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2022年8月の記事

2022/08/31

Then!/Allan Holdsworth

Allanthenこれは’03年になってライヴ音源として国内盤で出てますが、演奏は’90年になってますね。こういうアルバムが公式盤で出てくれるのはうれしいことで、彼の足跡をたどることができます。私はブートを買ってまで追いかけるタイプではないので、せめてこういうアルバムが出たら購入するのがせいぜい。そして気が付いたのですが、サイド参加作を買い集めたのはもっと後になってからで、それらはもうブログにアップ済みになっていました。最初は多そうだと思っていたのですが、残りは数枚というところか。アラン・ホールズワースは金銭的には困っていたということを耳にしますが、少なくとも日本ではファンは少なからずいたと思います。

 

Then!/Allan Holdsworth(G)(Polydor) - Recorded May 5, 1990. Jimmy Johnson(B), Gary Husband(Ds), Steve Hunt(Key) - 1. Zone 1 2. Proto-Cosmos 3. WhiteLine 4. Atavachron 5. Zone 2 6. Pud Wud 7. House Of Mirrors 8. Non-Brewed Condinent 9. Zone 3 10. Funnels

アラン・ホールズワースにしては非常に珍しいライヴ録音。公式盤ではこの頃のライヴはありませんでした。曲の間に挟みこまれる「ゾーン1~3」(1、5、9曲目)のみはスタジオでのフリー・インプロヴィゼーション。これらの曲はまとまりが良く、スペイシーでやや静かかつ内省的にせまってきて、盛り上がる場面もあります。とはいうものの、他のライヴの曲のアプローチはロックに近いハード・フュージョンで、ギターのみならず、全員のバカテクによって過激に突っ走っていきます。やはりライヴならではで、他のアルバムで聴いた事がある曲が多いのもうれしいところ。このCD全体として完成されている面もあって、ライヴを意識せずに通して聴くのも楽しい。10曲目は日本盤のみのボーナス・トラック。(03年12月25日発売)

2022/08/30

Sand/Allan Holdsworth

Allansand アラン・ホールズワースを続けます。やはり後になってから輸入盤CDを購入しているケースが目立ちます。彼は一時期シンタックスというギター・シンセサイザーを多用していた時期があって、試みとしてはいいんだけど、やはり彼のギターの音が聴きたいなあ、とも思ったものです。まあ、彼にしても一時期だったので、こういう時期もあったのだなあ、ということで、シンフォニック的な部分も含めてギター・シンセサイザーの音を楽しむことにしましょうか。メンバー的にはフュージョンにやや近いかなあ、とも。ストリーミングを見ていると、リマスターのハイレゾ音源がけっこう目立っていて、そこはいいところかなあとも思いますけれども。

 

Sand/Allan Holdsworth(G, Synthaxe)(Cream)(輸入盤) - Released 1987. Jimmy Johnson(B), Gary Husband(Ds), Alan Pasqua(Key), Chad Wackerman(Ds, Per), John England(Computer), Biff Vincent(B) - 1. Sand 2. Distance Vs. Desire 2. Pud Wud 4. Clown 5. The 4.15 Bradford Executive 6. Mac Man

(99/09/02)シンタックス(ギターシンセ)が全開のロックアルバム。 アラン・パスクァのソロ以外はキーボードを使用していないとの記述が。1曲目などやはりギター・トリオには聞こえず、キーボードかと思うくらい。2曲目はソロでシンタックスの多重録音(と思われる)の曲。ゆったりたゆたうサウンド。3曲目はジミー・ジョンソンのベースソロもあって、それなりには良い。やはりいつものウネウネしたギターソロも聴ける変化に富んだロックの曲。4ビートの部分もちょっとあり。シンタックスだけれどもソロのフレーズにはスリルのある彼ら流ロックの4、5曲目。こういうサウンドは彼ならでは。6曲目はコンピュータ(MAC)を全面的に使用しているらしい。そう言えば何となく打ち込み系の気も。結論。やっぱりギターが聴きたいぞ。

2022/08/29

Road Games/Allan Holdsworth

Allanroadg次はアラン・ホールズワースの落穂ひろい的にまだブログアップしていないものを。ブログ空白期間に取得したものが多いので、少し数があるかもしれません(それでも6枚でしたが)。今日のアルバムも輸入盤で’02年に購入していますね。まあ、時にヴォーカルも入るロックなんですけど、この独特なギターにやられてしまったという人はけっこう多いのでは。今日はストリーミングであえて聴いてますが、’16年リマスターのハイレゾ仕様になっていました。この時にはベースのジェフ・バーリンも興味があったと思います。彼もロックなんでしょうが、けっこう上手いので(超絶テクのソロもあります)、今回は特に安心して聴けますね。収録時間が短いのが少々残念か。

 

Road Games/Allan Holdsworth(G)(Gnarly Geezer)(輸入盤) - Released 1983. Jeff Berlin(B), Chad Wackerman(Ds), Jack Bruce(Vo), Joe Turano(Vo), Paul Korda(Vo), Paul Williams(Vo) - 1. Three Sheets To The Wind 2. Road Games 3. Water On The Brain - PT. 2 4. Tokyo Dream 5. Was There? 6. Material Real

(02/05/03)わずか24分台のアルバム。印象に残る曲が多いです。ジャンルとしてはロックですが、ジェフ・バーリン(B)を加えたトリオなので、けっこう興味深いサウンド。当然の事ながら、最初から最後までギターは全開。1曲目は浮遊感のある、メロディアスな展開。2曲目のタイトル曲はノリが良く、ヴォーカルも入っていてギターの露出度も高いです。ラストのベースのメロディが彩りを添えます。3人が盛りあがっていて、長めのベースソロを含めてテーマもカッコ良い3曲目、どう聴いてもテーマのギターが「モケケ、ソケケ、カケケ」と聞えてしまう(でも好きな曲ですが)4曲目、ジャック・ブルースのヴォーカルが入った変幻自在に攻めまくる5曲目、こちらもヴォーカル入りで、やはり浮遊感のあるメロディで盛り上がる6曲目。

2022/08/28

Flesh On Flesh/Al Di Meola

Aldifleshon アル・ディメオラも今日で一段落。タンゴ路線でいくのかと思っていたら、そう遠からずなんだけど、ベースにアンソニー・ジャクソンが加わっていて、なかなか楽しいフュージョン・タンゴある意味スパニッシュとでもいうような音楽が展開しています。そしてギターもエレクトリックの使用もあって、これはフュージョンの方に分類すべきかな。いろいろな曲をやっていて、作曲者もカラフルだし、6曲目は一人多重録音らしいし、いろいろ試しているところ、という感じもあります。ゴンサロ・ルバルカバはキーボードでの起用と、意外な人選ですね。1曲目あたりは味もあるし、速弾きもあるしで、円熟味が増したのかな、と思います。

 

Flesh On Flesh/Al Di Meola(G)(Telarc) - Recorded March and April, 2002. Gonzalo Rubalcaba(Key), Anthony Jackson(B), Gumbi Ortiz(Per), Mario Parmisano(P, Synth, Marimba), Alejandro Santos(Fl, Bfl), Jean Valdes(As), Guillermo Ruiz(As), Williams Polledo(Tp), Ernie Adams(Ds), Monserat(Vo) - 1. Zona Desperata 2. Innamorata 3. Meninas 4. Flesh On Flesh 5. Fugata 6. Deep And Madly 7. Saffire Soleil 8. Senor Mouse

相変わらず曲といいアレンジといい凝っていて、独特なエキゾチック路線です。今回はエレクトリックとアコースティックと両刀使いで、ギターの露出度高し。そのドラマ性と哀愁で凝縮密度の高い1曲目、より哀愁度を増してドラマチックに迫ってくる2曲目、織り成すサウンドからメロディが浮かび上がる、素朴かつしっとり感の高いエグベルト・ジスモンチ作の3曲目、明るい色調ではじまりますが途中陰影も感じられ、ノリも良いタイトル曲の4曲目、哀しみを背負いつつ彼流のアレンジでせまるアストル・ピアソラ作の5曲目、プログラミングを含めて一人多重録音でメロディを奏でる6曲目、中間色の色調の模様からメロディが浮かび上がる7曲目、おなじみのメロディがギターで彼風に表現されていくチック・コリア作の8曲目。(02年9月25日発売)

