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2022年1月の記事

2022/01/31

More Than You Know/Hiroko Kokubu(国府弘子)

Kokubumoreth ’99年から’04年までの間にまとめて聴いた(というよりホームページにアップしたのがこの時期)ミュージシャンの中に国府弘子がいます。実は高校の時の先輩で(面識はありませんでしたが)、そういう意味でも、追っかけていたんだと思います。ある時期まで、けっこうな枚数のアルバムが出ました。今日のアルバムは編成はジャズなのだけど、曲のジャンル分けとしてはフュージョンの曲の方が多めか。収録時間は46分。当時のデジタル技術が不十分だったのかどうか分かりませんが、初期のものはその後のベストアルバムには出てきませんし(記憶では録音し直しだったような)、ストリーミングでも聴けない状況のようです。10数枚あるので、連続して出てくるのはちょっときついかもしれませんけど、ブログへの移植プロジェクトなので。

 

More Than You Know/Hiroko Kokubu(P)(JVC) - Released 1987. Ikuo Sakurai(B), Motohiko Hino(Ds), Toshiyuki Honda(Ss) - 1. Barcarolle 2. Shadow Puppet 3. Rain Dance 4. A Night Affair 5. Lady Moonlight 6. From Shade To Sunlight 7. What's A Apecial Evening Without A Little Magic 8. I'll Be With You, Sometime 9. The Great Escape

11曲目以外はオリジナル。編成からするとアコースティックのピアノトリオ(5-6曲目のみサックス参加)なのですが、やっぱりジャズと いうよりは、すでにこの時点から国府弘子サウンドが展開されています。アコースティックなサウンドのフュージョンと言えなくもない感触。1曲目は静かに聴きたい曲。ジャズっぽい要素の2曲目は女性的でカラフルな色合い。と思えばラテンタッチの3曲目、ボサノヴァタッチの4曲目もあったりします。和風で懐かしいサウンドの5曲目、迫力があって疾走する、キメが魅力のカッコ良い6曲目、7曲目もドラマチックな展開。静かな叙情感にひたることができる8曲目、やはりこれもキメが勝負の9曲目。ピアノソロで静かに綴るギルバート・オサリバン作の10曲目で幕を閉じます。

2022/01/30

Directions In Music - Live At Massey Hall/Herbie Hancock, Michael Brecker, Roy Hargrove

Herbiedirection ハービー・ハンコックも参加作が多いので、まだブログにあがってないものもあるかもしれませんけど、いちおうこのアルバムでひと区切りとしたいと思います。このアルバムはマイケル・ブレッカーもいるし、なかなか気合の入ったアルバムになっています、特に「マイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンの生誕75周年記念ライヴ」というのが効いているのでは、と思いますけど、こういうメンバーが集まって、ジャズの演奏を真剣にやっているのは、今ではけっこう懐かしい時代になってしまいました。今はマイケルもいないですしね。演奏も悪かろうはずはなく、今ではCDの入手性よりも、ストリーミングで聴けてしまうので、ずいぶん音楽が近くなったものです。

 

Directions In Music - Live At Massey Hall/Herbie Hancock(P), Michael Brecker(Ts), Roy Hargrove(Tp)(Verve) - Recorded October 25, 2001. John Patitucci(B), Brian Blade(Ds) - 1. The Sorcerer 2. The Poet 3. So What/Impressions 4. Misstery 5. Naima 6. Transition 7. My Ship 8. D Trane

マイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンの生誕75周年記念ライヴなので、気合いが入っています。ただ、半分ほどは今回の参加メンバーの曲なので、トリビュートをしつつ、そこで自分たちの表現をしているのかな、という感じも。ガツンと勢いのある1曲目ではじまって、不思議な緊張感が漂ってくる静かな2曲目。3曲目の穏やかな出だしの「So What」は今まで聴いたことがないようなアレンジで盛り上がってなだらかに「インプレッションズ」に移って終わります。7曲目はバラード。6曲目はけっこう勢いがあり、8曲目はだんだん盛り上がります。このメンバーならではの見事なサウンドですが、やっはりハンコックとブレッカーの存在感がスゴいな、と思いました。特にテナーのソロでの5曲目「ナイーマ」は印象的。(02年5月29日発売)

2022/01/29

Jazz Is A Spirit/Terri Lyne Carrington

Terrijazzisa このアルバム、ギリギリランダムのところに放り込まれる前に救出できました。ECMの近くに置かれていて、ECMは番号順に並べてあるので、それが増えていくと置き場所によって割を食ってしまうアルバムがあるのです。今聴き直すといろいろな方面のサウンドの寄せ集め的な感じもしなくもないのですけど、それでもこれだけのメンバーを集めてしまうのはすごいことですね。テリ・リン・キャリントンのアルバムはなるべく追いかけるようにしていたのですが、買いもらしているのもたぶんあると思います。1曲目とラストだけはファンクですけどその曲のみなので、あえてジャズのアルバムとしてしまっていいのではないかなあ、とも思えます。実に久しぶりに聴きました。

 

Jazz Is A Spirit/Terri Lyne Carrington(Ds)(ACT) - Recorded February 2001. Malcom-Jamal Warner(Vo, B), Danny Robinson(G), Greg Kurstin(P), Ed Barguiarena(Per), Herbie Hancock(P), Wallace Roney(Tp), Gary Thomas(Ts), Bob Hurst(B), Paul Bollenback(G), Darryl "Munyungo" Jackson(Per), Katisse Buckingham(Ss), Kevin Enbanks(G), Jeff Richman(G), Terence Blanchard(Tp) - 1. Jazz Is 2. Little Jump 3. The Corner 4. Lost Star 5. Samsara (For Wayne) 6. Journey Agent 7. Journey East From West 8. Journey Of Now 9. Giggles 10. Middle Way 11. Princess 12. Witch Hunt 13. Mr. Jo Jones 14. Jazz Is A Spirit

全14曲で、ほとんどが彼女のオリジナル。有名なミュージシャンが多く参加しているのでビックリします。1曲目はファンク(Hip Pop)風なのですが、2曲目からはジャズで攻めます。その2曲目はスタジオでの擬似ライヴ。ゲストが多彩なためか、ジャズ主流派という感じの曲、ノリの良い曲、美しい曲、エキゾチックな曲、浮遊感のある曲など、曲によってそのサウンドはけっこうカラフル。ジャズの今、あるいはこれからあるべき姿を示しているようで面白い。少々マニアックかも。ラスト14曲目もファンク風で終わります。それにしても、2、5、10曲目に参加しているハービー・ハンコックの存在感は圧倒的。特に10曲目はハンコックらしいジャズ。ゲイリー・トーマスは2-5、8-12曲目に参加しています。(02年4月25日発売)

2022/01/28

M2/Marcus Miller

Marcusm2 一時期マーカス・ミラーのリーダー作も集めていて、むしろ持っていない方が少ないと思うのですが、自身のリーダー作だとベースがリード・ベース的な役割の曲も多いですね。音楽としては、ちょっとバランスを崩すおそれもあるのですけど、私も下手ながらエレキ・ベースを弾くので、ここまでやってくれるとけっこううれしかったりします。もともと彼はアレンジの才能もあったので、多少のことは何のその、良いベース・アルバムを作ってくれていますね。このアルバムも自身による多重録音メインですけど、そこに豪華なゲストが多く加わって、カラフルなアルバムに仕上がっている感じです。得得な色合いが何とも言えずいい。

 

M2/Marcus Miller(B, Key, Bcl, Sax, etc)(Victor) - Released 2001. Bernard Wright(Key, Org), David Isac(Synth, Per Prog), Larry Corbett(Cello), Matthew Funes(Viola), Joel Derouin(Vln), Hubert Laws(Fl), Branford Marsalis(Ss), Lenny White(Ds), Kenny Garrett(As), Leroy "Scooter" Taylor(B Synth), Michael "Patches" Stewart(Tp), Raphael Saddiq(Vo), Herbie Hancock(P), Paul Jackson, Jr(G), Nikki Miller(Vo), Mino Cinelu(Per), Poogie Bell(Ds), Hiram Bullock(G), Fred Wesley(Tb), Djavan Lead(Vo), Vinnnie Colauta(Ds), Wayne Shorter(Ss), James Carter(Ts), Maceo Parker(As), Fred Wasley(Tb), Chaka Khan(Vo) - 1. Power 2. Lonnie's Lament 3. Boomerang 4. Nikki's Groove 5. Goodbye Pork Pie Hat 6. Ozell (Interlude 1) 7. Burning Down The House 8. It's Me Again 9. Cousin John 10. Ozell (Interlude 2) 11. 3 Deuces 12. Red Baron 13. Ozell (Interlude 3) 14. Paradiso 15. Your Amazing Grace

