後増えることも考えると、もう1回出してみるか、というところ。

2022/10/15

Beauty & Harmony 2/Miwa Yoshida(吉田美和)

Yoshidabeautyh ドリカムの吉田美和のセカンドアルバム。なぜかこれがジャズ雑誌で紹介されていて、それで購入したのだろうと思います。まあ、アルバムコメントの方も、出演者を並べただけという気もしないでもないですが、時代的にもメンバー的にも、資金が豊富だったこの当時でなければできないアルバムではありますね。外国人の有名なスタジオミュージシャンを使って向こうで録音してくるという手法、当時のスマップと同じようなアプローチではありますが、こっちの方はヴォーカルでさんざんならした人なだけに、バックに負けていない歌を歌っています。さすがにJ-POPで売れている人なだけに、最近でも入手可能のようですね。(追記)銀色のキラキラした初回盤ジャケットはスキャンすると真っ黒になるので、手持ちとは違うけど新装盤のジャケットです。

 

Beauty & Harmony 2/Miwa Yoshida(Vo)(DCT) - Released 2003. Harvey mason(Ds), Chuck Rainey(B), david T. Walker(G), Joe Sample(P), Eric Marienthal(Bs, Ts, As, Fl), Greg Adams(Flh, Tp), Paulinho Da Costa(Per), Omar Hakim(Ds), Will Lee(B), David Spinozza(G), Bob James(P), Michael Brecker(Ts), Randy Brecker(Tp), Ralph MacDonald(Per) - 1. Theme Of Beauty And Harmony 2 2. 涙の万華鏡 3. どうしてこんなに 4. お願いします 5. 夢の続き 6. あなたのかわいい人 7. The Lessons 8. おとなじゃん! 9. 告白 10. Theme Of Beauty And Harmony 2 For Strings

ハーヴィー・メイソン(Ds)、チャック・レイニー(B)、デヴィッド・T・ウォーカー(G)、ジョー・サンプル(P)、エリック・マリエンサル(Bs、Ts、As、Fl)、グレッグ・アダムス(Flh、Tp)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(Per)というセッション(4、6、8-9曲目)と、オマー・ハキム(Ds)、ウィル・リー(B)、デヴィッド・スピノザ(G) 、ボブ・ジェームス(P)、マイケル・ブレッカー(Ts)、ランディ・ブレッカー(Tp)、ラルフ・マクドナルド(Per)というセッション(2-3、5、7曲目。ただしマイケル・ブレッカーとランディ・ブレッカーは3、5、7曲目)。J-POP。ご存知ドリームズ・カム・トゥルーのヴォーカリストで、ソロ第2作。曲のメロディはいつものドリカムかな、という感じなのですが、参加メンバーがぶっ飛ぶほどにスゴいです。演奏ももちろん、このメンバーでマル。(03年5月6日発売)

2022/10/14

New Beginning/Harvey S And Eye Contact

Harveynewbe マイケル・ブレッカーの参加作。さすがにゲスト参加だとアルバム1枚あたり2-3曲しか参加していないので、そういった面から紹介するのもどうかなあ、とも思いますけど、それでも追っかけの人にはいい情報でもあるのと、私もなるべく手持ちのものを多く紹介して、時間稼ぎ(?)にもなるので、続けさせていただきます。この時期はハーヴィー・Sと名乗ってますが元はハーヴィー・シュワルツだったんですよね。なぜ解明したのかは不明なんですけど、ストリーミングの検索も不便はないので、これで良しとします。このアルバム、参加メンバーは知らない人が多めなのですが、今っぽいラテン系のサウンドで、けっこう好きなパターンです。

 

New Beginning/Harvey S(B) And Eye Contact(Jazzbank/Five Spot) - Recorded February 2001. Bruce Arnold(G), Daniel Kelly(P), Renato Thoms(Per), Adam Weber(Ds). Guest: Michael Brecker(Ts), Ray Vega(Tp), Gregor Huebner(Vln), Haruhiko Takauchi(G) - 1. New Beginning 2. En La Batagllia 3. Chump Change 4. Luna Romantica 5. African Heartbeat 6. A Bright Moment 7. From The Ashes 8. Tres Mundos 9. Mothership

