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2022年9月の記事

2022/09/30

ジャズのホームページが25周年

220930hp 毎年この日になるとジャズのホームページがXX周年、と書いているような気がするけど、今年は25周年で4半世紀続いたということで、記念にまた書き込みます。実は現存するジャズのサイトで、私のところが1番古いわけではなく、知っている範囲でも数件もっと古いところを知っています。それぞれに日記が中心になっているところもあれば、レビューのところもあったり、まだアクティヴに更新をしているようですね。それでも今までのうちに亡くなられたり、連絡も取らなくなって更新停止したままホームページがそのうち廃止されたり、ということもさすがに多かったです。こういうものの保存って、何とかならないものでしょうか。

私の最初の時は、ホームページ作成ソフトはもうあって、私以前の方はHTMLのタグ打ちでやってた方もいらしたですけど、それでもホームページをアップするFTPソフトを自前で調達しなければならなかったり、カウンターもCGIで自作したような時代でした。通信回線もいちおうISDNは入れていたけどダイヤルアップ接続のナローバンドでしたし、いかにホームページ容量を少なくするか、考えながらやっていた時代でもあります。それでも確か’02年には光回線が来て快適な操作ができるようになったり、’04年にはブログを開設したりして、ホームページメインからだんだんブログメインになってきてました。ただ、私の場合、アルバムコメントはホームページで本文を書いてアップしてからブログに転記するやり方なので、ホームページの更新は、なだらかにはなったものの時折りやっていて今に至ります。

まあ、よく同じ趣味が続いたものだと思います。手持ちのCDは残りの人生でも再度聴ききれないほどありますし、ストリーミングも入れてあるのでけっこう快適ではありますね。通常ならこれだけ長い間だと、文章を書くスタイルも変わっていくのが普通ですが、あえてあまり変わらないようにして、ホームページの整合性もとってました。まあ、残念なことと言えば、同じスタイルなため、批評の域までは全然いかなかった、深みが出なかった、っていうことなんですが。なので今も頭の中は初心者プラスアルファです。

ブログは仕事のインフラの一部を使ってやっているため、万が一亡くなったり、引退する時は移転しないと削除されてしまいます。その移転のために写真等をひとつひとつ移していかなければならないのですが、同じインフラを使っていてもホームページはPC上に元データがあるのであっという間に移転できてしまいますからね。そのあたりあえてホームページを残してある理由になってます。移転しなくてもよいECMブログはその万が一の時の保険というか。あと何年続くか分かりませんが、これからもよろしくお願いします。

(追記)ブログの方も今日で、5,750エントリー目になります。アルバム紹介もだいたいですが、今までに5千くらいはあるんじゃないかな。

(追記その2)全国チェーン店のGEO(ゲオ)が9月いっぱいでCDの買い取りをやめるそうで、この波は他にも波及するかもしれません。CD時代の終わりの始まりかな。自分もCDあってこそのホームページでありブログなので、ひとつの節目になりそうです。

2022/09/29

The Color Of Love/Kevyn Lettau

Kevynthecolor このアルバムはどちらかというとポップスで、昔はケヴィン・レトーも追いかけていたのですが、ある時期に処分してしまったと思います。マイク・スターンも1曲だけに参加しているだけだし、紹介するのはどうかなあ、と思ったのですが、ストリーミングにはあったので、とりあえず取り上げてみたいと思います。と言いつつ彼の特集は今日で終わり。昔はこういうヴォーカルもののポップスも何人か琴線に引っ掛かって追いかけていたなあ。と、忘れかけていたことを思い出させてくれました。まだ奥にしまってあるヴォーカリストも確か何人かありました。久しぶりに聴いてみたけど、スターン自身の参加に関わらず、大人っぽい雰囲気もあって良かったアルバムの1枚です。

 

The Color Of Love/Kevyn Lettau(Vo)(Video Arts) - Released 2003. Russell Ferrante(P, Synth), Mike Miller(G, mandolin), Jerry Watts, Jr(B), Mike Shapiro(Ds, Per), Stefanie Fife(Cello), Bob Franceschini(Ts), Al McKay(G), Hector Elizondo(Vo), Mike Stern(G), Jimmy Mahlis(G), Steve Tavaglione(Loops), etc. - 1. Winter 2. Pickin' Weeds 3. Let Peace Surround You 4. Thorns Have Roses 5. You're Getting To Be A Habit With Me 6. The Color Of Love 7. I Wish You Enough 8. My Cherry Tree 9. The Heart Of The Child 10. Strawberry Fields Forever 11. Strawberry Fields Forever Outro 12. Michael's Home 13. Luna And Butterfly 14. If I Loved You

全14曲中9曲にケヴィン・レトー作(作詞か作曲のどちらかだと思う)のクレジットがあり、けっこうゴキゲンで、なおかつ落ち着いたポップス作になっています。サウンドは比較的シンプルで1発で録音したような曲が多く、ポップスながらこの姿勢がまだジャズ雑誌で紹介される要因になっているのかも。3曲目はストリングスを配してコーラスにエコーを効かせて教会音楽のような仕上がり。5曲目はヘクター・エリゾンドのヴォーカルとのジャジーな4ビート曲。10曲目にはビートルズの曲がありますが、彼女流のサウンド、歌い方でマイペースに聴かせます。12曲目は今風のヴォイスのある作り。マイク・スターンは6曲目に参加していて、控え目なギターながら、心にしみてくる印象的なメロディの曲を作曲しています。(03年2月26日発売)

2022/09/28

New York City Soundscape/Vinnie Cutro With Mike Stern

Vinnienewyork マイク・スターンのサイド参加作で、これも全体のうち4曲だけの参加ですが、わざわざ彼と演奏したとクレジットに入っているので、登場した場面のインパクトは高めです。ただ、これもCDがブログアップ当日まで見つからなかったので、記憶を頼りのアップになります。こういう参加の仕方は当時は多かったような気がしています。メンバーもあまり有名な人は出てきてませんが、音楽としてはカッコ良かった記憶があります。ただ、彼のアルバム、ストリーミングで検索しても、あと2つぐらいしか出てなかった(このアルバムはなかったでした)ので、あとは地方で活躍しているか、引退してしまったのでしょうか。

 

New York City Soundscape/Vinnie Cutro(Tp) With Mike Stern(G)(JAZZBANK/Five Spot) - Recorded August 17 and 18, 1999. Martin Wind(B), Victor Jones(Ds), Bob Ferrel(Tb), Mitch Schechter(P), Sarah Jane Cion(P) - 1. Beyond All Limits 2. Aberration 3. On The Road 4. In A Sentimental Mood 5. Inside Out 6. Inception 7. Real Deal 8. Moody's Mood For Love 9. May I Be Frank

ビニー・カトロのオリジナルは半分ほど。けっこう実力派で都会的。ウッディ・ショウ作の1曲目はいきなりアップテンポのシャープなピアノが前奏で切り込んできて、そのままカトロのトランペットも素早いフレーズで切りまくる感じのカッコ良い曲。ゆったりとしたミステリアスな雰囲気を持つ2曲目、最近のミュージカルが題材のややモーダルな3曲目、しっとりとはじまってスタンダードを徐々に盛り上げていくバラードの4曲目、ユニゾンのテーマがなかなかの、アップ・テンポの5曲目、淡色系の渋さのある8ビートの6曲目、イキなファンクで、ソロもアピールする7曲目、スタンダードでメロディアスなトランペットを聴かせてくれる8曲目、キメも多く、4ビートジャズしていて気持ちが良い9曲目。マイク・スターンは2、5-7曲目に参加。(01年10月24日発売)

2022/09/27

Heiner Goebbels/A House Of Call/My Imaginary Notebook

2728今日もECM New Seriesの新譜が届いたので、これを先に。ハイナー・ゲッペルスの現代音楽ですが、ヴォイスというか声も散りばめられていてミステリアスな雰囲気もあります。ただ収録時間も99分(CD2枚組)と長く、現代音楽なため、聴く人を選ぶんではないかなあ、とも思います。こういうアルバムはECMでしか聴けないことが多いため、需要はある程度あるのだと思いますが、やはり主な市場はヨーロッパなのかなあ、とも想像させます。以前、ナレーションで日本語のアルバムがあって、意味が分かってしまうのも少々つらい、と思ったので、知らない言語なら音楽の一部として聴けるなあ、とは感じます。

