From The Round Box/Ravi Coltrane
今日のアルバムもジェリ・アレン(9曲目以外)が参加しているアルバム。ラヴィ・コルトレーンのこのアルバムでは、M-BASE関連出身のミュージシャンも見受けられますが、スタイルとしては当時の現代的なジャズというサウンドで進んでいきます。収録時間は56分。1曲目を聴いても、少し混沌としつつもホーンアレンジなどはしっかりされていて、しかも抑制が効いているイメージがあります。感情のほとばしるままに、というわけではなく、どの曲も計算されつくした上で、こういうサウンドが出ているということが分かる構図になっています。それで混沌とした雰囲気もある程度出せているのだから、自身のプロデュースだし、けっこう頭がいいなあと、聴いた感想ですけれども。
From The Round Box/Ravi Coltrane(Ts, Ss)(RCA) - Recorded February 11, September 29 and 30, and December 7, 1999. Ralph Alessi(Tp, Flh), Geri Allen(P), James Genus(B), Eric Harland(Ds), Andy Milne(P) - 1. Social Drones 2. The Chartreuse Mean 3. World Order 4. Blues A La Carte 5. Monk's Mood 6. Irony 7. The Blessing 8. Consequence 9. Between Lines
曲によってなのですが、深いスペースの中をたゆたうように泳ぐサックスと、薄暗く浮遊感のある全体のサウンドという印象。1曲目は沈静した複雑な曲。フリー・インプロヴィゼーションかと思える2曲目、やはり深い3、6曲目。これに対し、ウェイン・ショーター作の4曲目はメリハリの効いたサウンド、セロニアス・モンク作の5曲目ではゆったりと吹いていますがピアノが個性的。突き進むオーネット・コールマン作の7曲目。印象的で渋めなテーマの8曲目。ジェリ・アレンの参加がサウンドにスパイシーな味わいを添えていますが、これからの方向性は9曲目のアンディ・マイルンが参加したような曲ではないかとも思えます。そうすると、やや思索的なアルバムか。 さまざまなジャズに首を突っ込んでいる割には渋めな感じ。(00年8月23日発売)
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