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2022年6月の記事

2022/06/30

Experiencing Tosca/Tethered Moon

Tetheredtosca ゲイリー・ピーコックの参加アルバムを追いかけるのも今日で一段落。この時期、キース・ジャレット・トリオの音源がけっこうあって、他のピアニストのアルバムにも参加していたんだけど、これらはもうブログで発表済みだったので、枚数的には少なくなりました。ゲイリー・ピーコックとポール・モチアンの取り合わせもあちこちで見ているけど、個人的にはこのテザード・ムーンの組み合わせがいちばん印象に残ったかなあ、とも思います。それにしても、このあたりが今までもれていたのは、意外でした。次はWinter & Winterつながりで、ピアニストで残り1人保留にしてあったユリ・ケインに行こうかな、なんてことを考えてます。

 

Experiencing Tosca/Tethered Moon(Winter & Winter) - Recorded December 14 and 15, 2002. Masabumi Kikuchi(P), Gary Peacock(B), Paul Motian(Ds) - 1. Prologue 2. Part 1 3. Part 2 4. Part 3 5. Homage To Puccini 6. Ballad 7. Blues For Tosca 8. Part 4

5、7曲目が3人のフリー・インプロヴィゼーション、他の曲は菊地雅章、あるいは3人によるプッチーニ(クラシック)のトスカをアレンジしたものだそう。1曲目の小品で美しいピアノが静かに奏でられますが、2曲目以降、内側を向かい合うような、時にエネルギッシュな、このトリオ独自の音がぶつかり合います。トスカもオリジナルも同列に演奏されているようなハードでストイックな演奏が繰り広げられている間に、またピアノを中心とした美しいメロディが姿をあらわす場面(2曲目のラスト、3、8曲目のはじまり)があって、そのコントラストも面白い。また、6曲目は切ないバラードです。ピアノのやや少なめな音数と3人の個性を追いかけるのは、自分の内面を覗き込むような、息がつまる感じがするのは私だけではないかも。(04年1月25日発売)

2022/06/29

Chansons d'Edith Piaf/Tethered Moon

Tetheredchanson テザード・ムーンのWinter & Winterでの2枚目。題材はエディット・ピアフのシャンソンということで、それらしきメロディはあちこちに登場しますが、やはりこのメンバーならではのサウンドに仕上がっています。やはり聴く人を選ぶということになるのでしょうけど、彼らのアルバムの中では聴きやすい方かなと思います。このレーベル、ちょっと前までは割と追いかけていたのですが、’14年ぐらいを境に、あまり自分と合わなくなったのか、それ以後は購入してません(正確には’03年ぐらいから徐々に)。元はというとJMTレーベルを立ち上げていた人が、再建したレーベルだったので、当初は興味が重なっていたのですが。ただ、まだブログアップしてないアルバムがあるので、それ以前のは出てくると思います。

 

Chansons d'Edith Piaf/Tethered Moon(Winter & Winter) - Recorded May 15-16, 1999. Masabumi Kikuchi(P), Gary Peacock(B), Paul Motian(Ds) - 1. L'accordeoniste 2. Que Nadie Sepa Mi Sufrir 3. Fais Comme 4. Sous Le Ciel De Paris 5. Le Petit Monsieur Triste 6. La Vie En Rose 7. Bravo Pour Le Clown 8. L'homme De Berlin 9. Les Mots D'amour

何とこのメンバーでエディット・ピアフの歌った曲を演奏という、意表をついたことをしています。どこかで聴いたことのある哀愁漂うメロディの曲が多いです。それでいて安易なサウンドになっていないのは見事。静かな場面では通常安らぐはずなのですけれど、ピアノの音数が少ないのに、やはり聴くものにある程度の緊張を強いられるサウンド。ギリギリのテンションなんだと思います。4、6曲目など、非常に印象的 なメロディなので聴いたことがある方は多いと思いますが、時折フリー・インプロヴィゼーションの深遠な世界をのぞく事もあります。キース・ジャレットのような場面もありますが、より内向的か。 あくまでもピアフは題材で、サウンドからはテザード・ムーンの深遠な世界が。けっこうマニアックかも しれない。(99年9月26日発売)

2022/06/28

First Meeting/Tethered Moon

Tetheredfirst_20220614144201 ゲイリー・ピーコックの参加アルバムでまだブログにあげてないものをリストアップしていて、おかしいなあ、合わない、と思ったら、Winter & Winterレーベルは先にブログ以前にコメント手直ししていたんですね。なので、このアルバム、あとになって気が付きました。このグループで複数のレーベルから計6枚出たことになるのかな?アルバムとしては最初に出たアルバムではないと思いますが、時期的にはこのアルバムが最初の録音ということになります。Winter & Winterのものは3枚ともストリーミングにもありました。聴く人を選ぶグループだとは思いますが、個人的にはかなり好きな演奏が詰まっています。

 

First Meeting/Tethered Moon(Winter & Winter) - Recorded October 20, 1990 and May 11-13, 1991. Masabumi Kikuchi(P), Gary Peacock(B), Paul Motian(Ds) - 1. Tethered Moon 2. Misterioso 3. Intermezzo - So In Love 4. First Meeting - Solar - Open Trio 5. P.S.

このメンバーでの最初の録音(’90年と91年)。他のピアノトリオでは表わせない、間というのか、独特の空間が素晴らしいです。この時期はまだ温度感が多少高かった部分も。1曲目はタイトル曲で、何と19分もの大曲。哀愁漂うメロディラインで、彼らならではの世界が展開されていますが珍しくふつふつと熱く盛り上がっていく場面もあります。モンク作でありながら、ブルース的アプローチもあって空間的緊張を強いる2曲目、前半がフリー・インプロヴィぜーションで後半しっとりとしたスタンダードに流れていく3曲目のメドレー、タイトル曲のフリー、ジャズメン・オリジナル、自然発生的でドラマチックな展開を見せる4曲目のメドレー、静かに淡々と語っていくゲイリー・ピーコック作の5曲目 と続いていきます。

2022/06/27

Crossfade/Masahiko Osaka

Osakacrossfこの時期は日本人のジャズもよく買っていたなあ、と思います。特にキングが力を入れていて、いいアルバムが今よりも多かったような気がしています。今回はゲイリー・ピーコックつながりで取り上げましたけど、まだホームページにもないアルバム、けっこう多いんじゃないかな。それにしてもこのアルバムはちょっと特殊で、周りを外国人ミュージシャンが取り囲んでいます。ストリーミングにはなかったのが少々残念。ベーシストのもう一人はリューベン・ロジャースだし、メンバーを見ても、けっこう豪華な顔ぶれだったんですね。やはりジャズのアルバムにお金をかけることができた時代。こういうのがあるから、処分するのがためらわれる。

 

Crossfade/Masahiko Osaka(Ds)(Paddle Wheel) - Recorded September 27 and 28, 1999. Nicholas Payton(Tp), Brian Lynch(Tp), Antonio Hart(As, Ss), Mark Turner(Ts, Ss), David Murray(Ts, Bcl), Anthony Wonsey(P), Onaje Allen Gumbs(P), Ruben Rogers(B), Gary Peacock(B) - 1. Don't Get Upset 2. Last Summer 3. Cold Love 4. Minor Mood 5. Sinple Waltz 6. Scarborough Fair 7. Morning Dance 8. Fragment 9. In A Merrow Tone 10. Just Like A Woman

けっこう有名なミュージシャンが参加しています。 しかも外国のミュージシャンばかりとの対戦で、真っ向から勝負。若手(1-3、6、8曲目)と、中堅&ベテラン(4-5、7、9-10曲目)の2つのグループに分けた録音とのこと。大半の曲が大坂昌彦作曲で、作曲者としてのセンスをこれでもか、と見せつけています。曲はカラフルで2、5曲目のようにメロディが美しいものから、3曲目のアップテンポのもの、8曲目のファンクっぽいものまでさまざま。6曲目で「スカボロー・フェア」と9曲目のデューク・エリントン、10曲目のボブ・ディランの曲なども。曲からはジャズ以外の要素も感じられます。そして肝心のドラムも負けていません。まさに今のジャズ、という感じ。ゲイリー・ピーコックは4-5、7、9-10曲目に参加。(99年12月23日発売)

