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2022年4月の記事

2022/04/30

Phfew/Michael Cain, Peter Epstein, Ralph Alessi

Michaelphfew マイケル・ケインのこのレーベル2枚目のアルバムで、ピアノ、サックス、トランペットという変則編成のトリオ。やはり演奏は格調高いというか、ある種独特のサウンドを持っている3人です。とは言うもののあまり内省的ではなくて、飛び出るところはちゃんと飛び出ているし、うまく3者が絡み合って先に進んでいく感じも強いです。後に同じメンバーでECMにも吹き込むということで、その実力のほどは立証されていると思いますが。まあ、ちょっと聴く人を選ぶかもしれない、硬質なサウンドのジャズ。フリー的な展開もあったり、現代音楽のように聴こえたり、やはりこのメンバーだからかな、とも思います。

 

Phfew/Michael Cain(P), Peter Epstein(Ss, Ts), Ralph Alessi(Tp, Flh)(M・A Recordings) - Recorded September 1995. - 1. Crowd Theory 2. Egg 3. Clearly 4. Miss M. 5. Untitled 6. Active Transport 7. Osmosis 8. Strange Omen 9. Can't Stir Shoes With A Spoon 10. Wilma Ann

ほとんどがメンバーの作曲。ECMの「サーカ」と同じメンバーですが、こちらはそれより先の録音。 重なっている曲もあり、それは2、4-5曲目。5曲目の無題が後の「サーカ」に。メンバーの構成もピアノにホーンが2人で、現代音楽の要素も強く、頭で聴く音楽かも。哀愁の少しあるメロディとドライなバッキングの対比が面白い1曲目、ゆらゆらと揺れ続けるアンサンブルと叙情系のピアノの2曲目、 クラシックのアンサンブルのような3曲目、無調のパルスのような現代音楽的な4曲目、たゆたうように流れていく叙情的な5曲目、静かでやや観念的な小品が6、7曲目と続き、再演曲で複雑な構成を持つ、構築されたような11分台の8曲目、珍しくブルース・フィーリングのある9曲目、ゆったりと語りかける10曲目。

2022/04/29

Evidence Of Things Unseen/Michael Cain

Michaelevideマイケル・ケインのソロ・ピアノのアルバム。最初CDの現物が見つからず、ストリーミングにもないし、どうしようかと思っていたところでやっとCD棚の奥から探し出しました。所有CDの年代的には奥に整然と並んでいるはずだったのだけど、邦題が背に書いてあったという誤った記憶でてこずってしまいました。こういう世界はもう彼独自のピアノで、けっこう面白いとは思います。割とクラシック的にも聴こえますし、完全即興なのかどうかは分かりませんけど。今ではこのレーベルのCD、なかなか探すのが難しいとは思いますが、それでも検索するとメルカリでそんなに高くなく売られていたりしていましたね。

 

Evidence Of Things Unseen/Michael Cain(P)(M・A Recordings) - Recorded December 1994. - 1. The Evidence Of Things Unseen 2. All My Life 3. Maria Becomes Rotwang's Prisoner 4. Home Continuity 5. Kobe 6. Maria And Rotwang Struggle 7. Maria Dances Her Freedom 8. Memoria 9. TalkSpeak

邦題「見えざる物の証明」。ソロ・ピアノの世界です。マイケル・ケインの持つクラシック的な側面も、ジャズだけではなく、出ています。黒っぽさの薄められている世界。激しく弾かれているのに、なぜか知的な方向に走っていくピアノの1曲目、淡色系で叙情的なメロディのバラードが心に語りかけてくる2曲目、現代音楽的な速いパッセージ、そして沈静していく3曲目、明るい雰囲気で分かりやすいはっきりとしたサウンドを伝えてくる4曲目、音数少なく、クラシックのように、おそらくはレクイエムであるメッセージを持つ5曲目、多い音数の中からエキゾチックさが浮かび上がる6曲目、微妙な音使いでだんだんと曲を組み上げていく7曲目、しっとりとメロディを歌い上げていく8曲目、急速調ではじまりゴスペルタッチになる9曲目。

2022/04/28

Opening/Tord Gustavsen Trio

2742 ECMの新譜も2日目で一段落。実はもう1枚通販には入荷しているのですが、微妙に4日ほど遅れていて、次に届くのはもう少し先になりそう。トルド・グスタフセンも何枚もアルバムをECMから出していて、今では看板のピアニストの一人になっているのですけど、ここでも相変わらずのマイペースぶりです。こういう分かりやすくて穏やかな(一部ちょっとフリー寄りはありますが)ピアニストが好まれるんだろうなあ、と思います。現代北欧のピアニストらしく、10曲目にはエレクトロニクスを使用した曲もありますが、今となってはそんなに珍しいことでもないですし。穏やかな場面が多いので、愛聴盤になりそうです。

 

Opening/Tord Gustavsen(P, Electronics) Trio(ECM 2742)(輸入盤) - Recorded October 2021. Steinar Raknes(B, Electronics), Jarle Vespestad(Ds) - 1. The Circle 2. Rindings/Visa Fran Rattvik 3. Opening 4. The Longing 5. Shepherd Song 6. Helensburgh Tango 7. Re-Opening 8. Findings II 9. Stream 10. Ritual 11. Floytelat/The Flute 12. Vaer Sterk, Mim Sjel

(22/04/25)英語のタイトルのものはトルド・グスタフセンの作曲。収録時間は48分。12曲あるので、ギュッとエッセンスを凝縮したような演奏が多いです。1曲目を聴いていると、さすが北欧の美旋律のピアノ・トリオと思うのですが、ECMでは、フリーに近いような静かで少し緊張感を漂わせる場面を作ってもいます(2曲目など)。独特の静かな語り口で、これが人気の秘密だとは思うのですが、もう何枚もECMでアルバムを出していることで、それがうかがえます。時にはフリーに近い状態になるも、大部分が抑制された冷たい感触のリリシズムというか、独特な美学でおおわれていて、しかもメロディが分かりやすいところが多めなので、何度もアルバムを聴き返したくなります。ベーシストが交代してますが、大きな流れは同じ感じ。

2022/04/27

Return From The Stars/Mark Turner

2684 ECMの新譜も遅れ遅れながら届いていますので、聴いていきたいと思います。このアルバムを聴いていて、最初は持ち込み音源だと思ってました、アップテンポの4ビートの曲があったり、音数も多く割と元気な曲もあったからです。でもマンフレート・アイヒャーのプロデュースとのことで、やりたいように演奏させて、そしてミキシングでECMレーベルに似合うように完成させた、という感じです。マーク・ターナーにはもともと内省的な面も強かったですし。抑制されすぎずに音も出ているので、けっこう楽しめました。ただ、オリジナルばかりのこういうジャズなので、ある程度聴く人を選ぶかな、という感じもしました。

 

Return From The Stars/Mark Turner(Ts)(ECM 2684)(輸入盤) - Recorded November 2019. Jason Palmer(Tp), Joe Martin(B), Jonathan Pinson(Ds) - 1. Return From The Stars 2. Terminus 3. Bridgetown 4. It's Not Alright With Me 5. Nigeria II 6. Waste Land 7. Unacceptable 8. Lincoln Heights

(22/04/25)全曲マーク・ターナーの作曲。収録時間は64分。マンフレート・アイヒャーのプロデュース。2管のピアノレスのクァルテットで、その雰囲気はやはりクールだけど、今のジャズっぽく盛り上がる部分も多い。各楽器とも音数が多めの部分も少なくなく、普通に現代ジャズになっているので、全体のミキシングでECMにやや合わせている感じ。どこかひねくれたような曲作りになっていて、それは1曲目のタイトル曲でも感じます。テーマの部分はターナーの抑制的で内省的な性格があらわれてますが、テーマからして音数が多かったり4ビートで進行する曲もあります。ピアノがないだけ自由だけど、フリーに行きそうで結局はまとまる方向に。3、5曲目はその中でも元気な方なので、他レーベルで録音したらどうなっていたか。

2022/04/26

Jacob's Ladder/Brad Mehldau

Bradjacobs ブラッド・メルドーの新譜がほぼ1か月遅れで入手できたので、先に聴いていきます。実は待ちきれずにストリーミングで先に聴いていたのですが、ジャズファンとしてのメルドーファンはほぼ置いてきぼりを食らう内容かと思います。もうこれはプログレッシヴ・ロックそのものですもんね。しかも、若い頃好きだったらしく、その時代を再現するような、少しチープな音も混ざったりしていて、プログレに詳しい人だったら小躍りして喜ぶような内容。残念ながら私はプログレの洗礼を受けていないので、細かいところを楽しむところまではいきませんでしたが、それでもけっこう好きな部類には入ってきます。まあ、内容を確認してから買われた方がいいかもです。