何ともはや豪華なメンバーが、曲によって参加。曲はいわゆる無難なサウンドのトータルアルバムと言うよりも、音の重心が低く、これでもかとベースが前に出ばって弾きまくっています。大半は彼のオリジナルですが、センスの良いフュージョンは、けっこうメロディ・メイカーだなと思わせる部分も。通常のベース(シンセ・ベースか多重録音)の他にメロディを弾いているベースという図式もけっこう多いように感じますが、ここまでやってくれるんだったらかえってスガスガしいかも。テクニックのみを重視しているわけでもなくて、エモーショナルな部分もけっこう意識していると思われるので、体で感じるアルバムとでも言うべきか。とにかくエレクトリック・ベースを聴きたい!という人向け。ハービー・ハンコックが3、5曲目に参加。(01年3月23日発売)

2022/01/27

Sci-Fi/Christian McBride

Christianscifi ハービー・ハンコックのサイド参加作でまだ取り上げてないもの、といっても、大半のアルバムが1-2曲しか参加していないし、CDをどこに置いてあるのか分からないしで、なかなか苦戦しています。今はクリスチャン・マクブライドは自主レーベルでジャズの王道路線のアルバムを次々に発表していますが、この当時はヴァーヴからある種当時の現代ジャズのサウンドのアルバムを出していたんですね。ギターにデヴィッド・ギルモアを配しているあたり、なかなか狙っているのでは、と思わせます。都会的でカッコ良いジャズなんですが、手持ちが多くなると買ったときからしばらくしか聴いてなかったんじゃないかと、少々反省しています。

 

Sci-Fi/Christian McBride(B, etc)(Verve) - Recorded February 10-12, 2000. Ron Blake(Ts, Ss), Shedrick Mitchell(P), Rodney Green(Ds), Herbie Hancock(P), Dianne Reeves(Vo), Toots Thielmans(Harmonica), James Carter(Bcl), David Gilmore(G) - 1. Aja 2. Uhura's Moment Returned 3. Xerxes 4. Lullaby For A Ladybug 5. Science Fiction 6. Walking On The Moon 7. Havona 8. I Guess I'll Have To Forget 9. Butterfly Dreams 10. Via Mwandishi 11. The Sci-Fi Outro 12. Sister Rosa

オリジナルが中心なのですが、スティーリー・ダンやスティングの曲があったりします。それがけっこうジャズとしてもいい感じの曲。3曲目のハンコックのピアノソロ、それに続くマクブライドのベース・ソロがスゴい。5曲目のタイトル曲はテーマもカッコ良く、ドラマチックで、デヴィッド・ギルモアのギターがハマッています。アコースティック・ベースで勝負するウェザー・リポートの7曲目も面白い。10曲目はハンコックのムワンディシというバンドに捧げられたもの。全体を通してジャズの新しいサウンド、というイメージ。ジャズ以外のいろいろなところから影響を受けて作った曲は、ある意味ではメロディー・メイカーで、印象に残ります。陳腐な表現ですがカッコええアルバム。ハービー・ハンコックは3、4曲目に参加。(00年8月30日発売)

2022/01/26

Riot/Herbie Hancock

Herbieriot ハービー・ハンコックの、ブルーノート時代の別テイク集。これも、’90年代の終わりに近くなって出てますが、それより早い時期には、確かオリジナルレコーディングの後に別テイクをつけたCDが流行った時もありましたし、どれがいいのか、という問題もあります。オリジナルテイクだけあれば音楽性の点ではいいミュージシャンと、演奏した音源がどんどん発売されていくミュージシャンとありますが、彼の場合どっちなんでしょうね。別テイクもそんなに悪いわけではないし、これはこれでありかな、と思いますけど、このアルバム全体がいろいろな時期の別テイクなので、ちょっとサウンド的にばらけているかなあ、とも思います。

 

Riot/Herbie Hancock(P)(Blue Note) - Recorded March 19, August 30, 1963, March 6 and 9, 1968, April 18 and 23, 1969. Donald Bird(Tp), Freddie Hubbard(Tp), Hank Mobley(Ts), George Coleman(Ts), Stanley Turrentine(Ts), Grant Green(G), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds), etc. - 1. Riot 2. Riot 3. Blind Man, Blind Man 4. Mimoza 5. Goodbye To Childhood 6. The Prisoner 7. Firewater

ブルーノートでの別テイクを集めたアルバム。そのセッションは「スピーク・ライク・ア・チャイルド」「マイ・ポイント・オブ・ビュー」「インヴェンションズ&ディメンションズ」「ザ・プリズナー」。かってブルーノートが別テイクをおまけにつけて発売していた時代がありましたが、その時代に購入した手持ちの彼のCDはほとんど別テイクが入っておらず、ダブっている曲はありませんでした。オリジナルテイクに比べてクオリティはそれほど落ちていないと思います。ただし、録音年の幅が広いので、それぞれの曲の印象がバラバラなのが気にかかります。やはりハービー・ハンコックかブルー・ノートのファン向けということになるのでしょうか。 それでもこういったアルバムの企画も貴重です。トニー・ウィリアムスは3曲目に参加。(99年4月9日発売)

2022/01/25

Future 2 Future/Herbie Hancock

Herbiefuture2 次に誰を選ぶかで迷いましたが、ハービー・ハンコックで取り上げていないアルバムがそんなに多くなさそうなので、やっていこうかと。改めて聴いてみると、今でもフュージョンとかファンクとか言うには、ちょっと先鋭的かな、という印象のこのアルバム、やはり評価するには難しいですね。ベースとドラムスに生音を使っている曲が比較的多めな印象ですが、ヴォーカルやヴォイスも目立っていて、ハービーの音楽としか、やはり形容するのは難しいのかなとも思います。収録時間はボーナストラックを含めて61分。ビル・ラズウェルのプロデュースだと、こうなるか、というところで、少し敬遠気味だったかな、とも思いますが。

 

Future 2 Future/Herbie Hancock(Key)(Transparent Music) - Released 2001. Eleni Davis Night(Vo), Carl Craig(Prog), Bill Laswell(B), GiGi(Vo), Chaka Khan(Vo), Charnett Moffett(B), Krash Kale(Ds), Grandmixer DXT(Turntable), Jack DeJohnette(Ds), Rob Swift(Turntable, Prog), A Guy Called Gerald(Prog), Dana Bryant(Vo), Tony Williams(Ds), Wayne Shorter(Ts, Ss), Imani Uzuri(Vo) - 1. Wisdom 2. Kebero Part 1 3. The Essence 4. This Is Rob Swift 5. Black Gravity 6. Tony Williams 7. Ionosphere 8. Alphabeta 9. Be Still 10. Virtual Hornets 11. Kebero Part 2 12. The Essence (DJ Krush Remix)

ビル・ラズウェルのプロデュースによる現代的なハービー・ハンコックのミュージック。この方がジャズやフュージョンと表現するよりもしっくりくるかも しれません。過激さというよりはサウンドが先鋭的ながらも聴きやすさもある印象。時々出てくるハンコックのピアノ(キーボード)のソロの部分に聴きほれてしまいます。打ちこみの部分もやや多いですが、そんな中で曲によってはドラムやベースにも生音で一流ミュージシャンが参加しているのがうれしいところ。4、8-10曲目にジャック・ディジョネットが、6曲目に故トニー・ウィリアムスが参加。しかもウエィン・ショーターも数曲に参加。 時代の先端を行きつつも、やはりヒューマンパワーをおろそかにしない主義なのでしょうか。12曲目はDJ KRUSHによるリミックスのボーナストラック。(01年7月25日発売)

2022/01/24

No Room For Argument/Wallace Roney

Wallacenoroom 今日でジェリ・アレンの参加作もひと区切り。まだブログにあがってない参加作もありますが、ホームページで特集を組んだ他のミュージシャンのリーダー作はそこでまた取り上げたいと思います。もう18年近くもブログと付き合っていても、それ以前のアルバム、けっこう多いものですね。あと1-2年はこのネタで持つんじゃないかな。今日のウォレス・ルーニーのアルバム、「ゴールドディスク」なんですよね。ラップっぽい1曲目もあるし。その是非はともかく、当時は売れたと思います。レーベルも移籍しています。ここにジェリが参加するのは当時はもうウォレスと夫婦関係になっていたと思うので、当然かと(もう一人、アダム・ホルツマンがいますが)。実はこれも現物が見当たらず、ストリーミング聴き。

 