2022/06/26

Just So Happens/Gary Peacock & Bill Frisell

Garyjustso ゲイリー・ピーコックとビル・フリゼールのデュオ作。もう一つの違うジャケットのものもあるようです。やはり彼ららしいいなあと思う柔軟さでフリーも既成曲もこなしていきます。そう言えば、このアルバムのコメントで、かなり昔ですが、ホームページを大がかりでパクられたのを発見したことも。最初は同じミュージシャンやアルバムを好きな人もいるもんだなあ、と思って眺めていたのですが(文章の一部を改変してあった)、このアルバムのコメントが酷似。問い詰めたところ、やっぱりということで。彼はすぐに該当箇所を(かなりの部分だった)削除しましたけど、しまいには閉鎖したようですね。こんなサイト、パクってどうするんだ、今となっては感じますけど。余談ですがその後DMMのレンタルCDのサイトでも何枚かパクられたものがあるのを発見、削除してもらいました。今も当時の社長からの謝罪の手紙を保管してあります。今はネットの世界は膨大になってしまったので分かりませんが、ヤフオクなどの説明文で使われていそうな気も。

 

Just So Happens/Gary Peacock(B) & Bill Frisell(G)(Postcards) - Recorded February 17 and 18, 1994. - 1. Only Now 2. In Walked Po 3. Wapitis Dreams 4. Home On The Range 1 5. Home On The Range 2 6. Through A Skylight 7. Red River Valley 8. Good Morning Heartache 9. Reciprocity 10. N.O.M.B. 11. Just So Happens

邦題「峠の我が家」。1-3、6、11曲目がおそらく2人によるフリー・インプロヴィゼーションなので、けっこう彼ら流フリー寄りのアルバムのイメージがあります。これらをアルバムの前と後ろに持ってきたということは、こちらに力を入れているということでしょうか。4-5曲目がアメリカ民謡のタイトル曲(Take1と2?)なのですが、こちらはビル・フリゼール流空間をかなり生かした牧歌的バラードといった感じです。7曲目のおなじみの民謡もシンプルで良い。ゲイリー・ピーコック名義の曲も2曲あり、ジャケットのロゴからも彼がリーダーシップをとっていることが分かります。この2人ならではの空間を感じることができ、奥が深いと思うのですが、 その自由さと奥深さゆえに、やはり聴く人を選ぶアルバムかもしれません。(00年2月23日発売)

2022/06/25

’22年上半期私的ジャズベスト3

Onishigrand_20220624131401 Bobfeellike_20220624131501 2684_20220624131601 ’21年12月から22年6月までという変則的なベストになりますが、今回は枚数が少ないので、今回もちょっと偏っているかもしれません。いつもよりは渋めというか、地味かなあとも。ウィリアムス浩子以外はストリーミングでも聴けます。

 

グランドヴォヤージ/大西順子(P)クァルテット(Somethin' Cool)
Grand Voyage/Junko Onishi(P) Quartet(Somethin' Cool) - Recorded September 26-29, 2021. 井上陽介(B)、大儀見元(Per、Vo)、吉良創太(Ds)、ゲスト:小野リサ(G、Vo) - 1. Wind Rose 2. Turquoise Drops 3. Printmakers 4. Tridacna Talk 5. Ground Swell 6. Harvest! Harvest! 7. Flor De Organdi 8. I Love Music 9. Charlie The Wizard 10. High Tide 11. Kow Tide 12. Un Dia De Colo Azul 13. It's A Fine Day 14. Kippy

3曲目がジェリ・エレン作、4曲目が大儀見元作、7曲目の詞は小野リサ作、8曲目はHole Smith作、12曲目の歌詞は石塚隆充と大儀見元の作曲で、14曲目がダラー・ブランド作、他は全曲大西順子作曲。オビに「カーニバル的な」とありますが、ラテンアメリカ的なサウンドもあるけれど、彼女自身のジャズに加えて、意外に1曲目のようにアフリカン・リズム的な曲も多かったりして、けっこうハードな感じもあって、最初から最後まで引きこまれてしまいます。ピアノ・トリオにパーカッションが入るというアクセントがなかなかいい。そんな中に2曲のヴォーカル曲を加えて、サウダージ的なサウンドもあるってことも、このアルバムの幅の広さを物語っています。彼女でしか成しえないサウンドがそこにあって、何度も聴くのが楽しい。(21年12月29日発売)

 

Feel Like Making Live!/Bob James(P, Key)(Evosaound)(輸入盤) - Recorded October 8 and 9, 2018. Michael Palazzolo(B), Billy Kilson(Ds) - 1. Angela 2. Rocket Man 3. Maputo 4. Topside 5. Misty 6. Avalabop 7. Nautilus 8. Downtown 9. Niles A Head 10. Feel Like Making Love/Night Crawler 11. Submarine 12. Mister Masic 13. Nardis (SACD Only) 14. Westchester Lady

(22/03/07)基本的に過去のアルバムのセルフ・カヴァーをピアノ(キーボード)・トリオで、それと2、4曲目はカヴァー作。SACDで聴くと、ボーナストラックありで収録時間83分。2曲目がエルトン・ジョン作、3曲目がマーカス・ミラー作、5曲目がエロール・ガーナー作、8曲目がToni Hatch作、12曲目がラルフ・マクドナルド作、13曲目がマイルス・デイヴィス作、10曲目前半がGene McDaniels作。昔のクロスオーヴァーやフュージョンで大編成の曲もあったのを、シンプルなピアノ・トリオで、80歳を超えても、まだまだイケる演奏をしているのにはびっくりしました。その歳で無理なく、しかもその効果を最大限に発揮するジャズであり、フュージョンです。トリオアレンジもなかなかで、音もいいですし、まだまだこれから先も期待してます。

 

Return From The Stars/Mark Turner(Ts)(ECM 2684)(輸入盤) - Recorded November 2019. Jason Palmer(Tp), Joe Martin(B), Jonathan Pinson(Ds) - 1. Return From The Stars 2. Terminus 3. Bridgetown 4. It's Not Alright With Me 5. Nigeria II 6. Waste Land 7. Unacceptable 8. Lincoln Heights

(22/04/25)全曲マーク・ターナーの作曲。収録時間は64分。マンフレート・アイヒャーのプロデュース。2管のピアノレスのクァルテットで、その雰囲気はやはりクールだけど、今のジャズっぽく盛り上がる部分も多い。各楽器とも音数が多めの部分も少なくなく、普通に現代ジャズになっているので、全体のミキシングでECMにやや合わせている感じ。どこかひねくれたような曲作りになっていて、それは1曲目のタイトル曲でも感じます。テーマの部分はターナーの抑制的で内省的な性格があらわれてますが、テーマからして音数が多かったり4ビートで進行する曲もあります。ピアノがないだけ自由だけど、フリーに行きそうで結局はまとまる方向に。3、5曲目はその中でも元気な方なので、他レーベルで録音したらどうなっていたか。

 

(次点)

2727_20220624131601 Williamsanother_20220624132201 John Scofield(G, Looper)(ECM 2727)(輸入盤) - Recorded August 2021. - 1. Coral 2. Honest I Do 3. It Could Happen To You 4. Danny Boy 5. Elder Dance 6. Mrs. Scofield's Waltz 7. Junco Partner 8. There Will Never Be Another You 9. My Old Flame 10. Not Fade Away 11. Since You Asked 12. Trance De Jour 13. You Win Again

(22/05/13)完全ソロ作、とはいえLooperというループマシーンを使って、そこで弾いたバックの演奏を元に、ギター・ソロをとっているものが多いです。1曲目がキース・ジャレット作、3-4、7-10曲目がトラディショナルやスタンダード、13曲目がハンク・ウィリアムス作。正統派のギター・ソロのアルバムからすればどうなのよってこともあるけど、彼しかできないある意味のたくったようなフレーズといなたい雰囲気が、まさに彼の歴史を物語っていると思います。彼のファンなら最高、と叫ぶと思うけど、賛否両論あるかもしれない。こういう演奏をしてきた彼だけにできる世界が、まさに彼の名前をタイトルにしたアルバムになったのは、興味深いと思います。持ち込み音源と思われますが、ECMからこれが出たということ自体が驚き。

 

My Room Another Side/ウィリアムス浩子(Vo)(Berkeley Squiare Music)
My Room Another Side/Hiroko Williams(Vo)(Berkeley Square Music) - Recorded 2014-15 and 2021. Takayoshi Baba(G) - 1. My Wild Irish Rose 2. Scarborough Fair 3. The Water Is Wide 4. Night And Day 5. 朧月夜

収録時間18分のミニアルバム。トラディショナル2曲、スタンダード2曲と日本の曲1曲。元は雑誌「オーディオアクセサリー」での配布用のサンプラー音源に、1曲録音を足して(4曲目)発売されたとのこと。演奏もギター1本とシンプル(場所によっては多重録音になっていますが)で、ヴォーカルの良さを最大限に引き出しているし、埋もれさせておくのが惜しい音源が、とうとう発売されたか、と思います。元々のMy Roomシリーズとつながっているようなサウンドや歌い方なのもいい。2、4曲目はやや活気があり、後半にスキャットもあるけど、基本的には落ち着いて聴けるアルバム。編成のシンプルさを活かしつつ、歌に味わいがあって、やはり話題になるヴォーカリストなんだなあということを、改めて何度も聴きながら思いました。(22年6月15日発売)