 

Jacob's Ladder/Brad Mehldau(P, Key, Synth, Vo, etc)(Nonesuch)(輸入盤) - Released 2022. Luca Van Den Bossche(Voice on 1, 7, 9, 1-121), Mark Guiliana(Ds on 1-2, 7, 10, 12), John Davis(Elektron Octatrack on 1, Ds Prog on 4-5, 7), Joel Frahm(Ss on 2, 7, Ts on 7), Tobias Bader(Vo on 2), Becca Stevens(Vo on 2-3, 5, 9, 11-12), Tinkerbell(Vo on 2), Lavinia Meijer(Harp on 3, 12), Motomi Igrashi-de Jong(Linore on 5, 10), Chris Chille(Vo, Mandolin on 7), Pedro Martins(Vo, G on 8, 12), Safia McKinney-Askeur(Vo on 9-12), Timony Hill(Vo on 9, 11) Fleurine(Voice on 11), Cecile Mclorin(Vo), Paul Pouwer(B-Ds on 12), etc. - 1. -Maybe As His Skies Are Wide- 2. Herr Und Knecht (Master And Slave) 3. (Entr'acte) Glam Perfume 4. Cogs In Cogs I -Dance 5. Cogs In Cogs II - Song 6. Cogs In Cogs - Double Fugue 7. Tom Sawyer 8. Vou Crrendo Te Encontrar/Racecar 9. Jacob's Ladder I - Liturgy 10. Jacob's Ladder II - Song 11. Jacob's Ladder III - Ladder 12. Heaven: I - All Once. II - Life Seeker. III - Wurn. IV - Epilogue: It Was A Dream But Carry It Still

(22/04/24)往年のプログレッシヴ・ロック好きのブラッド・メルドーによる、プログレ好きのファンのためのプログレ。収録時間は何と70分。カヴァー曲や一部引用したものもありますが、それを気にしないでもプログレとしては楽しめます。彼の若い頃に影響を受けたサウンドを、当時のように今再現するという趣で、ジャズ度はほぼありませんので念のため。なのでジャズファンからは賛否両論意見が噴出しているようです。私はプログレの洗礼は受けていませんが、演奏で何曲かプログレをやったことがあり、ある意味変拍子ロックには親しみもあるので内容的にはけっこう楽しめました。なので、ジャズは置いておいて、再度書きます。往年のプログレッシヴ・ロック好きのメルドーによる、プログレ好きのファンのためのプログレ。

2022/04/25

What Means This?/Mike Cain

Michaelwhatmeマイケル・ケインのアルバムが続きます。ストリーミングで見てみると、このアルバムあたりはなく、知らないアルバムが並んでますけど、同姓同名も多そうだし、特にこの先手持ちでないアルバムを集める、という予定はないです。それにしてもモロにM-BASEという感じの曲もある(1曲目)録音になってますね。ただ彼らの時のサイドで参加する時よりはフリーもあるし、頭の方向で聴くアルバム、という感じはしますが。こういうアルバムがあるからなかなかCDを処分できないんだよなあ、と今更ながら思います。たぶん手放すと2度と聴くことができなくなる可能性が高いし。基本的にはピアノ・トリオで、一部6曲目だけドラマーが入れ替わり、パーカッション参加は1、3、8曲目です。

 

What Means This?/Mike Cain(P)(Candid) - Recorded March 27, 1991. Anthony Cox(B), Marvin "Smitty" Smith(Ds), Paul Hannah(Ds, Per) - 1. As I Gazed 2. What Means This? 3. Meander 4. Two Kims 5. How So? 6. Clearly 7. Figure Of Speech 8. Ginnette

(00/03/05)全曲マイク・ケインのオリジナルで勝負しています。比較的オーソドックスな編成ですが、それぞれの曲はやはり体よりも頭が反応するタイプ の曲が多く、そういう意味では非凡かもしれません。まず、メンバーがスゴい。1曲目はスリルある曲想で盛り上がります。2曲目のタイトル曲はジャズ的あるいは非ジャズ的なフレーズが交錯する世界。彼お得意の個性的で叙情からフリーにかけての世界を垣間見せる、10分台の3曲目はドラムソロもあります。叙情的と言えば、4、6曲目もけっこう静かで美しい曲。思索的でもあります。個性的ながら割とオーソドックスなジャズに聴ける5曲目、ドラムがキーポイントのスリルある展開を示す7曲目。メロディアスなピアノ中心のバラードの8曲目で幕を閉じます。

2022/04/24

Strange Omen/Mike Cain

Michaelstran マイケル・ケイン(当時はマイク・ケインと表記)のアルバム。当時はM-BASE方面で多く参加していて、このアルバムでも、けっこう個性的な智に勝ったようなジャズの演奏をしています。ビート感がほとんどないので、聴く人にとってみれば、けっこう斬新なのではないかなあ、と思います。こういうアルバムがCANDIDレーベルから、しかも国内盤で出ていた、というのは驚き。私は後追いでこのアルバムを発見して、購入していますが。常にこういうサウンドを聴いているわけではないですけど、たまに聴いてみるとやっぱりこういうサウンドも好きだなあと思います。後にECMでもアルバムを1枚出しています。

 

Strange Omen/Mike Cain(P)(Candid) - Recorded November 8, 1990. Bruce Saunders(G), Glen Velez(Per) - 1. Emanations 2. Strange Omen 3. Follow Through 4. Bestido Al Cielo De Noche 5. Piano Sketch No.1 6. Piano Sketch No.2 7. Piano Sketch No.3 8. Piano Sketch No.4 9. The Way Things Work 10. The Heroine's Serenity 11. Facing North

(00/09/12)編成も変わっていますが、その演奏もジャズ思索的寄り、と言ったイメージ。この時から個性は際立っています。2曲目のタイトル曲はけっこう複雑なメロディとリズムを持っています。1曲目はやっぱり頭で考えるジャズ、3曲目はブルース・サンダース作の比較的少々冷たい感じのする美しいバラード。心地良いテンポの中に不思議な浮遊感を伴う4曲目。インプロヴィゼーションで綴るソロピアノの5-8曲目は、文字通りスケッチで、やはり少々難解な響きを持ち合わせています。ブルース・サンダース作のノリが良くてギターがスリルある9曲目、美しいメロディを奏でるバラードの10曲目。フリー・インプロヴィゼーション的な展開を示しなからも興味深い11曲目。頭で考えるジャズかもしれません。

2022/04/23

Spain/Michel Camilo & Tomatito

Michelspain1ミシェル・カミロの競演作で、彼に関しては今日で一段落。このアルバム、結局国内盤で出たものの、先に輸入盤を銀座の山野楽器で見つけ、入手しました。当時はお客さんが銀座にあり、行き帰りに寄れるときは立ち寄って輸入盤をメインにチェックしていたものでした。このアルバムについては、珍しく国内盤より高かった記憶があります。ラテンとスパニッシュの融合で、聴いていてもなかなか迫力があります。特に出だしの方の「スペイン」はチック・コリア本人が弾いているのと同じくらいに面白い。アップテンポの曲もあれば、しっとりとしたバラードも。彼らはこの後にも「スペイン・アゲイン」と「スペイン・フォーエヴァー」いうアルバムを出しています。(ブログアップ済み)

 

Spain/Michel Camilo(P) & Tomatito(G)(Verve) - Recorded August 1999. - 1. Spain Intro 2. Spain 3. Besame Mucho 4. A Mi Nino Jose 5. Two Much/Love Theme 6. Para Troilo Y Salgan 7. La Vacilona 8. Aire De Tango

(00/04/12)ピアノとフラメンコ・ギターとのデュオ。 有名な曲やオリジナルなど、さまざま。ラテンジャズのレーベルよりの発売。ミッシェル・カミロはかっ飛ぶということは少なくなりましたが、それでも曲によってある程度豪快なサウンドには仕上がっています。1曲目は2曲目のイントロで「アランフェス協奏曲」のテーマが流れ、タイトル曲の チック・コリア作の2曲目になだれ込みます。迫力。緩急自在でそのメロディとソロに哀愁漂う3曲目、いかにもスパニッシュといった感じの元気の良い4曲目、静かに淡々と進行していく 唯一のミシェル・カミロ作の5曲目。6-8曲目にかけては短調ですがスパニッシュらしい爽やかな盛り上がりです。息の合ったデュオの演奏で、やはり2曲目「スペイン」あたりが印象的。(00年7月1日発売)