No Room For Argument/Wallace Roney(Tp)(Stretch) - Recroded March 31 - April 3, 2000. Wallace Roney(Tp), Steve Hall(Ts, Ss, Bcl), Antoine Roney(Ts, Ss, Bcl), Geri Allen(P, Synth), Adam Holzman(P, Org, Synth), Buster Williams(B), Lenny White(Ds), Val "Gelder" Jeanty(Prog) - 1. No Room For Argument 2. Homage & Acknowledgement (Love Supreme/Filles De Kilimanjaro) 3. Straight No Nothing 4. Metropolis 5. Christina 6. Neubeings 7. Cygroove 8. He Who Knows 9. Virtual Chocolate Cherry 10. Midnight Blue 11. Portia(Bonus Track)

完全なラップの曲ではないにしても、1曲目は今ふうのサウンド。2曲目は、一発もののリズムの上に複雑なハーモニーがかぶさっていい感じ。3曲目も自由度の高い演奏。ただセルフ・プロデュースということもあってか、4-5曲目は時代がさかのぼるので焦点が絞り込めず、余計だったんではないかとの印象。6曲目は複雑なテーマですが、変化に富んでいてノッています。ドコドコいうビートが心地よい7曲目、リズミカルで進行の印象的な9曲目。8曲目も渋いところを見せてくれます。奥の方でドコドコと鳴っているドラムスを前面に出して、どうだ、ミレニアムファンクで勝負するぜ、という部分も欲しいか。類似のサウンドを演出しているアルバムが今の時代あまりないので、貴重かも。本来ラストの10曲目が美しく響きます。(00年10月25日発売)

2022/01/23

インターネット(ルーター)のIPv6化をやってもらった

220120internet このところ、在宅ワークの人が多いからなのかどうか、時間によりインターネットのスピードがかなり遅くなってました。仕事では、ルーターからパソコンまで、TKCの人に面倒を見てもらっているのですが、つい先日、インターネットのIPv6化について電話をもらって説明を受け、私のところはNTTの光回線の契約がギガラインタイプのもので、しかも20年2月にスピードアップしてその時にNTTのルーターを新しいものに替えているので、何とか条件に当てはまりました。それで、一度13日の木曜日に調査で来てもらったんですね。その時は、NTTルーターの中を見る接続のパスワードを忘れてしまい、調査が頓挫してしまいました。

改めて、NTTルーターの初期化の是非で、TKCから先週金曜日に初期化してみてくれとのことで、土曜日に初期化して再設定、そしてルーターのパスワードを改めて設定、ひかり電話が2回線(電話とFAX)の番号の鳴り分け設定等して、約15分ほどで私自身で設定ができました。

220202ipv そして、20日に改めてTKCの技術の方が見えて、IPv6の設定を1時間ほど、2台目につながっている富士通のルーターの設定を含めて、やっていただきました。設定する前に通信速度を測ったのですが、ダウンロードが50Mbpsぐらいしか出てなかったのが、設定後は写真のようにけっこう速くなりました(300Mbpsは超えてます)。設定作業中はお客さんから電話がかかってきて、私は設定作業を見ていないのですけど、元々富士通のルーターはお任せのブラックボックスになっているので、通信速度が速くなれば、こちらとしてもいいのですけど。なおTKCを使っている会計事務所のうち、私のところが神奈川県で1番早いIPv6化になりました。パイロットユーザーということで、設定費用もかからず、その代わりに、使用していて状況を報告する可能性もあるそうです。むしろビジネスフォンとかを使っている事務所は設定が難しい面もあると聞いています。まあ、仕事ではソフトのダウンロードとか、マイクロソフトのアップデートの時には威力を発揮するんではないかと思いますが、他のデータは割と軽めなので、仕事より、ストリーミングの音質の影響とか、どうかなあ、なんて気になっていたりしてますが。インターネット接続は体感的にも、だいぶ速くなりました。ただ、自分のサイトに接続してIPアドレスを確認したところ、その場面では、従来通りのIPv4のIPアドレスになっていました。途中だけIPv6になっているということでしょうか。

(追記)結果をトレースしてみると、どうやら途中の経路がIPv6化されているようで、接続自体はIPv4の状態での接続になっているようです。

2022/01/22

Live At The Village Vanguard Unissued Tracks/Geri Allen, Charlie Haden, Paul Motian

Gerilivevillun偶然と言えば偶然なんだけど、たまたまこのトリオのアルバムをブログで取り上げていたら、CDの新譜として(30年以上前の録音だけど)このアルバムを発売直前に知り、入手しました。非常にいいタイミングで、演奏も非常に良くて、しかもスタンダードやジャズメンオリジナルもあって元のアルバムよりも親しみやすい部分もあり、新年早々いいアルバムを聴いたなあ、と思います。それにしても、もうこの3人は亡くなっていて、時代の変化を感じます。’90年代は自分にとってリアルタイムで聴いていた時期で、自分も歳をとったなあ、とも思いますね。どうせならオープンリールテープ6本分全部聴きたいというのもありますが、とりあえずはこれが出てくれただけでも、良かったです。

 

Live At The Village Vanguard Unissued Tracks/Geri Allen(P), Charlie Haden(B), Paul Motian(Ds)(Somethin'cool) - Recorded December 21 and 22, 1990. - 1. Announcement By Pauk Motian 2. In Walked Bud 3. Obtuse Angles 3. Dancing In The Dark 5. Fiasco 6. Cherokee 7. Announcement Bu Paul Motian 8. Two Women From Padua 9. I Don't Know What Time Is It Was 10. Mambo Jumbo 11. Song For The Whales 12. Dance Of Infidels 13. Announcement By Geri Allen

ジェリ・アレン作が2曲目、チャーリー・ヘイデン作が11曲目、ポール・モチアン作が5、8、10曲目で、アナウンスの1、7、13曲目分を除いて、他はスタンダードやジャズメン・オリジナルが多し。収録時間は66分。以前発売されたアルバムのうち、リリースされなかった曲を大西順子が選曲・監修してます。最初のアルバムはオリジナルが9曲だったけど、今回は残されたオープンリールテープ6本から全部聴いての選曲だったらしいです。アウトテイクにするようなものではなくて、演奏が素晴らしいし、余裕があれば全曲公開してほしいくらい。このトリオでは6作目の、30年以上経ってからの公開ですが、全然古くないのもいいですね。3人とも亡くなった今、改めて聴けるとは思ってなかっただけに、貴重な新年のプレゼント。(22年1月19日発売)

2022/01/21

雑誌「月刊Stereo」2月号の特集は「ECMとオーディオ」

220120stereo 私はあまりオーディオの雑誌は買わない方なのですが、先月「月刊Stereo1月号」で「ベストバイコンポ2021」の特集があったので購入した時に、次号予告(今月19日発売された2月号ですね)が「ECMとオーディオ」という特集だったので、すぐ予約、つい先ほど入手しました。ジャズ雑誌などの音楽系雑誌ならいざ知らず、オーディオ雑誌でECMの特集を組んだというのは初めてだそうです。音がいいという評判だからかな?特集ページ数が50ページ強というのも、なかなか力が入ってますね。

実はこの月刊Stereo誌、取材に関しては過去に縁があって、ネット仲間のオフ会で自作スピーカーや音源を持ち寄って聴く集まりが取材されて過去に記事になったり、長男に直接自作スピーカーの件で取材があって家に来た時に同席したりして、長男は都合3回(私は写真だけで隅の方に1回)、雑誌に掲載されてます。今回は私は純粋な読者として、雑誌を読んでますけど。ネット上のお知り合いが何人か、執筆者になっているようです。

今回の特集、ECMなだけにアルバム数は多い(1,400種以上)レーベルだし、切り口的にはマンフレート・アイヒャーのことや、選者が選んだアルバムとか、他の本と似ている部分も多いです。それでも、オーディオ雑誌を読む人にとってはこれが初めてECMレーベルというものを全体的にとらえる機会の人が多いのではないかなあ、と思うので、これはこれでいいのではないかと。オーディオ誌にしては音楽寄りかなあと思うも、ECMでアルバムを作った日本人ミュージシャンのインタビューとか録音や音に関してスポットを当てたり、ECMに合うスピーカーの記事があったりと、やはりオーディオ雑誌からの視点のある部分も多いので、そっち方面にも興味のある方は、手に取ってみてはいかがかな、と思います。

選盤に関しては、誰もが知っているような有名盤はやはり初期や前期の頃のアルバムが多いので、そちらが多めなのは、ある程度予想されましたが、その中でも新しめのアルバムの紹介もありましたし、今度2月に出るアルバムについても1枚1ページで書かれていたりと、こういう特集を読んでいて、ある部分は耳タコですけど、なかなかそれでも飽きないで読ませてくれます。このブログではジャズファンが多いでしょうけど、内容的にはおススメなので、オーディオ誌だけど読んでみてもいいのでは。今は紹介されたアルバムをストリーミングで聴くこともできて、いい時代になったものです。