2022/08/27

The Grande Passion/Al Di Meola

Aldithegrand アル・ディメオラのタンゴにのめり込んでいる時期のアルバム。ジャズ度はほとんどなく、リズムなどの点からタンゴの曲がやや多めという感じの演奏が続きます。シンフォニー・オーケストラも曲によって参加していて、なかなか壮大なイメージで聴かせてくれます。初期の売れセンだった頃の方が良いのか、こっち方面に傾いて来たのが良かったのかは分かりませんが、確実にひとつの方向性を示せたという点では、こういうアルバムもアリだな、と思います。「ワールド・シンフォニア」の文字も。いちおうグループ名と解釈していますが、一時期この名前がよく出てましたね。なんだか渋い映画音楽を聴いているような印象です。

 

The Grande Passion/Al Di Meola(G, Per)(Telarc) - Recorded April 2000. Mario Parmisano(P), John Patitucci(B), Arto Tuncboyacian(Per, Vo), Herman Romero(G), Gilad(Per), Gumbi Ortiz(Per), Mike Mossman(Tp), Oscar Feldman(Ts), The Toronto Symphony Orchestra - 1. Misterio 2. Double Concerto 3. Prelude: Adagio For Theresa 4. The Grande Passion 5. Asia De Cuba 6. Soledad 7. Opus In Green 8. Libertango 9. Azucar

邦題は「リベルタンゴ」。 メンバーも個性的、かつ強力な人たちが集まっています。曲によっては交響楽団の演奏も加わって、これまた全編哀愁の漂うアコースティックな世界が展開しています。アル・ディメオラのオリジナルが6曲と、アストル・ピアソラの曲が3曲(2、6、8曲目)ありますが、両者とも違和感なく溶け込んでいる感じ。ただ、哀愁度でいけばピアソラ作の方かな。やや地味かなとも思える展開の曲が多いですが、ギター度は相変わらず高いと思います。そんな中で洋題(The Grande Passion)のタイトル曲の4曲目がけっこう力の入った曲。また、5曲目はホーンのバックも入ってけっこう元気の良い曲で印象的。ジャズ度はほとんどなく、タンゴ度の方が高そうなアルバムではあります。 これはこれでいいかも。(00年10月25日発売)

2022/08/26

Winter Nights/Al Di Meola

Aldiwintern ギター2台と、時にパーカッションの曲がある、渋いクリスマスアルバム。これも久しぶりに聴きました。ここからが私のブログで空白の’99年から’04年4月に入っていきます。果たして、アルバムが全部見つかるかどうか。クリスマスに関するアルバムだと、向こうならけっこうクリスマス、っていう感じのサウンドが多いのですが、これはいつものアル・ディメオラなので、なかなか興味深いです。アコースティック・ギターでも速いフレーズもところどころあったりして、アンサンブル的にもいいし、今更ながらに愛聴盤になりそうな感じでもあります。こういう味って、ありそうでなかなかないですよね。

 

Winter Nights/Al Di Meola(G, Key, Per)(Telarc) - Released 1999. Roman Hrynkiv(Per), Herman Romero(G, Per) - 1. Zima 2. Carol Of The Bells 3. Winterlure Duet No.1 4. Greensleeves 5. Mercy Street 6. Have Yourself A Merry Little Christmas 7. Winterlude No.2 8. Midwinter Nights 9. Scarborough Fair 10. Winterlude No.3 11. The First Noel 12. Inverno 13. First Snow 14. Winterlude No.4 15. Ave Maria

冬にちなんだ曲を多く取り上げたアルバム。クリスマスアルバムとしてもとらえられますが、ヒーリング系やや硬派、彼独特の哀愁入り、という感じかな、と思います。彼自身の作曲、あるいは共作は15曲中6曲。基本編成がアコースティック・ギター2本とパーカッションで、けっこう渋い演奏を聴くことができます。1曲目はいつもの彼らの演奏だったので肩透かしをくったような感じでしたけれど、「グリーンスリーヴス」「アヴェ・マリア」などの、クリスマスに合いそうな曲もちりばめられています。また短い「ウインタールード」が4曲入っていて、この雰囲気がまたよい感じです。BGMに良いかというと、ちょっとシリアスで、私だったら聴きこんでしまうかもしれないので、そういうアルバムだと思われた方が良いかも。(99年11月22日発売)

2022/08/25

Soaring Through A Dream/Al Di Meola Project

Aldisoaringちょいと寄り道して、アル・ディメオラを。このアルバムは日本盤も出ていたようですが、私は買いもらしていて、後から輸入盤を買っています。やはり彼のアルバムというと、前期のSony盤が売れているし、有名なアルバムが多いので、そっちの方に目が行くのですが(実は私も)、その後も、けっこう渋くていいアルバムが多いです。やや地味な印象もありますけどね。これは当時Manhattanレーベルに録音した3枚中の2枚目です。少しミステリアスで、ヴォーカルも入っていて民族色がある程度ありますね。ストリーミングでは残念ながら見つけることができませんでしたが。これも久しぶりに聴いて、こういう世界もあったんだなあ、と気づかせてくれます。

 

Soaring Through A Dream/Al Di Meola(G) Project(Manhattan) - Released 1985. Airto Moreila(Per, Vo), Danny Gottlieb(Ds), Phil Markowitz(Synth, P), Chip Jackson(B) - 1. Capoeira 2. Traces (Of A Tear) 3. Broken Heart 4. July 5. Marina 6. Soaring Through A Dream

(99/02/21)邦題「夢幻飛行」。全曲アル・ディメオラの作曲。プロジェクト名義第一弾ですが、テクニックよりも曲で聴かせるアルバムかも。アコースティック色も強く、渋い。アイアート・モレイラが参加しているからか、ブラジル色がこのアルバムでも出ています。また、ギターシンセサイザーの使用もあり、パット・メセニーとの共通点も見え隠れ。ブラジル的なヴォーカルも入って哀愁漂うドラマチックな進行の1曲目、静かにゆっくりと盛り上がって、これまたドラマ性のある2曲目、切ない音世界を繊細にていねいに奏でている3曲目、ビートが効いているロックノリで7拍子系の4曲目、メロディが流れていくような5曲目、まさに夢の中を漂っているような、ヴォーカル入りで哀愁と物語性のある12分台のタイトル曲の6曲目。

2022/08/24

Passing In The Silence/Masahiko Togashi

Togashipassin トランスハートレーベルのアルバムの手持ちの最後は、富樫雅彦のパーカッションのソロ・アルバム。少しずつですが、彼のアルバムの紹介枚数も増えていってます。それにしてもソロでアルバムを出してしまえるパーカッショニストなんて、日本に何人いるだろうか、と思います。しかもフリー・インプロヴィゼーション。ちゃんとアルバム1枚分、ドラマになっているようにも感じますし。特にこれは「間(ま)」が決め手かな。やはり彼は唯一無二のパーカッショニストだったのだなあと、このアルバムを聴いて思います。でも聴く人は選ぶだろうなあとも思ってみたり。最近はあまりこういう音楽を聴いてないですが、久しぶりに聴けて、かなり良かったです。

 

Passing In The Silence/Masahiko Togashi(Per)(Transheart) - Recorded December 4-6, 1993. - 1. Introduction 2. Pas 1 3. Pas 2 4. Pas 3 5. Pas 4 6. Pas 5 7. Pas 6 8. Pas 7 9. Pas 8 10. Pas 9 11. Pas 10 12. Pas 11 13. Pas 12

富樫雅彦のパーカッションのソロ・アルバム。曲名からも分かるように、フリー・インプロヴィゼーションなのですが、静かな空間から打楽器音が浮かんでは消え、また浮かんでは消えていきます。そして沈黙。茶道の世界とでも言えるかのような、ほんとうに静かな落ち着いた世界。最初から最後まで決して爆発することなく通りすぎていきますが、エコーのかかり方も多めで心地良く、「間(ま)」を感じさせるそのソロは、やはり日本人ならではの芸術なのでは、とさえ思えます。そのやさしいパルスに身をまかせて、時間がたつのも忘れさせてくれます。そして何気ない音、あるいは音にならない部分の中に見えてくる、彼の深い芸術性とスゴみ。ただしこのような特殊なアルバムなので、かなり聴く人を選ぶアルバムかも。

