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2021年10月の記事

2021/10/31

Edizione Speciale/Enrico Rava

2672 ECMのアルバムが1枚届いたので聴きました。他にもNew Series含めて5枚が11月5日頃揃う予定なんですが、もしかすると2枚ぐらいは遅れるかもしれません。さて、今日のアルバム、持ち込み音源のようで、ECMにしては元気な場面が多いし、曲目もそんな雰囲気を漂わせていますが、ライヴなのですがちょっと残響が多いかな、と気にはなります。まあそれでもこうしてエンリコ・ラヴァの2年前の演奏ですけど、届けられて、ああ、元気でやっているなあ、とうれしいですね。それにしてもこのところ出てくるのはコロナ禍の前の録音が多いですね。まあ、それもやむを得ないかな、とは思いますけど。

 

Edizione Speciale/Enrico Rava(Flh)(ECM 2672)(輸入盤) - Recorded August 18, 2019. Francesco Bearzatti(Ts), Francesco Diodati(G), Giovanni Guidi(P), Gabriele Evangelista(B), Enrico Morello(Ds) - 1. Infant 2. Once Upon A Summertime - Theme For Jessica Tatum 3. Wild Dance 4. The Fearless Five 5. Le Solite Cose - Diva 7. Quizas, Quizas, Quizas

(21/10/30)ライヴで64分収録。2曲目前半がスタンダード、7曲目がラテン曲、3曲目がピアノを除くフリー・インプロヴィゼーション、他はエンリコ・ラヴァの作曲。再演曲もあり。持ち込み音源で、ECMにしてはけっこう縛りが取れて元気だな、という場面も。例えば1曲目はけっこう自由なフリー色の強いファンクという感じでもあるし。ギターはソリッドのものを使ってます。2曲目出だしのスローなバラードは美しく、そこから陽気に盛り上がっていきます。3曲目は情景描写的なフリーだけど、ここまでやって大丈夫かという気も。軽いワンコード中心のファンクで、時に4ビートになってゴキゲンに元気になる4曲目、2ホーンのみで絡みながら進む出だしから、哀愁のバラードになる5曲目、このラテンは原曲を保っている感じの6曲目。

2021/10/30

Places/Brad Mehldau

Bradplaces ブラッド・メルドーは、ここではテーマのあるアルバムを作っています。旅の印象を曲に託した、としてますが、ソロ・ピアノとトリオでの演奏が半々であるというのは大きな試みではなかったかなあと。叙情的な場面がところどころに出てきて、それも盛り上がりによって活気が出ることもあり、物語的に場面が切り替わって1枚のアルバムを終える、という感じでしょうか。やっぱりピアノが目立つし饒舌だし(リーダー作なんだから当然なんですけど)、その部分を愛せるかどうか、にもよるかなあ、とも。おまけに拍子が複雑だったりする曲もあるので、そのあたりも好みでしょうか。ハマる人はハマるんですけど。

 

Places/Brad Mehldau(P)(Warner Bros) - Recorded January 24 and 25, March 24 and 25, 2000. Larry Grenadier(B), Jorge Rossy(Ds) - 1. Los Angeles 2. 29 Palms 3. Madrid 4. Amsterdam 5. Los Angeles 2 6. West Hartford 7. Airport Sadness 8. Perugia 9. A Walk In The Park 10. Paris 11. Schloss Elmau 12. Am Zauberberg 13. Los Angeles (Reprise)

ブラッド・メルドーが旅の印象を曲に託したオリジナル曲集とのこと。ソロの演奏が7曲と、トリオでの演奏が6曲、だいたい交互に展開していきます。ソロピアノの時に遠慮会釈なく左手が爆裂することがあるようです。左右バラバラにメロディやアルペジオが展開し、ハーモニーやメロディが融合していくのは見事。2曲目の5拍子や5曲目の8分の7拍子など変拍子の曲もありますが、実は拍子をカウントできなかったところも多く、曲作りは複雑。クラシックの影響もあえて隠そうとしません。静かで綺麗なメロディのバラードである7曲目もいい。5、8、10曲目なども、その情感が聴く者の心の襞を捉えて離さない魅力があります。情念のほとばしり?そうかもしれない。頭で聴く要素は大きいですが、切れ込みはけっこう鋭いかも。(00年9月13日発売)

2021/10/29

Back At The Vanguard/The Art Of The Trio Vol.4/Brad Mehldau

Bradart4 ブラッド・メルドーのアルバムでまだブログにあげてないもの。’99年から約5年間に出たアルバム、サイド参加作なんかも含めるとけっこうありそうなんですが、他のミュージシャンで取り上げるのもあるため、塩梅が難しいところです。当初国内盤で出たものだけですが、割と早くから注目していて、このアルバムはもう何というか、ライヴなんですがとんでもなくアクロバティックなところがいくつかあるので、発売当初はよく聴いていました。激しい場面は他の追随を許さないくらい超人的ですね。それだけに人によって好き嫌いも出てくるかなあと。それでも7曲目は情感的な、盛り上がりのあるいい演奏だし。その後輸入盤も含めて参加作も追っかけしていきました。

