Places/Brad Mehldau
ブラッド・メルドーは、ここではテーマのあるアルバムを作っています。旅の印象を曲に託した、としてますが、ソロ・ピアノとトリオでの演奏が半々であるというのは大きな試みではなかったかなあと。叙情的な場面がところどころに出てきて、それも盛り上がりによって活気が出ることもあり、物語的に場面が切り替わって1枚のアルバムを終える、という感じでしょうか。やっぱりピアノが目立つし饒舌だし(リーダー作なんだから当然なんですけど)、その部分を愛せるかどうか、にもよるかなあ、とも。おまけに拍子が複雑だったりする曲もあるので、そのあたりも好みでしょうか。ハマる人はハマるんですけど。
Places/Brad Mehldau(P)(Warner Bros) - Recorded January 24 and 25, March 24 and 25, 2000. Larry Grenadier(B), Jorge Rossy(Ds) - 1. Los Angeles 2. 29 Palms 3. Madrid 4. Amsterdam 5. Los Angeles 2 6. West Hartford 7. Airport Sadness 8. Perugia 9. A Walk In The Park 10. Paris 11. Schloss Elmau 12. Am Zauberberg 13. Los Angeles (Reprise)
ブラッド・メルドーが旅の印象を曲に託したオリジナル曲集とのこと。ソロの演奏が7曲と、トリオでの演奏が6曲、だいたい交互に展開していきます。ソロピアノの時に遠慮会釈なく左手が爆裂することがあるようです。左右バラバラにメロディやアルペジオが展開し、ハーモニーやメロディが融合していくのは見事。2曲目の5拍子や5曲目の8分の7拍子など変拍子の曲もありますが、実は拍子をカウントできなかったところも多く、曲作りは複雑。クラシックの影響もあえて隠そうとしません。静かで綺麗なメロディのバラードである7曲目もいい。5、8、10曲目なども、その情感が聴く者の心の襞を捉えて離さない魅力があります。情念のほとばしり?そうかもしれない。頭で聴く要素は大きいですが、切れ込みはけっこう鋭いかも。(00年9月13日発売)
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