2022/06/24

Waltz Blue Side/Steve Kuhn Trio

Steveblueside たまたま次にゲイリー・ピーコックをやろうとしていたので、彼の参加アルバムの順番を変えて、前回に引き続き紹介できるようにしました。「レッド」「ブルー」の印象はやはり強く、聴いていてもそれぞれにそれぞれのイメージがあります。それにしても、よく、同じ曲がほとんどでベーシストだけを交替させるという案を、発案した人も発案した人だし、それを受け入れる方も受け入れる方だと思います。まあ、彼らほど一流になると、セッションのひとつにすぎないのかもしれませんが。一部に4ビートがあるとはいえ、ワルツという特集も功を奏したとは思います。そのあたりのセッティングがなかなか興味深いです。

 

Waltz Blue Side/Steve Kuhn(P) Trio(Venus) - Recorded May 9-11, 2002. Gary Peacock(B), Billy Drummond(Ds) - 1. When I Grow To Old To Dream 2. Charade 3. Remember 4. Years Later 5. Once Upon A Summertime 6. I'll Take Romance 7. I'm Glad There Is You 8. Pastorale 9. My Buddy

「レッド・サイド」と収録曲は1曲を除いて同じで、ベースがエディ・ゴメスでなくゲイリー・ピーコックになっただけという面白い収録方法。そして曲は原曲がワルツで、アレンジ上4ビートが一部混ざる構成。確かに「ブルー」のサウンド・イメージが強く、冷静に、脇役としてピアノが進んでいくのにベースとして手を差し伸べているという印象。それでいてベースの存在感は大きいです。ウォーキング・ベースはあまり出てこずに、ピアノの周りを合わせながら漂っている雰囲気。その分ピアノの方も冷静で繊細な演奏が多くなっていて、ほどほどに内省的な雰囲気が漂っています。もちろん、ヴィーナス・レーベルなのでスティーヴ・キューンにしては開放的な部分もありますが。そんな中で6曲目では元気な演奏を聴かせてくれます。(02年8月21日発売)

2022/06/23

Waltz Red Side/Steve Kuhn Trio

Stevewaltzred エディ・ゴメス参加作のラストは、スティーヴ・キューンのトリオ作。何と、ベースをゲイリー・ピーコックに替えて、ほとんど同じ曲のアルバムも作っているんですね。そのアルバムはまた明日の紹介になります。そのベーシストのキャラクターを比べて聴くのも面白いかと思います。確か2枚は同時発売だったかと思うし、企画自体が興味深いです。これもVenusレコードですけど、こういういい企画を考えるときもあったんだなあ、と改めて感じます。曲は有名曲が多いですけど、それだからこそ、ベーシストの違いを引き立たせているんだなあ、ということも忘れてはならないと思います。

 

Waltz Red Side/Steve Kuhn(P) Trio(Venus) - Recorded May 9-11, 2002. Eddie Gomez(B), Billy Drummond(Ds) - 1. Charade 2. Remember 3. Years Later 4. Once Upon A Summertime 5. How Am I To Know 6. My Buddy 7. I'll Take Romance 8. I'm Glad There Is You 9. Pastorale

「ブルー・サイド」と収録曲は1曲を除いて同じで、ベースがゲイリー・ピーコックでなくエディ・ゴメスになっただけという面白い収録方法。そして曲は原曲がワルツで、アレンジ上4ビートが一部混ざる構成。こちらの方はやはりホットな印象なので「レッド」なのでしょう。ベースのフレーズは単なるウォーキング・ベースでなくて高い音程も駆使して複雑だと思うのですが、「ブルー」に比べてゴリゴリとまわりをプッシュしていってピアノのフレーズにも火をつける、という感じの曲が増えています。特に2、5、7曲目あたり。こういうサウンドの方がヴィーナスらしいかも。もちろん繊細な曲は、より繊細に美しく、ですが、ベースの音質のせいか芯が太い印象もあります。 こういう比較をする企画もなかなか珍しいので、貴重な録音かも。(02年8月21日発売)

2022/06/22

Standart/Tigran Hamasyan

Tigranstand とりあえず新譜も一段落。購入数が昔よりだいぶ減っているので、少々残念だし、次はまた7月中旬ごろかな。まあ、気を取り直して、今日はティグラン・ハマシアンのスタンダードを取り上げたアルバムです。多少個性的かな、という予想は見事に裏切られて、超個性的な演奏を聴けました。タイプは違うけどジャン=ミシェル・ピルクを聴いた時の感動に近いかな。歌心があるかないかはもうどうでも良くて、よくここまで自分流に演奏してしまったなあ、と思います。分かりやすい部分もあるけど、個性的でけっこう印象が強かったです。それについていくドラムスやベースもすごいし。まあ、聴く人を選ぶかなあ、とも思いましたが、かなり好みではあります。

 

Standart/Tigran Hamasyan(P)(Nonesuch)(輸入盤) - Recorded April 11-13, 2021. Matt Brewer(B except 3, 7), Justin Brown(Ds except 3, 7), Mark Turner(Ts on 3), Joshua Redman(Ts on 4), Ambrose Akinmusire(Tp on 7-8) - 1. De-Dah 2. I Did't Know What Time Is Was 3. All The THings You Are 4. Big Foot 5. When A Woman Loves A Man 6. Softly, As In A Morning Sunrise 7. I Should Care 8. Invasion During An Operetta 9. Laura

(22/06/20)8曲目のみ4人のインプロヴィゼーションで、他はジャズメン・オリジナルだったりスタンダードだったり。ここまで書くと、な~んだ、と思われるかもですが、Tigran Hamasyanらしい超個性的なアレンジと演奏で、非常に独特な世界を構築しています。聴いて曲が分かるものと(不勉強ながら)分からないものと。彼の民族性なのか、現代ジャズだからなのか、バラードの曲もあるけど、曲によってはけっこう過激だったりします。それでも4曲目のアップテンポのサックスのアドリブ部分は今っぽく分かりやすかったりするも、ピアノはとんがっているなあ、とも。トリオとしてここまで曲ごとに違いを表現できるのは、ある意味見事。好みかどうかはあるけれど、その演奏は間違いなく記憶に残ると思う。ゲストのホーン3人も豪華。

2022/06/21

Swing On This/Opus 5

1406 Criss Crossの新譜をだいぶ遅れて購入。この1406番のレコード番号、今まで空欄になっていたので、うまく埋まってくれてうれしいです。このあたり、先代が亡くなった頃の番号だったので、このまま空き番号になってしまうかと思っていました。さて、このグループもCriss Crossで5作目で、オリジナルばかりで勝負して、しかもこのメンバーでの演奏なので、聴きごたえはありますね。普通だったらなかなか集まることができないでしょう、このメンバー。4、6曲目ではフェンダーローズも使用しているし、今のジャズという感じで、好きな演奏です。それでいてそんなにとんがってなくて(って、複雑だったり変拍子だったりはしますが)、個人的には聴きやすいです。

 

Swing On This/Opus 5(Criss Cross 1406)(輸入盤) - Recorded September 7, 2021. Seamus Blake(Ts), Alex Sipiagin(Tp, Flh), David Kikoski(P, Key), Boris Kozlov(B), Donald Edwards(Ds) - 1. Swing On This 2. Pythagoras 3. Moonbay 4. Fermata 5. Finger Painted Swing 6. Sight Vision 7. The Gread Divide 8. In Case You Missed It

(22/06/19)グループでは5枚目。なかなかこれだけのメンバーは集まらない、今を行くクァルテット。60分収録。1曲目はG. Gontenette作曲のタイトル曲で、8曲目のB.Watoson作を除いて、メンバーのそれぞれによる作曲。編成的には現代ハ-ドバップという感じではあるけれど、変拍子や複雑なコード進行、メロディがあって、もっと現代的なジャズと言う感じがします。それでいてとっつきにくいかというとそうでもなく、耳にすんなり入ってきています。1曲目のようにカッコ良いテンポが早めの曲もあれば、3曲目のようなちょっと乾いた感じのバラードもあったりと変化に富んでいますけど、全曲オリジナル(メンバー外も含めて)というところに彼らの硬派さも感じさせます。やはりこのメンバーだからこそのエッセンスが詰まってます。