2022/08/23

昨日(8月22日)で仕事のホームページが25周年

220822hp 昨日、8月22日に仕事のホームページが25周年となりました。実はそれに気が付いたのが、昨日のブログをアップした後だったので、1日遅れのご報告となります。それに、今はホームページ経由よりも、近所だから、という理由でお客さんになってくれる方の割合が高いので、あえてホームページのテコ入れをせずに、一部更新するほかは何年も放置状態のままですので、そちらも少し反省してます。私のはじめたときは、ホームページ作成ソフトにFTP機能がついてなかった時代だし、回線もデジタル化されてはいても、それでもナローバンドのISDNの時代だったので、今のインターネット界隈の進化には格別の思いがあります。手探りで苦労してホームページを作っていました。ジャズのホームページも9月30日で、追っかけで25周年になります。

私はホームページ作成では早かった方なので、ネット上にはあまりライバルはおらず、最初の10年間でそのうち3分の1くらいのお客さんがホームページ経由だったでした。必然的にパソコンには強い方が多く、経理ソフトも多くのお客さんが使って、けっこう効率的にお客さんをまわることができました。むしろ最近の方がパソコンが使えないお客さんの割合が増えてきましたね。

昔は若かったからお客さんも若かったですけど、私も歳をとるにつれて、あまり入れ替わりがない業界でもありますので、お客さんもその分歳を取っていきます。自分も夫婦(ほぼ私ひとり)だけでやっていて、子供たちに仕事を継がせることは考えていないし、子供たちもそれぞれに仕事があるしで、頑張れるところまで頑張って、あとは引退かなあ、というのも還暦になって見えてはきました。それまでは精いっぱい頑張ろうと思っています。若い時は遠くのお客さんも多かったし、けっこう忙しかったですが、今はなぜか、近場のお客さんの割合が多くなって、移動時間がかからなくて、助かっています。

個人的には、来年10月施行の「インボイス制度」を乗り切れるかどうかですが、できれば、事務負担ばかり増えて儲からないこの制度、延期になるか中止になるか、期待をしているのですが、すでに法律化されているので、何もなければそのまま行くのではないかと思います。

2022/08/22

Hands On/Paul Bley

Paulhandson ポール・ブレイのソロの方のアルバム。前回のアルバムと2日連続で2枚録ってしまうのもなかなかすごいことで、おそらくそれぞれ1日まるまるはかかってないでしょうね。たいてい1回か2回の録音で済ませてしまうようですから。賑やかな場面がなければ、そのままECMでも出せるようなサウンドでもあって、自分にとっては親和性が高いアルバムになっています。たぶん即興なのに、あらかじめ決められたように調和性を持ってメロディが出てくるようなところも多いですね。気に入ったミュージシャンを聴き返すだけでも、満足しています。こういう時代にジャズとともに過ごせてよかったですね。彼みたいなピアニストはなかなかいないですしね。

 

Hands On/Paul Bley(P)(Transheart) - Recorded March 2, 1993. - 1. Remembering 2. Points 3. Ram Dance 4. Three Fifth 5. Hands On 6. If- 7. Cowhand

ピアノ・ソロ。全曲彼のオリジナルで、静かな曲、比較的テンションの高い曲とさまざま。ベーゼントルファーのピアノの音が素晴らしいです。流れるような美しい曲が多いのが印象的。特に1曲目は美しい旋律が流れています。抽象的な音のなだらかな連なりが心地良い2曲目、叙情性のあるバラード曲の3曲目、浮遊感覚もあったりメロディアスな部分もある12分台もの4曲目。5曲目のタイトル曲はテンションが高い方の曲ですが、その調性感のない展開の上をメロディは流麗に流れて行きます。危うさと安定感の狭間でゆったりとしかもどっしりとした6曲目、力強い展開の7曲目。それにしても美しいインプロヴィゼーション。こういった曲を難なくいくつも作り上げてしまうポール・ブレイの才能は素晴らしい。

2022/08/21

Zen Palace/Paul Bley Trio

Paulzenpal トランスハートレーベルのアルバムで、ポール・ブレイを2枚。今日のアルバムはそのトリオでの録音の方。賑やかな雰囲気の曲も多めだけれど、ある意味ECMとボーダーレスにつながっているような感じもして、しかも好みのピアニストなので、けっこううれしい。このメンバーだと簡単な打ち合わせだけして、あとは自由に演奏していると思うのだけれど、やはり名人の集まりですね。うまく彼らのサウンドにしてしまっています。ブレイはもともと硬派なアルバムが多かっただけに、こういう演奏は慣れていて、そう来なくっちゃという場面が多いのが魅力です。このレーベルではこのメンバーでもカーラ・ブレイの曲が出てこないのも特徴か。

 

Zen Palace/Paul Bley Trio(P)(Transheart) - Recorded March 1, 1993. Steve Swallow(B), Paul Motian(Ds) - 1. Deviation 2. Almost Persuaded 3. Ah-Ha 4. Latin Ideas 5. Zen Palace 6. Where Is Paul?

邦題「禅パレスの思い出」。今までありそうでなかったこの3人の組み合わせ。独特な、高音も多用するエレキ・ベースのフレーズと、ときどきスコンスコンいうドラムのスネアの音。2人のパートの役割すなわち発する音がただ者ではなく、お互いのの反応が良いだけに緊密なインプロヴィゼーションが繰り広げられます。いちおう作曲者はありますが、かなりフリー・インプロヴィゼーションに近い世界です。とは いうものの静謐なだけでもなく、1、4曲目などはけっこう賑やか。美しい2曲目、ドラム・ソロの3曲目、ラテン・リズムではじまって表情を変えていく4曲目、独特な浮遊感から様々に流れていく5曲目、これまた自由度の高いスティーヴ・スワロウ作曲の6曲目。 この世界のベテランのみが到達するサウンド。

2022/08/20

Trust/Richie Beirach Trio

Richietrustトランスハートレーベルのアルバムで手持ちのものを録音日順に。このアルバム、もうブログに出していたと思ったら、なかったですね。有名なメンバーでのトリオなので、勘違いしていました。いくぶん硬派な方に振れていますが、このトリオだと、だいたい想像できるようなサウンドになっているというか。このレーベルに関係するアルバムは、ストリーミングにないのがちょっと残念ですけど。ただ、入手は比較的容易なようです。3曲目がゲイリー・ピーコック作、4曲目がデイヴ・ホランド作、7曲目がウェイン・ショーター作で、残り6曲はリッチー・バイラーク作になっています。

 

Trust/Richie Beirach Trio(P)(Transheart) - Recorded February 24 and 25, 1993. Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. What Are The Rules 2. Trust 3. Moor 4. Jamala 5. Boston Harry 6. Gargoyles 7. Nefertitti 8. Johnny B. 9. Rectilinear

リッチー・バイラークにしてはいつになくシリアスで力強い展開のサウンド。レーベルカラーのせいか、あるいはドラムスとベースがこのメンバーなので元気なのかも しれません。ありそうでなさそうなこのトリオ。それぞれのパートの自由度がけっこう高い演奏です。再演曲(けっこう違うヴァージョンに仕上がっているものもあります。)を中心にオリジナルが3分の2ほど。疾走する1曲目、美しいメロディの2曲目、ゲイリー・ピーコック作の3曲目、デイヴ・ホランド作でゆったりした4曲目、普通に4ビートしている5曲目、フリー・インプロヴィゼーションのようでリリシズムを感じる6曲目。有名な7曲目は予想通りというか、意外にオーソドックスな感じ。静かに流れる8曲目を経て、強力にインプロヴィゼーションを展開する9曲目。

2022/08/19

Attached/Masabumi Kikuchi

Kikuchiattach トランスハートレーベルのアルバムは気に入ったものが多いのですが、奥にしまってあったため、どれも実に久しぶりに聴くことになります。稲岡邦彌氏が関わっているので、その好みが似てしまうのは、当然といえば当然か。昨日までの2作は、LP収録を意識してか、45分前後の収録時間だったのですが。今日のアルバムは69分収録です。菊地雅章がこういう演奏をしていて、後年ECMにも録音を残すことになるのも、当時はそんなことを思ってもいなかったのですけど、それもいわば必然のような気がしています。音数の少ないこの演奏を聴いていて、圧力がかかってくるように感じるのも、いつものことではありますね。後年、ラインナップが変わって彼の「オーロラ」「ドリーマシン」と「ムイ・ビエン/イサオ・ササキ」が加わってましたが、これらは所有していません。

 