2022/04/22

Live At The Blue Note/Michel Camilo

Michelblueno ミシェル・カミロの、おそらく初のライヴ作で2枚組。ベースがアコースティックになっているけど、彼の個性を活かした破壊力はこのアルバムでも十分にあるのでは、と思います。ライヴだけどオリジナルも多く、ここまで突き進んでくれると、かえって聴いていてせいせいするかも。もっとも、彼のデビューの頃よりその超絶ぶりは見事だったので、満を持してのライヴ版の発売だったのでしょうね。今は新譜を見る機会が減ってますけど、テラーク時代までは、けっこうアルバムがコンスタントに出てました。リーダー作としては、ここまでの紹介(あとはブログにアップ済み)になりますが、自分の中ではインパクトの大きいピアニストでした。

 

Live At The Blue Note/Michel Camilo(P)(Telarc) - Recorded March 19-22, 2003. Charles Flores(B), Horacio "El Negro" Hernandez(Ds) - 1. Cocowalk 2. Two Of A Kind 3. Hello Goodbye 4. The Magic In You 5. Tequila 6. Dichotomy 7. Twilight Grow 8. Happy Birthday/Blue Bossa 9. This Way Out 10. On The Other Hand 11. Mongo's Blues 12. Thinking Of You 13. At Night (To Frank) 14. Why Not! 15. Silent Talk 16. See You Later 17. And Sammy Walked In 18. On Fire

CD2枚組。ベースとドラムスはキューバ人で、ここではベースがアコースティックなのが特徴。ドラムスもスゴい。大半がオリジナルで、4、7、12、15曲目のような静かなバラードもありますが、けっこうノレる曲が多いです。再演曲は3、8(後半)-10、12、14、18曲目。14曲目「ホワイ・ノット」の再演がうれしい。5曲目 の「テキーラ」はストレートに見せかけて8分の7拍子と変則的。とにかく彼らのラテン・ジャズをノッて楽しんでしまった方が得なのですが、サウンドは楽しいながらも現代的で複雑な部分も。6曲目のように鋭く切れ込んでくる曲もあります。8曲目の「ブルー・ボッサ」はソロ・ピアノで迫力。16曲目はテーマでキメが多し。17曲目もけっこうズッシリときます。18曲目はラストにふさわしい12分台の盛り上がる曲。(03年9月26日発売)

2022/04/21

Triangulo/Michel Camilo

Micheltriang ミシェル・カミロもこの頃はテラーク・ジャズに移っていますが、今回のアンソニー・ジャクソンとオラシオ・”エル・ネグロ”・エルナンデスとのトリオはけっこう当時好きで、たぶんこのアルバムもけっこう何回も聴いていたんではないかと思います。もちろん演奏は文句なしだし。やはりカミロのラテン風味を出すには、当時ではベストの布陣ではなかったかと。ドラマーは最近名前を見かけなくなったのはちょっと気になりますが。理屈うんぬんよりも、とにかく聴け、って感じのアルバムですね。これだけノレるアルバムもなかなかないのでは。純粋なラテンではちょっと抵抗あるけど、ラテンジャズなら、って人にはぜひ。

 

Triangulo/Michel Camilo(P)(Telarc) - Recorded August 1-6, 2001. Anthony Jackson(B), Horacio "El Negro" Hernandez(Ds) - 1. Piece Of Cake 2. La Comparsa 3. Mr. C.I. 4. Afterthought 5. Anthony's Blues 6. Con Alma 7. Las Dos Lorettas 8. Just Like You 9. Descarga For Tito (Puente) 10. Doctom-Bustion

相変わらずゴキゲンなラテンジャズ・ピアノ。10曲中6曲が彼の作曲または共作。メカニカルな部分やキメも多い現代的なラテンの音。これでもか的なピアニストが、トリオを組んで、メンバーの個性が絶妙なバランス。1-2曲目を聴いて、昔に比べて少し丸くなったかな、と思っていたら、3曲目でかなりハードな世界に突入していきます。細かいリズムのキメが心地良い5曲目、しっとりした響きをもって伝わってくる「コン・アルマ」の6曲目、マイク・マイニエリ作のこれまたキマリまくる7曲目。こういう時には4、8曲目のような、オリジナルである静かなバラードの曲も、彼ながらのメロディで美しいし、ホッとします。9、10曲目など曲によっては 変拍子もありますが、その9曲目がティト・プエンテに捧げられていて、不思議なグルーヴ感。(02年3月21日発売)

2022/04/20

Concerto For Piano And Orchestra/Suite For Piano, Strings And Harp/Caribe/Michel Camilo, Leonard Slatkin, BBC Symphony Orchestra

Michelconcertoミシェル・カミロのクラシックアルバム。一定のミュージシャンはクラシックの作曲をしたりすることが目立ちますが、彼もその一人。特にピアニストだと挑戦してみたい、ということが多いのでしょうね。でも、正統派というよりは、ピアノが譜面通りだったとしても、彼の個性が出ているので、逆に彼しか弾けないクラシック曲になっているのでは。2曲目の方はジャズのアルバムで既出の曲が多いので、そういう意味でも、果たしてクラシックに入れていいのか、という感じもしますけど。のちに「ラプソディ・イン・ブルー」のアルバムも作っている(ブログにアップ済み)ので、やっぱり単なる趣味を超えた入れ込み、ということは言えるかと。

 

Concerto For Piano And Orchestra/Suite For Piano, Strings And Harp/Caribe/Michel Camilo(P), Leonard Slatkin(Cond), BBC Symphony Orchestra(Telarc) - "Concerto For Piano And Orchestra" 1. Religiosamente - Allegretto - Allegro 2. Andante 3. Allegro "Suite For Piano, Strings And Harp" 4. Tropical Jam 5. Tango For Ten 6. In Love 7. Journey 8. Caribe(Improvisation For Solo Piano)

このアルバムは「協奏曲/器楽曲」で完全にクラシックのジャンルになっています。全てミシェル・カミロの自作。1曲目「ピアノとオーケストラのための協奏曲」は完全にクラシックなので、私にとってはどこを聴いてよいのか少々戸惑う部分があります。ただ曲調はクラシックながらラテン系というのかカリブの要素が場面によっては充満していて、なるほど彼らしいなあ、という感じではあります。2曲目「ピアノ、ストリングスとハープのための組曲」はジャズのアルバムで既出の曲(組曲の4曲のうち3曲)が多く、聴いたことがあるメロディ。ゴキゲン系な曲もあります。そして3曲目はソロピアノによる「カリベ」で、こちらはインプロヴィゼーション。こちらはいつもの彼らしいラテンタッチの演奏。 やっぱりジャズファンには3曲目か。(01年12月21日発売)

2022/04/19

Thru My Eyes/Michel Camilo

Michelthrumy これから少しの間ミシェル・カミロを聴いていきたいと思います。メジャーレーベルから出ていた時は国内盤で必ず出るものと信じていましたが、このアルバムは輸入盤でしか出ておらず(ストリーミングでは今聴けますけど)、店頭で見つけて慌てて買ったのを覚えています。その割にはバックのメンバーは有名な人たちばかりなんですけど。彼のラテンタッチもうまく生かしながら、ジャズメン・オリジナルを多めに演奏してくれるので、当時このアルバムに出会えて良かったです。パーカッションのいないピアノ・トリオでメンバーを代えつつの演奏はけっこういいです。機会のある人は聴いてみるといいのかも。しかし聴くのも体力がいります。

 

Thru My Eyes/Michel Camilo(P)(RMM Records)(輸入盤) - Recorded October 30-31 and November 1-2, 1996. Anthony Jackson(B), Horacio "El Negro" Hernandez(Ds), Cliff Almond(Ds), Lincoln Goines(B), John Patitucci(B) - 1. Poinciana 2. Perdido 3. Watermelon Man 4. A Night In Tunigia 5. Song For My Father 6. Armando's Rhumba 7. St. Thomas 8. Oye Como Va 9. Afro Blue 10. Mambo Inn 11. My Little Suede Shoes 12. Manteca

(99/02/10)ドラムスが2人、ベースが3人クレジットされていて、メンバーの組み合わせが曲ごとに変わります。それにしても贅沢な使い方。有名な曲が多く、純ジャズ、ラテン、フュージョンタッチと様々なかたちで元気いっぱいの音楽を聴かせてくれます。やっぱりカリブやラテン風味のネアカなピアノ。ジャズメン・オリジナルは、ハービー・ハンコック、ディジー・ガレスピー、ホレス・シルヴァー、チック・コリア、チャーリー・パーカーなど多彩。1曲目はさりげなくゴージャスにせまりますが、その後の曲ではノリがけっこう良くなる場面が多いです。7曲目の「セント・トーマス」は彼らしくゴキゲンなサウンド。5、9曲目のように、渋めかと思うと盛りあがってしまう曲も。ジョン・パティトゥッチは2、4-5曲目に参加 しています。