2022/01/20

From The Round Box/Ravi Coltrane

Ravifromthe 今日のアルバムもジェリ・アレン(9曲目以外)が参加しているアルバム。ラヴィ・コルトレーンのこのアルバムでは、M-BASE関連出身のミュージシャンも見受けられますが、スタイルとしては当時の現代的なジャズというサウンドで進んでいきます。収録時間は56分。1曲目を聴いても、少し混沌としつつもホーンアレンジなどはしっかりされていて、しかも抑制が効いているイメージがあります。感情のほとばしるままに、というわけではなく、どの曲も計算されつくした上で、こういうサウンドが出ているということが分かる構図になっています。それで混沌とした雰囲気もある程度出せているのだから、自身のプロデュースだし、けっこう頭がいいなあと、聴いた感想ですけれども。

 

From The Round Box/Ravi Coltrane(Ts, Ss)(RCA) - Recorded February 11, September 29 and 30, and December 7, 1999. Ralph Alessi(Tp, Flh), Geri Allen(P), James Genus(B), Eric Harland(Ds), Andy Milne(P) - 1. Social Drones 2. The Chartreuse Mean 3. World Order 4. Blues A La Carte 5. Monk's Mood 6. Irony 7. The Blessing 8. Consequence 9. Between Lines

曲によってなのですが、深いスペースの中をたゆたうように泳ぐサックスと、薄暗く浮遊感のある全体のサウンドという印象。1曲目は沈静した複雑な曲。フリー・インプロヴィゼーションかと思える2曲目、やはり深い3、6曲目。これに対し、ウェイン・ショーター作の4曲目はメリハリの効いたサウンド、セロニアス・モンク作の5曲目ではゆったりと吹いていますがピアノが個性的。突き進むオーネット・コールマン作の7曲目。印象的で渋めなテーマの8曲目。ジェリ・アレンの参加がサウンドにスパイシーな味わいを添えていますが、これからの方向性は9曲目のアンディ・マイルンが参加したような曲ではないかとも思えます。そうすると、やや思索的なアルバムか。 さまざまなジャズに首を突っ込んでいる割には渋めな感じ。(00年8月23日発売)

2022/01/19

Skyline/Bobby Hutcherson

Bobbyskyline ここから、いわゆるホームページからブログに至る空白期間(’99年から’03年頃)に差し掛かるわけですが、ここにまだブログにあげてないアルバムが3枚ありました。このアルバムも買ったときに聴いた記憶しかないから、ずいぶん久しぶり。1曲目からして、現代的でモーダルな雰囲気で飛ばしていく演奏なので、けっこうカッコいいです。でも基本的にはボビー・ハッチャーソンの演奏をじっくり聴かせる曲が多いかな。そしてメンバーもなかなか協力。当時はVerveではかなり強く推していた、という感じの作りになっています。収録時間も62分あって、当時からすれば新譜はこれくらいあるのが普通でしたが。こういう演奏だと長い方がありがたかったりします。

 

Skyline/Bobby Hutcherson(Vib, Marimba)(Verve) - Recorded August 3-5, 1998. Kenny Garrett(As), Geri Allen(P), Christian McBride(B), Al Foster(Ds) - 1. Who's Got You? 2. I Only Have Eyes For You 3. Delilah 4. Chan's Song 5. Pomponio 6. Can You Read My Mind (Love Theme From Superman) 7. Tres Palabras 8. The Coaster 9. Candle 10. I Never Knew

ヴァーヴ移籍第一弾。強力なメンバーです。 ボビー・ハッチャーソンのオリジナルは10曲中4曲。今風のジャズ・サウンドを奏でていて、1曲目では難しそうなコード進行のオリジナルをカッコ良く聴かせてくれます。アート・ガーファンクルの歌で有名な「瞳は君ゆえに」のテーマのハーモニーも斬新 な2曲目、やはり意表をついたアプローチの3曲目、映画「ラウンド・ミッドナイト」でおなじみのハービー・ハンコック作の渋いメロディの4曲目 、ラテン的なリズムのオリジナルの5曲目、 しっとりとした映画音楽の6曲目、渋めのラテン・サウンドで切なくせまってくる7曲目、スピーディーでスリリングな8曲目、ピアノとのデュオで美しいバラードを聞かせる9曲目。10曲目はボーナス・トラックで、オリジナルの優しい3拍子のバラード。(99年3月3日発売)

2022/01/18

Munchin'/Wallace Roney

Wallacemunchこの頃までは国内盤でCDをほとんど買っていて、輸入盤にも手をつけ始めた頃です。それ以前はほとんど欲しいものが国内盤で揃うと思っていて、輸入盤はケースやジャケット、CD盤面の印刷などの仕上がりが当時は今ひとつだと思っていたのですが、気が付いてみたら輸入盤でしか入手できないものが増えていた頃でした。徐々に輸入盤にシフトしていきました。このアルバムも、メンバーも演奏もいいのに、国内盤が出ていないので気がつかなくて、少し遅れて入手しました。ジャズメン・オリジナルばかりでとっつきやすいし、演奏がまたなかなか。収録時間は58分。そう言えばウォレス・ルーニーもホームページで特集したかったのだけど、なぜかやめています。

 

Munchin'/Wallace Roney(Tp)(Muse)(輸入盤) - Recorded June 6, 1993. Ravi Coltrane(Ts on 1-3, 5, 8), Geri Allen(P), Christian McBride(B), Kenny Washington(Ds) - 1. Solar 2. Ah Leu Cha 3. Bemsha Swing 4. Lost 5. Daahoud 6. Whims Of Chambers 7. Smooch 8. Love For Sale

(99/06/06)MUSE盤が国内盤で発売されなくなってからのアルバム。メンバーもけっこう強力でいいし、彼にしては珍しくオリジナル曲がなく、有名なジャズメン・オリジナルばかりなので迷わず購入。オーソドックスな路線ではありますが、その中でもジェリ・アレンはちょっと抑えめかもしれないながらも、6曲目のバッキングやソロなど、なるほど彼女のフレーズ、と思います。 やはり彼女の存在は大きい。ラヴィ・コルトレーンにしても、3曲目のソロは個性的でいい感じ。そしてベースはさすがに強力。ソロなどでもその威力を遺憾なく発揮しています。ウォレス・ルーニーももともとうまい人。どの曲もいいですが、7曲目のバラードの演奏は心に染み込みます。 ラストの曲のみスタンダードで、メロディアスに展開していきます。

2022/01/17

The Collective/Cecil Brooks 3rd

Cecilbrookcollジェリ・アレンの参加作、ブログにあがってないのは残り5枚くらいなので、そのまま続けてしまいます。いろいろな演奏に参加していますけど、このようにM-BASE一派の名前がズラリと上がっているアルバムにも参加しています。セシル・ブルックス・3世の参加作が、他ではブログ上にはないのですが、まだホームページのどこかにあるのかどうか。自分が持っているリーダー作というのはこれだけですが、ストリーミングで調べると何枚も出てきます。とは言うもののこのアルバム、オーソドックスなサウンドの曲が多かったりするので、そこが個性的だったのか。M-BASEのミュージシャンは譜面にも強いし、普通の演奏もできます。まあ、こういうアルバムもあったということで。収録時間は37分。

 

The Collective/Cecil Brooks 3rd(Ds)(Muse) - Recorded March 27, 1989. Gary Thomas(Ts), Greg Osby(As, Ss), Geri Allen(P), Lonnie Plaxico(B) - 1. The Sketch Is The Sky 2. We'll Be Together Again 3. Ace Boy (Little Cece) 4. Sunshine 5. Are You Real 6. West Coast Blues 7. Temptation

メンバーを当時の言葉で言えば、ブルックリン派で固めています。が、スタンダードも半分あり、 セシル・ブルックス・3世のオリジナルも割と普通に演奏している曲が多いので、意外といえば意外。例えばグレッグ・オズビー作の1曲目も、テーマは難しそうですが普通のジャズに聞こえます。3曲目はカリプソの陽気な演奏。当然スケールはアウトすることもありますがご愛嬌。4曲目もオリジナルですが、非常にメロディアス。2、5-7曲目のスタンダードもよくフレーズが歌っていて、彼らの実力が分かると思います。例えば5曲目、このメンバーでベニー・ゴルソンを演奏するとテーマが普通(高めのゴルソン・ハーモニー?)で笑えますが、アドリブはバップイディオムから外れて彼らならではの味が出ています。