5曲目以外は全曲ハービー・Sのオリジナル。ラテン系のグループで、しかも今のサウンド。1曲目のタイトル曲はラテン風味8ビートで、よく構築されていて、じっくりサックスのソロなどを聴けます。本格的なラテンで哀愁漂うアップテンポの2曲目、不思議なリズム感と繰り返しのフレーズが耳についてくる3曲目、ヴァイオリンやベースのアルコ、ピチカート、その他の楽器が哀しげにせまってくる4曲目、グレガー・ヒューブナー作のメロディアスで盛り上がる5曲目、明るくてやや盛り上がっているサウンドの6曲目、切ない知的なメロディで都会的な雰囲気の7曲目、ソフトなサウンドでギターやベースが語りかけてくる8曲目、効果音ではじまり、プログレ・フュージョンとでもいうべき9曲目。マイケル・ブレッカーは1、7曲目に参加。(01年12月19日発売)

2022/10/13

Come Dream With Me/Jane Monheit

Janecomedream マイケル・ブレッカーの参加作を飛び飛びに。彼は参加作は異常に多いのですが、その分持ってないアルバムも多かったり、すでにブログアップしているアルバムコメントが多かったりして、残りは何枚もありません。今日のアルバムはゴールドディスクで、もうずっと昔に処分してしまったと思いましたが、ストリーミングで聴けたので、再び聴いています。さすがゴールドディスクになりそうな有名な曲が並んでいて、しかもメンバーも超豪華で、しっとりと歌い上げています。普段はあまりこういうアルバムは聴かないのですが、久しぶりに聴くと、けっこうハマりそうな感じがあります。そういう意味では広く受け入れられるかと。

 

Come Dream With Me/Jane Monheit(Vo)(Victor) - Recorded January 18-20 and February 27-28, 2001. Kenny Baron(P), Richard Bona(G, B), Michael Brecker(Sax), Tom Harrell(Tp), Gregory Hutchinson(Ds), Christian McBride(B) - 1. Over The Rainbow 2. Hit The Road To Dreamland 3. Spring Can Really Hang You Up The Most 4. Waters Of March 5. I'm Through With Love 6. I'll Be Seeing You 7. Something To Live For 8. So Many Stars 9. If 10. Blame It On My Youth 11. A Case Of You 12. Nobody Else But Me

若いゆえに素直だけれど何となくしっとり感のあるヴォーカルアルバム。メンバーもスゴいのですが、派手な見せ場をあまり作らずにじっくりと共演しています。メロディアスな曲が並んでいて、これだけでもけっこう得点は高そう。1曲目はヴォーカルだけではじまって、徐々に他の楽器が加わり寄り添うような伴奏。じっくりと聴きたいバラードの3、10曲目。ピアノの演奏が良い感じでマッチする5曲目、ドラムスのマレット使いが妙にエキゾチックな6、8曲目、メロディが心に迫ってくる7曲目。これに対しスキャットが入って比較的ジャズっぽい2曲目、ジョビン作のゴキゲン度が高い4曲目がアルバムに彩りを添えています。フレットレス・ベースが印象的な9、11曲目は個人的には好み。マイケル・ブレッカーは6、8、12曲目に参加。(01年5月9日発売)

2022/10/12

In Pursuit Of The 27th Man/Horace Silver

Horaceinpurs マイケル・ブレッカー(とランディ・ブレッカー)の割と初期の参加作。何とブルーノートでホレス・シルバーのアルバムに参加していたんですねえ。いわゆるジャズ・ロック時代のアルバムなんですが、このCDが見つからず、ストリーミングでも探せませんでした。彼らのファンで、このアルバム、持っている人がどれぐらいいるかなあ、と思うような意外なところへの登場ですが、ブレッカー・ブラザースの萌芽を感じさせる演奏も入っていて、興味深いです。この時代のブルーノートはあまり人気が無いようですが、某大手通販には在庫がありました。ジャズロックなので、好みは分かれるとは思いますけど、探してみてください。

 

In Pursuit Of The 27th Man/Horace Silver(P)(Blue Note) - Recorded October 6 and November 10, 1972. Randy Brecker(Tp, Flh), Michael Brecker(Tp), David Friedman(Vib), Bob Cranshaw(B), Mickey Roker(Ds) - 1. Liberated Brother 2. Kathy 3. Gregory Is Here 4. Summer In Central Park 5. Nothin' Can Stop Me Now 6. In Pursuit Of The 27th Man 7. Strange Vibes