 

Back At The Vanguard/The Art Of The Trio Vol.4/Brad Mehldau(P)(Warner Bros) - Recorded January 5-10, 1999. Larry Grenadier(B), Jorge Rossy(Ds) - 1. All The Things You Are 2. Sehnsucht 3. Nice Pass 4. Solar 5. London Blues 6. I'll Be Seeing You 7. Exit Music (For A Film)

スリルを求める人にはこたえられない演奏。何たってこのようにピアノを弾くミュージシャンはいなかった(と思う)のだから。トリオの一体感も強い。ただし好き嫌いは分かれると思います。1曲目からスタンダードで13分半も飛ばしまくり。饒舌な、彼のピアノを知るにはいい曲。2、7曲目はVol.3の再演ですが、こちらはライヴのため時間も長く、盛り上がるので比べてみると面白いかも。2曲目後半の右手と左手がバラバラに動くシーンは圧巻。7曲目は映画音楽のような美しいテーマ。ジャズのアプローチではじまりながら行きつ戻りつ変化していき唯我独尊的ピアノソロもある17分台の3曲目、ジャズらしく盛り上がる4曲目、何とも知的?で奔放かつスピードのあるブルースの5曲目。6曲目のスタンダードは分かりやすい曲。(99年10月14日発売)

2021/10/28

Elegiac Cycle/Brad Mehldau

Bradelegiacブラッド・メルドー関連では、まだブログにあげてないアルバムが多そうなので、しばらくお付き合いください。このアルバム、メルドーのソロ・ピアノのアルバムでは最初のものだったかと思いますが、今聴いても、自分基準では名盤入りかもしれないなあ、と、もうこのアルバムが出てから20年以上経ちますが、思います。カチッとした譜面があるかのような展開で、各フレーズは印象的に迫ってくるし、しかも個性的。当時は今より忙しかったから、CDラックに入れたままになっていたけど、今であっていたら何度も聴くアルバムとして扱っていたろうなあ、と思います。それだけインパクトの大きいソロ・ピアノでした。

 

Elegiac Cycle/Brad Mehldau(P)(Warner Bros) - Recorded February 1 and 2, 1999. - 1. Bard 2. Resignation 3. Memory's Tricks 4. Elegy For William Burroughs And Allen Ginsberg 5. Lament For Linus 6. Trailer Park Ghost 7. Goodbye Storyteller (For Fred Myrow) 8. Ruchblick 9. The Bard Returns

ソロ・ピアノのアルバムで全曲オリジナル。コンピングまたはストライドの左手や付点のついた弾むジャズのリズムはここでは見られず、左手のアルペジオの上を流れる右手のメロディ。 2曲目に見られるようなこのスタイルは、はじめて聴いたとき新鮮で、強い印象を受けました。しばしば右手と左手が複雑に、時に激しく絡み合います。ジャズというよりは、クラシックに近い格調の高いサウンド、というイメージ。キース・ジャレットの奏法とも違うようで、独自の自在なリズム感であり、誰風でもない、哀愁も含んだ少し沈んだ色合いの世界が広がっているのが心地よい。 感性もそうですが聴くのに知性も要求されそうなサウンド。ただし、極めて個性的といえば個性的なので、少々聴く人を選ぶかもしれません。(99年5月26日発売)

2021/10/27

When I Fall In Love/Brad Mehldau & Rossy Trio

Bradwhenif そろそろCDを探すのが大変になってきて、ストックの記事も無くなりました。それでも何とか続けられるところまではやってみたいと思います。ブラッド・メルドーの初リーダー作というと、’95年録音の「Introducing Brad Mehldau」(Warner Bros)が有名ですが、実はその前にアルバムを録音してました。まあ、名義が共作になっているので、リーダー作というのもどうかなあ、とも思いますけど。凄腕でもうこの時期は個性も出ていますね。サイド参加作で私の持っているものは’91年録音からで、ジョシュア・レッドマンのサイド参加は’94年からだから当然かな。ライヴでの録音になりますが、これは予算がなかったせいなのか、どうか。一度聴いてみるのもいいんじゃないかと。

 

When I Fall In Love/Brad Mehldau(P) & Rossy Trio(Fresh Sound New Talent)(輸入盤) - Recorded October 9-10, 1993. Mario Rossy(B), Jordi Rossy(Ds) - 1. Anthropplogy 2. At A Loss 3. When I Fall In Love 4. Countdown 5. Convalescent 6. I Fall In Love Too Easily 7. I Didn't Know What Time It Was

(03/06/22)スペインでのライヴ。ブラッド・メルドー作は2曲(2、5曲目)で、あとはスタンダードかジャズメン・オリジナル。いきなりチャーリー・パーカー作の1曲目で全開で飛ばしまくってくれているところがうれしい。今よりも外向的でオーソドックス寄りなピアノかな、とは思いますが、当時からタダ者ではなかったことをうかがわせます。あまりひねくれていないにしても、うねうねと絡まっていくようなピアノが印象的なオリジナルの2曲目、14分にも及ぶ美しいバラードの、タイトル曲の3曲目、これでもかと出てくるピアノのフレーズがスゴいなあと思わせるジョン・コルトレーン作の4曲目、哀愁を感じさせるオリジナルの5曲目、しっとりと優しく語りかけてくる10分台のバラードの6曲目、8分の5拍子のワルツ(?)の7曲目。