2022/04/18

Bookends/David Liebman, Marc Copland

Davidbooke マーク・コープランドも今日で一段落。ストリーミングを見ると競演・参加作など、けっこう買いもらしているものもあるけど、今になって集めるという気もなく、とりあえず今の手持ちでいいだろうとの判断です。今日のアルバムは、デイヴ・リーブマンの名前が先に出ているせいなのかどうなのか、やや抽象度が上がり、シリアスな感じが強くなってます。’11年に「Impressions」というアルバムが1枚で出ていますが、これは今日のアルバムの3回目の再発で、その時に2枚組から1枚に編集されたもの。慌てて注文してしまいそうになりました。1枚目がスタジオ録音で、2枚目がライヴになっていて、そのあたりの違いも楽しめます。

 

Bookends/David Liebman(Ss, Ts), Marc Copland(P)(Hatology)(輸入盤) - Recorded March 20, 2002. - 1. Bookends 1 2. The Searcher 3. Blackboard 4. Lester Leaps In 5. When Your're Smiling 6. In Your Own Sweet Way 7. Nadir 8. Bookends 2 9. Cry Want 10. Maiden Voyage 11. Impressions 12. WTC 13. Blue In Green

(03/02/01)2枚組のアルバム。1枚目がスタジオ録音で、比較的短めの曲が8曲、2枚目が同日の夜の録音で、ジャズメン・オリジナルを中心にちょっと長めの5曲、という構成。どちらかというとパステルカラーの色合いでのやや神経質なインプロヴィゼーションという雰囲気のデュオ。2人のオリジナルも繊細な印象でじっくりと聴けるのですが、スタンダードやジャズメン・オリジナルも新たな解釈が加わっていて、新鮮です。特に2枚目のライヴは、「処女航海」「インプレッションズ」「ブルー・イン・グリーン」と有名な曲を聴くことができます。ただしどの曲もその繊細さゆえに、盛り上がる場面があっても内側にエネルギーが向いているような気がします。そんな中で、サックスのみの4曲目や、ピアノのみの5曲目あたりは、やや陽気かも。

2022/04/17

Lunar/Marc Copland, David Liebman Quartet

Marclunar マーク・コープランドとデイヴ・リーブマンという組み合わせも、割とやっていた演奏で、2人の相性はけっこういいと思います。このあたりリッチー・バイラークと比べても、そんなに遜色はないんじゃないかという感じですね。今回はクァルテットでの演奏ですが、ベースとドラムスはあまりおなじみではない名前。それでも、非4ビート系のジャズとしてはけっこう面白いことになっています。自由度が高めとは言いつつも、フリーの域まで踏み込んでいるほどではなく、コープランドファンならここまで手を出してもいいんじゃないかな、という雰囲気。こういう感じでHatologyのレーベルカラーに近づいたと思います。

 

Lunar/Marc Copland(P), David Liebman(Ss, Ts) Quartet(Hatology)(輸入盤) - Recorded October 12, 2001. Mike McGuirk(B), Tony Martucci(Ds) - 1. Cry Want 2. Lunar 3. Pirouette 4. You And The Night And The Music 5. All That's Left 6. Standoff 7. Brother Ernesto 8. Naima

(02/05/12)曲の構成を保ちつつも、やや自由度の高い展開になっています。メンバーの性格なのか、音が内面に向く傾向があるようです。マーク・コープランドのオリジナルは2-3、5曲目、デイヴ・リーブマンは6-7曲目。1曲目はゆったりと、しかし緊張感を持って対話が繰り広げられていきます。研ぎ澄まされた感度の高いメロディとアドリブが展開していくややテンポの速いタイトル曲の2曲目、情感豊かなメロディが印象的な3曲目、冷たい理知的なドラマチックさで盛り上がっていくスタンダードの4曲目、温度感が低い中ではけっこう熱く盛り上がる5曲目、リーブマン流の空気感のあるバラードの6曲目、曲の中をサックスがメロディを吐き出しながら飛び回る7曲目、叙情的で内向的な「ネイマ」の8曲目。

2022/04/16

Double Play/Marc Copland/Vic Juris

Marcdoublepマーク・コープランドのギターとの競演作で、スティープル・チェイスからの2枚目。共演者とレーベルのせいか、けっこうオーソドックスにも聴こえますが、やはり彼のピアノは繊細だなあと思わせる1枚。このあたり入手可能性はどうなのか、とか、ストリーミングについては調べていませんが、とりあえず手元にあるものを順番に紹介していってます。もう少し後の年代になるとPirouetレーベルからの発売(その時は専属になったか)になるアルバムが多いのですが、いろいろなところから出ている時期が今までブログでは手薄だったというわけ。今日のアルバム、スタンダード多めで、そういう面からも楽しめます。

 

Double Play/Marc Copland(P)/Vic Juris(G)(Steeple Chase)(輸入盤) - Recorded March 2001. - 1. Who Can I Turn To? 2. I Loves You Porgy 3. Dark Territory 4. Stella By Starlight 5. Vaults 6. Jive Samba 7. I Concentrate On You 8. Blackbird 9. Twenty Five 10. Con Alma

(02/06/01)ピアノとギターのデュオでオーソドックスなノリのアルバム。このレーベルらしく、素朴な雰囲気。スタンダードなどが中心で、2人のオリジナルが3曲入っています。1曲目は楽しげなギターで、ウキウキした感じではじまります。一転、2曲目は優しげな展開に。2人ともやや内向的なサウンドでもあります。そして、薄暮のリリシズムとでも言うべきマーク・コープランド作の3曲目、意外にスリリングなサウンドの4曲目、静かで思索的なオリジナルの5曲目、ナット・アダレイ作にしては繊細な感じの6曲目、メロディが気持ち良く頭に入ってきて少々渋めな7曲目、ビートルズ作をデュオでややドラマチックに料理した8曲目、スリリングな展開のオリジナルの9曲目、シットリ系ボッサの10曲目。 やっぱりピアノは繊細。

2022/04/15

That's For Sure/Marc Copland, John Abercrombie, Kenny Wheeler

Marcthatsf マーク・コープランドの、ジョン・アバークロンビーとケニー・ホイーラーとのトリオ作。このメンバーでは’04年録音でもう1枚出ていますが、そちらはブログにアップ済み。ベースもドラムスもいないけれど、バランス的には上手くまとまっていて、けっこう聴かせてくれます。ある意味賑やかな場面もあるECMという感じですけど、こういうサウンドも、自分の好みとしてはある方なので、聴いていて飽きないですね。収録時間も58分と長めですが、当時としては一般的な長さではなかったかなあと思いますし。それにしてもいろいろなレーベルから出ていて、どこで見つけてきたのかは自分でも思い出せません。

 

That's For Sure/Marc Copland(P), John Abercrombie(G), Kenny Wheeler(Tp, Flh)(Challenge)(輸入盤) - Recorded October 28 and 29, 2000. - 1. When We Met 2. That's For Sure 3. Kind Folk 4. Soundtrack 5. Played Straight 6. Darl Territory 7. How Deep Is The Ocean 8. #114 9. Neba

(02/04/14)変則的なトリオでの演奏ですが、内容的にはけっこう素晴らしい。3人のうち2人がECMのミュージシャンという事もあって、しかもそこにマーク・コープランドが絡むとあって、興味深い演奏です。また、7曲目を除いてメンバーそれぞれのオリジナルですが、既出の曲も何曲かあり、メロディが耳になじんでいる曲もあったりします。ECMよりは温度感がやや高く、ドラムスやベースがないにもかかわらず、このフォーマットとしてはという前提ですが、2、5、7曲目のようにノリがやや良い曲も。ただ、全体的にはゆったりした、繊細で叙情的な世界が目の前にあらわれてきます。危ういバランスの上に成り立つ、研ぎ澄まされた美しいフレージングのトリオ、という感じ。3人の音のまとまりも良いと思います。

2022/04/14

Black Dahlia/Bob Belden

Bobblackd ボブ・ベルデンのアルバムにマーク・コープランドが3曲参加したアルバム。今まで、ベルデンはカヴァー集ばかりで有名になって、ここでやっと全曲オリジナルのアルバムを出しています。アレンジャーとしてけっこう有名になったけど、若くして亡くなられたようで、こういうアレンジがずっと続いていればなあ、と思ってもそれはないものねだりかも。録音にお金をかけられる時期にいいアルバムを多く残しているので、それが財産のようなものです。彼のアレンジは大好きで、今でも時々彼のアルバムを引っ張り出しては聴いています。このアルバムは少々おとなしいかとも思うけど、渋いことは渋いです。それにしても豪華な参加ミュージシャンですね。これを2日で録ってしまうとは。