ホレス・シルヴァー作は7曲中5曲(3-7曲目)。ジャズロック的な時代の名盤というか、メンバーが面白い。エレキ・ベース。8ビートというかボッサというか、その流れの中を2人のブレッカーがソロを吹きまくる、まんまブレッカー・ブラザースという感じのパターンの1曲目、5拍子でヴァイブラフォンが華麗に舞うようなメロディの2曲目、ロックビートに乗せてやはりホーンが活躍している、この時代を感じさせる3曲目、都会的でスマートな旋律を持った、場所を想定させるようなワルツの4曲目、8分の6拍子のブルース・ライクな演奏が面白い、陽気な雰囲気の5曲目、モード的な暗さのサウンドのラテンノリのタイトル曲の6曲目、ゆるいファンクノリのブルース的な部分も感じられる7曲目。ブレッカー兄弟の参加は1、3、5曲目。 (03年1月22日発売)

2022/10/11

CD時代の終わりの始まり?(残り150枚ほど)

海外ではもうとっくにダウンロードやストリーミングの時代になっていて、日本だけがまだCD売り上げの割合が高めなのは、今までにも何度も書いてますが、最近では、日本でも特に未成年ぐらいの歳になると、CDを買ったことが無い、という人も多いんだそうです。アマゾンとかを見ているとマーケットプレイスで、海外から日本向けのCD販売をしているところも多いですけれどもね。

タイトルに「残り150枚ほど」と書いたのは、昨日ザクっと、ホームページにアップしていてブログにまだアップしていない、主に’99年から’04年5月までにアップした(時にそれ以前のものも)CDをカウントしていて、そのうちミュージシャン別のところの枚数です。ただ、’99年当時にアルバムコメントを変えていきはじめたのがM-BASE関係のミュージシャンからで、その枚数がけっこう多い。まあ、アップすることに意義があるとは思うのですけど、30代の頃はかなり熱を上げていたけど、今はどうだろう、と思うと、もうそこまではいいような気もしているんです。枚数が減ってきたとはいえ、新譜が入ってくることによって少しずつ後にずれていくにしても、全部やっても来年3月ぐらいには終わる格好ですね。それが早まるかも、ということ。他にいくらか中小のレーベル別が残ってますけど、処分したものが多く、全部はできない状態です。

ブログに書けば、それによって自分の考えがまとまって来ることもあって、本当なら読む人にとっては余計な情報かもしれないですが、CDを処分してしまおうか、大半か、一部か、それとも墓に持って行くか、というのを何度も逡巡しながら現在に至ります。いずれにしても、もうCDを入れるスペースがないので、購入枚数が減ったとは言え、買い続けても置く場所が無いです。’19年にストリーミングを入れたので、それによる影響もあったりします。気楽に聴く分にはいいですね。でも、クレジットなどの情報は別に検索しなければいけないのと、聴いた感じの音のイメージがCDと違う場合があったり。あとはジャズジャイアンツといわれる人たちは、検索すると膨大なリストが出てきて、探せないこともあったりします。ストリーミングがもっと便利になればいいのですが。

世間ではLPは元気ですねえ。私も再生できる装置は持ってますけど、扱いが面倒なので、たまにしかかけません。あと、LPを注文して思ったのは、郵便で来てもポストに入らなくて手渡しのため、来るときはできるだけいなければならないのもこれまた面倒。若い時にLP時代もありましたが、CDが出たとたんに全部処分してしまいました。

CD時代の終わりの始まり、実は9月30日の段階でこの言葉を使っていて、本当はもう来てしまっているのかもしれないですが、最近、自分の年齢と重ね合わせてそれを意識しています。処分すべきかどうかはまだまだ考えなければならないけど、発作的に処分してしまうかもしれません。分量的なものもまだこれから考えます。その時はまた改めてご連絡します。買取価格が安めになっているのも決断を遅らせている要因かも。

2022/10/10

Wide Angles/Michael Brecker Quindectet

Michaelwideanマイケル・ブレッカーのリーダー作もここで一段落。アルバム1枚ごとに工夫がしてあるようで、ここではホーンセクションと弦楽四重奏を加えた編成になっています。それでも彼のソロが一番目立つので、やはり彼を盛り上げるための編成なんだなあ、と思います。ホーンにも、バンドにも有名な人の名前が多くありますけれどもね。自分もこんな贅沢なアルバムを続けて聴けて、いい時代を過ごせたなあと。彼のラストのアルバムの一つ手前になりますし。やはりアレンジはギル・ゴールドスタインの手を経ているからか、現代的で、それでいて印象的なサウンドに仕上がっているなあ、と思いました。う~ん、ゴージャス。