 

Heiner Goebbels/A House Of Call/My Imaginary Notebook(ECM New Series 2728/29)(輸入盤) - Recorded September 2021. Ensemble Modern Orchestra, Vimbayi Kaziboni(Cond) - 1-3. I. Stein Schere Papier 4-7. II Grain De La Voix 8-11. III Wax And Violence 12-15. When Words Gone

(22/09/25)Heiner Goebbelsは20世紀ドイツ生まれの作曲家、演出家。想像上の声にアンサンブル・モデルンがそれを演奏で表現している、という構図ですが、内容的にはバリバリの現代音楽という感じで、ヴォイスは随所に音楽と融合して散りばめられています。CD2枚組で収録時間は99分と、けっこう長め。タイトルはジェイムス・ジョイスの小説の一節から採用されたと書いてありますが、想像力たくましいドラマチックな現代音楽。

2022/09/26

Ocean/Charles Lloyd Trios

Charlesocean チャールス・ロイドのトリオ第2弾。新譜が来たので先に聴いていきます。トリオで3枚アルバムを作って、それが全部メンバーが違うというなかなか面白い企画をやっています。個人的には1作目のビル・フリゼールの参加作も好きだったのですが、今回のアルバムのように、ジャズも感じつつ、曲によってはECM的な世界も持っているようなサウンド、けっこう好きですねえ。そしてジェラルド・クレイトンのピアノが、こういうある程度静かな場面にあっても、自在にそのサウンドを変化させていって、全体のコントロールをしているような雰囲気もなかなかいいと思います。こうなってくると3作目も楽しみですね。

 

Ocean/Charles Lloyd(As, Ts, Afl) Trios(Blue Note)(輸入盤) - Released 2022. Gerald Clayton(P), Anthony Wilson(G) - 1. The Lonely One 2. Hagar Of The Inuits 3. Jaramillo Blues (For Virginia Jaramillo And Danny Johnson) 4. Kuan Yin

(22/09/25)全曲チャールス・ロイドの作曲。メンバーを替えての3部作の2作目。収録時間は41分。1曲目は静かな場面から音が浮かび上がり、時折り情念を感じるような、ECMに近いようなサウンド。フリーと言うほどではないけれど、自由に空間を泳いでいるような印象。その中を、時にロイドは速いパッセージも使って、ゆったりと進んでいく雰囲気。こういう編成なので、比較的スローな曲が中心ですが、それがピッタリとしていて、変化に富んでいるけど全体的に流れていくようなピアノがバックで、聴いていて心地よい。2、3(こちらはブルース?)曲目はよりジャズしていたり、曲によって色合いが違い、このあたりは渋さと華やかさがあります。4曲目は8ビートながらドラマチックでもあり、引きこまれる要素を感じる演奏。

2022/09/25

New York State Of Mind/Scott Kreitzer

Scottnewyork マイク・スターンのサイド参加作、と言いつつ、これは3曲にしか参加していないですが、そういうアルバムも含めて紹介していってますので、ご容赦を。このアルバム、ジャズシティ・レーベルとしてはジャズ寄りのアルバムとなっていますが、当時の今、そしてそれも聴きやすい方面でのジャズとして、けっこういい出来だと思います。知っている曲も多いし。曲によって、メンバーの交替はありますけれども。このレーベルのアルバムが最初に出たときに(私のは再発)集めておけばよかったなあ、と思っても、当時はそんなにアンテナを張ってなかったし、まあ、全部ではないにしろ、今でもあるのは、まあ、いいのかなあ、とも思ってます。

 

New York State Of Mind/Scott Kreitzer(Ts)(Jazz City) - Recorded December 1989. Barry Danielian(Tp), Bob Henke(Tp), Matt King(P), Kevin Hays(P), Doug Weiss(B), Billy Martin(Per), Bill Stewart(Ds), Mike Stern(G) - 1. New York State Of Mind 2. The Way You Look Tonight 3. Smoke Gets In Your Eyes 4. Pivotal Epicenter 5. Insternalized 6. Chief Crazy Horse 7. Runaway 8. All The Things You Are 9. So Be It

邦題「ニューヨークの想い」。トップにビリー・ジョエルのタイトル曲をもってくるあたり、そしてそのアレンジといい、フュージョンシーンの経験のあるサックス・プレイヤーという感じがします。都会的でスマートな雰囲気を持っています。。そのスマートさは純粋な4ビートのスタンダード曲(例えば2曲目)などでも発揮され、やっぱり80年代後半のジャズという印象。スタンダードのバラードを聴かせる3曲目、意外にオーソドックスにジャズしている6、9曲目、徐々に盛り上がって再び静かなテーマに戻る7曲目。ジャズからやや広がりのあるアルバム、といったところ。マイク・スターンは4-5、8曲に参加していますが、その4、8曲目は彼のペースになっていてけっこうホットで面白い。5曲目は渋い浮遊感のあるバラード。(02年1月17日発売)

2022/09/24

These Times/Mike Stern

Miketheseti マイク・スターンのリーダー作はここまで。このアルバムは前作に引き続きの内容の部分も多めで、そこからさらに変わっていく途中のアルバムという感じがしました。ここでもリチャード・ボナが参加していることが多いし、前作に登場していたメンバーもいますし。入れ替わり立ち替わりメンバーが替わるので、それも楽しいと言えば楽しいし。しかもメンバーがそれぞれに豪華。スターンに関しては、なかなか書くのが難しいのですが、彼本来の味を出しつつ、このあたりで少し旋回して行っている、というような気持ちもあります。と、よくライナー見たらここでドイツのESCレコードに移籍しているんですね。

 

These Times/Mike Stern(G)(Victor) - Recorded January 25-27, and May 28, 2003. Kenny Garrett(Ss, As), Arto Tuncboyaciyan(Per), Jim Beard(P, Synth), Vinnie Colauta(Ds), Elizabeth Kontomatou(Vo), Richard Bona(B, Vo, Per), Bela Flech(Banjo), Bob Franceschini(Ts), Will Lee(B), Bob Malach(Ts), Victor Wooten(B), Dennis Chambers(Ds), Don Alias(Per), Joe Herington(G) - 1. Chatter 2. Silver Lining 3. I Know You 4. Mirage 5. If Only 6. Street Rhyme 7. Avenue B 8. Remember (For Bob Berg) 9. These Times 10. What You Believe 11. Last One Down

全曲マイク・スターンの作曲ないしは共作。曲によってミュージシャンが交代で参加しています。スマートなワールドっぽいヴォーカル曲が目立っているのも前作に引き続きの特徴。曲調もいつものマイク・スターンのウネウネ調(1曲目)から、ワールド色の強いものなどけっこう多様で、ベーシストやヴォーカルなどでリチャード・ボナが参加している2-3、5、10曲目あたりは、ヴォーカルも聴きどころ。他はウィル・リーとヴィクター・ウッテンが適材適所で参加しているのが興味深いところ。渋めの7曲目のあと、デニス・チェンバースはスピーディーなボブ・バーグに捧げた8曲目に参加して、好サポートをしています。タイトル曲の9曲目の渋い(後半ソロが盛り上がりますが)あたり、円熟してきた、ということでしょうか。(03年9月13日発売)

2022/09/23

Voices/Mike Stern

Mikevoices マイク・スターンのリーダー作が続きます。今回のアルバムはちょっと個性的で、様々な要素のヴォーカルやヴォイスを使っているアルバム。メンバーも豪華ですね。メンバーが交替しながらの収録になってますが、久しぶりに聴くと、けっこう楽しい。もちろん彼独特のギターのフレーズも楽しめるし、時々聴くにはけっこう新鮮なサウンドだと思います。メンバーの個性がけっこう影響しているんだと思いますが、曲作りとか、ギターのフレーズの方になってくると、割とマイペースなんだな、とも思います。まあそこが好きなんですけどね。パット・メセニーの影響も少しあるのかもしれないけど、もっと明るいアフリカンな曲が目立つのはリチャード・ボナの影響か。ただ、ヴォイスなどの曲調は多彩。ラストの曲はかなり元気で盛り上がります。

 