Attached/Masabumi Kikuchi(P)(Transheart) - Recorded February - April, 1989. - 1. Sad Song 2. Peace 3. AIYB 4. Mood Indigo 5. Pannonica 6. Intermission Music 7. Re-incarnation Of A Love Bird 8. Yester-blue 9. A Short Peace

NECアベニューより出ていたものの再発。ピアノ・ソロで、オリジナルが3曲と、カーラ・ブレイ、オーネット・コールマン、デューク・エリントン、セロニアス・モンク、チャールス・ミンガスらの曲(うち2曲がギル・エヴァンスを交えたテーマ・アレンジ)を演奏 しています。知っている曲も多いので、ピアノにしては音数の少ないことと、その硬質感はただ者ではないことを改めて認識しました。どの曲も緩で攻めてきて、通して70分弱の緊張を強いる世界。聴いていて、いちいちフレーズが引っかかってきます。オリジナルの方は3、8-9曲目で、やっぱりメロディがつぶやきや語りかけのように感じられるサウンド。 音のエッセンスが伝わってきます。当時亡くなったギル・エヴァンスへのレクイエムということらしいです。

2022/08/18

Voices/Masahiko Togashi

Togashivoices トランスハートレーベルの手持ちのアルバムを録音日の順番に。実は富樫雅彦のアルバム、CDではけっこう持っているのですが、あまり紹介する機会がなかったでした。と思ったら、すでにサイド参加作含めて18枚ぐらいブログにありました。時間があれば、手持ち全部やってみたいもののひとつですが、内容がフリー、またはそれに近いものが多いので、先延ばしにしています。今日のアルバム、1曲目は4ビートを刻んで少しオーソドックスに近いサウンドなので、接しやすい面もあるかもしれません。スティーヴ・レイシーも参加しているので、一度聴くチャンスがあれば、聴いてみてもらいたいアルバムの1枚です。富樫のアルバムはストリーミングが少ないのがちょっともったいない。

 

Voices/Masahiko Togashi(Per)(Transheart) - Recorded June 14, 1988. Steve Lacy(Ss), J.J. Avenel(B, Calimba) - 1. Door 2. Orange 3. Action 4. In The Pot 5. Cliche

Pan Musicのものの再発。5曲中3曲が富樫雅彦の、2曲がスティーヴ・レイシーの曲。トリオの演奏部分も良いですが、どの曲にもあるパーカッションのソロになると世界が変わるようで、緊張感が漂います。全体を通して爆発することなく、やや穏やか。1曲目は4ビートを刻んでいて、ややオーソドックスな感じで珍しいかもしれません。3人の絡み合いが面白い。2曲目は、より自由な展開の中をサックスがメロディアスに泳ぎまわります。モンクを思わせるような印象的なテーマの3曲目もインプロヴィゼーション度は高く、4曲目はやや盛り上がり型か。5曲目では、J.J.アブネルが前半にカリンバに持ち替えての演奏。後半はベースに戻ってトリオで盛り上がります。ただ、このアルバムもフリーの範疇か。(00年5月24日発売)

2022/08/17

Zebra/Jack DeJohnette

Jackzebra 旧譜聴きを続けてきて、ブログアップ前の時期に、けっこう多くのレーベル別のアルバムコメントを直していることに気が付きました。ECM(Japo)、Criss Cross、JMT(Bamboo)レーベルなどはすでにアップ済みですけど、もっと手持ちの少ないレーベルがまだなんです。このトランスハートレーベルも、お気に入りのミュージシャンが多いのに、アップされてなかったです。再発されたときにラインナップが変わってしまい、コンプリートではないですし。レーベルによっては処分をしてしまったものも多くあるため、それらはどうしようか思案中でもあります。このアルバム、思索的ではありますけど、ECMにも通じる部分もあって、けっこう好きなんですよね。ドラムスやパーカッションのように聴こえても、クレジットはシンセサイザーのみ。というわけで、しばらくレーベル別のアップをしていこうかと。

 

Zebra/Jack DeJohnette(Synth)(Transheart) - Recorded May 8-10, 1985. Lester Bowie(Tp) - 1. Ntoro 2. Jongo 3. Kpletso 4. Aho 5. Ntoro 2

アルファ・レコードから出ていたものの再発で、写真家の内藤忠行氏のビデオ作品用に作成された音楽。曲は全曲ジャック・ディジョネットによるオリジナル。シンセサイザーのメロディと打ち込みのドラム・パーカッションが、アフリカの草原のイメージで迫ってきます。とりわけリズムのパターンが際立っています。そこに1、3、5曲目でかぶさるレスター・ボウイのトランペットも雰囲気が出ていてなかなか映像的。哀愁を感じさせる1曲目、シンセサイザーがアフリカを伝える2曲目、素朴な自然を伝える3曲目、タイトルのしまうまが走っているような4曲目、やはり哀愁路線の5曲目。音の創り方がちょっと時代を感じさせる部分もあるのですが、この表現力は素晴らしい。ジャズとは違う音楽かもしれませんけれど。

2022/08/16

Seasons Of Romance/Steve Kuhn

Steveseasons 前回スティーヴ・キューンが出たので、その続き。Pastcardsレーベルの国内盤というのが1回、2枚だけ発売されたことがありました。もう1枚は紹介済みですが、ゲイリー・ピーコックとビル・フリゼールとの「峠の我が家」。売れなかったのか、このシリーズはこれだけで終了していますが、国内盤はジャケ写違い。輸入盤は何種類も出ています。これも聴きやすかったりミュージシャンが有名だったりしてのセレクトだったのかなあ、と思うのですが、さすがにこのアルバムもメンバーはいいですね。これも残念ながら現物を探せないままのアップになってしまい、ジャケ写違いのストリーミングで聴きました。

 

Seasons Of Romance/Steve Kuhn(P)(Postcards) - Recorded April 12 and 13, 1995. George Mraz(B), Al Foster(Ds), Tom Harrell(Tp), Bob Mintzer(Ts) - 1. Six Gun 2. Romance 3. Visions Of Gaudi 4. There Is No Greater Love 5. The Pawnbroker 6. Remember 7. Clotilde 8. Good Morning Heartache 9. Looking Back

ピアノトリオに、曲によってボブ・ミンツァー(Ts)(1、5、7曲目)かトム・ハレル(Tp)(3、6、9曲目)が参加する編成。スティーヴ・キューンのオリジナルはけっこう美しいボサノヴァタッチの7曲目、軽くてノリの良い9曲目の2曲目のみ。オーソドックスなジャズスタイルの1曲目、きれいで耽美的なバラードの2曲目、テーマのメロディが印象的な3曲目、トリオならではの軽快な4曲目、テーマのサックスとピアノのソロが美しい5曲目、流れるような8分の6拍子の6曲目、これまた研ぎ澄まされたピアノの8曲目、とけっこうカラフルです。共通項は「メロディアス」かなあと思います。個人的にはピアノトリオでの演奏が好み。 スティーヴ・キューンはその表現に多面性を持っている人ですが、ここではいい雰囲気を出しています。(00年2月23日発売)

2022/08/15

Oceans In The Sky/Steve Kuhn

Steveoceansin ミロスラフ・ヴィトウスのサイド参加作は、というよりホームページにあるベーシストの項目は終了。今日のアルバム、もう有名盤になってますけど、このメンバーなら悪かろうはずはないのは分かっていて、予想と違ったのは前衛的なサウンドではなくて、比較的オーソドックスなピアノ・トリオだったというぐらい。けっこういいですね。Owlレーベルは気に入ったCDしか買ってないのですが、今思うと手あたり次第レーベルで集めていたかった、とも思います。もっとも当時は新譜を買えるだけ買ってもいたので、予算の都合が許さなかった、ということもありますけど。比較的録音が少ないヴィトウスですが、だいたい押さえておいて良かったです。

 

Oceans In The Sky/Steve Kuhn(P)(Owl) - Recorded September 20 and 21, 1989. Miroslav Vitous(B), Aldo Romano(Ds) - 1. The Island 2. Lotus Blossom 3. La Plus Que Lente/Passion Flower 4. Do 5. Oceans In The Sky 6. Theme For Ernie 7. Angela 8. In Your Own Sweet Way 9. Ulla 10. The Music That Makes Me Dance