2022/01/16

Joy Ryder/Wayne Shorter

Waynejoyri ジェリ・アレンのサイド参加作、どこまでがブログに掲載されているのか分からないので、特集を組んでいる他のミュージシャンのリーダー作を除き、1つずつ検索をかけて重複がないか調べてます。そうしたら、このCDが出てきました。発売された当時はかなり聴きこんでいたようで、CDケースに多くのCD棚から出し入れして擦った後がありました。このアルバムの1曲目は今聴き返してもかなり印象的ではありますし、脳に刷り込みが入っている感じです。フュージョン/ファンクに属するのでしょうけど、これが30年以上前に作られた音楽ということはかなり斬新な音楽ではなかったかなあ、と思います。そこに参加するジェリも、けっこう貫禄ありますし。メインはキーボードのパトリース・ラッシェンではありますが。

 

Joy Ryder/Wayne Shorter(Ss)(Sony) - Released 1988. Terri Lyne Carrington(Ds), Nathan East(B), Patrice Rushen(Key), Herbie Hancock(Synth), Geri Allen(P, Synth), Darryl Jones(B), Frank Colon(Per) Dianne Reeves(Vo) - 1. Joy Ryder 2. Cathay 3. Over Shadow Hill Way 4. Anthem 5. Causeways 6. Daredevil 7. Someplace Called "Where"

全曲ウェイン・ショーターの作曲。彼の音楽は、ちょっと聴くとポップなようにも思えるのですが、フレーズの飛び方やコード進行などが他に負けず劣らずトンガっています。決して簡単ではない音楽なのに、サウンドが心に焼き付きます。その良い例が1曲目のタイトル曲で、不可思議なショーターワールドを満喫できるはず。ここではジェリ・アレンやハービー・ハンコックも対抗していますが、結局ウェイン・ショーター・ワールドになってしまっています。硬質なフュージョン・アルバムとして楽しめます が、ウェイン・ショーター自体のアルバム発表枚数が少ないので貴重かも。ジェリ・アレンは1-3、5、7曲目に、ハービー・ハンコックは4、7曲目に参加。何とダイアン・リーヴスも7曲目に参加して不思議なメロディの曲を歌っています。

2022/01/15

Another Mind/Hiromi Uehara(上原ひろみ)

Ueharaanother3連休中に、上原ひろみのプレイリストをストリーミングで聴いていたら、私この人を好きな割には、常に新譜しか聴かないなあ、と思ったわけです。そして過去のアルバムをさかのぼってみたら、今とは違うけど、けっこういいなあ、と思えました。そこで調べたら、このデビューアルバムだけがブログに掲載されてなかったんですね。ちょっと順番を変えて、このアルバムを先に取り上げました。メンバーもまだ固定していない時期のアルバムですけど、冒頭からもうすごい。けっこう過激。やっぱりいきなりTelarcから発売になるわけだわ、と思いました。もうこの頃から、今につながるエッセンスが詰まっていますもんね、このアルバム。

 

Another Mind/Hiromi Uehara(P)(Telarc) - Recorded September 16-18, 2002. Mitch Cohn(B), Dave DiCenso(Ds), Guests: Anthony Jackson(B), Jim Odgren(As), Dave Fiuczynski(G) - 1. XYZ 2. Double Personality 3. Summer Rain 4. Joy 5. 010101 6. Truth And Lies 7. Dancando No Paraiso 8. Another Mind 9. The Tom And Jerry Show (Bonus Track)

全曲上原ひろみの作曲。デビュー作ですが、すでに貫禄十分のファンクだったり変拍子もあったりと、カラフルな構成。とにかくバカテク。いきなり飛ばした変拍子の、頭部に大打撃をくらうような1曲目、各パートのソロのみの演奏も交えて変幻自在に展開していくテーマだけフュージョン調の11分台の2曲目、ノリの良いストレートなフュージョンの3曲目、ゆったりとしたバラードで、時折り演奏も興味深い4曲目、ファンク系で4ビートもあったり、さまざまに表情を変えていく5曲目、哀愁を漂わせつつ盛り上がる6曲目、バリバリと弾きこなしていくラテン系の7曲目、メロディアスで荘厳な雰囲気すらあるドラマチックな展開のタイトル曲の8曲目。ソロの9曲目は超絶なボーナス・トラック。デヴィッド・フュージンスキーは2曲目に参加。(03年6月25日発売)

2022/01/14

Live At The Village Vanguard/Geri Allen, Charlie Haden, Paul Motian

Gerilivevill ジェリ・アレンの参加するトリオの第5作。一応ここまででこのトリオの音源は打ち止めですが、他でもライヴはやっているだろうから、そのうち発掘音源が出てくるかもしれません。と思ったら、タイミングよく1月19日にSomethin'coolレーベルより発売だそうです。今日のアルバムもコメントでは第4作と元は書いてあって、その後にどれかアルバムが出たのだろうと思います。収録時間は62分と、ライヴなので少々長め。適度な硬質感と時々フリーへの傾倒もあって、やっぱりこのメンバーの相性が良かったのだな、と思わせます。全曲オリジナルで勝負しているのも興味深い。ライヴのせいか、録音レベルはダイナミックレンジを考慮してか、低めですけど、まあ、当時のCDは録音レベルが低いものも多かったので、それはあまり気にはならないです。

 

Live At The Village Vanguard/Geri Allen(P), Charlie Haden(B), Paul Motian(Ds)(DIW) - Recorded December 21-22, 1990 - 1. A Prayer For Peace 2. Obtuse Angels 3. It Should Have Happened A Long Time Ago 4. For Turiya 5. Fiasco 6. In The Year Of The Dragon 7. Vanguard Blues 8. Mumbo Jumbo 9. Song For The Whales

トリオ第5作でヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ。今回は全曲オリジナル。どの曲もライヴとは思えないくらい緊密度が高く、曲として完成されているので、さすがこのメンバーの演奏はすごい、と思いました。 そして、3人の個性的な部分も聴き所かも。静かで美しい1曲目、新しめのオーソドックスなジャズと言った感じの2曲目、叙情的に静かに迫ってくる3曲目、インタールード的な4曲目、ライヴならではのけっこうフリー寄りな5曲目、ライヴならではの自由な雰囲気かつメロディアスな6曲目、けっこうオーソドックスに迫ってくる7曲目、フリーに近く3人が絡み合う8曲目、鯨の鳴き声を模したベースのアルコと静寂の中のピアノで鯨の世界の雰囲気を出している9曲目。 やはりこのトリオはライヴを聴くべきか。

2022/01/13

Workout!/Greg Marvin

1037 Criss Crossレーベルも未CD化アルバムは残すところ2枚(他レーベル原盤の1枚を除く)だったので、LPで集めてしまいました。今日のアルバム、送料込み2千円以下だったので、今までのLPの通販ではいちばん安い値段です。これで過去のCriss Crossは一段落。さて今日のアルバム、過去にジャズ本でこのアルバムの紹介が出ていたのですけど、なんでこんな入手困難版を紹介するかなあ、と思ったものでした。メンバーがいいのですが、オーソドックスすぎて、そこに未CD化要因があったか、別レーベルでCD再発もされているようなので、ビジネスのトラブルがあったのだろうか、とも考えています。本当のところはどうなんでしょうね。まあ、とりあえず、これでCriss Crossも一段落。

 

Workout!/Greg Marvin(Ts)(Criss Cross 1037)(LPのみ)(輸入盤) - Recorded January 5, 1988. Tom Harrell(Tp), Kenny Barron(P), George Mraz(B), Kenny Washington(Ds) - 1. Zip 2. Everything I Have Is Yours 3. Dickie's Dream 4. Subconsious-Lee 5. Lover Man 6. Gentle Giant

(22/01/12)参加メンバーが豪華なのに、なぜかCD化されなかったアルバム。スタンダードやジャズメン・オリジナルが多め。1曲目のオリジナルはハードバップ的なオーソドックスなジャズを演奏してます。チャーリー・パーカーのブルース・フィールを感じさせるとのこと。サックスは少しソフトな感じで、2曲目のバラードにも表れています。相棒のトム・ハレルもなかなかいい。レスター・ヤング作の3曲目も、50年代に入り込んだようなサウンドでせまってきます。リー・コニッツ作の4曲目もそれらしきサウンドで演奏されるのはなかなか面白い。アップテンポで少しスリリング。5曲目は再びバラードで語りかけるように進みます。6曲目はウォーン・マーシュに捧げられているオリジナルで、影響が演奏に見られるのはなかなか面白い。