2022/06/20

L'Aurore/Carolin Widmann

2709_20220619114001 ECM New Seriesの新譜が1枚来たので、先に聴きます。今日のアルバム、New Seriesにしては珍しく、作曲家よりもヴァイオリニストに焦点が当たっていて、その曲も12世紀のものから現代のものまで、バッハを含めて5人の作曲家の演奏をしています。彼女の過去のECMでの出演作も、あまり気にはしてなかったけど、けっこう多めですね。クラシックファンで注目している人は多そう。ヴァイオリンの音がつやっぽく録れている感じがして、聴いていて心地よいです。マンフレート・アイヒャーのプロデュースなので、どこかに新機軸があるんだろうなあとは思うのですが、古い曲から新しい曲までを縦断的に演奏しているところがそうなのかも。

 

L'Aurore/Carolin Widmann(Vln)(ECM New Series 2709)(輸入盤) - Recorded July 2021. - Hildegard Von Bingen: 1. Spiritus Sanctus Vivificans Vita George Enescu: 2. Fantaisie Concertance George Benjamin: 3-5. Three Miniatures Eugene Yaaye: 5-6. Sonata No.5 In G Minor Op.27 Hildegard Von Bingen: 8. Spiritus Sanctus Vivificans Vita J.S. Bach: 9-13. Partita No.2 In D Minor BWV1004

(22/06/19)Carolin Widmannはドイツのヴァイオリニスト。収録時間は70分。演奏する作曲家は、12世紀の曲(1、8曲目)があったり、あとはバッハを含め18世紀から現代にいたる様々な作曲家の曲を取り上げているので、フォーカスはヴァイオリニストの方に向いているのだと思います。プロデュースはマンフレートアイヒャーなので、どこかに新機軸があるのでしょうが、とりあえずは千年近くのヴァイオリンの歴史をたどって行こうかと。

2022/06/19

Smappies 2

Smappies2_20220608144201 エディ・ゴメスつながりで、日本企画のSMAPのインストルメンタル版第2集(1枚目はブログにアップ済み)。カヴァーでのヴォーカル曲も多いですが。有名な海外ミュージシャンを、彼らの通常のアルバムでも使っていた時期もあったし、こういうアルバムもできるほどに当時の日本はバブルだったんだなあ、と思います。オーケストラもビッグ・バンドも使っているのが何と言ってもすごい。スマップを知らなくても、普通に豪華なフュージョンアルバムとして聴けるのがまたいいですね。カッコいい演奏の連続なんだけど、今このアルバム、ストリーミングにも見つからなかったし、探すのは大変なんじゃないかなあ、と思います。50分収録。

 

Smappies 2(Victor) - Released 1999. Omar Hakim(Ds), Will Lee(B), Philippe Saisse(P), Hiram Bullock(G), Grover Washington Jr(As), Arturo Sandoval(Tp), George Young(As, Piccolo), Bill Evans(Ts, Fl), John Scarpulla(Ts, As, Bs), Howard Johnson(Bs), Tony Kedleck(Tp, Flh), Barry Danielian(Tp, Flh), Craig L. Johnson(Tp), Jim Pugh(Tb), Rob McConnell(Tb), John Wheeler(Tb), Dave Taylor(Tb), Michael Brecker(Ts), Kevin Owens(Vo), Bill Whitaker(Btb), Bernard Purdie(Ds), Jean Baptista Bocle(Vib), John Patitucci(B), Albert "String" Menendez(Key), Phil Woods(As), Steve Smith(Ds), Kenny Garrett(Ss), The Manhattan Transfer(Cho), Steve Gadd(Ds), Toninho Horta(G, Vo), Maucha Adnet(Vo), Jim Beard(P), Ralph McDonald(Per), Eddie Gomez(B), Anthony Jackson(B), David T. Walker(G), Cyro Baptista(Per), etc - 1. Theme Of Smappies 2(Rhapsody In Blue) 2. Slave Of Groove(Ki Ni Naru) 3. Perfect(Duo) 4. Moonlight(Tsuki Ni Somuite) 5. Feeling Of Beginning 6. Theme Of 012 7. Eao 8. Truth Is Just Facing You(Taisetsu) 9. Rather Than Hearing Your Voice(Koe Wo Kiku Yorimo) 10. Trouble

言わずと知れたインストルメンタルのスマップ曲集第2弾。またも参加ミュージシャンが非常に豪華。 どうやってこれだけのミュージシャンを集められたのか、不思議なのと同時に、よっぽどお金をかけているんだな、ということが分かりますが、当然のことながらミュージシャン達は全力投球しているので、へたな他のアルバムよりは充実しています。曲によって傾向はまちまちなのですが、カッコ良いフュージョンサウンドの曲が多いです。特に2-3曲目は非常に好み。スマップの曲については素材は確かなので、十分楽しめるアルバムです。先入観を捨ててかかれば新しい世界が見えてくるかもしれません。マイケル・ブレッカーは2曲目に、ジョン・パティトゥッチは5、10曲目に、エディ・ゴメスは8曲目に参加 しています。(99年6月23日発売)

2022/06/18

Porgy/Steve Kuhn

Steveporgy エディ・ゴメスつながりでの1枚。バスター・ウィリアムスと曲を分け合っての参加ですけど。私の持っているアルバムはJazz Cityレーベルの再発盤なんですが、全32枚再発予定が、残り10枚かな?が再発されずに残ってしまったのが少々残念。最初に出たときに全部買っておかなかった私も悪いんですが、そこまで手が回らなくて。演奏は割とゴキゲンなんじゃないかと思いますが、ゴメスの方は繊細な曲への参加が多い感じです。このレーベル、当時のジャズが分かるような人選で面白いですけれどね。それにしてもスティーヴ・キューンはいろいろなところに参加しているなあ、というのが実感です。割とどこでもぶつかるような気もしています。

 

Porgy/Steve Kuhn(P)(Jazz City) - Recorded December, 1988. Buster Williams(B), Eddie Gomez(B), Al Foster(Ds), Laura Ann Taylor(Vo) - 1. Shoutin' Out 2. Just Squeeze Me 3. Tadd's Delight 4. I Loves You, Porgy 5. Isotope 6. Where Do You Go? 7. Ladies In Mercedes 8. Repetition 9. On Stage 10. Lullaby 11. A House Is Not A Home

このアルバムでのスティーヴ・キューンは、バスター・ウィリアムスが参加する曲(1-3、5、8-9曲目)では、比較的オーソドックスなピアノの場面が多く、曲によってはけっこうノリがあります。ただ、メロディを聴いているとやっぱり彼らしいなあ、と思う事も。これに対して4曲目のタイトル曲や6曲目のバラード、11曲目のソロ・ピアノのように、彼特有の繊細な演奏も聴くことができます。7曲目のラテンノリの曲も印象的。ヴォーカルの参加の5曲目ではポップさもありながらなぜか不思議な浮遊感覚も。10曲目の方は耽美的なバラード。2人のベーシストも曲の雰囲気によって使い分けられていて、うまいと思います。エディ・ゴメスは4、6-7、10曲目に参加していて、繊細さを要求される曲を主に演奏。(01年11月21日発売)

2022/06/17

As If.../Masahiko Sato

Satohasif さて、デイヴ・ホランドは該当時期の録音がほとんどECMだったので飛び越えて、エディ・ゴメスに移ります。今日のアルバム、まだLP全盛期に出たCDなので枚数が少なく、集めづらいCDの残り3-5枚ぐらいまでになりました。やっと見つけてヤフオクで少々プレミアがついて競り落とし、落としてみたら出品者がネットのお知り合いだったというおまけつき。佐藤允彦のアルバムも割と集めていて、これも特集ができそうなんですけど、今のところはぐっとこらえてます。今日のトリオはメンバーからして、ジャズなんだけどデジタルな香りのするトリオで、ちょうどマンハッタン・ジャズ・クインテットとかぶっていて、おもしろい。やっぱりこのメンバー、好きだなあ。

 

As If.../Masahiko Sato(P)(Denon) - Recorded February and March, 1985. Eddie Gomez(B), Steve Gadd(Ds) - 1. Cajuput Trip 2. Waltz For Debby 3. Nardis 4. Dead End 5. How My Heart Sings 6. As If... 7. My Foolish Heart 8. Israel

(01/01/06)ピアノ・トリオによるアルバム。メンバーがメンバーなので、けっこうデジタルな感じがします。8曲中5曲はビル・エヴァンスの愛奏曲というところも特色で、おなじみの曲がずらりと並んでいて楽しめ、また一味違ったサウンドを感じることができます。オリジナルの1曲目は、カッチリしていてスティーヴ・ガッドのドラムがかっ飛ぶようでカッコ良い。やはり叙情的な2曲目、エキゾチックでややアヴァンギャルドな3曲目、ハードなフリー・インプロヴィゼーションの4曲目、優しい感じのする5曲目、内向的な渋さときらめきを感じさせるオリジナルの6曲目、リハーモナイズされたおなじみの7曲目。8曲目はけっこうオーソドックスな響き。やっていることはスゴくて新しいけれども、聴きやすいアルバム になっています。