Voices/Mike Stern(G)(Atlantic) - Released 2001. Jon Herington(G), Richard Bona(Vo, B), Lincoln Goines(B), Chris Minh Doky(B), Dennis Chambers(Ds), Vinny Colaiuta(Ds), Michael Brecker(Sax), Bob Franceschini(Sax), Jim Beard(Key), Arto Tuncboyaciyan(Per, Vo), Philip Hamilton(Vo), Elizabeth Kontomanou(Vo) - 1. One World 2. The River 3. Slow Change 4. Wishing Well 5. Still There 6. Spirit 7. What Might Have Been 8. Leni's Smile 9. Way Out East 10. No Count

彼にしては珍しくヴォーカルやヴォイスを起用して、曲によってはワールド的な広がりを見せています。豪華なゲストも魅力的。曲自体はすべてマイク・スターン作。1曲目の出だしはワールド色が満載ですが曲がはじまってしまうとマイク・スターンのギターのペースかなとも思わせます。2曲目はリチャード・ボナのヴォーカルでのポップな曲。サウンドは、ヴォイスはあっても彼のペースと思える3、5曲目のようなものもあれば、何となくワールド風味もある4、6-8曲目のような曲と大きく2つに分かれるような感じ。9曲目はけっこうハードな曲調で好みですが、ここにもワールドのエッセンスが。10曲目はボーナス・トラック。デニス・チェンバースは3、5、10曲目に、マイケル・ブレッカーは9曲目に参加。(01年9月27日発売)

2022/09/22

Play/Mike Stern

Mikeplay 次はマイク・スターンのリーダー作です。いつもは彼のマイペースな演奏で、逆に言うとどのアルバムもあまり区別がつかないということもありますが、このアルバムはゲストにジョン・スコフィールド、ビル・フリゼールとそれぞれ共演していて、しかもそれ以外の曲ではデニス・チェンバースが参加しているという、けっこう豪華で個性的な内容になっています。このメンバーなら一度は聴いておいても損はないかも。スターンの方に寄るか、ゲストの方に寄るか、自在に動いていて、聴いているのも楽しい演奏になっています。アルバム発売の時期的な問題とはいえ、こういうアルバムをまだ紹介していなかったのか、と改めて思いました。

 

Play/Mike Stern(G)(Atlantic) - Recorded December 1998. John Scofield(G), Bill Frisell(G), Ben Perowsky(Ds), Dennis Chambers(Ds), Lincoln Goines(B), Bob Malach(Ts), Jim Beard(Key) - 1. Play 2. Small World 3. Outta Town 4. Blue Tone 5. Tipatina's 6. All Heart 7. Frizz 8. Link 9. Goin' Under 10. Big Kids 11. I'm With You

ジョン・スコフィールド(1-3曲目に参加)と、あるいはビル・フリゼール(4、6-7、10曲目に参加)と、それぞれ共演しています。2人とも有名かつ個性的なギタリスト。全てマイク・スターンの曲で、共演相手の特質を見据えて作曲していて、いつもの彼らしいフレーズながらも相手のフィールドにも入りこんで演奏しているところなど見事 かもしれません。ジャジーなビートの曲や牧歌的な曲もあって、比較的リラックスした演奏が聴けます。10曲目のビル・フリゼールなど、脱力系。ギターがサイドにまわった時の音も聴くといいかも。デニス・チェンバース(5、8-9曲目に参加)はギターの共演曲以外で参加しているのが少々惜しい気も。当然ながらこちらの曲の方がややタイトで重い感じで、彼のいつものペース。(99年9月29日発売)

2022/09/21

Oh!/Scolohofo

Scolohofooh 4人の合同名義のアルバムですが、露出度からいけば、ジョン・スコフィールドのアルバムともとれるような気もしています。オリジナルでそれぞれが持ち寄っていますけど、このメンバーなら悪かろうはずもなく、一気に聴かせてくれます。ブルーノートからの発売ということで、契約上の何らかの問題もあったのかもしれませんし。ただ、彼とジョー・ロヴァーノがフロントなので、一筋縄ではいかなくて、メロディも浮き上がってくるけど、独特な浮遊感というかうねうね感というか、そういうものもあっての演奏なので、少々聴く人を選ぶアルバムかもしれないなあ、と思います。彼の特集も、いちおう今日まで。

 

Oh!/Scolohofo(Blue Note) - Recorded July 30 and 31, 2002. Joe Lovano(Ts, Ss), John Scofield(G), Dave Holland(B), Al Foster(Ds) - 1. Oh! 2. Right About Two 3. The Winding Way 4. Bittersweet 5. Shorter Form 6. New Amsterdam 7. In Your Arms 8. The Dawn Of Time 9. Brandyn 10. Faces 11. Oh I See

以前ジョン・スコフィールドのバンドにジョー・ロヴァーノも参加していたので、相性は抜群、鉄壁のフロントと言えます。それぞれがオリジナルを2-3曲ずつ持ち寄っていて、既出のものも多いようです。サウンドはハマるとウネウネと少々コワい世界かも。少々聴く人を選びますが、これぞ現代ジャズ(?)というようなフレーズがマニアックかも。ピアノがいない分、スペースが広くて自由度が高いです。彼ら流のジャズしている1曲目、渋めの2曲目、エキゾチックな6拍子の3曲目をはじめ、5曲目はアップテンポでノリの良い曲。6曲目も盛り上がる12分台の曲。ただし彼らのキャラクターでフワフワ感もあります。8、9曲目もエネルギーのある曲か。いずれにしてもこのメンバーにしか出せないサウンド。(02年12月26日発売)

2022/09/20

Love Letters/Roy Haynes

Roylovele 2つのグループによる演奏で、ジョン・スコフィールドは片方のグループでの演奏。やはりこの時期、けっこう豪華なメンバーで日本制作盤も作っていたなあ、と思います。スタンダードやジャズメン・オリジナルばかりを演奏していたのは、プロデューサーの意向でしょうか。演奏的には少々冒険もあるにしても、割とオーソドックスな演奏で、それでも聴かせてしまうのは、メンバーの腕なのでは、と思います。聴きやすいのは、やっぱりリラックスできますね。このところ、CDで探せても、ストリーミングの方が楽なので、ストリーミングで聴き直す方が多くなりました。やはりこういう聴き方をするのも時代の流れでしょうか。

 

Love Letters/Roy Haynes(Ds)(Eighty-Eight's) - Recorded May 23 and 24, 2002. Kenny Barron(P), Dave Holland(B), David Kikoski(P), Christian McBride(B), Joshua Redman(Ts), John Scofield(G) - 1. The Best Thing For you 2. That Old Feeling 3. Afro Blue 4. Que Pasa? 5. How Deep Is The Ocean 6. Love Letters 7. My Shining Hour 8. Stompin' At The Savoy 9. Shades Of Senegal 2

ケニー・バロン(P)、ジョシュア・レッドマン(Ts)、クリスチャン・マクブライド(B)とのクァルテット(1、4-5、7曲目(サックスは5曲目は休み))と、ジョン・スコフィールド(G)、デヴィッド・キコスキ(P)、デイヴ・ホランド(B)とのクァルテット(2-3、6、8曲目(ピアノは3、6曲目は休み))での演奏。まず驚くのが参加メンバーの豪華さ。どちらのクァルテットも安心して聴ける比較的オーソドックスなジャズ、ところによりやや刺激もある場面も、といったところ。曲もスタンダードやジャズメン・オリジナルばかり。ただ4、7曲目あたりは少々印象的な冒険のアレンジか。個人的にはジョン・スコフィールドの自己主張するギターが魅力的。もちろんドラムスは存在感があります。9曲目はドラムソロのインプロヴィゼーション。(02年12月18日発売)

2022/09/19

As Long As You're Living Yours/The Music Of Keith Jarrett

Musicofkeith もうこの当時にキース・ジャレットのトリビュート・アルバムというのが出ているんですが、オムニバス形式で、なかなか豪華な作りになっています。曲の方は、元を意識したものもあれば、自由にそれぞれが表現したりとか、幅はけっこう広いんですけど。ノリ的に意識している曲が意外にありますね。このあたりの時代にはけっこう、こういうアルバムが出ていましたね。先日ボブ・ジェームスを取り上げたときに、順番的にはこれがあるはずなんですが、まだだったので、今回取り上げることにしました。ピアノの演奏の感じなど、意識している人も多めで、面白いですね。実はこれも奥にあって、聴くのは久しぶりだったのです。

