Restration Ruin/Keith Jarett
キース・ジャレットのアルバムをたどっていくと、時々異色のアルバムに出会うことがあります。一人多重録音の演奏も、彼は何枚か出してますが、彼のヴォーカル入りのフォークソングがあるのはこのアルバムだけではないでしょうか。それ故に国内盤で出るのが遅れたということもあるでしょうけれども。資料として聴くのはいいことだと思いますが、個人的には彼はECMの人であり、インパルスの人であるなあ(Vortexでも「Somewhere Before」だけはけっこう有名ですが)と思ってました。こういろいろやっていると、人気盤は偏る傾向が高いですけど。まあ、それでも、多重録音の根本はここにあるので、興味深い1枚ではあるのですけど。
Restration Ruin/Keith Jarett(Harmonica、Recorder、Ss、G、B、Ds、Per、P、Org、etc)(Vortex) - Recorded 1968. - 1.Restration Ruin 2. All Right 3. For You And Me 4. Have A Real Time 5. Sioux City Sue New 6. You're Fortunate 7. Fire And Rain 8. Now He Knows Better 9. Wonders 10. Where Are You Going?
多重録音でほとんどひとり(ストリングスなどはたぶん他の人)で完成させたアルバムで、内容はズバリ、彼のヴォーカルが入ったフォークソングのアルバム。(確かに弟スコット・ジャレットはシンガー・ソング・ライターではありますが...。)邦題にあえて訳せは「修復された廃墟」か。当時のフォークソングとしては面白いと思います。歌の巧拙はともかくとして、曲はけっこう高度な部分も。このアルバムにジャズを期待するのは無理ですけれど、その後のピアノの演奏でフォーク的、8ビート的な要素が強い理由もこのアルバムを聴けば納得。ジャズの要素はほとんど見出すことはできないので、ジャズの演奏を乗り越えてキース・ジャレット個人にまで興味がある方でないとちょっとつらいかもしれません。(99年7月23日発売)
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