 

Black Dahlia/Bob Belden(Arr. Cond, Ts)(Blue Note) - Recorded May 1 and 2, 2000. Lew Soloff(Tp), Alan Rubin(Tp), Tony Kadleck(Tp), Tim Hagans(Tp), John Clark(French Horn), Ann Ellsworth(French Horn), Jeff Lange(French Horn), Bob Carlisle(French Horn), John Fedhock(Tb), Conrad Herwig(Tb), George Flymn(Btb), Marcus Rojas(Tuba), Tim Ries(Afl), Lou Marini(Bfl), Mike Migliore(Bfl), Charles Pillow(Euphonium), Lawrence Feldman(As), Joe Lovano(Ts), Gary Smulyan(Bs), Scott Robinson(Bs), Mark Copland(P), Kevin Hayes(P), Scott Kinsey(P, Sapmler), Ira Cleman(B), David Dyson(B), Billy Kilson(Ds), Bobby Previte(Per), Zach Danzinger(Bongos), Bruce Hall(Timpani, Gong),Stacy Shames(Harp), Emily Mitchell(Harp),Sanford Allen(Cond), Barry Finclair(Vln), Avril Brown(Vln), Lori Miller(Vln), Xin Zhao(Vln), Marion Pinheiro(Vln), Jean Ingraham(Vln), Rebecca Johnson(Vln), Sascha Vselensky(Vln), Mary Whitaker(Vln), Ethel Abelson(Vln), Robert Chausow(Vln), Dale Stuckenbruck(Vln), Stan Hunte(Vln), Katherine Livosi(Vln), Miri Nen-Ari(Vln), Youg-Tae Kim(Vln), Peter Vanderwater(Vln), Larissa Blitz(Vln), Nam Sook Lee(Vln), Cenovia Cummins(Vln), Jesse Levine(Viola) Al Brown(Viola), Lena ankfauser(Viola), Ron Lawrence(Viola), Fred Zlotkin(Cello), Eric Friedlander(Cello), Richard Locker(Cello), Marisol Espada(Cello), Leon Maleson(B), Doug Romoff(B), Rovert Sadin(Cond) - 1. Genesis 2. In Flight 3. City Of Angels 4. Dreamworld 6. Prelude To Love 7. Danza d'Amore 8. Zanzibar 9. Black Dahlia 10. The Edge Of Forever (Last Night At The Hacienda Club) 11. 101 North 12. Elegy (City Lights, Prayer, Procession & Asension)

今までカヴァー集などを多く出してきたボブ・ベルデンですが、ここでは全曲オリジナルの構成。ビッグバンドやストリングス(それも曲によっては大編成)などを従えて、少々内省的ながらも変化に富んだ素晴らしい演奏を聴かせてくれます。ジャズというよりは壮大な組曲を聴いている感じ。ミュージシャンの個性もあるのだろうけれども、やはりここまで緻密にまとめ上げることと、そのサウンドの「沈んだ色合い」は、やはり彼ならではの個性なのでは、と思います。特に9曲目のしっとりとしたメロディとそのサウンドに、その特徴があらわれています。そんな中で10曲目のラテンタッチの勢いのある曲、11曲目のアップテンポのジャズがアクセントになっています。マーク・コープランドは1、6-7曲目に参加。(03年11月27日発売)

2022/04/13

Between The Lines/Marc Copland/Tim Hagans

Marcbetween マーク・コープランドのトランペットとのデュオ作で、これは何とスティープル・チェイスから。後のストリーミング時代になって、集めきれなかったアルバムも何枚も出てきたんだけど、当時は追っかけしていて楽しかったです。ネットで情報を得るときもありましたが、輸入盤店で直接探した方が多かった時代でもありました。デュオ作でも、音的に寂しいということもなく、聴いていてうれしいですね。やっぱりジャズメン・オリジナルが多いせいか、63分という長さも気になりません。当時は周りにあまり彼のファンはいなかったようにも思いますけど、今は彼のことが好きなジャズファンの方、多いようですね。

 

Between The Lines/Marc Copland(P)/Tim Hagans(Tp, Flh)(Steeple Chase)(輸入盤) - Recorded April 2000. - 1. Nefertiti 2. Passing Giants 3. Three In One 4. I Loves You Porgy 5. When Will The Blues Leave 6. Estate 7. On Green Dolphin Street 8. Rainy Night House 9. Canteloup Island

(02/06/01)ピアノとトランペットでのデュオで、どちらかと言えば淡々と、あるいはしっとりと聴かせてくれます。ピアノはやはり彼らしい雰囲気で繊細。ジャズメン・オリジナルその他、しっとり系のジョニ・ミッチェルの曲(8曲目)なども並び、親しみやすい曲が多いです。1曲目で「ネフェルティティ」がありますが、驚くことはなく、聴きやすい仕上がり になっています。また、2曲目はティム・ヘイガンズの曲で、静かで叙情的な表現のバラード。デュオでもノリの良い曲もあり、3、5曲目あたりはトランペットが元気。5曲目の2人のやり取りはスリリング。抑制がかなり効いた「ポーギー」の4曲目、哀愁漂う渋い「エスターテ」の6曲目、意外に叙情的なアレンジで聴かせる7曲目、妖しいハーモニーのハンコック作の9曲目。

2022/04/12

What's Goin' On/Dieter Ilg, Marc Copland, Jeff Hershfield

Dieterwhatsgoマーク・コープランドの名前が最初に出てこないので、参加作というか、競演作。彼目当てで購入しても、3者対等のクレジットなので、内容的には遜色なく、けっこう楽しめるのではと思います。これは発売後、しばらく遅れて発見、購入したものです。名前の最初がベーシストなので、彼の選曲の要素が大きかったのだと思いますが、1曲目にマーヴィン・ゲイの曲を持ってきたりして、スタンダードも多めで、彼らのファンではなくても、普通に楽しめるかと。これも現物を探せずにいますが、処分した記憶はないので、そのうちひょっこりと出てくるでしょう。たまたま購入が’99年でこのあたりで輸入盤を集め始めてますね。

 

What's Goin' On/Dieter Ilg(B), Marc Copland(P), Jeff Hershfield(Ds)(Jazzline)(輸入盤) - Recorded November 21, 1993. - 1. What's Goin' On 2. Prelude 3. Young And Foolish 4. Scrapple From The Apple 5. Bigfoot 6. In The Wee Small Hours Of The Morning 7. Come Rain Or Come Shine 8. Take It To The Bridge 9. Photograph

(99/02/10)トリオ名義のアルバム。スタンダードなどの曲が多く、楽しめます。スタンダードの解釈は独自なものもあり、面白いと思います。ピアノはどちらかと言うと繊細で温度感がやや低め。その中でビートが効いていて元気なマーヴィン・ゲイの1曲目はゴキゲンで、ピアノは時々アウトしてスリルを醸し出します。ベースソロの内省的な小品の2曲目、かなり繊細なバラードで10分台の3曲目、エキゾチックで浮遊感のあるアレンジの、チャーリー・パーカー作の4曲目、ノリが良くてスリルのあるオリジナルの5曲目、カラフルなカラーのワルツの6曲目、ちょっと変わったアプローチのジャジーな7曲目、リズミックなビートとカラフルさがある3人の共作の8曲目、ドリィ・カイミ作の渋めでしっとりしたボッサの9曲目。

2022/04/11

Jazz City Christmas Vol. 2

Jazzcitychrist2 昨日に引き続き、ジャズシティ・レーベルのクリスマスのオムニバスアルバム第2集。このレーベル、けっこういいので、最初に出たときに全部揃えてなかったことが悔やまれますが、’90年前後のあたりだと、そこまで見渡す余裕はなかったですね。そこで再発の時に、と思ってもメーカー都合で途中で取りやめ。残りのアルバムのうち一部は持ってますけど、探す気力もなく現在に至っています。まあ、それでもこれだけ集まってはいるので、それで良しとしなければ。このアルバムが出たあたりは、マーク・コーエンと名乗っていた時代ですね。そういうことも含めて懐かしいアルバムにはなっています。

 

Jazz City Christmas Vol. 2(Jazz City) - Recorded July - August, 1989, and August 1990. - 1. Greensleeves - Fred Hersh(P), Toots Thielmans(Harmonica), Michael Formanek(B), Jeff Hershfield(Ds) 2. It Came Upon A Midnight Clear - Harold Danko(P), Tom Harrell(Flh) 3. Santa Claus Is Comin' To Town - Andy LaVerne(P), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 4. I Saw Mummy Kissing Santa Claus - Bill Evans(Ts), Yoshiaki Masuo, Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 5. God Rest Ye Merry, Gentlemen - Mark Soskin(P, Synth) 6. White Christmas - Bill O'Connell(P), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 7. Frosty The Snowman - Chuck Loeb(G), Yoshiaki Masuo(G) 8. Jingle Bells - Steve Kuhn(P) 9. The First Noel - Harold Danko(P), Tom Harrell(Tp), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 10. I'll Be Home For Christmas - Bob Mover(As), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 11. Have Yourself A Merry Little Christmas - Mark Cohen(P)