2022/01/12

The Montreal Tapes/Charlie Haden With Geri Allen And Paul Motian

Charliemontgeri ジェリ・アレンのチャーリー・ヘイデンのトリオ参加作4作目、今日のモントリオールシリーズは、ヘイデンがいろいろなメンバーでライヴを行い、わずか数日という短期間で何枚もアルバムが出ています。こういう1つのライヴで、毎日のように音源が出てくるのも珍しいですね。これはそのひとつ。ジェリも初リーダー作が’84年録音なのに、それから5年で、もうこのメンバーでの演奏でもぴったりのトリオになってしまうほどに貫録があります。幾分フリーにも振れていますが、あまりそっち方向に走るわけでもなく、なかなか塩梅のいいトリオの演奏を聴かせてくれます。グループとしては組んでいないので、こういうことってなかなかないですよね。

(追記)「【1/19新譜】LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD Unissued Tracks(選曲/監修:大西順子) : ジェリ・アレン,チャーリー・ヘイデン,ポール・モチアンによる伝説のトリオ、90年の傑作ライヴの未発表トラックを発掘!大西順子による選曲&ジム・アンダーソンのミックス&マスタリングにより、30年の時を経て蘇る 」 と実にタイミングよく、このメンバーのアルバムの発売情報が出ました。レーベルはSomethin'coolです。

 

The Montreal Tapes/Charlie Haden(B) With Geri Allen(P) And Paul Motian(Ds)(Verve) - Recorded July 1, 1989. - 1. Blues In Motian 2. Fiasco 3. First Song 4. Dolphy's Dance 5. For John Malachi 6. In The Year Of The Dragon

邦題は「ライヴ・アット・モントリオール3」。オリジナルのみの構成 で、メンバーがそれぞれ2曲ずつ提供しています。他のアルバムでもおなじみの曲ばかりなので、どういう風に違う演奏なのか聴き比べをしてみるのもおもしろいかも。やはりこのメンバーでの演奏は非常にインパクトの強い演奏です。オーソドックスなブルースにも聞こえる1曲目、フリーのようでいて統制がとれているようにも感じる2曲目、哀愁漂うメロディアスな渋めの3曲目、タイトル通りの雰囲気の4曲目、やはり美しいメロディで語りかけるような5曲目、メロディが印象的なけっこう渋めのアプローチの6曲目。 個性的な3人が集まって演奏するとこうなる、という演奏を満喫できます。個人的にはこのシリーズの中では一番興味があるメンバー。

2022/01/11

Segments/Geri Allen, Charlie Haden, Paul Motian

Gerisegmentジェリ・アレンのトリオ第3作。DIWレーベルからの発売だからかどうか、ジェリの名前が先頭になってますね。2作目はすでにブログにあげていて、同じ’89年録音の「In The Year Of The Dragon」(JMT)です。今日のアルバムの収録時間は48分。他のアルバムよりも、フリー度が高めなような気がしてます。また、このメンバーでの5作中、3作が’89年の録音になっています。セッション的なグループとして、一気に音源が録音された格好です。DIWレーベルは今集めるとなると難物で、廃盤になっているし、ストリーミングの配信も、知る限りはやってないはずです。発売元がディスクユニオンなので、もう少し頑張ってもらってもいいのでは、とも思うのですが。

 

Segments/Geri Allen(P), Charlie Haden(B), Paul Motian(Ds)(DIW) - Recorded April 6-8, 1989. - 1. Law Years 2. You'll Never Know 3. Marmaduke 4. Cabala/Drum Music 5. Home 6. I'm All Smiles 7. Segment 8. La Pasionaria 9. Rain

トリオ第3作。こちらはチャーリー・ヘイデンがある程度前面に出ている気がします。 メンバーによるオリジナルは9曲中4曲で、うち2曲はポール・モチアン作。オーネット・コールマンやチャーリー・パーカーの曲やスタンダードが半分以上を占めていますが、フリーっぽくなる部分があったりと、トリオによる自由奔放な演奏が繰り広げられています。とにかくネバりまくる1曲目、バラードでベースのテーマが渋い2曲目、けっこうノリの良い3曲目、フリーっぽくてエキゾチックな4曲目、牧歌的にゆったりと絡み合う5曲目、オーソドックスに響く6曲目、タイトル曲は重量級でメロディアスな7曲目、言わずもがなの哀愁漂う名曲の8曲目。9曲目がけっこう美しく静かな曲で幕を閉じます。 なかなか味のあるメンバーです。

2022/01/10

Etudes/Charlie Haden/Paul Motian

Charlieetudes またもやCDをいくら探しても見つからないアルバムが出てきましたが、ストリーミング聴き。ジェリ・アレン、チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンのトリオでのアルバムの第1作ということで、どうしてもあげてみたかったアルバムです。他に4作このメンバーでの演奏(ゲストのあるものもあり)のアルバムを持っているのですが、なぜか1作しかブログにあがってないので、これらも続けて紹介できればなあ、と思っています。すでに3人対等だし、よっぽどこの3人の相性が良かったんだろうなあ、と思わせるものがあります。このアルバムだけ輸入盤なんですが、当時、これを聴いてみたい、とホームページに書いたら、池袋のXXというお店に売ってました、とのメールを読者の方からいただいて、急いで買いに行った記憶があります。

 

Etudes/Charlie Haden(B)/Paul Motian(Ds)(Soul Note)(輸入盤) - Recorded September 14 and 15, 1987. Geri Allen(P) - 1. Lonely Woman 2. Dolphy's Dance 3. Sandino 4. Fiasco 5. Etude 2 6. Blues In Motion 7. Silence 8. Shuffle Montgomery 9. Etude 1

(01/04/01)このトリオでの録音の第1作。やっぱりこのメンバーだから出来るタイム感覚や色調というものがあります。重々しくスタートするオーネット・コールマン作の9分台の1曲目が大いなる幕開け。不思議なメロディやフレーズでありながらスウィングする2曲目、ここぞとばかり哀愁が思いっきり漂うバラードの3曲目、ややテンポが速くフリーっぽい展開の4曲目、メロディが渋いタイトル曲でのインタールードの5曲目、ひとクセありながらも比較的オーソドックスなブルースで勝負する6曲目、タイトル通り静かで、それでいて柔軟なフレーズの7曲目、ハービー・ニコルズ作の元気でオーソドックスな8曲目。9曲目でタイトル曲の印象的なフレーズの小品にもう一度戻って幕を閉じます。それにしても一筋縄ではいかないジャズ。

2022/01/09

The Gathering/Geri Allen

Gerithegather ジェリ・アレンのリーダー作は前回で終わりかと思ったら、何枚かおいてその後のアルバムが1枚残っていました。参加しているロビン・ユーバンクスに手をつけていた時に、先にアルバムコメントの変更をしていたようです。なんだか、せめてリーダー作だけでも全部ブログにあげる、という作業も難しくなってきたような。今日のアルバム、有名どころがズラリと出ていて、なかなか貫禄のあるアルバムに仕上がっています。しかも曲によってはホーンも入っていて、豪華な雰囲気もあります。もちろん、ピアノ・トリオやクァルテットなどの編成の曲もありますし。この時期になると、彼女のジャズとしてけっこう成熟しているなあ、と改めて思います。曲によってはジャズからはみ出ている感じも。

 

The Gathering/Geri Allen(P)(Verve) - Recorded February 19-21 and 25, 1998. Wallece Roney(Tp), Robin Eubanks(Tb), Buster Williams(B), Lenny White(Ds), Mino Cineru(Per), Vernon Reid(G), Dwight Andrews(Bcl, Piccolo, Afl, Bfl), Ralphe Armstrong(B), Little Wally(Tp) - The gathering 2. Dark Prince 3. Sleepin' Pretty 4. Light Matter 5. Baby's Breath (For Little Barbara) 6. Ray 7. Soul Heir 8. Joy And Wonder 9. Gabriel's Royal Blue Reals 10. Daybreak And Dreams 11. Angels 12. Light Matter (Alternate Takes)

ある時はピアノが駆け巡り、ある時は抑制気味に弾かれていて、聴いていてゾクゾクします。全曲オリジナルで、作曲とフレーズの鋭い感性。ホーンがソフトにまとわりついてくるサウンドながら、ピアノはマイペースのタイトル曲の1曲目、ロック畑のヴァーノン・リードのエレキ・ギターが異様な迫力の2曲目、さらに彼がアコースティック・ギターで参加した6、8曲目、メロディがきれいでやや渋めな3曲目、ピアノ・トリオで丁丁発止の演奏が繰り広げられる4曲目(別テイク12曲目)と7、10曲目、しっとり感ややエキゾチック風味の小品の5曲目、トロンボーンとトランペットも活躍する9曲目、エキゾチックさを漂わせるホーンの味付けがいい11曲目。案外ドラムスがやりたい放題の演奏。ロビン・ユーバンクスは1、5、9、11曲目に参加。