2022/06/16

My Room Another Side/ウィリアムス浩子

Williamsanother 今日は新譜が届いたので、それを先に。もう4-5年前になるか、ウィリアムス浩子さんのミニアルバム出た頃に聴かしてもらって、もう4枚のシリーズが出たあとにまとめて注文しました。普段はあまりヴォーカルものに触手が動くことはないのですが、その後はファンであり続け、旧譜、新譜、CDで出たものは全部揃えてしまいました。やはり他のヴォーカリストとは一線を画す歌唱力なのでは、と思います。このところ出てないなあ、と思ったら、昔出たサンプラー音源(この存在自体知らなかった)に1曲追加して発売、とうれしいニュースが。CDとして、今回購入できてうれしく思います。

 

My Room Another Side/ウィリアムス浩子(Vo)(Berkeley Squiare Music)
My Room Another Side/Hiroko Williams(Vo)(Berkeley Square Music) - Recorded 2014-15 and 2021. Takayoshi Baba(G) - 1. My Wild Irish Rose 2. Scarborough Fair 3. The Water Is Wide 4. Night And Day 5. 朧月夜

収録時間18分のミニアルバム。トラディショナル2曲、スタンダード2曲と日本の曲1曲。元は雑誌「オーディオアクセサリー」での配布用のサンプラー音源に、1曲録音を足して(4曲目)発売されたとのこと。演奏もギター1本とシンプル(場所によっては多重録音になっていますが)で、ヴォーカルの良さを最大限に引き出しているし、埋もれさせておくのが惜しい音源が、とうとう発売されたか、と思います。元々のMy Roomシリーズとつながっているようなサウンドや歌い方なのもいい。2、4曲目はやや活気があり、後半にスキャットもあるけど、基本的には落ち着いて聴けるアルバム。編成のシンプルさを活かしつつ、歌に味わいがあって、やはり話題になるヴォーカリストなんだなあということを、改めて何度も聴きながら思いました。(22年6月15日発売)

2022/06/15

Fellini Jazz/Kenny Wheeler, Chris Potter, Enrico Pieranunzi, Charlie Haden, Paul Motian

Fellinijazz 今になって気が付いたのですが、かなりすごいメンバーでの演奏です。今となってはこのメンツでは聴くことができないのが残念ですが。しかもこのメンバーでのイタリア映画音楽集。レーベルもCam Jazzですね。ジャズ的にガンガンいくこともあったりはしますけど、けっこう聴きやすくて美しいメロディも散りばめられている、変化に富んだ演奏です。やはりメロディアスなコード進行の曲が多めなのも影響しているのかもしれません。ジャズの企画アルバムではけっこう好みです。これもチャーリー・ヘイデンつながりでの演奏で、紹介するのは今日までなのですが、いいアルバムが残っていてくれました。

 

Fellini Jazz/Kenny Wheeler(Tp, Flh), Chris Potter(Ts, Ss), Enrico Pieranunzi(P), Charlie Haden(B), Paul Motian(Ds)(Cam Jazz) - Recorded March 3-5, 2003. - 1. I Vitelloni 2. Il Bidone 3. Il Bidone 4. La Citta Delle Donne 5. Amarcord 6. Cabiria's Dream 7. La Dolce Vita 8. La Dolce Vita 9. La Strada 10. Le Notti Di Cabiria 11. Fellini's Waltz

イタリアの映画監督フェデリコ・フェリーニへのトリビュート・アルバムで、主にニーノ・ロータ作の映画音楽。エンリコ・ピエラヌンツィの曲も2曲ありますが、他の映画音楽の雰囲気にうまく溶け込んでいます。かなりスゴいメンバーの組み合わせ。曲調はジャズということを強調するわけでもなく、かといってイージー・リスニングにもなることなく、それでいて一本張りつめたものを持っています。美しいメロディが印象的に残る曲が多いのですが、やはりメロディが命の映画音楽だからで、そのエッセンスに寄り添っているジャズ、というのが近い雰囲気かも。3曲目の静かなバラードも、聴きやすくはあるけれども、そのやり取りはかなり高度なインプロヴィゼーションでせまってきます。そんな中で8曲目の前半は4ビートでジャズっぽい。(03年9月10日発売)

2022/06/14

Jim Hall & Basses/Jim Hall

Jimandbassis ジム・ホールの晩年は、意外にとんがっているアルバムを出していたのですが、このアルバムもそうかもしれません。ベースとのデュオ、ないしは2ベースとのトリオという、けっこう冒険的なことをやっていて、一部のスタンダードも含めて、少々とっつきにくいラインでギターを弾いています。歳をとって落ち着く人もいれば、そうでない人もいるし、いろいろなのですが、彼のこの時期の一連のアルバムを購入して、少々戸惑いもあったのも確かです。ブラインドで聴くと、ある程度の若手の実験的なアルバムではないかなあ、と思うかもしれません。収録時間は68分で、けっこう長めのアルバムです。

 

Jim Hall & Basses/Jim Hall(G)(Telarc) - Recorded January 7 and 8, 2001. Scott Colley(B), Charlie Haden(B), Dave Holland(B), Christian McBride(B), George Mraz(B) - 1. End The Beguine! 2. Bent Blue 3. Abstract 1 4. All The Things You Are 5. Abstract 2 6. Sam Jones 7. Don't Explain 8. Dog Walk 9. Abstract 3 10. Besame Mucho 11. Dream Steps 12. Abstract 4 13. Tango Loco

それぞれのベーシストとのデュオ、または曲によっては2ベースでのトリオ。3曲がスタンダードの他はジム・ホールの作曲、またはメンバーによるインプロヴィゼーション。オリジナルはけっこうマニアックな作りになっているものが多く、聴きやすい曲とは対極にあって地味なものが多い感じ。また、だいたいは控え目な演奏に終始しますが、デュオなだけに5人のそれぞれのベーシストの個性が出ていて面白いと思える部分もあります。「アブストラクト1-4」の4曲はフリー・インプロヴィゼーションのようでちょっと緊張する印象。ホッとするスタンダードもアレンジは個性的でもあり、やっぱりアルバムはマニア向け? チャーリー・ヘイデンは3、7曲目に、デイヴ・ホランドは1、6曲目に参加 しています。(01年9月21日発売)

2022/06/13

American Dreams/Charlie Haden with Michael Brecker

Charlieamerican チャーリー・ヘイデンのリーダー作の紹介は今日で一段落。それにしてもやたらに豪華なアルバムが並んでいますね。今日のアルバムも、メンバーを見てびっくり、という感じです。バラードの曲を多く取り上げていて、余裕を持たせていますが、11曲目のようにちょっと元気な曲もあったりして、うまくバランスが整っています。ストリング・オーケストラも場所によっては出てきて、ゴージャスな感じがします。それでいて、どこで聴いてもヘイデンの粘り気のあるベースが分かるのがいいですね。そこにマイケル・ブレッカーのサックスが朗々と吹いてきて、たまりません。ただ、ジャズと言うよりはフュージョン的な要素も入っているのかな、とも思いますが。

 

American Dreams/Charlie Haden(B) with Michael Brecker(Ts)(Verve) - Recorded May 14-17, 2002. Brad Mehldau(P), Brian Blade(Ds) with String Orchestra - 1. American Dreams 2. Travels 3. No Lonely Nights 4. It Might Be You 5. Prism 6. America The Beautiful 7. Nightfall 8. Ron's Place 9. Bittersweet 10. Young And Foolish 11. Bird Food 12. Sotto Voce 13. Love Like Ours 14. Some Other Time

ストリング・オーケストラも参加しているバラード・アルバム。パット・メセニー、キース・ジャレット、デイヴ・グルーシンらの曲もあり、リラックスした演奏を聴くことができます。ここに参加している4人の演奏が悪かろうはずがなく、相変わらずチャーリー・ヘイデンの包みこむような、ねばる音色のベースも心に残ります。そして、バラードでありながらやさしく語りかけてきて、曲によっては燃え上がるマイケル・ブレッカーのサックスも印象的。ピアノも当然のことながらサウンドにマッチしています。11曲目のオーネット・コールマンの曲はバラードではありません。これはこれで面白く、曲の配列は自然。より広い購買層を意識した作りになっているようですが、その美しいメロディには心を奪われます。 広い層で聴けます。(02年9月28日発売)