 

As Long As You're Living Yours/The Music Of Keith Jarrett(RCA) - Released 2000. (3曲目のパーソネル)John Scofield(G), Dennis Irwin(B), Ralph Peterson(Ds), (5曲目のパーソネル)Nadja Salerno-Sonnenberg(Vln), Bob James(P), (11曲目のパーソネル)Don Byron(Cl), Drew Gress(B) - 1. Backhand 2. U Dance 3. Coral 4. Innocence 5. Book Of Ways No.9 6. So Tender 7. Starbright 8. Book Of Ways No.10 9. The Cure 10. Shades Of Jazz 11. Somewhere Before 12. Prism 13. Everything That Lives Laments 14. Dancing

オムニバスのキース・ジャレット曲集。実は即興演奏家としての彼に対し、印象に残る彼のメロディというのが私の中であまり出てこないです。曲は多種多様なサウンドのものが収められていますが、元歌を知らなくてもけっこう楽しめる雰囲気。(3曲目について)ギタートリオの編成で奏でられるこの曲は、抑制が効いていてけっこう渋いと思わせる仕上がり。ドラムも自由度は高い感じでサポートしてます。(5曲目について)ヴァイオリンとエレキピアノによるデュオは、ボブ・ジェームス色は薄く、クラシック色が強いのですが、哀愁を帯びていて、けっこう味わいのあるメロディです。(11曲目について)クラリネットとベースで有名な「サムホエア・ビフォー」をゆったりと奏でています。取り出されたエッセンスだけ聴くのも楽しいです。(00年6月21日発売)

2022/09/18

Altered Things/Eero Koivistoinen

Eeroalterdジョン・スコフィールド参加作を飛び飛びながら続けます。このアルバムは、1曲目のテーマの後にすぐギター・ソロがあるので、それだけで露出度が高いような印象を受けてしまいます。リーダーの名前は知らなくても参加しているほとんどのメンバーの名前はご存じの方が多いでしょう。オリジナル指向とはいえ、聴いていてけっこうジャズしていていい感じにノレますね。3管のホーンのアンサンブルもカッコいいし、アップテンポの曲とバラードがうまい具合にあって、アルバムの進行としても、なかなかいい感じ。リーダーがあまり有名ではなかったということで、’91年の録音が国内盤で’02年になってやっと出てますが、内容的にはけっこう好きなアルバムですね。

 

Altered Things/Eero Koivistoinen(Ts, Ss)(Timeless) - Recorded September 25 and 26, 1991. Randy Brecker(Tp), Conrad Herwig(Tb), Dave Kikoski(P), John Scofield(G), Ron McClure(B), Jack DeJohnette(Ds), Bugge Wesseltoft(Synth) - 1. Kabuki 2. Altered Things 3. Film Noir 4. Everblue 5. Van Gogh 6. Palapeli 7. Clear Dream 8. Inspiration 9. Maghreb 10. BLT

今考えると米欧混成の非常に豪華なメンバー。そしてほとんどの曲がイーロ・コイビストイネンの作曲。いかにも90年代まっただなかというようなジャズが多いです。そして三管のアレンジが適度に不協和音が混ざっていて印象的。個々のミュージシャン度もけっこう高く、それで聴いてもスゴいし面白いですが、全体としてもアレンジのせいか、まとまりのあるサウンド になっています。2曲目のタイトル曲は比較的静かなバラードで、三管の織り成す音階のゆったりとした絡み合いが、そしてサックスやピアノのソロが心にスッと入ってきます。燃えるジャズの曲もありますが、全体的には曲がやや地味で中間色的なので通好みかも。 スゴいメンバーの中でも、個人的にはジョン・スコフィールドの参加がうれしいところ。(02年1月26日発売)

2022/09/17

Real Life Story/Terri Lyne Carrington

Terrireallife このアルバムは中古で買ったのですが、CDの状態が悪く、ほどなくして処分してしまった記憶があります。それはさておき、豪華なアルバムですね。さすがこの時期は業界の景気が良かっただけに予算もかけられたのではないかと思います。これはストリーミングにあり、それで聴き直していますが、ドラマーがリーダーとは思えないほどバラエティに富んでいますね。できればもう一度手元においておきたいアルバムではあります。ジョン・スコフィールドだけではなくて、カルロス・サンタナも演奏している曲もあるし。ヴォーカル曲もあったりと、やりたいことを全部入れてみて、それでなおある程度は聴きやすく、となかなか好みです。

 

Real Life Story/Terri Lyne Carrington(Ds, Vo)(Verve Forecast) - Recorded 1988. Don Alias(Per), Hiram Bullock(G), Keith Jones(B), Grover Washington Jr.(Ts), Greg Osby(Ss, As), Dianne Reeves(Vo), Patrice Rushen(Key), John Scofield(G), Wayne Shorter(Ts), Carlos Santana(G)- 1. Message True 2. More Than Woman 3. Blackbird 4. Shh 5. Obstacle Illusion 6. Human Revolution 7. Real Life Story 8. Skeptic Alert 9. Pleasant Dreams 10. Hobo's Flat

(99/11/29)けっこうフュージョン寄りで、トータルサウンドで聴かせる曲が多いアルバム。ほんのちょっと硬派かもしれないけれどBGMにも良いかも。2曲目は何とリード・ヴォーカル(バックがダイアン・リーヴス!)もやっています。3曲目はおなじみビートルズの曲。他にもウェイン・ショーターやカルロス・サンタナが参加していたり、かなり力が入っているのが分かります。5曲目はキーボードとのデュオで、比較的ドラムが前面に出ています。9曲目のオリジナルもけっこう渋め。グレッグ・オズビーが2、7-9曲目に、ジョン・スコフィールドが3-4、8、10曲目に参加。8曲目は1分少々と短いながらもこの2人とのトリオ の演奏を聴くことができます。若いながらにリーダーとしても才覚を見せたアルバムです。

2022/09/16

New York Cut/Yasuo Higuchi

Higuchinewyorkここからジョン・スコフィールドのサイド参加作になります。棚の奥の方に入っていて、なかなか探すことができませんでしたが、何とか発掘しました。樋口康雄さんは今ストリーミングではアニメのテーマ曲が2曲ぐらいしか見つかりませんでしたけど、最近はこっち方面で活躍されているのでしょうか。このアルバムはなかなかメンバーがすごくて、それでもジャズ雑誌には掲載されていたのか、いなかったのか、地味な取り扱いでした。ただ、ジョンスコがいるというだけで買ってしまいましたが、けっこう良かった印象です。’70年代末期のジョン・スコもいいですけど、曲によってはトロンボーン中心のアンサンブルが、他の曲とは趣向が違いますが、面白いと思いました。ファンクの部分はちょっと時代を感じさせますが。中古も少し出回っているようですけど、ちょっと高くなってますね。

 

New York Cut/Yasuo Higuchi(P)(Wea) - Recorded March 9 and 10, 1979. Will Lee(B), Chris Parker(Ds), John Scofield(G), Jorge Dalto(P), Dwight Gassaway(Per), Lolly Bienfeld(Tb), John Mosca(Tb), Jim Knepper(Tb), Lee Robertson(Tb), Ed Byrone(Tb), Bruce Bonvissuto(Tb), Lynn Welshman(Btb), Joe Randazzo(Btb), Howard Johnson(Tnba), Christina Saffran(Vo), Karen Meister(Vo), C.C. Pryor(Vo), Amy Roslyn(Vo), Libby McLaren(Vo) - 1. To The New World 2. The Earth's Bellybutton 3. Uncle From UNCLE 4. The West Wind From The East 5. Giraffe (In Memory Of Taki San) 6. A Magazine On The Street 7. Warm Air In The Ellipsoid Of Revolution 8. On To The New World 9. The Other Side Of Life

ジャズの雑誌では話題にならなかったけれども、ジョン・スコフィールド や他の有名ミュージシャンの参加など、話題は多いアルバム。樋口康雄については詳しくありませんが、全曲彼の作曲で、けっこう力が入っています。曲によってコアになるメンバーとホーンセクションやコーラスの絡みというか、その出入りあるいはサウンドに個性的なものを感じます。当時のクロスオーヴァー、フュージョンシーンをとらえる、けっこうカッコ良い演奏。この中で4曲目はブラスとコーラスでのアンサンブル的な演奏でちょっと異色かも。7曲目のみ樋口のピアノのようで、ピアノとホーンのデュオで静かで知的な演奏。9曲目は即興で作られたというギターとヴォーカルのフォーク・ミュージックっぽい曲。ややマニアックかな、とも思います。(02年1月23日発売)