どれだけスゴい前衛的な音が出てくるのだろうと思ったら、オーソドックスな4ビートジャズのサウンドで、オリジナルも少なめ。ただ、このメンバーだと何をやっても悪かろうはずがなく、けっこう聴かせてくれるのがうれしい。メロディアスに迫ってくる1、6曲目、スピードも全開で飛ばしている2曲目、ドビュッシー作のソロピアノを導入部にして軽快なボッサのエリントン作の3曲目。アルド・ロマーノ作の4曲目もスタンダードのバラードのような雰囲気。キューンらしさが出た曲ですが盛り上がる、タイトル曲の5曲目、けだるい午後に合いそうなボッサの7曲目、比較的オーソドックスですが楽しめる8曲目、キューン作の繊細なバラードの9曲目、ソロ・ピアノで聴かせるこれまたキューンらしい静かな10曲目。(01年4月25日発売)

2022/08/14

Seven Songs/Fredy Studer

Fredysevens 次はミロスラフ・ヴィトウス参加作が2枚。このアルバムをどうやって入手したのか、今ではよく覚えてないですが、個人サイト的なCDショップからネット販売で購入したような気がしています。持っていること自体が謎。比較的大編成のエスニックな雰囲気の曲が多く、しかもエレクトリック・ベースとの2人で参加することも多いので、彼の露出度は、多いというほどではないですが、それでも彼らしいソロが出てくるところはあります。ジャズともフュージョンともつかないようなサウンドで、ウェザー・リポートをもっと混沌化させたらこういうアルバムになるのかなあ、という気もしています。不思議なアルバム。

 

Seven Songs/Fredy Studer(Ds, Gongs)(Intuition)(輸入盤) - Recorded between August 12, 1982 and January 27, 1988. Trilok Gurtu(Per, Voice), Miroslav Vitous(B), Nana Vasconcelos(Per, Voice), Charlie Mariano(Sax, Fl), Dom Um Romao(Per, Voice), Rosko Gee(B), Rainer Bruninghaus(Key, P), Christy Doran(G), Helmut Zerlett(Key), Tamia(Voice), Stephan Wittwer(G) - 1. Sans Titre 2. Ein Blindenhund Und Ein Spazierhund 3. Bellydance On A Chessboard 4. Hajime! 5. Sol Y Sombra 6. I Don't Hear Anything 7. S.F.K.

(02/02/02)豪華なメンバーが参加していて、しかも編成が大きいアルバム。パーカッションやヴォイスのメンバーが多いためか、エスニックなサウンドの要素もけっこう強いジャズ・ロックです。しかもそのエスニックさも、出身国がカラフルなので国際色が豊か。特にタミアの突き刺さるようなヴォイスが印象的。そして、適度にアヴァンギャルドな魅力があります。ミロスラフ・ヴィトウスが全曲に参加しているのですが、大部分の曲ではエレクトリック・ベースとの2人で演奏。チャーリー・マリアーノのサックスやクリスティ・ドランのギターもそのカラフルなサウンドに、さらに彩りを添えています。時間をかけて作った大作アルバムだということが伝わってきますが、ややマニア受けか。ECM系のミュージシャンも多く参加。

2022/08/13

Real Book Stories/Wolfgang Muthspiel, Marc Johnson, Brian Blade

Wolfgangrealb マーク・ジョンソンのサイド参加作(競演作?)の紹介は今回でいちおうラスト。以前は現物を何時間も探し回ったのだけど、今回は見つからずに、あきらめが早かったです。処分はしてないはずなんだけども。ストリーミングにもなし。まあ、これも自分の整理が悪いのと、少し前に大量処分を考えて位置を動かしたのも悪かったかなあ、と思います。ですので記憶を頼りに振り返ってみると、メンバーが良いのと、有名曲が多く、けっこう聴きやすいので、見つけたら聴いてみるといいと思います。メンバーを見ただけで、私も迷わず買ってしまいましたし。ただレーベルが少しマイナーなので、中古でもあるかどうか。

 

Real Book Stories/Wolfgang Muthspiel(G), Marc Johnson(B), Brian Blade(Ds)(Quinton)(輸入盤) - Recorded March 12-14, 2001. - 1. Lament 2. All The Things You Are 3. Someday My Prince Will Come 4. I Hear A Rhapsody 5. Blue In Green 6. Giant Steps 7. Peace 8. Liebeslied 9. Ask Me Now 10. Solar

(02/05/21)ギター・トリオでのスタンダードやジャズメン・オリジナル集。しかも有名な曲ばかりなので、すんなり親しみやすいメロディが頭に入ってきます。当然の事ながらギターの自由度が高いので、彼の繊細で内向的な部分も味わえるかも。1-3、5、7-8曲目のあたりは、そういう意味ではたまらない流れだったりします。ただ4、10曲目のように、ある程度盛り上がる曲もあります。そして6曲目で難曲「ジャイアント・ステップス」を比較的サラッとやってしまうところもニクいかも。オーソドックスかつていねいに奏でていく9曲目もなかなか。やはりこのメンバーならではのサウンド。どうせならこのメンバーでオリジナルばかりをやって欲しかったのですが、このアルバムの構成もけっこう満足いく仕上がりです。

2022/08/12

If Trees Could Fly/Marc Johnson, Eric Longsworth

Marcericiftree これはリーダー作に入れても良かったんではないかと思うのですが、2人連名のため競演作、という位置付けです。ベースとチェロとのデュオなので、聴き手を選ぶかもしれないなあ、と思います。先に輸入盤で入手したのちに、国内盤で、確かキングの低音シリーズか何かで出たはずです。こういうアルバムがECMからではないところがミソで、その分賑やかな面もあります。やっぱりトータルとしてはジャズのサウンドということになろうかと。それにしても、この2つの楽器で、いろいろな奏法を交えて演奏しているため、個人的には飽きることはありません。ある意味冒険だとは思いますけれども。そして、好みはいろいろあると思いますけど。

 

If Trees Could Fly/Marc Johnson(B), Eric Longsworth(Cello)(Intuition) - Recorded November 26, 1996 and June 12, 1997. - 1. Reve-a-ca 2. A Blues 3. Ton Sur Ton 4. Dancin' To The Coffee Machine 5. Lullaby 6. Longworld 7. Au Clair De La Femme 8. Spanish Fly 9. Her Majesty (The Turtle) 10. Seulement 11. Ton Sur Ton - Reprise

(99/05/02)全曲彼らのオリジナルで、ほとんどがチェロのエリック・ロングスワースの作曲。ベースとチェロという変わった編成のデュオです。ECMのように空間を生かしたサウンドしかないだろうと思っていたら、意外にジャズっぽいサウンドのようで、思わず体が動いてしまうような曲も。弦をかきならす場面もあり、しかもそのノリやインプロヴィゼーションはどう考えてもジャズ。曲によって、チェロやベースはアルコ奏法(ボウイングというのか)も駆使して、いろいろなサウンドを聴かせてくれます。それでもクラシカルというよりはジャズ的な雰囲気。視覚的に様々な風合いを見せてくれるかのような演奏です。これらの楽器でここまでやれば立派ですが、 低音楽器のみで勝負しているため、聴き手を選ぶかも。(02年2月28日発売)

2022/08/11

Sweet Soul/Peter Erskine

Petersweetsマーク・ジョンソンのサイド参加作。とは言うものの、このピーター・アースキンのリーダー作はメンバーが超豪華で、追いかけているミュージシャンが多いので、どこで出てきてもおかしくないですね。むしろ今まで出てこなかった方が不思議なくらい。これはNovus-Jレーベルで、日本制作のアルバムなんですが、やはり資金が豊富にあった時代のアルバムという感じがします。今やっているホームページのみにあるアルバム(主に’99年から04年5月まで)を追いかけていて楽しいのは、この点も理由のひとつです。これはストリーミングにもありますし、本格的なジャズもあるけど、聴きやすい曲もあるので、もっと昔に聴き込むべきでした。今日で、今の時点の数だけどブログ5,700エントリー目です。

 

Sweet Soul/Peter Erskine(Ds)(Novus-J) - Recorded March 1991. Kenny Warner(P), Marc Johnson(B), Joe Lovano(Ts), Bob Mintzer(Ts), Randy Brecker(Tp), John Scofield(G) - 1. Touch Her Soft Lips And Part 2. Press Enter 3. Sweet Soul 4. To Be Or Not To Be 5. Ambivalence 6. Angels And Devils 7. Speak Low 8. Scolastic 9. Distant Blossom 10. But Is It Art? 11. In Your Own Sweet Way