2022/06/12

Nocturne/Charlie Haden

Charlienoctu チャーリー・ヘイデンの、ジャズのようでいて4ビートではない、それでいて哀愁も漂って心地よいアルバムが続きます。キューバやメキシコのバラードが中心ということなので、やはりこういうのはヘイデンにしかできないなあ、と改めて思います。ゴリゴリのアルバムもある反面、この時期はこういうアルバムが多めですね。彼がもう少し長生きしてくれていたら、もっとこの世界を追求してくれていたなあ、とは思っても、それもかなわぬ夢ではありますが。ゴンサロ・ルバルカバもゴリゴリ弾こうと思えばできる人ですが、その片鱗を持ちつつ、曲調に合わせてくれていて、なかなか味があります。

 

Nocturne/Charlie Haden(B)(Verve) - Recorded October 27-31, 2000. Gonzalo Rubalcaba(P), Ignacio Berroa(Ds), Pat Metheny(P), David Sanchez(Ts), Federico Britos Ruiz(Vln), Joe Lovano(Ts) - 1. En La Orilla Del Mundo (At The Edge Of The World) 2. Noche De Ronda (Night Of Wandering) 3. Nocturnal 4. Moonlight (Claro De Lina) 5. Yo Sin Ti (Me Without You) 6. No Te Empenes Mas (Don't Try Anymore) 7. Tranparence 8. El Ciego (The Blind) 9. Nightfall 10. Tres Palabras (Three Words) 11. Contigo En La Distancia/En Nosostros (With You In The Distance/In Us)

キューバやメキシコのバラード集に、オリジナルを加えた構成とのこと。哀愁漂う曲もあれば、和める曲もあって、さすがチャーリー・ヘイデンのアルバム、と思いました。いわゆる4ビートジャズではなくて、穏やかな美しいメロディの曲が満載といった内容。モロにキューバやメキシコという感じでもなく、やや洗練されたサウンドではあります。ここでのゴンサロ・ルバルカバはしっとり感の高いゆったりとしたピアノ。トリオを中心にゲストが適材適所で参加。オリジナルも他の曲と違和感なく溶け込みます。 ヘイデンのこのところのアルバムの傾向ですが、癒し、と言うか、夜のくつろいだ時間にこんなアルバムをかけてみたい、という気にも。パット・メセニーは2曲目に参加。ゆったりしたメロディアスなギターが良い感じ。(01年4月21日発売)

2022/06/11

Don't Know/Claudio Scolari Project

Claudiodontk新譜がイタリアから届いたので先に。このアルバム(というよりこのミュージシャン)、国内でのCDの取り扱いはないですが、アマゾンその他、ストリーミングでは聴くことができますので、そちらの方を。今回は完全即興の演奏なので、少々聴く人を選ぶかもしれません。その方法はフリー・ジャズとか、近年のフリー・インプロヴィゼーションというよりは、フリー・ジャズ・ファンクと言っていいかなあ、と思うような独特なサウンドになっています。ベースがエレクトリック・ベースなので、彼の絡み方がポイントかな。ちょうど曲とフリーの間を行ったり来たりということもあるので、ある程度聴きやすいこともあります。まずはストリーミングで。

 

Don't Know/Claudio Scolari(Ds, Synth Prog) Project(Principal Records)(輸入盤) - Recorded December 2021. Daniele Cavalca(Ds, P, Key, Synth), Simone Scolari(Tp), Michele Cavalca(B) - 1. Siculaiana 2. Binary Code 3. E-Walzer 4. Goose Bumps 5. Don't Know 6. Fireworks 7. Wet Sand 8. Underground Wave 9. Sentimentale 10. Night Moon 11. Cold Water

(22/06/09)7曲目のみSimone ScolariとDaniele Cavalcaの作曲で残りは全曲Claudio ScolariとDaniele Cavalcaの作曲(というより今回は即興での録音らしい)。収録時間は62分。静かな場面も織り交ぜて、緩急自在にエレクトリック・ファンク的な感じとフリーなフレーズが入っている、現代版のフリー・ジャズの感覚。タイトにはキメを作らず、自由なアプローチをしているところがテンポのあるフリージャズ的な部分もあって、テープを回して録音、それをそのまま編集して音楽に仕上げた感じで、独特なグループの感覚を持っています。エレクトリックベースもテンポを刻むよりは、インプロヴィゼーションとして参加している部分が多く、かなりの部分がフリー・ファンクという感じです。静かな曲も手法としては同じだけど詩的な雰囲気も。

2022/06/10

The Art Of The Song/Charlie Haden Quartet West

Charlietheart おなじみチャーリー・ヘイデンのクァルテット・ウェストですが、このアルバムはストリングスとヴォーカル曲がふんだんに使われていて、ジャズと言うよりは古き良き時代のヴォーカル・アルバムを聴いているような雰囲気になります。いろいろなことがやりたかったのだとは思うけど、こういうこだわりも大切だなあ、と思います。そしてベース・ソロとか、アーニー・ワッツのサックス・ソロとかが効果的に散りばめられていて、ああ、やっぱりクァルテット・ウェストの録音なんだなあ、と分かります。疲れている時など、こういうアルバムを聴くと落ち着きますね。彼のいろいろな面のひとつがこれですね。

 

The Art Of The Song/Charlie Haden(B, Vo) Quartet West(Verve) - Recorded February19-22, 1999. Ernie Watts(Ts), Alan Broadbent(P), Larance Marable(Ds), Shirley Horn(Vo), Bill Henderson(Vo), Murray Adler(Cond, Vln), etc - 1. Lonely Town 2. Why Did I Choose You 3. Moment Musical Opus 16 n゚3 In B Minor 4. In Love In Vain 5. Ruth's Waltz 6. Scenes From A Silver Screen 7. I'm Gonna Laugh You Right Out Of My Life 8. You My Love 9. Prelude En La Mineur 10. The Folks Who Live On The Hill 11. Easy On The Heart 12. Theme For Charlie 13. Wayfaring Stranger

2人のヴォーカリストを起用し、チャーリー・ヘイデン本人のヴォーカル(13曲目)を含め、合計9曲がヴォーカルの曲になっています。また、ストリングスがもっと前面に出てきたことで、古き良き時代をしのばせる、ゆったりとした渋い演奏が繰り広げられています。その渋さ度は、前作にも増して強いもので、セピア色にくすんだ古い映画の音楽を聴いているような味わいは一度聴くと病みつきになってしまいます。曲も見た限り有名なものではないようです。合間にアレンジされたクラシックのインストルメンタルの曲(3、9曲目)などが挟み込まれていて、それがまた渋い。 懐かしい映画音楽を聴いている感じで、いわゆるモダンジャズとは別ものですが、こういう音楽を求める人は多いのではないでしょうか。(99年8月1日発売)

2022/06/09

The Amulet/Conrad Herwig Quintet

Conradtheamu リッチー・バイラークのサイド参加作品で、どうしても見つからず、ストリーミングにもなくて掲載をいったんは断念したのがこのアルバム。他のCDを探すときに偶然見つけて、割り込ませてアップすることができました。マイナーなレーベルゆえに、入手は今となっては難しいかもしれませんが、こういうアルバムもあるということで。まず、メンバーがすごいことになっていますね。それで割と硬派でシリアスなジャズをやっているのでカッコいい。年代的には録音が’91年ですけど、’98年頃から積極的に輸入盤を購入するようになりました。そのあたりで買ったもの。このアルバムもいかにも輸入盤と言う感じの装丁なんですけど、やっているジャズは一流です。

 

The Amulet/Conrad Herwig(Tb) Quintet(Ken Music)(輸入盤) - Recorded April 8 and 9, 1991. Randy Brecker(Tp, Flh), Richie Beirach(P), Ron McClure(B), Adam Nussbaum(Ds) - 1. The Amulet 2. Recurrent Dreamscape 3. Wake Up 6 4. Radius 5. Invisible Means 6. Boston Harry 7. Warm Sunday 8. Refraction

(00/10/16)けっこう名が売れているメンバーでの演奏。8曲中6曲がコンラッド・ハーヴィグのオリジナル。彼のトロンボーンはけっこうスゴい。この取り合わせだと、どうしてハードな演奏の時も温度感が低い感じがするのでしょうか。曲によってはそれなりにエキサイティングではありますが。1曲目のタイトル曲は短い間隔でソロの交代もあり疾走感があります。研ぎ澄まされた静けさが支配するバラードの2曲目、渋めでゆったりした6拍子(?)の3曲目、モードっぽい曲の4曲目、これまたゆったりした5曲目、やはりモードっぽい リッチー・バイラーク作の6曲目、浮遊感のあるメロディをホーンが奏でるロン・マクルーア作の7曲目。8曲目はフリーっぽい静かな出だしからだんだん盛り上がっていきます。