2022/09/15

Up All Night/John Scofield

Johnupallnジョン・スコフィールドのリーダー作は、これで一区切り。このあたりジャムバンド路線のアルバムが多いようで、昨日紹介したアルバムと、今回のアルバムも少しずつ内容を変えながら、続きます。それでもこのアルバム、ホーンで加わっている人たちはジャズ畑での割と有名な人たちのような(参加曲は、1、4、6-8、11曲目)。方向性として、そっちのジャンルに興味を持つということはなかったけど、彼のこの路線は大いに好きになって、当時は何度もアルバムを聴いたものでした。オリジナルが基本なんだけど、共演者との共作が多いというのも、いろいろどん欲に彼の周囲から吸収しつつ大物になっていく、ということが分かります。どんな彼でも初めにギターありきのサウンドになっているのはすごい。このあたりになると、割と普通の曲もあったり。バンドのまとまりもなかなか。

 

Up All Night/John Scofield(G)(Verve) - Recorded December 2002. Avi Bortnick(G, Samples, Loops), Andy Hess(B), Adam Deitch(Ds), Craig handy(Ts, Fl, Bcl), Earl Gardner(Tp), Gary Smulyan(Bs), Jim Pugh(Tb), Samson Olawale(Per Sample) - 1. Philiopiety 2. Watch Out For Po-Po 3. Creeper 4. Whatcha See Is Whatcha Get 5. I'm Listening 6. Thikhathali 7. Four On the Floor 8. Like The Moon 9. Freakin' Disco 10. Born In Troubled Times 11. Every Night Is ladies Night

またジャム・バンド路線でやってくれました。レギュラー・バンドでの録音。目立つのは演奏者との共作が全11曲中6曲もあって、グループがより強固にまとまった感じ。ジャムってて録音していたら曲になってしまったのでしょうか。ただ、一発モノ的な感じもするとともに、そこには考え抜かれたあとも見え隠れします。そんな雰囲気なのが1-2曲目。ギターはマイペースですが全開な部分もあるスコフィールド作の3、7曲目、メロディアスなポップスのような4曲目。5-6曲目のようにエスニック風味もあります。唯一バラード風にせまる8曲目、ディスコ・ビートにこだわりを見せる9曲目、ちょっとアヤしげなフレーズの10曲目、最後までこの路線でノセてくれる11曲目。ますますアブないギター・オヤジになっていく...。(03年5月14日発売)

2022/09/14

Uber Jam/John Scofield

Johnuberjam ジョン・スコフィールドのリーダー作の続きで、またジャムバンド作。それにしてもジャケットがけっこうエグイなあ、と思いますけど(笑)。特に、主にレギュラーバンドでの録音というのが今回です。まあ、それはそれとして、彼のアルバムなら、こういう方面も面白く感じるのはなんででしょうね。たぶん唯一無二のギターがあるからだとは思うのですが。この時期、けっこう好き勝手やってくれたおかげで、結局リーダー作は全部(?)追っかけてしまいました。当時は好きなアルバムをどんどん買える時期でもあったし。今だったらストリーミングで聴いて終わりにするかもしれないなあ、と思いつつ。6、8曲目のエレキベースのノリなど、けっこうカッコいいですし。

 

Uber Jam/John Scofield(G)(Verve) - Recorded July 30-August 1, 29-30, and September 6, 2001. Avi Bortnick(G, Samples), Jesse Murphy(B), Adam Deitch(Ds, Per), John Medeski(Org), Karl Denson(Sax, Fl) - 1. Acidhead 2. Ideofunk 3. Jungle Fiction 4. I Brake 4 Monster Booty 5. Animal Farm 6. Offspring 7. Tomorrow Land 8. Uberjam 9. Polo Towers 10. Snap Crakle Pop 11. Lucky For Her 12. Really Groove Really

ジャム・バンド系のけっこうノリの良いアルバムに仕上がっています。打ち込みでないベースやドラムスがゴキゲンですが、適度にチープな感じが心地良い。特にタイトル曲の8曲目。サイドギターの参加も特徴。また、メデスキ・マーチン&ウッドのジョン・メデスキが曲によって参加(1-2、5、9曲目)しているのがこのジャム・バンド系の雰囲気に貢献しています。相変わらずマイペースなジョン・スコフィールドのギター。ジャズではないにもかかわらず、ギター度はけっこう高く、相変わらずアウトしたり怪しげなフレーズが出てくるので、楽しめます。そんな中でも4曲目にラップがあったり、7曲目のように渋めの曲もあったりします。頭の中を空っぽにしてリラックスして聴きたいアルバム。 やっぱりジャズファン以外に受けそう。(02年1月23日発売)

2022/09/13

Works For Me/John Scofield

Johnworksfor ジョン・スコフィールドのリーダー作が続きます。1枚ごとに異なるアルバムを出しづつけてくれて、飽きさせないですね。今回はオリジナル曲での、有名なサイドメンを擁したジャズのアルバムですし、なかなか聴かせてくれますね。スタンダードも聴きたくなくもないけれど、いろんなリーダー作があるので、これはこれでいいかと。ピアノにブラッド・メルドーですし、その他、みんな知ってるぜ、という方が多いアルバム、そんなにあるもんじゃありません。でも、ギターは相変わらずのマイペースだし。ブラインドでも分かるくらいの個性なので、もう好きなようにいろいろやってくれ、と当時は思ったものでした。

 

Works For Me/John Scofield(G)(Verve) - Recorded January 6-8, 2000. Kenny Garrett(As), Brad Mahldau(P), Christian McBride(B), Billy Higgins(Ds) - 1. I'll Catch You 2. Not You Again 3. Big J 4. Lose Canon 5. Love You Long Time 6. Hive 7. Heel To Toe 8. Do I Crazy? 9. Mrs. Scofield's Waltz 10. Six And Eight 11. Freepie 12. This Thing

それにしてもスゴいメンバーが集まりました。彼のオーソドックスなジャズの編成のアルバムは珍しいのですけれど、聴いてみると全曲オリジナル(11曲目はフリー・インプロヴィゼーションのようです)だし、やっぱりウネウネくるジョン・スコ節のギターがさえわたるアルバムでした。ドラムが一番オーソドックスですが、アルトもピアノもヒトクセある(何と言ってもケニー・ギャレットとブラッド・メルドー)ので、聴いていて楽しいです。ただし彼らが全開でブチ切れているわけではなく、ある程度の抑制は効いていながらも、うまくバランスをとって進んでいくようなサウンド。こういうジャズもあってもいいし、私は好き。それでも結局、一番印象に残るのはギターです。そのあたりは、さすが。12曲目はボーナス・トラック。(01年1月17日発売)

2022/09/12

Bump/John Scofield

Johnbump ジョン・スコフィールドに移ります。私がいちばん好きだったのはもっと前のグラマヴィジョン時代だったのですが、今日紹介するアルバムのジャム・バンド路線もけっこう合っていると思っていて、当時はよく聴いたものでした。ただ、最近はとんとご無沙汰なのも否定はできないですけど。それにしても久しぶりに聴いても、彼のギターがバックのいわばチープなサウンドに溶け込んでいて、こういう演奏も納得という感じになってしまいます。このあたりのバックミュージシャンだと知っている名前の方が少ないですけど、あえてこういうジャンルに首を突っ込んで、しかも一定の成果をあげてしまうのは、なかなかすごいことなんじゃないかと。

 

Bump/John Scofield(G)(Verve) - Recorded Fall 1999. David Livolsi(B), Eric Kalb(Ds), Johnny Durkin(Per), Johnny Almendra(Per), Mark De Gli Antoni(Synth), Tony Scherr(B), Kenny Wollesen(Ds), Chris Wood(B) - 1. Three Sisters 2. Chichon 3. Beep Beep 4. Kelpers 5. Groan Man 6. Fez 7. Blackout 8. Kilgeffen 9. We Are Not Alone 10. Swinganova 11. Drop And Roll 12. Kilgeffen (Reprise) 13. Simply Put