2022/01/08

Twilight/Geri Allen

Geritwilight ジェリ・アレンのVerveからのアルバム表記になってますが、原盤はマイナー・ミュージックで作られているようです。もうここではM-BASE色は薄く、彼女独自の民族音楽的な部分やミニマル的な部分、時折りあらわれるフリー的な要素が目立っているような気がします。確かに一筋縄ではいかない強烈な個性の持ち主だけど、それがなかなかいい感じではありますね。当時彼女のアルバムにハマっていた要素でもあります。ただ、売れセンではないサウンドかもしれません。トリオのメンバーもゲストのメンバーも個性的だし。ジャンル分けが難しいけれど、あえて言うならば、これもジャズなんでしょうね。もうすでに亡くなられているのが非常に惜しいピアニストでした。

 

Twilight/Geri Allen(P)(Verve) - Released 1989. Jaribu Shahid(B), Tani Tabbal(Ds), Guests: Clarice Taylor Bell(Vo), Sadiq Bey(Per), Eli Fountain(Per) - 1. When Kabuya Dances 2. Shadow Series 3. Skin 4. A Place Of Power 5. Twylight 6. Stop The World 7. Wood 8. Little Wind 9. Dream Time 10. Blue 11. Black Pools

ファンク色がほとんどなくなり、楽器もシンセサイザーを除くと全部アコースティック楽器のみで録音しています。4ビートではないリズムやメロディ、コードなど、いわゆるメイン・ストリーム系ではありませんが、ピアノソロの部分のフレーズはなかなか鋭いです。軽快で豪快な1曲目、ヴォーカルが印象的な浮遊感漂う2曲目、インタールード的な3、5、7曲目、ジャズと言うより明るいピアノサウンドの4曲目、軽快な8分の7拍子の6曲目、けっこう渋いピアノが聴ける8曲目、パーカッションが印象的な9曲目、ピアノソロで叙情的な10曲目。11曲目はシンセサイザーを使いスペイシーで浮遊感のある出だしで、鋭いピアノと独特なヴォーカルが彩りを添えます。 このあたりからM-BASEとは離れていくように感じます。

2022/01/07

Open On All Sides In The Middle/Geri Allen

Geriopenon ジェリ・アレンの続きで、マイナー・ミュージックでの3枚目のアルバム。収録時間は44分。M-BASEのミュージシャンも大胆に参加させて、曲もヴォーカルが入ったり、彼女の民族音楽色とか、M-BASE色とかがごった煮になっている興味深いアルバム。ジャズにすべきか、フュージョン/ファンクにすべきか迷うところでもあります。彼女自身のリーダー作では、他のアルバムではそんなにM-BASE色が強いということもないのですが、当時のスティーヴ・コールマンやロビン・ユーバンクスなどが参加しているので、これはもう、っていう感じでしょうか。今となっては少し聴く人を選ぶアルバムになっているかもしれませんが、当時はこういうサウンドはけっこう好きだった記憶があります。

 

Open On All Sides In The Middle/Geri Allen(P)(Minor Music) - Recorded December 1986. Shahita Murallah(Vo), David McMurray(Ss, Fl), Racy Biggs(Tp,Flh), Robin Eubanks(Tb), Steve Coleman(As), Tani Tabbal(Ds), Jaribu Shahid(B), with Special Guests: Mino Cineru(Per), Lloyd Storey(Tap Dancer), Marcus Belgrave(Flh) - 1. Open On All Sides 2. Forbidden Place 3. The Dancer 4. In The Middle 5. Ray 6. I Sang A Bright Green Tear For All Of Us This Year... 7. Drummer's Song 8. In The Morning (For Milton Nasciment) 9. The Dancer PT.2

参加メンバーのためか、M-BASE色が強い曲もあり、民族音楽の色合いが強い曲もあるアルバム。全曲ジェリ・アレンの作曲なので、彼女の強い個性を知る事ができます。アレンジされた部分も多いようで、彼女の才能がただ者ではない事をうかがわせます。1曲目はホーンのアンサンブルとトロンボーンソロが見事。エキゾチックな深いサウンドで、後半テンポがアップする2曲目、民族音楽的でタップダンスの音も入る3、9曲目、ファンクっぽくてゴキゲンな4曲目、パーカッションが強調されたヴォーカル入りの5曲目、不思議なコード進行でメロディアス(?)かつドラマチックな12分台の6曲目、タイトル通り打楽器が中心の7曲目。8曲目はミルトン・ナシメントに捧げられた曲ですが、もっと抽象的な印象があります。

2022/01/06

Back On The Scene/Joe Van Enkhuizen Quartet

1013_20220104071501 Criss Crossレーベルで、3枚未CD化アルバムというのがあるのですが、今回偶然LPを2枚入手できることになり、届いたら聴いていきます。今日のアルバムもそのあたりに出ていた他のアルバムと遜色はないのですが、他のアルバムはリーダーがアメリカ人で、やはり知名度の点で損をしていたのかな、と思われます、リーダーのJoe Van Enkhuizenもリーダー作の少ない人ですし。もっと疑問だったのは、1004番でMusic For Prancing/Warne Marsh Quartet(MODE原盤)の記録がDiscogにはあるけど、今回のアルバムでレーベルのリストがあり、1004は欠番になっていたこと。ここではいちおう欠番扱いにしておこうかと思ってます。

 

Back On The Scene/Joe Van Enkhuizen(Ts) Quartet(Criss Cross 1013)(LPのみ)(輸入盤) - Recorded September 9, 1984. Cees Slinger(P), John Clayton(B), Alvin Queen(Ds) - 1. Devilette 2. Blues For Rogger 3. Picture Of Heath 4. If I Should Lose You 5. Minor Lament 6. The Other Side Of Light

(22/01/04)1-3曲目が他のミュージシャンに捧げる曲のようで、4-6曲目がスタンダードなど他の人の作曲。内容的には他のアルバムと遜色ないので、単にリーダーの知名度でCD化されなかったのではないかと。ただ、調べてもあまりリーダー作はないもよう。モードでのサウンドで、ミディアムで渋くカッコよく仕上げられている1曲目、ややスローで、これまた少し洗練されつつ渋い感じのいかにもブルースといった感じの2曲目、ややアップテンポで、メロディアスでバップ的なフレーズで軽快に進む3曲目、割とオーソドックスかつややアップテンポでメロディアスな雰囲気の4曲目、曲の作られ方が’80年代という感じの現代的な雰囲気を持っている5曲目、アップテンポでメインストリーム路線を突っ切るようなサウンドの6曲目。

2022/01/05

ジャズのホームページが100万アクセスを超えました

1月4日にジャズのホームページのトップページへのアクセスが100万を超えました。

昔、まだ検索エンジンがほとんど発達していなかった頃は、ネットサーフィンと言って、自分のお気に入りのホームページのトップページをブックマークして、毎日、あるいは一定の間隔でネットを巡回していたものでした。そういう時代にはホームページのカウンターは1か月で1万アクセスくらい回っていたものでしたが、Google検索ができて、だんだんとネットサーフィンが廃れていって、直接検索用語の関係するページに行く人が増えていくようになると、ホームページのトップページのみのアクセスカウンターはだんだん意味のないものになっていきました。ブログの方は全ページへのアクセスに関してアクセスカウンターがついていますから、あれは意味あるものですからね。

今ではジャズのホームページのカウンターは30-50/日くらいしか回ってませんが、実際に各ページへのアクセスはその数倍から10数倍はあるようです。それも、モバイルフレンドリーではないということで、検索の順位が下位になってしまっていることも多く、検索に引っ掛からないことも多いみたいです。そんな中でも、ホームページを立ち上げてから24年以上経って、ようやくアクセスカウンターが7桁になったというのは個人的には意味のあることなのかもしれません。ブログは確かに手段としては面白いですけど、ホームページのような一覧性がありません。それがあえてホームページは時代遅れだと言われつつも、残してメンテしている理由でもあります。

ただし、今でも、ホームページのデータをブログに移す作業はしていますけれどね。それでも、自分が突然亡くなった場合には、ホームページもブログも契約の関係上削除、ということになってしまいます。その場合、ブログは修復不可能だと思われますが、ホームページはパソコンにデータが入っているため、アップする先を変更するだけで、それまでのデータは残すことができる、ということだけでも、ホームページを残す意義はあるかなあ、と思っています。まあ、可能性としてはまだ、その万が一ということは非常に低いのですけど。今でも、ホームページでアルバムコメントの文章を書いてから、ブログにコピペしてブログのエントリーを完成させる、という手法をとっているのはそのためかもしれません。