メンバーだけ見てもすごいメンバーです。日本制作の、フュージョンではなくジャズの要素が強いアルバム。オリジナル比率は高めで、ピーター・アースキン作は3曲、ケニー・ワーナー作が2曲。他にヴィンス・メンドゥーサ作が3曲あって、不思議な雰囲気で目立ちます。1曲目は意外にソフトなバラードからはじまります。3曲目のタイトル曲はECMのベース・ディザイアーズのアルバムの曲だったそうなのですが、アレンジの関係か、雰囲気が 全然違います。 ゆったりしていてユルい感じ、そして温かめのサウンド。スタンダードは2曲。このメンバーでジャズをやったら悪かろうはずがありません。マーク・ジョンソンは10曲目以外に、ジョン・スコフィールドは3-4、8曲目に、ランディ・ブレッカーは3-4曲目に参加。 (99年5月21日発売)

2022/08/10

Evanessence: A Tribute To Bill Evans/Fred Hersch

Fredevanesse Jazz Cityレーベルの、マーク・ジョンソンのサイド参加作。とは言うものの参加曲は4曲で、他の曲はマイケル・フォーマネクの演奏だけど、これはこれでそちらのベーシストも魅力的ではあります。やはり、ビル・エヴァンス(ピアノ)に捧げるアルバムだからの起用なのかなあ、とも思えますね。ここでのフレッド・ハーシュは適材適所ですし、単にトリビュート作にはとどまらないアルバムとしての面白さもあります。ゲストはトゥーツ・シールマンス(3、6、8曲目)とゲイリー・バートン。このレーベルのアルバム、だいたいメンバーが豪華なので、それを聴く楽しさもありますね。再発盤が途中で止まってしまったので、初回盤で持ってないのがあと6枚。さて、どうするか。

 

Evanessence: A Tribute To Bill Evans/Fred Hersch(P)(Jazz City) - Recorded August 1990. Marc Johnson(B), Michael Formanek(B), Jeff Hirshfield(Ds), Toots Thielemans(Harmonica), Gary Burton(Vib) - 1. My Bells 2. Turn Out The Stars 3. You Must Believe In Spring 4. Evanessence 5. Nardis/Lonely Woman 6. We Will Meet Again 7. Peri's Scope 8. Time Remembered 9. I Wish I Knew 10. Remembering The Rain 11. Alice In Wonderland

邦題「ビル・エヴァンスに捧げる」。タイトル通り、ビル・エヴァンスの愛奏曲を中心にオリジナルを交えて演奏しています。繊細なメロディとハーモニーはビル・エヴァンスの影響があるんだろうな、と思います。ただ繊細さのベクトルは細いときもありますが、曲によってはより豪快だったり、鋭く研ぎ澄まされている感じの時も。11曲中5曲はゲストが入り、ピアノ・トリオではない演奏で変化がついています。やはりゲストも繊細でメロディアス。4曲目のオリジナルはそのカラーの中でもけっこうスリリングに感じます。5曲目は冷たさと鋭さが前面に出た演奏。7曲目はヴァイブラホンとのデュオでノッています。やっぱり彼は彼かも。マーク・ジョンソンは1-2、4、8曲目に、ゲイリー・バートンは1、4、7曲目に参加。(02年3月20日発売)

2022/08/09

Summertime/Bill Evans

Billsummerti マーク・ジョンソンのサイド参加作で、リーダーはビル・エヴァンス、とは言うもののサックスの方。これもJazz Cityレーベルで、相変わらずメンバーがすごいですね。このレーベルの特徴として、全体的に洗練されていて(だからJazz Cityなのかも)、ジャズ系のアルバムもありますが、ジャズなんだけどフュージョンっぽい曲も混ざっているもの、このアルバムのようにジャズとフュージョンが混在しているアルバムもあります。リーダーは当時フュージョン系のアルバムが多かった気はしてます。それにしてもこのアルバム、聴いていて心地よいですね。せめてストリーミングで聴ければなあ、と思います。

 

Summertime/Bill Evans(Sax)(Jazz City) - Recorded February, 1989. Gil Goldstein(P), Chuck Loeb(G), Danny Gotlieb(Ds), Marc Johnson(B) - 1. Chatterton Falls 2. Let's Pretend 3. Melvin's Pond 4. My Ship 5. Summertime 6. Arthur Ave. 7. All Of You 8. These Dreams 9. Jitterbug Waltz 10. Red Scarf 11. Kwitchur Beliakin

ビル・エヴァンスのオリジナルが6曲、スタンダードなど他人の曲が5曲と、半々の選曲。ベースはアコースティック・ベースながらも、特にオリジナルではフュージョンっぽい曲調(ただし11曲目は純ジャズ)が特徴です。 ただ、以前はもっとフュージョンの世界にハマっていたので、全体的にこの頃の彼の演奏としてはジャズ寄りの演奏かなという印象を受けます。スタンダードについては、よりジャズっぽい感じですが、アレンジの仕方が曲によって個性的で、かつあまりしつこくなく、といったところ。チャック・ローブは相変わらずのマイペースなフュージョンっぽいギターを弾いています。サックスはメロディアスで、BGMにも良い感じかな、と思います。なぜか8曲目のようなポップスの曲が彼らしいかな、とも 思います。(01年5月16日発売)

2022/08/08

True Colors/Andy LaVerne

Andytruecoマーク・ジョンソンのサイド参加作です。けっこう多そうだけど、追い切れるかどうか。このJazz Cityレーベルの再発盤購入時にも、ちょうど時期的に’01-02年だったせいか、3枚あるようですね。そしてこのレーベル自体も、再発を途中で中止してしまったこともあるけど、ブログにはほとんど未掲載。幾分地味な感じもしますが、メンバーがなかなかいいのです。お金があった時代のメンバーの集め方かな。最近はあまり名前を聞くことがなくなってしまったけど、アンディ・ラヴァーンのどちらかというと繊細なピアノが、久しぶりに聴いてなかなかいいなあ、と思って見たり。サックスは時々曲によって入ります。

 

True Colors/Andy LaVerne(P)(Jazz City) - Recorded November, 1987. Mark Johnson(B), Danny Gotlieb(Ds), Jerry Bergonzi(Ts) - 1. True Colors 2. Maximum Density 3. Song Is You 4. Cubic Zirconia 5. Night And Day 6. Once I Loved 7. I Hear A Rhapsody 8. Pannonica 9. If I Were A Bell 10. In Your Own Sweet Way

曲によってジェリー・バーガンジ(Ts)(2、4、7、10曲目)が参加。ここでのアンディ・ラヴァーンはリハーモナイズのミュージシャンかな、という印象。あまり派手ではないですが、曲を自分のものにしています。繊細系か。1曲目はシンディ・ローパーのポップスで、聴きやすいタイトル曲。メロディとコード進行が印象的なオリジナルの2曲目、スマートに歌い上げる感じの3曲目、けっこうジャズっぽい展開になっているオリジナルの4曲目、複雑なカラー(ハーモニー)で織り上げていく5曲目、渋めのジョビン作の6曲目、テーマの彩り(リハーモナイズ)が美しくて徐々に盛り上がる7曲目、モンク作にソロピアノで勝負している8曲目、鐘の音を表わす部分が繊細で印象的な9曲目。そしてこれまた彼らの世界が展開する10曲目。(01年7月18日発売)

2022/08/07

私のブログの行く先など(表現媒体の多様化)

私も還暦を過ぎて、このこともいろいろな時に書いてきたけれど、だんだん先が見えてきたような気がしてます。’20年にはホームページのアルバムコメントの手直し作業がいちおう終わりました。1年ほど前から、ホームページにはあってブログにないアルバムを、ほぼ毎日こちらにアップしてきたけど、あと1-2年ほどで、それも一段落するのではないかと。そうしたら、残るは手持ちのブログにもホームページにもアップしていないアルバムなのですが、50-60年代の有名盤が多く、もうそれは誰かがやっていますので、たぶん手をつけるつもりはないです。その後は時々新譜と、あとは雑記類を書くことにして、更新頻度を落とそうかな、とも思うし、できるうちにもう一度ECM関係のアルバムの手直しができるものはしたいなあ、とも考えています。