邦題「ジャズがサンタにキッスした~ジャズ・クリスマス・アルバムVol.2」。オムニバスのクリスマス・アルバム第2弾。1枚目と同時期に録音された曲が多く、大半のミュージシャンは1枚目とはタブりますし、雰囲気も似ています。どちらも優劣はつけがたく、曲は1枚目と2枚目ではダブっていないので、やはり両方そろえて楽しみたいところ。ここでもチャーネット・モフェット(B)とビル・スチュワート(Ds)のコンビが全11曲中5曲に参加。ベースとドラムスが加わっていても、どちらかと言うと洗練されたサウンド。そんな中でボブ・ムーヴァ-(As)の10曲目はけっこうな勢い。また、静かな曲も、なかなか味わいがあります。マーク・コーエン(P)はソロ・ピアノ(1人2重奏だそうです)で11曲目に参加 しています。(01年11月7日発売)

2022/04/10

Jazz City Christmas

Jazzcitychrist こういうオムニバス・アルバムは、なかなか取り上げる機会がないのですが、それでも気が付く限りはブログアップしているとは思います。当時のジャズシティ・レーベルのクリスマスアルバム2枚のうちの1枚目で、ここからアルバムを出していたミュージシャン総出でクリスマスソングをジャズっぽく、時にバラードで演奏しています。今見ると、けっこう有名な人も混ざってますね。私が持っているのは’01年の再発盤で、元あったアルバムとはジャケットが違っています。本来ならこのレーベルも全部取り上げるべきなのでしょうけど、再発している途中で、売り上げ不振からか、残り10枚くらいのアルバムの再発を取りやめにしてしまったんですよね。

 

Jazz City Christmas(Jazz City) - Recorded June and July, 1989. - 1. Sleigh Ride - Harold Danko(P), Tom Harrel(Tp), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 2. Rudolph The Red-Nosed Reindeer - Steve Kuhn(P) 3. Christmas Time Is Here - Kenny Drew, Jr.(P), Buster Williams(B), Marvin "Smitty" Smith(Ds) 4. O Come, All Ye Faithful - Bill O'Connell(P), Alex Foster(Ss), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 5. Christmas Chopsticks - Aydin Esen(P, Synth), Randy Kirtiganer(Vo) 6. Hark! The Herald Angels Sing - Mark Soskin(P, Synth) 7. Winter Wonderland - Bob Mover(As), Yoshiaki Masuo(G), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 8. We Three Kings Of Orient Are - Danald Brown(P), Steve Nelson(Vib, Marimba), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 9. Silent Night - Marc Cohen(P)< Dave Holland(B), Bill Stewart(Ds) 10. O Christmas Tree - Bill Evans(Ts), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 11. The Christmas Song - Andy LaVerne(P), Charnett Moffett(B), Bill Stewart(Ds) 12. Douglas Mountain - Chuck Loeb(G), Yoshiaki Masuo(G), Carmen Cuesta(Vo)

邦題「サンタがジャズシティにやってきた~ジャズ・クリスマス・アルバム」。ジャズシティ・レーベルのミュージシャンが集まって録音したオムニバスのクリスマス・アルバム。2曲目のスティーヴ・キューンのソロ・ピアノはリハーモナイズがバシバシで、聴いていて不思議な感覚。3曲目のケニー・ドリュー・Jr(P)の曲は、バスター・ウィリアムス(B)、マーヴィン・”スミッティ”・スミス(Ds)とのトリオでしっとりと聴かせています。9曲目は、マーク・コーエン(P)、デイヴ・ホランド(B)、ビル・スチュワート(Ds)と興味深いトリオ。ビル・スチュワートは全12曲中7曲に参加していて、露出度は高いです。静かなクリスマスっぽい曲とジャズの曲とがバランス良く配されていて、クリスマスソングとして楽しんでも、ジャズとして楽しんでもいいアルバム。(01年11月7日発売)

2022/04/09

Marc Copland And...

Marcandマーク・コープランドの、輸入盤ではあるけれどもキングインターナショナルという輸入盤の会社からのオビ、ライナー付き発売で、当時は雑誌でも有名になってました。ただ、オビ付き企画はこれ1回だけだったので、思うようには反響がなかったのかもしれません。なんたってトリオにマイケル・ブレッカーまたはジョン・アバークロンビーの参加だったので、話題性は十分にはあったと思います。今聴き直しても、いいですねえ、これ。「旧友」のリハーモナイズはさすが。このアルバム、もうブログで取り上げていたと思ったのですが、こういう重要なアルバムもまだまだ抜けが多いです。ストリーミングでも聴けますので、機会のある方はぜひ聴いてみてください。

 

Marc Copland(P) And...(Hatology)(輸入盤) - Recorded June 6 and 7, 2002. Michael Brecker(Ts), John Abercrombie(G), Drew Gress(B), Jochen Rueckert(Ds) - 1. Old Friends 1 2. See You Again 3. Blue In Green 4. Balloonman 5. Old Friends 2 6. Air Conditioning 7. Spring Song 8. Cantaloupe Island 9. You And The Night And the Music 10. Old Friends 3

(03/05/25)オリジナルは少なめで2曲(2、4曲目)。マイケル・ブレッカーが2、8曲目に、ジョン・アバークロンビーが3-4、6-7、9曲目に参加していて、珍しく参加ミュージシャンが目を引くアルバム。どちらかというとマイケルがやや活発な、彼の存在感を感じさせるジャズ、ジョン・アバが比較的内省的なジャズ。ただし、いずれも温度感はやや低め。3、7曲目の内側を向き加減がこのメンバーならではで、渋い。6曲目はチャーリー・パーカーの曲ですが、料理方法は彼ら流。ハービー・ハンコック作の8曲目はサックスを主体になかなか絶妙なバランスのサウンド。比較的オーソドックスなスタンダードの9曲目。1、5、10曲目にポール・サイモン作の「旧友」が淡い色彩感覚で、ヴァージョンを変えて入っていることが印象的。

2022/04/08

Poetic Motion/Marc Copland

Marcpoetic マーク・コープランドはこの時期いろいろなレーベルからアルバムを出してますが、これはスケッチレーベルからのソロ・ピアノのアルバム。澤野工房で出してくれたので見つけやすかったです。このレーベルからはもう1枚あるようですが。どこのレーベルからでも彼の綾織系とでもいうのか、独特な和音を使いつつ、深淵の世界に引きこまれるようなピアノは健在です。しかもソロなので、それを十分に楽しめます。また、この時期は収録時間が60分前後のアルバムも多いですね。オリジナルばかりですけど、彼の音世界を好きな人にはたまらない1枚となるのではないでしょうか。なかなか味のある1枚になっています。

 

Poetic Motion/Marc Copland(P)(Sketch) - Recorded October 24 and 25, 2001. - 1. Second Sight 2. Blackboard 3. Not Going Gently 4. Nevertheless 5. Spartacus Love Theme 6. When We Met 7. Bittersweet Road 8. Dark Territory 9. Naima

ソロ・ピアノのアルバムで、全9曲中7曲が彼のオリジナル。やや寒色系の色調で、憂いをおびていて繊細、なおかつあまり甘口になっていません。ある程度盛り上がる部分はあっても決して爆発することなく、バランスのとれた演奏。ビル・エヴァンスの演奏で有名な5曲目の「スパルタカス~愛のテーマ」もかなり繊細ながら彼独特の間と色合いでゆったりと進んでいきます。9曲目の「ネイマ」も静かにしっとりと、これまたゆったりと歌い上げていきます。とは言うものの、聴いていて他のオリジナルと違和感はなく、はじめから終わりまで一貫したソロ・ピアノでの叙事詩を聴いているような感じも。万人向けではないかもしれませんが、こういう叙情的な世界があっても良いのでは。 絵画的な世界を見ることができます。(02年3月10日発売)