 

Wide Angles/Michael Brecker(Ts) Quindectet(Verve) - Recorded January 22-24, 2003. Alex "Sasha" Sipiagin(Tp), Robin Eubanks(Tb), Peter Gordon(French Horn), Steve Wilson(Fl, Afl), Iain Dixon(Cl, Bcl), Charles Pillow(Oboe, English Horn), Mark Feldman(Vln), Joyce Hammann(Vln), Lois martin(Viola), Erik Friedlander(Cello), Adam Rogers(G), John Patitucci(B), Antonio Sanchez(Ds), Daniel Sadownick(Per) - 1. Broadband 2. Coll Day In Hell 3. Angle Of Repose 4. Timbuktu 5. Night Jessamine 6. Scylla 7. Brexterity 8. Evening Faces 9. Modus Operandy 10. Never Alone 11. Monk's Mood

大半がマイケル・ブレッカーのオリジナル。弦楽四重奏団も含めた15人編成で、ホーンセクションもちょっと変わった編成なので、サウンドは厚みがあって落ち着き、現代的で複雑な色合いのハーモニーが漂ってきます。アレンジにギル・ゴールドスタインが手腕を発揮していると思われます。曲のメロディとしては分かりやすく明るめな3曲目も、濃厚なバックのアレンジで、その重みを増している感じ。15人編成とは言っても、ほとんどいつも前面に出てくるのはブレッカーのソロであって、その露出度が高いのもうれしいところ。時にメロディアスに、時にバリバリと吹いています。5曲目はファンク的に吹きまくっていて、気持ちが良い。10分を超える6曲目や、7曲目は壮大でドラマチック。9曲目のメカニカルな感じもいい。(03年8月21日発売)

2022/10/09

Nearness Of You : The Ballad Book/Michael Brecker

Michaelnearn マイケル・ブレッカーのリーダー作で、バラード集。もう、このメンバーが集まってアルバムを作ってしまっているので、何も言うことはありません。とは言いつつ、何も書かないことには話ははじまりませんけれども。最上の贅沢なうえに、さらにバラード集というところが、ある意味もったいないかなあ、と思いつつも、彼らの歌心はけっこうすごいものがあるなあ、と思いました。しかもスタンダードの割合がそんなに高くなく、メンバーのオリジナルも持ち寄って、それでスタンダード集以上のものを作り上げたというか。まあ、この時は敵なしという感じでもありました。それがもっと長く続いてくれれば、と今となっては思います。

 

Nearness Of You : The Ballad Book/Michael Brecker(Ts)(Verve) - Recorded December 18-20, 2000. Pat Metheny(G), Herbie Hancock(P), Charlie Haden(B), Jack DeJohnette(Ds), James Taylor(Vo) - 1. Chan's Song 2. Don't Let Me Bo Lonely Tonight 3. Nascente 4. Midnight Mood 5. The Nearness Of You 5. Incandescence 7. Sometimes I See 8. My Ship 9. Always 10. Seven Days 11. I Can See Your Dreams 12. Say It

ものすごいメンバーなのですが、さらにこのメンバーでバラードばかりを演奏するという贅沢さ。とは言うもののスタンダードは半分以下で、マイケル自身やハービー・ハンコック、パット・メセニーらのオリジナルも演奏、さらにはジェイムス・テイラーが2曲ヴォーカルで加わっていて今風なバラードという感じ。曲によってはパットのギターがさらに現代的な彩りを添えています。静かな中にもふつふつと情熱が溢れるような曲もあり、それぞれのメンバーの演奏を聴いても鋭いメロディーやハーモニーのセンス。ただし、気楽に聴くことも許してくれる世界があります。やっぱりマイケル・ブレッカーのサックスはスゴい、ということを改めて認識しました。 バラードを全面に出して、バラードの意義も変えつつある、ということでしょうか。(01年6月6日発売)