今は表現媒体はブログだけではなく、noteもあるし、SNSでも、例えばツイッターでアルバムレビューをやっている人もけっこういらっしゃるし、表現する媒体がいろいろできているので、何もブログにこだわることもないのでしょうね。ブログを運営している会社は減りつつあるし。ただ、私はツイッターではブログの更新通知はしてますが、それ以外に雑記以上のことは何もしてないですし、他の新しい媒体に挑戦も、たぶんしないような気がしています。昔はブログでお知り合いも増えて、コメントやトラックバック(今はこの機能はなくなっている)のやり取りもかなり活発だったのですが、今はあまりそういうこともなくなってきました。私も昔から続いて残っているからたまたまなんでしょうけど、最近はブログの新規参入も難しくなっているなあ、と周りを見ていて感じます。

検索エンジンがあるので、私のところは検索経由も多いのですが、最近また検索ロジックが変更されたようで、10年以上経過の古いコンテンツは順位が下になるようなことがどこかに書いてあったなあ。ホームページをはじめた頃はまだ30代半ばだったし、今年の9月30日でホームページも25周年を迎えるし、時代は変わりました。はじめた当時は、ネット情報というのは半永久的にあるものだと思っていたら、サービスの打ち切りやサーバーの撤退や交換などで、どんどん消えていくことが分かってます。ですので、やれるうちはやるけど、もっと歳をとったら、まあ、自然消滅もやむを得ないかな、と思います。このままだとネット時代以降の文化が将来分からなくなってしまうのが少々こわいのですが、その時にまだ自分がネットをやっているかどうか。とりあえず目標は1-2年ごとに立てていくことにしたのです。特にジャズに強いわけではなく、コツコツと長い時間同じことをやっていく能力は人よりあるのかな、といったところでしょうか。私個人的には、人に見せるというよりは自分の記録のため、と思った方が長く続けられるようですね。

2022/08/06

The Last Waltz/Bill Evans

Billthelastw またベーシストに戻って、次はマーク・ジョンソンなんですが、ビル・エヴァンスのところでこのBOXセットを取り上げるのを忘れていたようです。このエヴァンスの最後のあたり、とにかく音源が多くて、なかなか聴ききれないのですけど、冒頭部1枚だけ聴いてみました。ナレーションも入っているのですが、音的にはまあまあ、いけるのではないかと思います。彼が同じ曲を繰り返して演奏することが多いのは、それ以前でもそうでしたけど、ここでもその傾向はありますね。それにしても、曲名等、コピペではなく打ち込みなので、誤字脱字の多いこと。今回5カ所以上直しましたが、まだまだあるかもしれません。

 

The Last Waltz/Bill Evans(P)(Milestone) - Recorded August 31 - September 8, 1980. Marc Johnson(B), Joe LaBarbera(Ds) - (Disc 1) 1. After You 2. Like Someone In Love 3. Polka Dots And Moonbeams 4. Emily 5. Turn Out Of The Stars 6. I Do It For Your Love 7. Nardis 8. But Beautiful (Disc 2) 1. Yet Ne'er Broken 2. Knit For Mary F 3. The Touch Of Your Lips 4. My Man's Gone Now 5. Turn Out Of The Stars 6. Your Story 7. Nardis (Disc 3) 1. Peau Douce 2. Yet Ne'er Broken 3. My Foolish Heart 4. Up With The Lark 5. Turn Out Of The Stars 6. I Do It For Your Love 7. Nardis 8. Noelle's Theme/I Loves You, Porgy (Disc 4) 1. Yet Ne'er Broken 2. Spring Is Here 3. Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me) 4. Letter To Evan 5. If You Could See Me Now 6. The Two Lonely People 7. A Sleepin' Bee 8. Haunted Heart 9. Five (Disc 5) 1. Re: Person I Knew 2. Tiffany 3. Polka Dots And Moonbeams 4. Like Someone In Love 5. Your Story 6. Someday My Prince Will Come 7. Letter To Evan 8. My Romance 9. But Beautiful (Disc 6) 1. Moanin' Glory 2. Emily 3. Knit For Mary F 4. Days Of Wine And Roses 5. Up With The Lark 6. My Foolish Heart 7. Nardis 8. But Beautiful (Disc 7) 1. My Foolish heart 2. Nardis 3. Mother Of Earl 4. If You Could See Me Now 5. My Man's Gone Now 6. Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me) 7. Waltz For Debby 8. Spring Is Here 9. Five (Disc 8) 1. Letter To Evan 2. My Man's Gone Now 3. 34 Skidoo 4. Spring Is Here 5. Autumn Leaves 6. Knit For Mary F 7. Nardis

サンフランシスコのキーストン・コーナーでのライヴ録音。アルファジャズからの「コンセクレイション」と同じセッションなのですが、今回発売されたアルバムは’99年に新たに発見された未発表音源との事。そういう意味では貴重なアルバム。CD8枚ものテイクを、飽きさせず聴けてしまうのは、やっぱりビル・エヴァンス・ファンだからなのでしょうか。「NARDIS」などはそれぞれのソロも長く、演奏時間も長いのですが、それぞれのテイクのソロが違っていたりして、興味深いです。 同じ曲を何度も演奏していて、ソロの部分は日によって違うフレーズを弾いているような気がするものの、大まかな部分は同じ気もします。ただ、それでも色々なテイクを聴いてみたい、という気にさせてくれます。 やっぱりビル・エヴァンスはいい。(00年10月21日発売)

2022/08/05

The Magic Touch/Tadd Dameron And His Orchestra

Taddhisorcheビル・エヴァンスの参加作。ただ、ピアノはあまり目立っているかというとそうでもないです。これも当時国内盤で発売されたものを購入しています。たぶんジャズ雑誌を見て、参加にビル・エヴァンスの入っているものを片っ端から買っていたんではないかと思います。当時のビッグバンド・ジャズを知るにもいいし、曲もなかなかいい感じなので、一度は聴いておいてもいいのでは。それにしても、意外なところで意外なアルバムを、久しぶりに見つけてしまったなあ、という気持ちもあります。最近はこの年代のあたり、あまり振り返ることもないので、なかなかいい時間を過ごせたと思います。いちおうビル・エヴァンスはここまで、と思うももう少し続きます。

 

The Magic Touch/Tadd Dameron(Arr, Cond) And His Orchestra(Riverside) - Recorded February 27, March 9 and April 16, 1962. Clark Terry(Tp), Ernie Royal(Tp), Charlie Shavers(Tp), Jimmy Cleveland(Tb), Britt Woodman(Tb), Julius Watkins(Frh), Leo Wright(As, Fl), Herry Dodgion(As, Fl), Jerome Richardson(Ts, Fl), Johnny Griffin(Ts), Tate Houston(Bs), Bill Evans(P), Ron Carter(B), Philly Joe Jones(Ds), Barbara Winfield(Vo), Joe Wilder(Tp), George Duvivier(B) - 1. On A Misty Night 2. Fontainbleau 3. Just Plain Talkin' 4. If You Could See Me Now 5. Our Delight 6. Dial B For Beauty 7. Look, Stop And Listen 8. Bevan's Birthday 9. You're A Joy 10. Swift As The Wind 11. On A Misty Night (Alternate) 12. Just Plain Talkin' (Alternate) 13. Our Delight (Alternate)

全曲タッド・ダメロンの作曲で、彼は’65年に亡くなっているので、彼の集大成的なアルバムと言えるかも しれません。ビッグ・バンドのサウンド・アレンジが心地良い。ヴォーカルの曲も2曲入っていますが、何と言っても 、2月、3月、4月と3つのセッションへのビル・エヴァンスの全面的な参加が、この時期になっては珍しくなっているだけにコレクター心をくすぐります。とは言っても、ビアノがバシバシ入っているかと いうとそうでもないのですけれど。心地良い曲とサウンドにひたれるアルバム。 タッド・ダメロンの曲はメロディアスでスタンダードを聴いているような気分にひたることができます。 どちらかと言うと、ピアノよりは曲全体で楽しみたいようなアルバムです。ボーナストラック(別テイク)も3曲入っています。(00年11月22日発売)

2022/08/04

Tenderly/Bill Evans, Don Elliott

Billtenderlyビル・エヴァンスの競演作、参加作になりますが、これも落穂ひろい的ではあるものの、メンツ的には貴重かも。私家録音なので、音質はあまり良くないですけど、貴重ではあります。ストリーミングでも聴けますし、このあたりのCDを探すのは大変なので、ちょっとズルをしてしまいました(笑)。彼の音楽生活的にはかなり前のアルバムにはなるので、それでこの音質だったらまあいいかなあ、という印象もあります。当時はいろいろなところで競演・参加作がありましたし。これも国内盤でちゃんと発売されているんですね。エヴァンス人気というか、’01年前後あたりは発掘盤が多かった年でもありました。