2022/04/07

Haunted Heart & Other Ballads/Marc Copland Trio

Marchaunted マーク・コープランドが、フリーとか硬派なジャズを多く出しているHatologyレーベルから、なぜか何枚もアルバムを出しています。このアルバムはその最初のものですが、彼は特にレーベルとかあまり関係なく、マイペースで録音しているようですけど。メンバーも彼の音を実現するのにはいいメンバーですし。このレーベル、限定世界3千枚プレスで出すのが基本のようで、ものによってはジャケットを変えて再プレスすることもあるようです。いつもながらの彼なんですけど、この淡い感じのピアノがいいという人が多く、無条件に受け入れてしまうのでは、と思います。これは発売してすぐに購入できたような記憶があります。

 

Haunted Heart & Other Ballads/Marc Copland(P) Trio(Hatology)(輸入盤) - Recorded April 2, 2001. Drew Gress(B), Jochen Rueckert(Ds) - 1. My Favorite Things 1 2. Crescent 3. Dark Territory 4. Greensleeves 5. When We Dance 6. My Favorite Things 2 7. Soul Eyes 8. It Ain't Necessary So 9. Easy To Love 10. Haunted Heart 11. My Favorite Things 3

(02/05/12)ハットロジーにしては珍しく、叙情派ピアニストのマーク・コープランドがピアノ・トリオでスタンダードやジャズメン・オリジナルを奏でています。1、6、11曲目はヴァージョン違いのタイトル曲。ジョン・コルトレーン作の2曲目は出だしはバラードですが徐々にテンポが出はじめてオーソドックスな4ビートに。唯一オリジナルの3曲目は彼の他のアルバムでも聴くことができる佳曲。繊細で内向的な「グリーンスリーヴス」の4曲目、スティングの曲を叙情的に聴かせる5曲目、そしてマル・ウォルドロンの曲なのに温度感が低く感じる7曲目、やや浮遊感を伴いつつもゆっくりと進んでいく8曲目、静かながら隠れたところでエネルギーがたまるような9曲目、抑制が効いていてやはり内側へ向かっていく10曲目。

2022/04/06

新譜の状況と、ブログのこれからの方向

最近は新譜といっても私の注文数がこのところ減ってはいます。実は3月にもう2枚新譜が入ってくる予定だったのですが、入荷しないのと発売日の延期で4月に持ち越しとなってしまいました。そこで今日、HMVの輸入盤5枚40%オフセールで注文を組み直し、4月下旬の到着予定でまとめました。うまく注文を分けていれば、もっとCDが早く到着するものもありますけど、円安で微妙に輸入盤の元値が上がっていることもあって、全体の値段が安くなる方を選びました。5月以降については、もう予約できるのもありますが、もう少しまとまったら注文しようかと思っています。ホームページをはじめた’97年頃はネット通販がなくて(あるいは知らなくて)、発売前日夕方か当日の朝に駅まで車で買いに行き、けっこう早いアップをしていた記憶もあります。今は速報性は、自分の中の順位としては下がってきてますね。

ホームページのアルバムコメント手直し作業を’20年8月中旬に終えて(確か最後はハービー・ハンコック)、そこまでしばらくの間はほぼ毎日更新ができていたのですが、その後1年近くを、多少更新間隔を開けてゆっくりめに更新をしていました。そうこうするうちに、昨年(’21年)の7月下旬かな、ボブ・ジェームスのホームページにはあるんだけどまだブログアップしていないアルバムがけっこうあったことが目につき、再びほぼ毎日更新でそのアップをはじめて、その後もミュージシャンをいろいろ変えて、現在に至ります。時期的には’99年1月から’04年5月29日までに購入したアルバム、または、その期間にアルバムコメントの手直しをしていたアルバムということになります。このネタであと1年以上はもちそうなので、新譜ネタがない時には、こういうアルバムをアップしようと思ってます。このあたりの時期は、CDラックに整理されているものと、ランダムに放り込まれているものが混在しているので、探せなかったアルバムも実はあるのですけど、ストリーミングにあるものはできるだけそれを聴き直しています。アルバムコメントに関しては、誤字脱字を除けば、ほとんど当時のままのものを使っているので、皆さんは20年近く、あるいは20年以上前のアルバムコメントを見ている形になりますね。

やっぱりアクセス数でいくと新譜の方が多いんですが、購入量が以前に比べて減ってきている今、更新間隔をあまり開けないという観点では、ある程度意味のあることだとは思うし、こんなアルバムがあったのか、という懐かしさもあります。有名盤はあまり出てこないので、読む人にとって興味があるかはまた別の話にはなってくるとは思いますけど。ウェイト的には直接訪問される方以外に、検索エンジン経由の方も半分近く意識しています。実はミュージシャンだけではなくてレーベルまで広げると、ECMやCriss Crossなど大きいものはもう全部ブログにありますけど、小さいレーベルまで含めるとだいたいこの時期に直していて、ブログにないものも割と多いんですよね。ただし、澤野工房やWinter&Winter、Hatologyなどは一部処分してしまったアルバムもあって、それまで含めるかは悩みどころです。

2022/04/05

Softly.../Marc Copland

Marcsoftly マーク・コープランドのホーン入り作品。当時Savoyは日本の傘下だったよなあ、と思って、ジャケットを見たらDenonのUSA Divisionと書いてあって、輸入盤しかなかったことも何となく納得。ホーンは3人参加していますが、同時に3人というのはなくて、いろいろな編成で演奏しています。彼のファンはホーン入りを敬遠することが多いようですけど、自分に関しては特に問題なし。自分の好みは雑食性だからかな。それでもトリオの演奏も入っていて、変化に富んでいます。ホーンのアレンジもコープランドのようで、独特な雰囲気が漂ってきます。手持ちの枚数が多いとこういうアルバムも久しぶりなので、少し所有を絞りたいのですが、なかなか。

 

Softly.../Marc Copland(P)(Savoy)(輸入盤) - Recorded September 1997. Tim Hagans(Tp), Joe Lovano(Ts), Gary Peacock(B), Bill Stewart(Ds), Michael Brecker(Ts) - 1. Softly As In A Morning Sunrise 2. I Love You 3. Country Home 4. So In Love 5. Blue 6. What's Going On 7. Not A Ballad 8. Three Stroies 9. My Foolish Heart

(99/02/27)スタンダード系統の曲が6曲で、オリジナルが3曲。編成もトリオ、クァルテット、クインテットとさまざま。曲のアレンジがちょっと強引で目立っていて好きです。ベース、ドラムスとの相性もけっこういいものがあります。ピアノも相変わらず美しいタッチ。個性的なアレンジでは引けをとらない1曲目、爽やかなトリオの演奏を感じる2曲目、サックスのソロがメロディアスなバラードの3曲目、ややアレンジが強調されたノリの良い、自在な4曲目、ジョニ・ミッチェル作の渋めで有名な5曲目、マーヴィン・ゲイ作でビートが効いているゴキゲン系の6曲目、内省的で緊張感のある7曲目、入り組んだテーマのジャジーな8曲目、彼らしく雰囲気が出ている繊細なジャズの9曲目。マイケル・ブレッカーは3、6曲目に参加。

2022/04/04

Paradiso/Marc Copland Trio

Marcparadi 今日から、初リーダー作から好きなマーク・コープランド(デビュー当時はマーク・コーエンと名乗っていた)ですが、輸入盤を’99年から’04年にかけて購入したものが多かったため、まだブログアップしていないアルバムが多いと思います。全部CDラックから探せるかはやってみないと分からないですが、聴いていきたいと思います。当時は国内盤で追いかけていたら、輸入盤しか出てないものが増えてきて、これは追いかけないとと思ったのは確かでした。綾織系というか、独特な色合いのサウンドのピアノがいい雰囲気です。それとトリオのものは、今回のアルバムのようにメンバーがいいので、外せませんね。

 

Paradiso/Marc Copland(P) Trio(Soul Note)(輸入盤) - Recorded April 11, 1995. Gary Peacock(B), Billy Hart(Ds) - 1. Hiding Place 2. ...But Not Forgotten 3. Billy's Bounce 4. Paradiso 5. Bloomdido 6. Lovers And Other Strangers 7. Lover Man 8. Dark Territory 9. Taking A Chance On Love

(99/02/10)「アット・ナイト」と同メンバーによる録音ですが、こちらはオリジナルが大半を占め、いつもながらリリカルなピアノでメロディアス、ちょっと思索的といったところ。その中でもスタンダードの曲が数曲あり、こちらは聴きやすい感じ。淡色系のサウンドカラーながらもドラマチックな進行の1曲目、静かで内省的なバラードの2曲目、後半ドラムソロがある浮遊感覚を伴う3曲目、繊細で優しいタイトル曲の4曲目、チャーリー・パーカー作の知的なゴキゲンさを持つ5曲目、ゲイリー・ピーコックとの研ぎ澄まされたフリー・インプロヴィゼーションの6曲目、そのまま寄り添うようにメロディとソロが展開していく7曲目、しっとりとした定番のオリジナルの8曲目。そしてゴキゲン度の高めなスタンダードの9曲目でエンディング