2022/10/08

Time Is Of The Essence/Michael Brecker

Michaeltimeis 少し寄り道して、マイケル・ブレッカーのリーダー作へ。まだこの当時、彼がそんなに早く亡くなるなんて思わなかった時期でした。このアルバムは基本、オルガン・ジャズですが、パット・メセニーが参加していたり、ドラマーも有名どころが3人も入れ替わりがあって、シンプルな編成の割には超豪華なアルバムになっています。彼のファンになった当初は、彼はフュージョン畑の人、というイメージでしたけど、ジャズもやらせればすごいんだぞ、というところを見せつけてくれました。このアルバム、シンプルな編成なので気楽に作ったという雰囲気を漂わせていますけど、けっこう考えてこうなったのかな、というのが聴いた感想です。

 

Time Is Of The Essence/Michael Brecker(Ts)(Impulse) - Recorded 1999. Pat Metheny(G), Larry Goldings(Org), Ervin Jones(Ds), Jeff "Tain" Watts(Ds), Bill Stewart(Ds) - 1. Arc Of The Pendulum 2. Sound Off 3. Half Past Late 4. Timeline 5. The Morning Of This Night 6. Renaissance Man 7. Dr Slate 8. As I Am 9. Outrance 10. Lunations

オルガンジャズでベースレスの編成。拍子を判別しづらいような、相変わらず素直でないテーマの曲も見受けられます。マイケル・ブレッカーは3人のドラマーの個性に合わせて演奏。パット・メセニーも全面的に参加して、あちこちでいいソロを残しています。1、4、9曲目はエルヴィン・ジョーンズのドラムで、ドラムに合わせて曲が作られている感じ。1曲目からオルガンジャズが強力に展開し、後半ドラムソロもあって盛り上がります。特に9曲目はこのアルバムのクライマックスで、後半にエルヴィンとのデュオでこれでもかという演奏を楽しめます。ビル・スチュワートのドラムは、3、6、10曲目。彼のドラムは何となくチープでいい感じ。バラードも5、8曲目にありますが、サックスもギターも美しいけれどもう少しハートにせまれば。(99年10月20日発売)

2022/10/07

LongGone/Joshua Redman, Brad Mehldau, Christian McBride & Brian Blade

Joshualonggo ジョシュア・レッドマンはじめ4人のスーパーグループの2作目。前作「RoundAgain」に引き続きと思ったら、何と録音は同じ日でした。これだけ忙しいメンバーがそうは集まれないですもんね。今回はジョシュア・レッドマンが全曲作曲ですけど、別に残りテイクというわけではなくて、3日間でアルバム2枚以上分は録音しておいたのだろうと思います。ただどんなスーパーグループでも、さすがに全曲オリジナルとなると、多少は聴く人を選ぶのではないか、ということは1作目の時にも書いてました。せめてスタンダードでも1曲入っていれば、とも思いますが、それはグループの趣旨からは外れてしまうでしょうし。スゴいことには変わりないんですけど。ラストの曲はライヴ収録。

 

LongGone/Joshua Redman(Ss, Ts), Brad Mehldau(P), Christian McBride(B) & Brian Blade(Ds)(Nonesuch)(輸入盤) - Recorded September 10-12, 2019. - .1 Long Gone 2. Disco Ears 3. Statuesque 4. Kite Song 5. Ship To Shure 6. Rejoice

(22/10/03)このスーパーグループの2作目で、作曲は全曲ジョシュア・レッドマン。収録時間は47分。メンバーは言うことなしだし、ジャズという枠組みの中での演奏ではあるも、4ビートのフォーマットではなくて、もっと今っぽいリズム感で演奏をしている感じ。テーマのメロディははっきりとしていて、曲自体もカッコ良いのだけど、やはりジャズという関係で、ポップスなどとは明確に区別する点はあります。3曲目はバラードで、叙情性もありますが、それでもこれはジャズだな、と感じさせる「何か」があるようです。全体的にもっと過激にも演奏できるとは思うけど、腹八分目のところでリラックスしながらの演奏という感じにもとれます。ただ全曲オリジナルなだけに、比較的聴きやすいサウンドでも、少々とっつきにくさはあるかも。

2022/10/06

The Song Is You/Enrico Rava/Fred Hersch

2746今年はECMもコロナ禍より脱して、また多くのアルバムのリリースが復活してますが、意外なミュージシャンが登場したりしている年でもあります。ここではフレッド・ハーシュが、確かECMには初登場。しかも、多くの曲が割と有名な既成曲ということで、キース・ジャレット以外でこういうことはそんなに多くないので、これも話題にはなりそうです。最近割合的には少なくなりつつありますが、プロデューサーはマンフレート・アイヒャーだし。まあ、おそらく彼の希望でインプロヴィゼーションの曲を入れたりはしているとは思います。いろいろと話題性はあるけれど、アルバムを聴いてけっこう良いアルバムだし、適度に地味さ(渋さ)加減があるのがいいなあ、と思います。