「ニューヨークのリアル・アンダーグラウンド人脈を結集した」と帯にありますが、別に「危険」なわけではなく、ジャズメンの弾いた意識してチープなロックビートのノリの上を、現在形のジョン・スコフィールドがギターを余裕をもって弾きまくる、といったアルバムです。しかもギターの露出度は高いです。正統派ジャズ・ファンは「何じゃ、こりゃ」と思うかもしれませんが、前作のメデスキ・マーチン&ウッドとの路線を推し進めたような、この ジャム・バンド路線の雰囲気が好きな人にはこたえられないアルバムでしょう。このオヤジ、なかなかやってくれます。聴く人をある意味で選ぶかもしれませんけれど、このチャレンジ・スピリットは評価されても良いと思います。 逆に別な方面からのファンを拡大しそうなアルバムです。(00年3月1日発売)

2022/09/11

Cherry/Josh Roseman Unit

Joshcherryデヴィッド・フュージンスキーの参加作も、これで一段落。相変わらず怪しげなアルバムに参加しています。他のアルバムに比べておとなしい感じもしないでもないですが、彼の参加作ということで、なんだか色眼鏡で見てしまいます。それにしてもメンバーがすごいですね。当時のエンヤレーベルもトンガっているアルバムも出していましたし。ここまでいろいろあると、ごく普通のジャズのアルバムが懐かしく思えてきます。でも当時はこういう音楽を欲していたんでしょうね。4ビートの曲もあるけど、どこかしら特徴が出てくるのは、やはり彼の参加アルバムには何かあるのかもしれません。しかし、参加メンバーもすごい。

 

Cherry/Josh Roseman(Tb) Unit(Enja) - Recorded January 3 and 4, 1998. Lester Bowie(Tp), John Medeski(Key), Ben Monder(G), David Fiuczynski(G), Jay Rodrigues(Bs, Ts, Fl), Dave Jensen(Ts), Matt Shulman(Tp), Bob Stewart(Tuba), Scott Colley(B), Joey Baron(Ds), Ari Hoeing(Ds), E.J. Rodriguez(Per) - 1. Don't Be Cruel 2. If I Fell 3. Kashimir 4. Land Of Make Believe 5. Daddy Gonna Tell You No Lie 6. Extra Virgin 7. Just To Keep You Satisufied 8. Love In Outer Space 9. Trousertrout 10. Frank Mills Jr. 11. Smells Like Teen Spirit 12. Daddy Redux

曲によってメンバーは入れ替わりますが、なかなかスゴい顔ぶれ。妖しげなファンク・ジャズといったところ。曲もプレスリー、ビートルズ、レッド・ツェッペリン、サン・ラ、ニルヴァーナその他、多様で、オリジナルもあります。曲のアレンジもいろいろで、ジャンルを超えたゴッタ煮のようです。思わずニンマリするようなのもあれば、けっこうカッコ良いものも。3曲目のようにロックのカテゴリーに入りそうな曲も。ちょっと危険なアルバムですが好きな人にはこたえられないかも。 意外にその先鋭的なサウンドが一部のジャズファン、ジャズ以外のファンにも受けたようです。’98年録音のため、今は亡きレスター・ボウイも数曲に参加しています。デヴィッド・フュージンスキーは1、3-4、11曲目に参加。キレています。(01年2月21日発売)

2022/09/10

Mating Call/The Chartbusters

Chartbustmati デヴィッド・フュージンスキー参加作なのですがわずか2曲だけ。でも、このアルバム、当時は買い逃していてなかなかなくてやっと見つけた1枚ではありました。この前作にはジョン・スコフィールドも参加したりしてけっこう良かったのだけど、レーベルがプレステッジからの発売にこちらはなっています。やっぱりオルガン・ジャズと言うイメージだったのかな。今聴くと、良いことは良いのだけど、そんなに苦労して入手したのか、という思いも少々。まあ、これはこれで、人生の1ページを作ってくれたアルバムのひとつではあるので、出会って良かったとは思いますけれども。’50年代の名曲を当時の雰囲気で、がミソかな。

 

Mating Call/The Chartbusters(Prestige) - Recorded October 1 and 2, 1995. Craig Handy(Ts, Ss), Idris Muhammad(Ds), Dr. Lonnie Smith(Org), Donald Harrison(As), Randy Brecker(Tp), David Fiuczynski(G) - 1. Kirk's Works 2. Mambo Bounce 3. 245 4. Minor March 5. Mating Call 6. Jugsville 7. Oleo 8. Don't Go To Strangers 9. Back On The Farm 10. Doxy

(00/12/30)邦題「ザ・チャートバスターズ・オン・プレスティッジ」。Dr.ロニー・スミスとアイドリス・ムハムマッドを中心に、曲によってメンバーが入れ替わりながら、プレスティッジの’50年代の名曲を中心に演奏していくというアルバム。その中でメンバーのオリジナルは2曲。オルガンが中心にいるので、あまり’50年代の再演という感じはなくて、けっこうアーシーで面白い感じがします。 現代的だけれども、やはりジャズとしては熱くなります。やはりロニー・スミス中心に聴くアルバムか。個人的な興味はデヴィッド・フュージンスキーのギターだったのですが、2曲(7、10曲目)だけに参加なのが少々残念。(9曲目にも参加?)それでもギターはブチキレまくっていますが。ランディ・ブレッカーは4、10曲目に参加。

2022/09/09

Screaming Headless Torsos

Screaminghe もう少しデヴィッド・フュージンスキーが続きますが、リーダー作は、ブログ初期にある程度アップしてあったので、今度は参加作、というよりグループ名義のアルバムですね。ちょっとここで紹介するのも少々躊躇してしまうのですが、ファンクというより何だろうね、当時のヒップポップでラップとギターが中心とでも言えばいいのか。こういうアルバムを聴いていた時期がありました。今だと追っかけはしないかもしれないなあと、昔は新しいものに割と貪欲だったと改めて思います。まあ、ジャケットもグループ名もそれなりにグロいと言えばグロいですし。まあ、こういう時代もあったということで。

 

Screaming Headless Torsos(Discovery) - Released 1995. Dean(Vox Populi), David "Fuze" Fiuczynski(G), Jojo Mayer(Ds), Daniel Sadownick(Per), Fima Ephron(B) - 1. Vinnie 2. Free Man 3. Cult Of The Internal Sun 4. Word To Herb 5. Blue In Green 6. Chernobyl Firebirds 7. Graffiti Cemetery 8. Smile In A Wave (Theme From Jack Johnson) 9. Wedding In Sarajevo 10. Hope 11. Kermes Macabre 12. Another Sucka

(99/10/26)デヴィッド・フュージンスキーが参加しているグループ。 全12曲中、半分弱の曲をフュージンスキーが作曲しています。曲はラップ(ヴォーカル)入りのファンクで、かなりのエネルギーです。ドラムスもエレキベースも音がへヴィーで、バランスは低音迫力タイプ。大音量で聴くとけっこう強力です。リード楽器はギターのみなので、ギター度も比較的高く、楽しめる1枚。ジャズ度はほとんどありませんが、5、7曲目にはマイルス・デイヴィスの曲があり、ある程度は楽しめる仕組み。特に7曲目のパワーはけっこうスゴい。レゲエのノリでヘヴィーな5曲目も冒険的といえば冒険的か。ただ、ジャズとの接点となると、そこだけなので、ロック・ファンクなどのファン向けかも しれません。 発散するアルバム。

2022/09/08

Jazz Punk/David Fiuczynski

Davidjazzpunkデヴィッド・フュージンスキーと言えば、日本では上原ひろみのバンドに一時期加わっていたことで有名ですが、演奏面ではけっこう破天荒な人。このアルバムは自主制作で、他の人の曲を多く演奏していますが、タイトルの「ジャズ・パンク」の通り、やはり破天荒。ちょっと今現物が見当たらないので記憶を頼りに書いてますけど、それぞれの曲がけっこう際立って個性的な演奏になっていたと思いました。今このアルバムを出しても、知っている方の方が少ないような気もするけど、とりあえず取り上げてみました。かなりロック的なサウンドで、私のところの読者層には、あまり合わないかもなあ、と思いつつ。

 