2022/04/03

日産キックス納車から2週間

220316kicks_20220402075501 今回はなかなか良い契約をしたと思います。2月契約でしたが、4月1日に届いた日産プリンスからの4月セールのダイレクトメールでは、値引き要素が減っていて、決算前の時の契約の方が有利なのを納得しました。今年はガソリン車のスポーティーカーが軒並みなくなる年とも言われていて、将来値上がりする予想で投資のつもりでスカイライン400Rも見積もりはもらっていたんですよね。でも、総額600万円を超える金額と、税制面や保険面で費用がかかりすぎること、何よりも燃費の心配性の自分が、普通に走ってハイオクでリッター5キロというのに耐えられるか、という問題もあって、あっけなく却下。まあ、普通の流れとしてノートクロスオーバーと比べてキックスにたどり着いたわけなんですけど。

納車されたときのことは以前書きました。キックスはあと2-3か月後にマイナーチェンジされて4WDと、ノートやオーラと同じ新しいe-powerが搭載されるようですが、2月に最大限の値引きと下取りをやってくれたので、最初情報にふれたときは戸惑いましたけど、今は全く問題なしです。ガソリンエンジンで発電する電動車ということで、加速もいいし、何よりもその加速をしても、燃費が下がるということを心配することもなく楽しめます。だいたいの予想ですが燃費は1リットル当たり、以前のエクストレイル(ガソリン車)の3倍は良くなるんじゃないかと思います。現行でもe-powerの快適さはなかなか。ワンペダル走行にも慣れました。まあ、乗り心地に関してはエクストレイルの方がやや好みだったか、というのはありますが。どっちみち、頻繁には乗るけど、だいたい区内か隣の区、たまに高速で月平均100キロぐらい走る、という使い方なので、だいたいエンジンが暖まるまでに到着という燃費には悪い乗り方が多く、ガソリンを含めた維持費が安くなったのは大きなメリットです。ほとんど洗車しないで埃だらけ(今は黄砂と花粉かな)はちょっと反省してます。ただ、ボディ側方の接近アラームがないのと、高速で左右斜め後ろに車を感知する仕組みがないのは、ちょっと計算外でした。

今回の買い替えで、ペーパードライバーの家族もある程度運転することに興味を持ってくれて、休日に近所の工業地帯へ2度も車の運転の練習に行く気になりました。これは、ボディサイズが少し小さくなって運転しやすくなったのと関係あると思います。エクストレイルでは切り返ししなければ家の駐車場に入らなかったのが、楽に一発で入るようになりましたし。今週には2回高速を走るので、自動運転のプロパイロットを試してみる予定です。

(4月4日追記)今日初めて高速でキックスのプロパイロット(自動運転装置)を試してみた。前の車があれば車間を保ってスピードを落としてくれるし、アクセル踏まなくても、ハンドルも自動操縦(手は添えてなければならないけど)だし、と50キロの移動距離も楽でした。

(4月8日追記)2度目の給油で、338キロ走って、19.3リッター入りました。冷えたエンジンからの短距離走行が多めで負荷がかかっているのに、リッター当たり17キロ超えるのは、乗っていてありがたいです。

(6月12日追記)ビッグマイナーチェンジで、値段は3.9万円上がるだけで、他に4WDの追加もあるらしいけど、決算前の値引きの大きさを考えると、距離を乗らないし、4WDも街乗りではいらないと思う。安く手に入るうちは、その方が得だと思う。e-powerは改良前でもかなり快適だったことも大きい。

2022/04/02

Party!/Real Book

Realbookpartyあと1枚だけ、クリヤ・マコトがプロデュースをしたJ-POPのアルバムというのがありまして、個人的にはけっこう気に入っていたんですけど、アマゾンの評価ではちょっと厳しいなあ、という感じもします。これは私がアマチュアバンドで作詞作曲を何曲かやっていたその20年後の話ですけど、おおむね歌詞についてはフィーリングで作っていて、それにフュージョンっぽいメロディとアレンジをのっけて歌うというのはけっこう多かった時代だったのでは、と思います。大御所の人たちも、考え抜かれた歌詞なのか、その人の個性でパッと作ってしまえるのか、なかなか分からないものです。あまり売れなかったようではありますが、個人的には気に入ってます。

 

Party!/Real Book(Jroom) - Released 2003. Real Book [Hanako Suenaga(Vo), Mitsuhiro Mitsuda(P)], Makoto Kuriya(Prog, P), Ryuta Sakamoto(B), Yoshio Kishida(Ds), Hideki Ikeuchi(G), Ken Ota(As), Andy Wulf(Ts, Fl), Tea-Tee Brenda(Cho), Vaughn A.Roupe(Cho), Argie Phine-Martin(Cho), Hajime Kodama(Cho), Eric Miyashiro(Tp), Eijiro Nakagawa(Tb), Gen Ittetsu(Vln), Cruster Kimura(Vln), Masahiro Itami(G), Heil Stanaker(Flh), Koichi Osamu(B) - 1. 満月の下のパーティー 2. Distance 3. Sunnyside 4. tea For Two 5. So In Love 6. アイタイナ 7. Chuo Freeway 8. Tokutou-seki 9. Why Not? 10. Blue Moon

2人のコンビは大学のジャズ研出身で、2人ともピアニストだったとの事ですが、出来上がってきたファーストアルバムはジャンル分けではJ-POP。4ビートなのは最後の曲のみで、フュージョン的な高度なコード進行やアレンジなどをさりげなく内包しつつ、都会的な上品さとノリの良いJ-POPに仕上がっています。ヴォーカルはユーミンを連想させるようにみえて実は若い個性が出ています。サウンドのセンスが良いのはプロデューサーがクリヤ・マコトだからかも。7曲目が松任谷由美の「中央フリーウェイ」で、曲のインパクト(メロディの強度)はやはり、この曲が1番かなあ、という気も。でも他のオリジナル曲もけっこう良いなあ、と思ってしまいます。ノリが私好みのサウンド。もちろん4、8曲目のようなバラードもいい感じ。(03年10月8日発売)

2022/04/01

Style - Euro Modern Revival 2003 Featuring Workshy/Makoto Kuriya

Kuriyastyle クリヤ・マコトのJ-room第2弾。最近はまたピアノ・トリオでウェザー・リポート集を2枚出して、本格的にジャズを演奏している感じもあります(これも彼の仕事の一部だけのようですけど)が、この時期は、けっこう売れセンを意識したアルバムを作っていました。ワークシャイを呼んで、それでアルバムにしてしまっていることからも、それがうかがえますが、こういうフュージョン的なアルバムもけっこう好物なので、久しぶりに楽しんで聴いています。お金もかかっていると思われ、やはりこの時期は音楽バブルと言ってはちょっと変なんですが、予算が多く使えていた時期だったんだなあと、聴きながら、改めて思います。

 

Style - Euro Modern Revival 2003 Featuring Workshy/Makoto Kuriya(P, Prog)(J-room) - Released 2003. Andy Wolf(Ts, Fl), Workshy: Christa Jones(Vo), Michael McDemott(Vo), Hideki Ikeuchi(G), Ken Ota(As), Kane(Vo), Masahiro Itami(G), Tea-Tee And Mystie(Cho), Nona(Vo), Hideo Koga(Prog), Emiko Komatsu(Cho), Masahiro Kato(Cho), Rhuta Sakamoto(B), Yoshio Kishida(Ds) - 1. Each And Everyone 2. But Alive 3. Heaven's Above 4. Turn Back The Clock 5. Seek 2 Find 6. Sweet Heartache 7. Say What? 8. The Sweet Taboo 9. You On My Mind 10. Celebration 11. Time And Time

80年代のポップスを現代的なアレンジで聴かせるアルバム。インストルメンタルの曲が半分強ですが、ゲストでワークシャイが3曲(2、4、9曲目)にヴォーカルで参加しているのが見どころ。ジャンルとしてはフュージョンか。でも、ポップス的な聴き方もできます。11曲中3曲はクリヤ・マコトのオリジナルで、さりげなくまわりの雰囲気に溶け込んでいます。他は「エブリシング・バット・ザ・ガール」「ワークシャイ」「スタイル・カウンシル」「ジョニー・ヘイツ・ジャズ」「ヴィクター・ラズロ」「スイング・アウト・シスター」「バーシア」と、そうそうたる歌手(グループ)の歌が並んでいます。特に2曲目はワークシャイのセルフ・カヴァー。おしゃれ系のサウンドとも言えますが、アレンジやピアノ(キーボード)に注意して聴くと、けっこうマニアックかも。(03年10月22日発売)

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