まあ、いろいろ書いてしまいましたが、形にならなそうで、自分の中ではしっかり形になっている記念日ということで、あえて書かせていただきました。今後ともホームページともどもよろしく、お願いいたします。

2022/01/04

Home Grown/Geri Allen

Gerihomeg ジェリ・アレンのリーダー作の2日目。と言いつつ、このあたりを聴いている人はあまりいないだろうことが想像されます。のちにVerveとかTelarcとかSomethin'elseとかから発表する頃に比べれば。それ故に、あえてこういうアルバムもあったよ、と書くことも必要なのかと。彼女ももう他界してしまい、新譜を聴くことができないし、あまりリーダー作の多い人ではなかったので、1枚1枚紹介していく必要はあるのかもしれません。ただ、調べたらストリーミングでこのあたりのアルバムも聴けるので、そんなに探すのには不便はないかなあと思います。とにかく、この個性的なソロ・ピアノは、説明が難しいので、まずは聴いてみては。収録時間は43分。

 

Home Grown/Geri Allen(p)(Minor Music) - Recorded January 1985. - 1. Mama's Babies 2.Bemsha Swing 3. No More Mr. Nice Guy 4. First Black Man...M.O.P.E. 5. Round Midnight 6.Blue 7. Alone Together In The Same Room 8.Home Grown

ピアノ・ソロ集。8曲のうちセロニアス・モンク作の2曲を除いてオリジナル。ソロで余計に目立ったのですが、非常に個性の強いピアノでビックリしました。当時は基本的にはフリー系の弾き方 のようですが、その反面メロディアスでもあり、そのフレーズは独特。1曲目からギョロンギョロンとイントロがはじまり、弾むテーマ。超個性的。2、5曲目のモンクの曲で は、タイプは多少違っていても、やはり現代版モンクを連想させるようなタッチ。フレーズにけっこうトンでいる部分が多いです。メロディとフリーが交錯する8分台の3曲目、3拍子で独特なリズムとメロディの4曲目、完全フリーの曲と言っていい6曲目、間を生かした7分台の7曲目。8曲目は7拍子のこれまた弾むピアノ。 とにかく個性でせまってくるアルバム。

2022/01/03

The Printmakers/Geri Allen

Geritheprint ジェリ・アレンはブログ以前の時期、M-BASE出身のミュージシャンをまとめてアルバムコメントの手直しをやっていた時に、途中で行き詰ってしまったため、中途半端にブログに掲載されているミュージシャンの一人です。リーダー作は区別がつくとは思いますけど、サイド参加作までは探しきれるかどうか。このアルバムのレーベルはマイナー・ミュージックという小さいレーベルですが、当時はこういうアルバムも国内盤で出されていたんです。録音が’84年でまさにその後CDの販売が増え続けている時期。今見直すと、このアルバム、メンバーもいいし、マニアックなところもあって、けっこう興味深いし面白いですね。収録時間は41分。全曲彼女の作曲。今はストリーミングでも聴けます。

 

The Printmakers/Geri Allen(P)(Minor Music) - Recorded February 8 and 9, 1984. Anthony Cox(B), Andrew Cyrille(Ds, Per) - 1. A Celebration Of All Life 2. Eric 3. Running As Fast As You Can...TGTH 4. M's Heart 5. Printmakers 6. Andrew 7.When Kabuya Dances 8. D And V

ジェリ・アレンのファースト・アルバム。印象としてどちらかというとフリーっぽいかなと思う部分と、メロディアスな部分が混在しています。メロディーだけでなく、ピアノを弾くリズムというか、間が大変個性的で、今までになかったタイプのピアニストという事をうかがわせます。 ここで感じた個性が、その後大きく花開いていくことになります。パーカッションではじまりピアノもパーカッシヴで躍動的な1曲目、叙情的な世界が広がる2曲目、フリージャズの3曲目、個性的なピアノソロの4曲目、きっちりしたテーマとアドリブパート、フリー部分を行きつ戻りつ変幻自在のタイトル曲の5曲目、何となく荘厳なイメージを持つ6曲目、やはりパーカッシヴで軽快なピアノソロの7曲目。8曲目の短いバラードで幕を閉じます。

2022/01/02

グランドヴォヤージ/大西順子クァルテット

Onishigrand 新年早々なかなかいいアルバムの紹介です。届いたのは昨年暮れのことでしたけど、ディスクユニオン系列のレーベル、Somethin' Coolからの大西順子のクァルテットによる新譜。実はこの前作の彼女が指揮をしたビッグバンド作を買いもらしていることが判明。なるべく早いうちにそちらの方も聴いてみたいと思っています。ジャケット写真とか、オビを見た感じはラテンミュージック的な明るいサウンドを想像しましたけど、そういう曲もありますが、ゴリゴリのジャズの曲も多いです。ホーンではなくてパーカッションが加わってのクァルテットなのも、彼女の特性を活かしているし、カッコいいジャズサウンドに仕上がっています。

 

グランドヴォヤージ/大西順子(P)クァルテット(Somethin' Cool)
Grand Voyage/Junko Onishi(P) Quartet(Somethin' Cool) - Recorded September 26-29, 2021. 井上陽介(B)、大儀見元(Per、Vo)、吉良創太(Ds)、ゲスト:小野リサ(G、Vo) - 1. Wind Rose 2. Turquoise Drops 3. Printmakers 4. Tridacna Talk 5. Ground Swell 6. Harvest! Harvest! 7. Flor De Organdi 8. I Love Music 9. Charlie The Wizard 10. High Tide 11. Kow Tide 12. Un Dia De Colo Azul 13. It's A Fine Day 14. Kippy

3曲目がジェリ・エレン作、4曲目が大儀見元作、7曲目の詞は小野リサ作、8曲目はHole Smith作、12曲目の歌詞は石塚隆充と大儀見元の作曲で、14曲目がダラー・ブランド作、他は全曲大西順子作曲。オビに「カーニバル的な」とありますが、ラテンアメリカ的なサウンドもあるけれど、彼女自身のジャズに加えて、意外に1曲目のようにアフリカン・リズム的な曲も多かったりして、けっこうハードな感じもあって、最初から最後まで引きこまれてしまいます。ピアノ・トリオにパーカッションが入るというアクセントがなかなかいい。そんな中に2曲のヴォーカル曲を加えて、サウダージ的なサウンドもあるってことも、このアルバムの幅の広さを物語っています。彼女でしか成しえないサウンドがそこにあって、何度も聴くのが楽しい。(21年12月29日発売)

2022/01/01

寒中お見舞い申し上げます

昨年春にカミさんのお父様が亡くなり、新年は喪中なので、本年は新年のご挨拶は遠慮させていただきます。

一昨年夏に、ホームページの’98年以前のアルバムコメント修正作業を21年もかけて終わり、昨年は暮れに、ECMレーベル本編とSPシリーズその他とJAPOレーベルを、CDで足りない分はストリーミングと残りはLP購入で音源を制覇したということで、しかも昨年還暦だったということもあり、なんだか人生の伏線の回収作業をしているような感じになってしまいました。まだECMは現在進行形のレーベルでもあり、しかも終わったと思っていたCriss Crossレーベルもゆっくりとながら復活して行っているので、これからもやることはあると思いますけど。

すでに子供たちも社会人になってますし、本当は気楽に老後生活をおくりたくても、現在の年金の状況ではそれも許されず、働けるところまでは働いて、という夢のない時代になってしまいました。でも、音楽を聴いていれば元気になるし、今までも仕事中でも聴こうと思えば比較的自由に聴けたので、人生的には良かったのかなと思えます。長男も、昨日のブログに書いたように、昨年暮れの29日にスピーカーが完成したということで、30日に半ば強引に彼のアパートからこちらに搬出・搬入して、その音を長男と一緒に聴けてます。

あとは今やっていることは、ホームページにはあるけどブログにあげていないアルバムを拾い出して、なるべくあげるようにすることなんですが、拾い出しがなかなか難しくて、時間がかかります。全部1枚残らず拾い出すのは無理なので、あくまでもなるべくなんですけど。それと新譜もここ数年は年間数十枚と減ってきたけど、それを追いかけるのも、まあ、楽しみではあります。自分のスタイルが、’80年代のカタログ雑誌の残滓を引きずっていて、批評的に全然深まらなかったのは残念でもありますが、ファンとして聴く分には、この方がけっこう充実してました。聴いてメモというか感想を残してきた感じです。音楽の方面では、できることはゆっくりとやっていきたいですね。

これからも、よろしくお願いします。

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