2022/06/08

The Montreal Tapes/Charlie Haden Liberation Music Orchestra

Charliemontlibera チャーリー・ヘイデンのモントリオールのライヴの最終日(8日目)のライヴの録音。メンバーもなかなか興味深いです。この後の’90年にはDIWレーベルで、スタジオ録音をしていますが、曲目は1曲重なるだけですが、メンバーは重なるメンバーが多いようです。どこでどういう風に演奏してもリベレーション・ミュージック・オーケストラになるというのは面白い。ヘイデンの粘り気のあるベースがカギになっている部分も大きいのかなと。割とこのあたり(モントリオールのライヴ)、ストリーミングでも聴けるものが多いので、興味のある人は聴いてみると面白いかもしれません。毎日相手を変えて、よく連続で演奏できたと思いますが、ジャズの世界では、それが当たり前か。

 

The Montreal Tapes/Charlie Haden(B) Liberation Music Orchestra(Verve) - Recorded July 8, 1989. Tom Harrell(Tp), Stanton Davis(Tp), Ken McIntyre(As), Ernie Watts(Ts), Joe Lovano(Ts), Ray Anderson(Tb), Sharon Freeman(Frh), Joe Daley(Tuba), Mick Goodrick(G), Geri Allen(P), Paul Motian(Ds) - 1. La Pasionaria 2. Silence 3. Sandino 4. We Shall Overcome

邦題「ライヴ・アット・モントリオール5」。このアルバムの4曲ともリベレーション・ミュージック・オーケストラの3枚のアルバムからの曲で、いずれも印象的な曲。また、’90年録音の3作目「ドリーム・キーパー」と参加メンバーが多く重なっているのも興味深いところ。哀愁漂うメロディとアグレッシヴなサウンドとフレーズが同居しています。1曲目はサックスのフレーズをはじめ、ジェリ・アレンのピアノなど、各パートのソロがスゴい。しかも24分の長尺もの。2曲目はホーンがゆっくりと盛り上がっていって厳かなベースソロで締めくくります。3曲目は映画音楽になりそうな短調の曲と思いましたが、実際に映画用に作曲されたもの。4曲目はトラディショナルで、これも大作。ですがアドリブ合戦で盛り上がった曲。(99年8月1日発売)

2022/06/07

The Montreal Tapes/Charlie Haden/Joe Henderson/Al Foster

Charliemontjoealチャーリー・ヘイデンのモントリオール・ライヴは全部で8日間あり、このうち6枚分はブログにアップ済み。まあ、パット・メセニーのはブートだし、エグベルト・ジスモンチのはECMから出ていますが。今日のアルバムは初日の模様を録音したものだそうです。たまたま発売時期が’99年から’04年5月に挟まっているものはブログに出てこないので、それで探し出しをしています。今日のアルバムはテナー・トリオで、しかも66分で4曲の演奏と、ライヴならではの長尺な演奏が収められていて、それだけでも興味深いですね。ヘイデンのベースがなかなかいい塩梅で録音されていて、それだけでも心地よいです。

 

The Montreal Tapes/Charlie Haden(B)/Joe Henderson(Ts)/Al Foster(Ds)(Verve) - Recorded June 30, 1989. - 1. Round Midnight 2. All The Things You Are 3. In The Moment 4. Passport

一連のチャーリー・ヘイデンのモントリオール・ライヴの初日にあたる作品。テナー・トリオでの全4曲を67分と、どれも長尺な演奏。もったりしたヘイデンのベースと、円熟味を増して時にメロディアス、時に饒舌なジョー・ヘンダーソンの味のあるサックスの対比が面白い。1曲目「ラウンド・ミッドナイト」はどことなく沈んだ、それでいて都会的な色合いの夜景をもたらしてくれます。2曲目「オール・ザ・シングス・ユー・アー」はサックスがメロディを唄いつつも、時おり アドリブの奥深いところへ彷徨っていき、ベース、そしてドラムスとソロで引き継いでいく19分台の曲。3曲目はヘイデン作のきわめて自由な広がりと展開を見せる彼らしい14分台の曲。4曲目は延々20分におよぶチャーリー・パーカー作のノリの良い曲。(04年1月21日発売)

2022/06/06

Quartet West/Charlie Haden

Charliequartetwピアニストはだいたい終わったので(全部ではないですが)、次はどこへ行くか迷います。気になったのでベーシストのチャーリー・ヘイデンにちょっと立ち寄ってみようかと。このアルバム、遅れて中古で購入したものですけど、このグループのシリーズ、けっこう聴きやすくて良いので、ある意味ハマってしまいました。メンバーもちょっと意外性がありますよね。今でもこのアルバム、あまり入手しやすくはないようで、ストリーミングにも見つかりませんでした。幸い整然と整理されていた時期のアルバムなので、CDラックからはすぐに見つかりましたが。なんでこのメンバーが集まったのか、興味があります。収録時間は62分。

 

Quartet West/Charlie Haden(B)(Verve) - Recorded December 22 and 23, 1986. Ernie Watts(Ts, As, Ss), Alan Broadbent(P). Billy Higgins(Ds) - 1. Hermitage 2. Body And Soul 3. The Good Life 4. In The Moment 5. Bay City 6. My Foolish Heart 7. Passport 8. Taney County 9. The Blessing 10. Passion Flower

(00/07/08)その後このメンバーによって録音を重ねることになりますが、その第1作目。 チャーリー・ヘイデンのオリジナルは10曲中4曲あります。アーニー・ワッツの滑らかでメロディアスなサックスが印象的。スタンダードやジャズメン・オリジナルも多く、比較的聴きやすいジャズに仕上がっています。まだ、あまり古き良き時代の渋めなジャズやハードボイルドがかったジャズサウンドを追求しているわけではありませんが、それなりに渋めな感じ。メンバーの取り合わせの妙かもしれません。3、9曲目がオーネット・コールマンの曲ですが、4曲目のオリジナルの方がフリーっぽくてそれっぽい感じではあります。8曲目のベースソロの曲も牧歌的で良い感じ。9、10曲目はCDのみのボーナス・トラック。

2022/06/05

Danish String Quartet/Beethoven/Mendelssohn/Bach/Prism IV

2564久しぶりにECM New Seriesです。もともとの予定より2週間遅れての到着。1枚だけの注文だったのですが、今月20日の注文3枚のうち、2枚が在庫になっているのでこっちに入れておいた方が良かったかな、と少々反省。さて、今になって2500番台なんですけど、以前アンドラーシュ・シフのベートーヴェンのピアノ・ソナタ集にもあったように、番号を取っておいて、後からその枠を埋めていく方式。これってECMがけっこう力を入れているときの手法です。今までのシリーズでバッハ(小品ばかりですが)とベートーヴェンを取り上げているので、それが中心に回っていくシリーズかなと思います。

 

Danish String Quartet/Beethoven/Mendelssohn/Bach/Prism IV(ECM New Series 2564)(輸入盤) - Recorded September 2018. Frederik Oland(Vln), Rune Tonsgaard Sorensen(Vln), Asbjorn Norgaard(Viola), Fredrick Schoyen Sjolin(Cello) - Johann Sebastian Bach: 1. Fugue In G Minor Ludwig Van Beethoven: 2-6. String Quartet No.15 In A Minor Felix Mendelssohn: 7-10. String Quartet No.2 In A Minor

(22/06/03)バッハは18世紀ドイツの作曲家、ベートーベンは18-19世紀ドイツの作曲家、メンデルスゾーンは19世紀ドイツの作曲家。ここまでこのストリング・クァルテットのアルバムはシリーズになっていて、バッハとベートーヴェンは必ず入っています。バッハは小品ばかりだけど。収録時間は79分。レーベルとして力の入っているオーソドックスなクラシック作品なので、シリーズで聴いてみてもいいかも。落ち着いて聴ける演奏です。

2022/06/04

Tidal Wave/Masahiko Togashi, Richard Beirach

Togashitidal 富樫雅彦のCDも集めていた時期があって、ブログに全然取り上げていないアルバムがけっこうあります。これを今後どうしようか、迷うところですが、たまたま今回、1枚取り上げる機会がありました。先日のポール・ブレイとのアルバムも良かったですけど、リッチー・バイラークもフリーでも全然OKなピアニストなので、2人のあうんの呼吸というか、息もぴったりです。彼のアルバム、ストリーミングではあまり出てない(これもない)のが少々残念ですけど。長い時間も気にせずに、息をのむようなフリーというのは、なかなか出会えるものではないので、そちら方面が好きな方は聴いてみるといいかと思います。「カフナ」との2in1CDも持っていますが、苦闘の末、偶然見つけて、聴くことができました。ジャケ写はほぼ同じで黒枠がないです。

 

Tidal Wave/Masahiko Togashi(Per), Richard Beirach(P)(P.J.L.) - Recorded June 21, 1978. - 1. Essence 2. Tidal Wave