 

The Song Is You/Enrico Rava(Flh)/Fred Hersch(P)(ECM 2746)(輸入盤) - Recorded November 2021. - 1. Retrato Em Branco E Preto 2. Improvisation 3. I'm Getting Sentimental Over You 4. The Song Is You 5. Child's Song 6. The Trial 7. Misterioso 8. 'Round Midonight

(22/10/03)エンリコ・ラヴァの曲が6曲目、フレッド・ハーシュの曲が5曲目、2人のインプロヴィゼーションが2曲目で、他の曲はジャズメン・オリジナルやスタンダード、ボッサなど。収録時間は42分。1曲目はアントニオ・カルロス・ジョビンの作曲で、ECMでこんなに既成曲が多いということはキース・ジャレット以外はまれなので、その叙情的でやや静かな進行を堪能しました。ハーシュもこのレーベル初めての登場。緊張感はありつつも彼ららしい即興演奏の2曲目はマンフレート・アイヒャーのリクエストによるものでしょう。ラヴァはマイペースのようですが、3曲目のハーシュはそんなに甘くなく、彼らしくも少しトガッた弾き方のようにも感じます。ただ、他の場面では耽美的な演奏も多く、淡いけどカラフルな世界が広がります。

2022/10/05

Bordeaux Concert/Keith Jarrett

2740 キース・ジャレットの’16年のライヴ。このツアーで演奏が出てくるのは3つ目ですが、どれもそれぞれに聴く価値があって、こういうアルバムが出てくれることが、うれしい。彼の演奏は’17年2月が最後だったということもあって、このツアーだけではなくて、だいぶ前からライヴは録音機を回しっぱなしにしていたという噂もあり、今後ともどんどん出てくることを期待しています。今回も収録時間は77分と、CD1枚におさまる範囲ではあるので、内容はもちろんですが、これもリリースの決め手になっていたのではないかと。彼はECMの中でも特別な存在なので、まだまだリリースはあると思います。

 

Bordeaux Concert/Keith Jarrett(P)(ECM 2740)(輸入盤) - Recorded July 6, 2016. - 1. Bordeaux, Part I 2. Bordeaux, Part II 3. Bordeaux, Part III 4. Bordeaux, Part IV 5. Bordeaux, Part V 6. Bordeaux, Part VI 7. Bordeaux, Part VII 8. Bordeaux, Part VIII 9. Bordeaux, Part IX 10. Bordeaux, Part X 11. Bordeaux, Part XI 12. Bordeaux, Part XII 13. Bordeaux, Part XIII

(22/10/03)「Budapest Concert」の3日後、「Munich 2016」の10日前の演奏で、全曲即興演奏。収録時間は77分。他のアルバムと似ている曲もあるけど、構成的にはその日の、おそらく気分によって内容が変わり、やはり演奏日が近くても1回1回聴くのが貴重な演奏でもあります。緊張感を伴う抽象的な場面もあるものの、全体的には構成も含め、美しさがやや前に出ているような雰囲気。いろいろな方向性の曲が混ざっていて、他のコンサートでも聴けるようなブルースの曲ははっきりと分かって興味深いです。他のアルバムと合わせて、こういう表現の域に達してしまったか、と思うことが多い。これならば彼の演奏が今後ともたくさん出てくることが想像できます。どんな音も常に強い集中力を持って演奏していました。

2022/10/04

Wolfgang Amadeus Mozart/The Piano Sonatas/Robert Levin

2710 ECMはじめ4枚新譜がきましたので、また先に。今日のアルバムはクラシックですけど、大胆な録音をしているようです。まず、モーツァルトが晩年使ったフォルテピアノそのものを使用して演奏していて、おそらく当時の音が出ていること。また未完や断片などから研究に基づいてそれを完成させて演奏している曲がいくつかあること。歴史的な研究の価値も付加されているようです。さすがにCD7枚は半日はかかってしまいますが、事前にストリーミングで大半を聴いていたので、CDが届いてからの負担は軽くて済んでいます。私は現代音楽の方から入ってきたので、このような分かりやすくて飽きない演奏はいつ聴いてもいいものですね。