 

Tenderly/Bill Evans(P), Don Elliott(Vib, Per)(Milestones) - Recorded 1956 and 1957. - 1. Tenderly 2. I'll Take Romance 3. Laura 4. Blues #1 5. I'll Know 6. Like Someone In Love 7. Love Letters 8. Thou Swell 9. Airegin 10. Everything Happens To Me 11. Blues #2 12. Stella By Starlight 13. Funkallero

私家録音で、会話も入っていたり、音質もあまり良くなかったりと、もともと発表するための録音でないことを承知の上で聴く必要があります。時々録音も気の向くままに途切れることなくあっちの曲へ行ったりこっちの曲へ行ったりしています。ドン・エリオットとの共演は1-4、11曲目で、あとはビル・エヴァンスのソロでの録音。この当時の彼のピアノは、他の録音ではもっとバップ色が強くゴリゴリした印象もありましたが、ここでは後年みられるような独自のリリシズムもけっこう感じられ、資料的には貴重な演奏かもしれません。 こういう演奏が世に出てくることも、ビル・エヴァンスの演奏を知る上では大切だとは思います。ただし、コンプリートを目指すようなビル・エヴァンスのファン向けに限定されるでしょう。(01年10月24日発売)

2022/08/03

Getting Sentimental/Bill Evans

Billgettings ちょっと順番が前後しますが、このアルバムも元は私家録音で、私が買ったのはビクターから出た国内盤でした。この当時はもともとあったアルバムに関してはあらかた出ていて、こういうアルバムが後からポツポツと出ていた時代だったんですね。ベースでマイケル・ムーアというのも珍しかったし、とにかく集めていた時代だったので、迷わず購入していました。今だったらどうだったかな。でもメンバーが珍しいというだけでも、音源があって良かったなあ、と思います。ビル・エヴァンスの場合、曲はだいたいいつもと同じものを演奏しているんですが、メンバーが変わるというだけで、色めき立つのはなんででしょうね。音はあまり良くないけれども、、、。

 

Getting Sentimental/Bill Evans(P)(Milestone) - Recorded January 15, 1978. Michael Moore(B), Philly Joe Jones(Ds) - 1. I Should Care 2. How My heart Sings 3. Gary's Theme 4. I'm Getting Sentimental Over You 5. Quiet Now 5. Re: Person I Knew 6. The Peacocks 8. Emily 9. Song From M*A*S*H (Suicide Is Painless) 10. Turn Out The Stars 11. When I Fall In Love 12. In Your Own Sweet Way 13. But beautiful 14. I Love You

ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴの私家録音とのことですが、マイケル・ムーア(B)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(Ds)という組み合わせはこのアルバムしかなく、特にマイケル・ムーアはこのアルバムにしか参加していない(ちょうどエディ・ゴメスが辞めてマーク・ジョンソンが加入する前の時期にあたる)という点では貴重なアルバム。曲も普段よく演奏する曲が多めなので、気楽に聴けます。演奏時間も70分を超えるのもうれしいところ。特にフィリー・ジョーの、他のエヴァンス・トリオのドラマーよりも外交的とも思えるドラムスとの対比も面白い。心なしかエヴァンスも元気なように感じます。ただし、私家録音ゆえに音質の鮮度やバランスは今ひとつなので、彼を追いかけるファン向けかも しれませんが。(03年12月17日発売)

2022/08/02

Homecoming/Bill Evans

Billhomeco ビル・エヴァンスのアルバムで、まだブログにアップしていないのがいくつかあります。ただ、このアルバムも元は正規盤ではなかったらしく、音がなあ、というものが多いです。まあ、他のジャズ・ジャイアンツと同じように、同じ曲だとか、同じような演奏だとかはどうでも良くて、とにかく、いろいろな演奏を耳にしたい、という方も多いでしょうから、あえて今回はアップにトライしてみます。ただ、CDを探すのが大変で(笑)。今はもう未発表演奏とかでも、あまり追いかけてはいないですけどね。当時は国内盤として発売されていれば、元が正規だろうがなかろうが、何でも買っていた時代でした。

 

Homecoming/Bill Evans(P)(Milestone) - Recorded November 6, 1979. Marc Johnson(B), Joe LaBarbera(Ds) - 1. Re: Person I Knew 2. Midnight Mood 3. Laurie 4. Song From MASH 5. Turn Out The Stars 6. Very Early 7. But Beautiful 8. I Loves You Borgy 9. Up With The Lark 10. Minha 11. I Do It For You 12. Someday My Prince Will Come 13. Interview With Bill Evans By Rod Starns

ビル・エヴァンスの母校の大学でのライヴ。未発表演奏とのことで音質を覚悟していましたが、今ひとつにしても まあまあ良かったです。正規盤の「パリ・コンサート」の約20日前の演奏ということで、似たような印象があります。曲目も 「パリ・コンサート」とダブっているものも多く、おなじみのものばかり。 ただ、それでもライヴの演奏が70分も入っていて、お買い得感は高いかも。こういうライヴをあちこちで繰り返していたんだなあ、と思います。ポール・サイモンの「I Do it For You」はこの後何回も演奏(録音)される事になります。というわけで、もともとは正規盤ではなかったので、ビル・エヴァンスの演奏は何でも聴きたい、という人向けかもしれません。 最後に6分ほどのビル・エヴァンスへのインタビューも入っています。(99年9月22日発売)

2022/08/01

新型エクストレイルとキックスは出たものの

220729xtrail 220729xtrail2 先月21日に私の日産キックスの新車6か月点検でディーラーに持って行ったのですが、ちょうど19日に新型キックスのマイナーチェンジの発表、そして20日に新型エクストレイルのフルモデルチェンジの発表がありました。もう21日には、ナンバーがついていないけど、新型エクストレイルがディーラーにありましたね。

私はまだ車が納車されて4か月だし、結局車を必要な時にしか乗らず、洗車もあまりせず、ドライブして楽しむということもないので、この2車種の情報があっても、今回はあまり心が動きませんでした。今でもエコモードで燃費を気にしながら走っているので、キックス4WDが出て、電気モーターも新型に変わって出力と燃費がアップしたと聞きましたが、おそらく新車の入手価格が前回の値引きと下取りも考慮に入れてほしいグレードの4WDだと60万円ぐらい跳ね上がるとセルフ見積もりでは出ました(値引きは今回考慮しなかったとして)。7-8年また乗っても、その差額をガソリン代でカバーできないし、4WDになったら今度はフルタイムになってしまってその分燃費も落ちるし、雪国ではないし街乗りばかりなので、とFFでの現状維持の方向になってしまうなあ、と思います。前の代のエクストレイルのガソリン車4WDは、基本FFで、前輪が滑った時などに自動的に4WDになる仕組みがあったんですよ。

新型エクストレイルも、カッコいいしけっこう豪華で乗ってみたい気持ちもありますが、欲しいグレードでセルフ見積もりをやってみると500万円オーバー。写真右の本皮シートの内装ですね。老後も考えないといけないし、悪いけど今の段階ではパス、になってしまいます。でも、両方ともいい車には違いないので、興味ある方は試乗してみるといいと思います。どちらも売れるんじゃないかな? 本当は試乗してみたけどけっこう良かったので、皆さんもどうぞ、というように前向きで書きたかったのですが、今回はタイミングが悪かったですね。

でも、モデルチェンジ前の2WDのFFキックスでもけっこう気に入っているのは確かなので、ご心配なく。燃費に関しては、短距離走行をエンジンが暖まるまでには到着、というパターンが多いのですが、それでも市街地でトータル20キロ近くいくので、この車で満足しています。

(9月20日追記)キックスの4WDは重量が130キロほど重くなり、あるところの解説によると「後席使用時の荷室容量は276リッターで、FWDモデルから147リッターも減少。4WDモデルのほうが荷室の室内高が190mm小さく(床が高い)、後席の背もたれを倒すと荷室の床のほうが高くなってしまう。」とのこと。やはり降雪地でないと、FFで十分じゃないか、と確信できるようになりました。

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