Jazz Punk/David Fiuczynski(G)(FuzeLicious Morsels)(輸入盤) - Released 1999. Fima Ephron(B), Daniel Sadownick(Per), Gene Lake(Ds), Tim Lefebure(B), Zach Danziger(Ds), Rufus Cappadocia(Cello), Santi Debriano(B), Billy Hart(Ds) - 1. Bright Size Life 2. Third Stone From The Sun 3. Prelude Opus 28 No. 4 4. Red Warrior 5. African Game Fragment 6. La Fiesta 7. Star Crossed Lovers 8. Jungle Gym Jam 9. Stars And Stripes Whenever 10. Hipgnosis

(00/02/03)自主制作盤。他人のオリジナルを多く演奏していて、1曲目がパット・メセニーの「ブライト・サイズ・ライフ」 、2曲目がジミ・ヘンドリックスの曲、3曲目がショパンの曲、ともうメタメタな構成。パット・メセニーファンが聴いたら怒り出すだろうか笑い出すだろうか 、というような演奏(笑)。他にもロナルド・シャノン・ジャクソン、ジョージ・ラッセル、チック・コリア「ラ・フィエスタ」、デューク・エリントンなど、様々な曲が、彼特有のマイペースでヘヴィーなロックノリで演奏されています。ただ、解釈が独特なので、どの曲も興味深く聴くことができます。ここまで来たら好きなようにやってくれ、という感じ。ギター度はかなり高いですが、豪快なロック。 とにかくひたすら個性を聴くアルバムかも。面白いカヴァー集です。

2022/09/07

The Next Door/Julia Hulsmann Quartet

2759 ECMの新譜も今日で一段落。ECMの新譜もコロナ前のように増えてきました。2700番台が予定では多いのは、コロナ中の企画は飛ばす意図があるのか、ないのか。今日のアルバムは、おなじみになってきたジュリア・ハルスマンのアルバムですが。同じメンバーでの2枚目のアルバム。ECMらしさがちょっと薄れているのは、プロデューサーが違うからか。それでも、ここのレーベルは例外も意外に多いので、こういう方向性でも全然問題はないですけど。クァルテットの一体感がいいのは本文でも書きましたが、あえてピアノ・トリオしか聴かないという方にもおすすめしてもいいのでは、と思います。最近はストリーミングにもあるので、それを聴いて判断されてもいいし。

 

The Next Door/Julia Hulsmann(P) Quartet(ECM 2759)(輸入盤) - Recorded March 2022. Uli Kempendorff(Ts), Marc Muellbauer(B), Heinrich Kobberling(Ds) - 1. Empty Hands 2. Made Of Wood 3. Polychrome 4. Wasp At The Window 5. Jetzt Noch Nicht 6. Lightcap 7. Sometimes It Snows In April 8. Open Up 8. Jetzt Noch Nicht (Var.) 9. Post Post Post 10. Fluid 12. Valdemossa

(22/09/04)このメンバーで2枚目の録音。収録時間は60分。Julia Hulsmann作が1-2、5、9、11曲目、Marc Muellbauer作が3-4、12曲目、Heinrich Kobberling作が6、10曲目、Uli Kempendorff作が8曲目、7曲目のみ他人の曲。相変わらずコンビネーションは抜群で、サックスが柔らかめの音色で演奏しているので、クァルテットとして融合している感じが強い。それでも静謐な方向にあまり振れないのは、Thomas Herrプロデュースによる持ち込み音源だからか。このバンドの色合いとしてはこのくらいの方がいい感じ。全体的に各楽器の自由なスペースが基本で、綾織系だったり硬派な演奏の曲も多めです。どの人の作曲かにこだわらず、アルバムとして1枚割と自由に展開していく雰囲気も、聴き通しやすくていい。

2022/09/06

Paul Giger/Ars Moriendi

2756 今日はECM New Seriesの新譜。Paul Gigerの曲は、バッハの作品と画家ジョバンニ・セガンティーニの作品、スイスの民族伝承にインスピレーションを得たとネットには書いてあるようなんですけど、現代音楽にしては分かりやすい音楽のために、比較的スッと入っていけるような気がしています。特に最初の方の曲では、エレクトロニクスを使っているような効果音(?)が入っているため、興味深かったでした。それ以外にも曲によってメンバーが替わり、そのあたりもあって変化に富んだアルバムに仕上がっていると思います。ジャケ裏のクレジットは少し不完全かな。聴きやすいアルバム。

 

Paul Giger(Vln, Violino D'amore)/Ars Moriendi(ECM New Series 2756)(輸入盤) - Recorded January 2015 and 2021. Marie-Louise Dahler(Cembalo, Truhenorgel), Pudi Lehmann(Per), Jurg Surber(B on 6), Franz Vitzthum(Counter Tenor on 7, 9), Carmina Quartet: Matthias Enderle(Vln), Susanne Frank(Vln), Wendy Champney(Viola), Stephan Gorner(Cello) - Paul Giger: 1. Guggisberglied 2. Agony I (Atmosphere) J.S. Bach: 3. Ich Ruf' Zu Dir Paul Giger: 4. Agony II J.S. Bach: 5. Largo Paul Giger: 6. Zauerli Mit Migrationshintergrund J.S. Bach: 7. Erbarme Dich Paul Giger: 8. Agony III (Die Bosen Mutter) 9. Altus Solo II

(22/09/04)スイスのヴァイオリニストで作曲家の曲と、バッハの曲が割と交互に出てくる新旧混合アルバム。収録時間は69分。Paul Gigerの曲は、何となくですが、エレクトロニクスの効果を使っているような音もあって、ECMの方とボーダーレスな感じがするのが面白い。そこにバッハの曲も挟まって、いかにもNew Seriesらしい進行が興味深いです。逆に言うとあまりクラシック(現代音楽)っぽくないような雰囲気。たぶん持ち込み音源。

2022/09/05

Face A Face/Barre Phillips/Gyorgy Kurtag Jr.

2735ECM(New Series含む)の新譜が3枚入ってきたので聴いていきます。今日のアルバムは、異色の取り合わせ、というか、現代音楽作曲家のGyorgy Kurtagの息子がエレクトロニクスとして共演しています。ベースのバール・フィリップスも以前にソロ最後のアルバムを出した後なんですが、派手さはないものの、いろいろな奏法を示してくれています。ただ、時間をかけて録音していったとはいえ、静かなフリー的な要素が満載のため、聴く人を選ぶかもしれないなあ、という感触がありました。ECMならではの組み合わせなので、興味深いです。こういうサウンドを前面に出すとは、さすがマンフレート・アイヒャーのプロデュースだと思います。(追記)Kurtag Jr.が参加しているのはECM New Series 2097に続いて2枚目でした。

 

Face A Face/Barre Phillips(B)/Gyorgy Kurtag Jr.(Live Electronics)(ECM 2735)(輸入盤) - Recorded September 2020 - September 2021. - 1. Beyond 2. The Under Zone 3. Two By Two 4. Across The Aisle 5. Algobench 6. Chosen Spindle 7. Extended Circumstances 8. Bunch 9. Sharpen Your Eyes 10. Ruptued Air 11. Stand Alone 12. Forest Shouts

(22/09/04)バール・フィリップスのベースと、有名な作曲家Gyorgy Kurtagの息子のシンセサイザーやパーカッションによる共作。収録時間は33分と短いです。1年間をかけて収録しているので、同時のセッションではなくて、片方を録音してからもう片方を重ね合わせた録音ではないか、と思います。エレクトロニクスというと、地味な味付けのことが多いのですが、ここではエレクトロニクスの効果が効いていて、かなり前面に出ています。それでいて、ある程度抽象的な面も持ち合わせている不思議。ベースの方も様々な奏法による味付けがなされていて、落ち着いていて、なおかつ変化に富んでいるアルバムになっています。ライヴでの再現は難しそうですが、切り取って記録に残された妙があります。聴く人を少し選ぶかも。

2022/09/04

日産の新型エクストレイルに試乗してきた

220729xtrail_20220902141201 7月21日にキックスの新車6か月点検でディーラーに行ったときに、その前日入ったという新型エクストレイルがナンバー付いてない状態であったのですが(写真はその時のもの)、まあ、モデルチェンジ前のキックスで満足いっているし、試乗という考えは全くなかったのでした。ところが、ネットで試乗したとか納車したという情報をいろいろ見てみると、評判がけっこういいんですよね。しばらくそれを見ているうちに、自分も乗ってみたくなって、無理言って、ディーラーの担当さんの時間が空いている時を利用して、9月2日に試乗させてもらいました。