 

Wolfgang Amadeus Mozart/The Piano Sonatas/Robert Levin(Forte P)(ECM New Series 2710-16)(輸入盤) - Recorded February 2017 and February 2018. - [CD1] 1. Sonata Movement In C Minor K.42 2-4. Piano Sonata No.1 In C Major K.279 5-7. Piano SonataNo.2 In F Major K.280 8-10. Piano Sonata No.3 In B-flat Minor K.281 [CD2] 1-3 Piano Sonata No.4 In E-flat Major K.282 4-6. Piano Sonata No.5 In G Major K.283 7-9. Piano Sonata No.6 In D Major K.284 [CD3] 1-3 Piano Sonata No.7 In C Major K.309 4-6. Piano Sonata No.8 In D Major K.311 7-9. Piano Sonata No.9 In A Minor K.310 [CD4] 1. Sonata Movement In B-flat Major K.400 2-4. Piano Sonata No.10 In C Major K.330 5-7. Piano Sonata No.11 In A Major K.331 [CD5] 1-3. Piano Sonata No.12 In F Major K.332 5-7. Piano SonataNo.13 In B-flat Major K.333 [CD6] 1. Fantasista In C Minor K.475 2-4. Piano Sonata No.14 In C Minor K.457 5-7. Piano Sonata No.11 In F Major K.533/494 [CD7] 1-3 Piano Sonata No.16 In C Major K.545 4-6. Piano Sonata No.17 In B-flat Major K.570 7-9. Piano Sonata No.18 In D Minor K.576 10. Sonata Movement In G Minor

(22/10/02)モーツァルトは19世紀オーストリアを活動拠点とした作曲家。彼の研究家、演奏家であるロヴァート・レヴィンは、モーツァルト自身が晩年で使用したフォルテピアノを使い、しかも未完だった楽譜も彼の研究を元に完成させて演奏に臨んだという、歴史的にも価値のあるピアノ・ソナタのCD7枚組です。今とピアノの音が違いますけど、彼の作曲、演奏した環境にできるだけ近づけての演奏なので、当時をしのぶことができます。

2022/10/03

VTT2/Vital Tech Tones

Vitaltechvvt2 このメンバーでは2枚目の録音。トライバル・テックもいいけれど、また違った重量系の味を出しているこのトリオもなかなかいいですねえ。とにかくこういう風にテクニック勝負のアルバムがあるのは、いい傾向です。これもまたハードコア・フュージョンと言うのかな。時期的にも国内盤中心から輸入盤購入に移ってきたときのアルバムで、確か国内盤では出てなかったような気がしています。そういうアルバムを通販や実際に店舗に行って探してきたことが多かったでした。最近では昔追いかけていたミュージシャンが亡くなったり、あまりアルバムを出さなくなったりして、CDの購入量も減ってきてますけど。

(追記)ホームページのギター特集の穴埋めをしていたら、多いと思っていたのが1か月半くらいで終わってしまいました。残りは管楽器(少し多め)、ドラムス、ヴォーカル(2人)、ヴァイブラフォン(1人)なので、意外に早く終わるかも。

 

VTT2/Vital Tech Tones(Tone Center)(輸入盤) - Recorded January 10-24, 2000. Scott Henderson(G), Steve Smith(Ds), Victor Wooten(B) - 1. VTT 2. SubZero 3. The Litigants 4. Puhtainin' Tuh... 5. Drums Stop, No Good 6. Catch Me If You Can 7. Nairobe Express 8. Who Knew? 9. Time Tunnel 10. Chakmool-Ti

(00/11/05)このメンバーによる2枚目のアルバム。1曲目こそベースの準備運動的な小品ですが、2曲目以降は重量級のハードコアなファンクサウンドの嵐で、まさに力でせまってきます。シンプルなメンバーから、時に信じられない音数がでてきます。ほとんどの曲が複数のメンバーによる共作なので、現場でできたインプロヴィゼーションかも。ベースのヴィクター・ウッテンはフレッテッド・ベースとフレットレス・ベース(8、10曲目)の両方を弾き分けていて、前者のチョッパーも、後者のメロディも聴いていて爽快。その中で、4曲目が比較的ゆったりしていて息が抜けます。5曲目はベースとドラムスのデュオ。ただし、アルバムの曲自体は比較的マニア向け(エレキ・ギターやエレキ・ベースなどの演奏をしている人なら分かるかも)か。