邦題「津波」。東京でのデュオのライヴ。曲は2曲で、それぞれが31分、16分と長尺なフリー・インプロヴィゼーション(1曲目はクレジットでは富樫の作曲)。2人ともクールでシャープな印象があって、その瞬間瞬間で構築されていく世界は見事。1曲目は静かな場面からはじまって、冷めた雰囲気を基調に場面場面でふつふつと情熱が地の底から湧き上がってくるような真剣勝負のやりとりを聴くことができます。個々の掛け合いをどうこう言うよりは、潮が満ち引きしていくかのようなインプロヴィゼーション。2曲目のタイトル曲は激しさも持つインプロヴィゼーションですが、富樫のビートを基調にして、こちらも緩急自在な展開です。 こういうライヴのフリーで、2人の呼吸がピッタリと合っているところがスゴいかも。(01年10月24日発売)

 

Kahuna/Richard Beirach(P), Masahiko Togashi(Per)(P.J.L.) - Recorded June 27, 1978. - 1. Kahuna 2. Essence

「津波+カフナ」の2in1のCD。「津波」は以前コメントを書いてますので「カフナ」についてこちらは書きます。’78年録音で、ダイレクト・カッティング(LP発売当時)の録音。やはりそれぞれ13分台、14分台の長めの曲になっています。1(3)曲目「カフナ」はソロ・ピアノの曲で哀愁も漂いつつ、メロディアスかつ温度感の低い出だしで、徐々に展開していく曲だけれども、他の曲で使われているモチーフが何回か顔を出していて、ちょっと興味深いです。やや抑制が効きつつも、自在にサウンドが物語性を帯びて変化して行き、それでもちゃんとまとまって着地しています。2(4)曲目は、富樫雅彦作曲の曲をデュオでの録音で、「津波」でも演奏されていた曲。こちらの方はスタジオ録音なので、収録時間もサウンドをまとめ上げて短くなっているような感じです。ヴァージョン違いを比べてみるのも面白いですが、聴く人にやや緊張感を強いる演奏。(04年2月18日発売)

2022/06/03

Maracaibo Cornpone/George Otsuka

Georgemaracai リッチー・バイラークの参加作品だけど彼の参加は2-6曲目で、菊地雅章は1、6曲目に参加。メンバーが曲によって変わります。今見ると’78年当時のことだったとはいえ、なかなかすごいメンバーです。それだけでも聴く価値はあるとは思います。1曲目がちょっと流しているようなクロスオーバーのように聴こえたのですが、それでもどうしてなかなか。2-3曲目あたりも何となくウェザー・リポートのフュージョン化したようなシリアスなサウンドで、なかなか興味深いです。4-5曲目だけ4ビートの純ジャズだけど、両方とも難なくこなしていけるのはやはりこのメンバーだからかなあ、と思いました。とりあえずは1度は聴いておいても損はないかと思います。

 

Maracaibo Cornpone/George Otsuka(Ds)(Art Union) - Recorded May 25 and 26, 1978. Steve Grossman(Ss), John Abercrombie(G), Masabumi Kikuchi(Key, Synth, Ds), Richard Beirach(P), Nana Vasconcelos(Per, Voice), Miroslav Vitous(B), Yoshiaki Masuo(G) - 1. Maracaibo Cornpone 2. Rainbows 3. Telegram 4. Who Got? 5. Ginger 6. Believer

まず、参加メンバーを見て、あまりにもスゴいのでビックリ。プロデューサーは菊地雅章。 曲はリッチー・バイラークとミロスラフ・ヴィトウスが2曲ずつ出しているので、実質的には彼らのアルバムかも。内容的にはジャズからハードなクロスオーヴァーにかけてさまざまです。タイトル曲の1曲目はいちばんクロス・オーヴァー寄り。ミロスラフ・ヴィトウスの高音域のアルコ弾き、あるいはエレクトリック・ベースへの持ち替え(1曲目)、ジョン・アバークロンビーやリッチー・バイラークらしいソロなど見るべきところは多く、結局のところミュージシャン買いをしてもたぶん後悔しないだろうな、と思います。ただし、いわゆる4ビートの純ジャズと言えそうなのは4曲目のみ。6曲目は非常に思索的な演奏 になっています。(99年7月23日発売)

2022/06/02

No Borders/Richie Beirach Trio

Richienoborder リッチー・バイラークはこの時期、立て続けにVenusレーベルからアルバムを出しています。当時は骨太のサウンドで、初期のECMの影響を受けていた私には意外な印象を受けましたけど、結局オールラウンドプレイヤーだったということで、納得はしています。ここでは他レーベルで共演していたグレガー・ヒューブナ―も2曲に参加して、クラシックに題材を求めていますけど、本格的にジャズのサウンドで演奏する場面もあって、やはり何でもできる人なんだなあ、と改めて思いました。このあたりストリーミングでも聴けるし、けっこう売れたCDだったので、中古その他で入手もしやすいのではないかと思います。これまたSJ誌のゴールドディスク。なんででしょうね。

 

No Borders/Richie Beirach(P) Trio(Venus) - Recorded May 7 and 8, 2002. George Mraz(B), Billy Hart(Ds), Gregor Huebner(Vln) - 1. Scenes From Childfood -Op15 #1 2. Pathetique -C Minor Slow Movement 3. Gnossiene #1, F Minor 4. Pavane -G Minor 5. Footprints In The Snow - Prelude For Piano Bk. 1-#6 D Minor 6. Siciliano -G Minor 7. Impressions Intimas -#1 A Minor 8. Prelude For Piano -#4 E Minor 9. Steel Prayers -Ballad For 9/11 WTC.

邦題「哀歌」。ゲストでグレガー・ヒューブナー(Vln)が参加(5、9曲目)。クラシックの作品をジャズとして演奏するという、彼ならではの色合いのアルバム。シューマン、ベートーベン、サティ、フォーレ、ドビュッシー、バッハ、モンポウ、ショパン。サウンドも多彩です。その表現はただジャズでやってみました的ではなく、クラシックの肌合いを残しつつ、時に大胆なジャズ・サウンドをうまく取り入れています。特に1、3曲目ではしっとりしたテーマにもかかわらずサウンドが展開して豪快な4ビートが聴ける場面も。8曲目もなかなか。他に自然に4ビートへ流れていく曲もあって、聴いていてなるほど、と思わせます。神経質な面と豪快さが同居していますが、繊細な表現がやや多い感じです。私はしっとり系が好み。9曲目のみオリジナル。(02年9月26日発売)

2022/06/01

Round About Federico Mompou/Richie Beirach

Richieroundfeリッチ・バイラークのアルバムで、フェデリコ・モンポウを多く取り上げたアルバム。当時は輸入盤国内仕様でACTレーベルが発売されていました。まだアルバムのデザインに統一感が出る前の時期ですね。このメンバーでは「ラウンド・アバウト・バルトーク」でも演奏していたんですが、クラシックとの折衷的なジャズにしてしまうのは得意ですね。収録時間も63分と、この時期では標準的な収録時間です。モンポウはあまり知らないのですけど、素朴な感じのある曲になっています。個人的にはけっこう好みの方です。クラシカルだと思ったら、本格的なアップテンポの4ビートのジャズの場面もありますけど。

 

Round About Federico Mompou/Richie Beirach(P)(ACT) - Recorded May 2001. Gregor Huebner(Vln), George Mraz(B) - 1. Impressions Intimas #1 2. Musica Callada #6 3. Fantasie On Musica Callada #10 4. Musica Callada #10 5. Bass Fantasie On Musica Callada #1 6. Musica Callada #1 7. Musica Callada #27 8. Around Musica Callada #27 9. Fantasie On Musica Callada #19 10. Around Musica Callada #19 11. Musica Callada #19 12. Musica Callada #18 13. Fantasie On Musica Callada #18 14. Musica Callada #15 15. Musica Callada #22

全15曲中、スペインのクラシック作曲家のフェデリコ・モンポウの曲が9曲あります。原曲を聴いたことがないのでよく分かりませんが、4ビートのジャズ的展開になる部分もあり、またハーモニーなどを聴いていると、オリジナルの雰囲気を伝えてはいるものの、アレンジの手はけっこう入っているのではないかと思います。もちろん哀愁漂うしっとり加減の曲の方が多いですが。2、11曲目は途中豪快なジャズの4ビートが続きます。6曲目もジャジーでスピーディーな展開。これに対して他の6曲はメンバーの1人または2人の作曲によるオリジナルで、モンポウにインスパイアされたと思わせる曲調。書かれたものかフリー・インプロヴィゼーションかは分かりませんが、オリジナルと並んでも違和感はありません。(01年12月21日発売)

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