実売の価格帯がオプション付けると400万から500万円台後半までなので、今までより高級感がかなりあります。特に試乗車は皮のシートのGグレードなので、かなり高い方の車。先代のエクストレイルにキックスを買うまでは乗っていたけど、全然車格が違います。でも、前までのタフギアはどうなってしまったのかなあ、とも。それはグレードを分けて対応しているようですが。Gグレードはシートもパワーシートだし、高級なことこの上ない。

e-powerで4-Force(四輪駆動)なのですが、乗ってみた感じそんなことを意識させずに楽々運転できました。エンジン音も、キックスもそんなにうるさくないですが、エクストレイルはエンジンの存在を感じさせない静けさとでもいうのか。そして加速がかなりいいんです。何度も信号待ちから加速させてもらって、その加速力を体感できました。そして乗り心地も抜群にいい。ただ、走り出しの時のクッという感じが、ほんのわずかなんですが気になりました。今まで日産の試乗車として乗った中ではいちばんいい印象です。ネットで評判いいのも分かります。それでも、エンジンが冷えた状態から何度も急加速しながら短距離を走ったせいか、燃費はリッター12キロ(これでもいい方)と出ました。ここのところ、あともう少し、という気もしないでもないですね。車幅も2センチ増えて、前のエクストレイルも切り返しして駐車場に入れていたのと、重量1,850キロの重さも少し気にはなります。

タイミングが良ければ買っていた可能性もありますが、ただ価格的になあ、というのも正直なところ。半年前にキックスを買わなければ、何とかXグレードが買えたかも。でもこれがバンバン売れているんだから、買う人は買う、黙っていても買う、と思うに至りました。キックスを買って半年で、すぐ買うわけでもないのにいつもより長めに試乗させてくれたディーラーさんに感謝です。自分も3-5年後は買い替えるかどうか予想もつきませんし。

(追記)e-powerは燃費もある程度大切だけど、それよりも乗り味優先のような感じですね。本当に燃費が最優先なら、他社のハイブリッド車に乗った方がいいと思います。

2022/09/03

All Night Wrong/Allan Holdsworth

Allanallnight アラン・ホールズワースの公式盤では初めてのライヴ収録(このアルバム発売当時)のアルバム。彼は日本では人気があったので、何度も来日していますが、それでこの日本でのライヴアルバムが出たのでしょう。この後、ベスト・アルバム的なものがひとつ出たのは知ってますが、’17年に亡くなるまで、リーダー作が見当たらなかったのが気になります。私が知らないだけかもしれませんが。亡くなった時に葬式代をクラウドファンディングで子どもたちが集めていたのが、ちょっと悲しかったですね。まあ、このアルバムが出た当時はそんなことも予測できず、アルバムが出たことを素直に喜んでいた自分がいたのですけれども。

 

All Night Wrong/Allan Holdsworth(G)(SMEJ) - Recorded May 5, 2002. Jimmy Johnson(B), Chad Wackerman(Ds) - 1. Lanyard Loop 2. The Things You See 3. Alphrazallan 4. Funnels 5. Zone 6. Water On The Brain Pt. 2 7. Above & Below 8. Gas Lamp Blues

全曲アラン・ホールズワースのオリジナル。六本木ピットインでのライヴ収録で、公式盤では初のライヴ録音とのこと。いかにもライヴというような音で、臨場感があります。かって録音されたことのある曲と、今回はじめて出る曲がバランス良く配列されています。おなじみの2曲目や6曲目があるのはうれしいところ。3人ともテクニシャンですが、超絶技巧のギターワークの露出度が高く、アルバムの最初から最後まで楽しめます。5曲目はドラムソロからはじまるフリー・インプロヴィゼーションとのことですが、意外な調和感があります。7曲目の出だしはシンセサイザーかと思うような空間。全体を通して、ジャズ・フュージョンというよりは彼のミュージックそのもののサウンド。ギターフリークや彼のファン向けか。(02年9月4日発売)

2022/09/02

Flattire - Music For A Non-existent Movie/Allan Holdsworth

Allanflattire アラン・ホールズワースのこのアルバム、はっきりと購入した時のことを覚えていますが、このアルバム、自分が購入した初めてのぺらジャケだったです。Hatologyの方が折り返しもあってもう少し作りは良い感じ。こんな薄いジャケット1枚にCDだけ入っていて、商売になるのかなあ、と思いつつ買いましたが、のちに、こういうアルバム、多くなりましたもんね。そして、一人多重録音が多く、ゲストが2曲のみ参加ということでも、費用節約のためにこういう制作をしているのか、といぶかしげに思いましたです。内容的にはアランのアルバムなので、そこに注目すれば全然悪くはないですけど。ストリーミングではこれも(というよりBOXかされたものが)ハイレゾになってます。内容が存在しない映画音楽というのもなかなかオツですね。

 

Flattire - Music For A Non-existent Movie/Allan Holdsworth(G)(Megazoidal Records)(輸入盤) - Released 2001. Dave Carpenter(B) - 1. The Duplicate Man [Intro] 2. The Duplicate Man 3. Eeny Meeny 4. Please Hold On 5. Snow Moon 6. Curves 7. So Long 8. Bo Beep 9. Don't You Know

(02/07/01)3、8曲目のみベースのデイヴ・カーペンターとのデュオで、他の曲は一人での多重録音。曲は全曲アラン・ホールズワース作曲。多重録音が随所にあります。「存在しない映画の音楽」とサブタイトルがあるように、何となく映画音楽のような雰囲気もありますが、サウンド的にはやや安っぽいつくりかも。ただ、ギター(ギター・シンセサイザー?)の露出度はあちこちでかなり高いので、彼のファンにはこたえられないかも しれません。5曲目のようにソロが彼らしいフレーズで素早く延々と続くさまはスリルがあります。個人的にはデュオの2曲が彼にしてはジャズ寄りのフレーズかな、と思い、けっこう好みです。ただしバップフレーズではありませんが。音楽性をうんぬんするよりは、彼のファン向け?

2022/09/01

The Sixteen Men Of Tain/Allan Holdsworth

Allanthesixtee前回あたりから発売時期との兼ね合いでブログ空白期になってきました。アラン・ホールズワースもいろいろ変遷して来てますけど、ここではデイヴ・カーペンターというアコースティック・ベーシストが参加していて、それでもジャズというサウンドではなく、ロックに近いとは思いますが、あえてジャズのジャンルで掲載しようかと。この時代でもギターとシンタックスの併用でサウンドを奏でているため、あたかもキーボードがいるかのようなサウンドにはなっている部分もありますけど。収録時間もある程度長く、彼ならではの演奏が聴けます。それでも、コアなファンならともかく、ちょっと聴きでは、なんだこれは、と思う人もいるとは思いますけれども。

 

The Sixteen Men Of Tain/Allan Holdsworth(G, Synthaxe)(Polydor) - Released 1999. Dave Carpenter(B), Gary Novak(Ds), Walt Fowler(Tp), Chad Wackerman(Ds) - 1. 0274 2. The Sixteen Men Of Tain 3. Above And Below 4. The Drums Were Yellow - Improvised Duet For Tomy 5. Texas 6. Downside Up 7. Eidolon 8. Above And Below (Reprise)

何とベースはアコースティックベースで、ギター・トリオが中心のアルバム。ギターの弾き方はいつもの延長線上なのでロックと言えばロックか。超絶技巧のところも当然ありますが、フォーマットから見ればほとんどジャズの世界。これをジャズと言えるかどうかはともかく、個人的にはジャズ側からも聴いて欲しいアルバム。全曲本人かメンバーによるオリジナルになっているのもジャズらしからぬかも。4曲目はギターとドラムのデュオで壮絶なインプロヴィゼーションが展開されています。サブタイトルでトニー・ウィリアムスに捧げられたものらしい。曲によっては叙情性の高い静かな部分もあります。個人的には超絶ソロに目がいってしまいますが。シンタックスが少々ギターらしからぬサウンドを創出しています。問題作。(99年12月1日発売)

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