2022/10/02

Making Us Alive/桑原あい・ザ・プロジェクト

Kuwabaramakin 新譜が1枚あるのでちょっと早めに。桑原あいは、デビュー作を聴いた時にとりこになってしまい、その後はおそらくずっと追いかけているピアニストの一人です。テクニックがハンパではないというか、けっこうインパクトがあるので、今回もその威力を発揮しています。何枚か前からVerveに移籍していたんですね。大きいレーベルも目をつけるはずだなあ、とアルバムを聴いて思いました。このトリオのメンバーもけっこういいですし。最初1曲目を別のスピーカーでかけたら、どうしてもエレキ・ベースに聴こえてしまい、スピーカーの低温が引き締まった別のスピーカーでの再チャレンジでした。結果、アコべの低音をエフェクターでブーミーにしているようなんですね。

 

Making Us Alive/桑原あい(P)・ザ・プロジェクト(Verve)
Making Us Alive/Ai Kuwabara(P) The Project(Verve) - Recorded June-July, 2022. 鳥越啓介(B)、千住宗臣(Ds) - 1. Money Jungle 2. Into The Future Of The Past? 3. Psycho Killer 4. Pale Blue Eyes 5. Mama 6. Cool 7. Evrything Must Change 8. She's A Rainbow 9. Habanera 10. Both Sides Now(青春の光と影)

ライヴでツアーのベストテイクを収録。デビュー10周年記念作。2、5曲目が桑原あいの作曲で、他はジャズメン・オリジナルやクラシック、ロック、ポップスの曲など。収録時間は73分。1曲目のベースがエレキ・ベースかと思うも、低音をブーミーにさせているような、時にエフェクターをかませているような感じ。かなりトンガっていて、原曲のイメージは少ないです。5-8曲目にもエフェクターが。他の曲も思い切りよく、スカッとさせてくれるので、ライヴはけっこう盛り上がったな、と思います。もちろん静かな曲も。いろいろな題材を取り上げながら、このトリオのものにしてしまっているのが素晴らしい。3曲目のようにアレンジがキマッているものもあり、大胆と同時に緻密な統制された動きもあります。10曲目は静かにソロで。(22年9月28日発売)

2022/10/01

Well To The Bone/Scott Henderson

Scottwellto スコット・ヘンダーソンのリーダー作に行きますが、ゲイリー・ウィリスとの双頭バンドだったトライバル・テックはもうブログアップしてあるので、リーダー作の残りはこれ1枚。彼の3枚目?のブルースのアルバム。当時はトライバル・テックのハードコア・フュージョン的なサウンドが好きだったので、なんでブルース?と思いましたけど、今聴くとなかなかいいですねえ。ヴォーカルの入っている曲もあるし、ギターは相変わらずのバカテク的なところもあるし、素直でないところもたまにあるしで、そういうところが良かったんだなあ、と改めて思いました。でも、今までも何回も聴いてないこともあって、ちょっともったいないかなあ、とも。

 

Well To The Bone/Scott Henderson(G)(Victor) - Released 2002. Kirk Covington(Ds), John Humphrey(B), Thelma Houston(Vo), Wade Durham(Vo), Scott Kinsey(Per) - 1. Lady P 2. Hillbilly In The Band 3. Devil Boy 4. Lola Fay 5. Well To The Bone 6. Ashes 7. Sultan's Boogie 8. Dat's Da Way It Go 9. That Hurts 10. Rituals

基本がギター・トリオの、ロックやブルース指向の強いアルバムで、ジャズ・フュージョン度はほとんどありません。当然ですが、ギターを中心に聴けるのがうれしいところ。サウンドが外向的であまりひねくれておらず、けっこう気合いが入っています。ただ、曲の方は素直なブルースでもないようです。全10曲中5曲がヴォーカル入りの曲というところも特筆すべき点かも。2曲目はカントリー・フレイバーもありますが、けっこう爆発度は高いです。3曲目は渋めで、おお、ギターはそうきたか、けっこうやるねえ、という感じ。6曲目は個性的なギターの、前半やや静かで後半盛り上がる曲。曲によってエキゾチックだったり、さまざまなカラーがあります。アルバムの最後まで聴き通すにはちょっと体力がいりますね。(02年9月21日発売)

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