2021/10/26

A Love Supreme Live In Seattle/John Coltrane

Johnseattle旧譜だけど発掘音源ということで届いたばかりの新譜を紹介します。ジョン・コルトレーンの「至上の愛」全編のライヴが発掘されたということで、色めき立ってしまいましたが、収録時間は75分あるし、オリジナルレコーディングのだいたい10か月後で、サックスもよりフリーの境地に入ってきたということで、楽しみにしてました。録音はこの時期のライヴではまあまあ、リマスターは頑張っている感じだけど、ドラムスはよくなっているけどサックスがあまり前面に出てこないので、まあ、昔はよくありましたが、耳補正で聴いている感じでしょうか。値段もそんなに高くはないので、聴けたら一度聴いてみてください。

 

A Love Supreme Live In Seattle/John Coltrane(Ts, Per)(Impulse)(輸入盤) - Recorded October 2, 1965. McCoy Tyner(P), Jimmy Garrison(B), Elvin Jones(Ds), Pharoah Sanders(Ts. Per), Carlos Ward(As), Donald Rafael Garrett(B) - 1. A Love Supreme Pt.I - Acknowledgement 2. Interlude 1 3. A Love Supreme Pt.II - Resolution 4. Interlude 2 5. A Love Supreme Pt.III - Pursuance 6. Interlude 3 7. Interlude 4 8. A Love Supreme Pt.IV - Psalm

(21/10/25)収録時間は75分と長めのライヴ録音。今回発掘された音源のようで、それだけでも聴く価値はあるのかも。何と言っても「至上の愛」の完全収録ライヴと言うだけで貴重なものでもあるので。編成も7人編成と多くなっていて、元の録音とは雰囲気はともかく、サウンドが違っています。個人的にはオリジナルの「至上の愛」の方が好きではあるものの、こちらの演奏も、生きているうちに聴けて良かったと思える内容です。音質はこの時代だと、まあ、今のリマスター技術でもこのぐらいが精いっぱいかなとは思えますが。やはりサックスのフレーズは、前よりもフリーの世界に近づいていて、この基本メンバーでは、もうギリギリのところを攻めている感じです。燃えますが。さすがに75分を聴き通すには体力がいるかも。

2021/10/25

Some Skunk Funk/Manhattan Jazz Orchestra

Mjosomesk マンハッタン・ジャズ・オーケストラも3日目で、いちおうひと区切り。今日のアルバムはある意味、ニュー・スタンダードというか、新しめのジャズメン。オリジナルとか、ポップスとかを多めに取り上げているアルバムではないかと思います。アレンジも冴えていて、やっぱり彼のアレンジはシャープでカッコいいなあ、と改めて思います。ところでクインテット(MJQ)の成立時の話を直接聞いたことがあるのですが、当初はアレンジだけマシューズがやって、ピアニストは別に候補がいたそうです。ところが候補が辞退したので、彼がピアノを弾くことになったとのこと。彼の味のあるピアノが逆にいいんですけどね。

 

Some Skunk Funk/Manhattan Jazz Orchestra(Videoarts) - Recorded February 11, 12, 17 and 18, 2002. David Matthews(Arr, Cond, P), Lew Soloff(Tp), Walter White(Tp), Bob Milliken(Tp), Scott Wendholt(Tp), Jim Pugh(Tb), Larry Farrell(Tb), John Fedchock(Tb), Dave Taylor(Btb), John Clark(French Horn), Fred Griffin(French Horn), Tony Price(Tuba), Chris Hunter(As, Fl), Aaron Heick(Ts, Ss), Roger Rosenberg(Bcl), Chip Jackson(B), Terry Silverlight(Ds), Guest: Ryan Kisor(Tp), Andy Snitzer(Ts) - 1. Some Skunk Funk 2. Theme From Good King Bad 3. Scarborough Fair 4. I Got You (I Feel Good) 5. L.A. Is My Lady 6. Tell Her About It 7. N.Y. Is My Love

目玉は1曲目のブレッカー・ブラザース作の「サム・スカンク・ファンク」。この難曲をドラムス、ベースとホーンセクションだけで緻密な迫力のあるアレンジで聴かせてしまいます。他にも各方面の有名な曲が並んでいるのがうれしいところ。曲によって、ファンクのビートだったり4ビートだったり、あるいはソロの部分に入った途端に4ビートを刻み出したりと、変幻自在。しっとり感では5曲目あたりですか。これに対して2、7曲目を彼のオリジナルだと言い当てるのは難しいのでは。ただし2曲目はジョージ・ベンソンが演奏していた曲だそうですが。それだけ他の曲と溶け込んでいます。ホーンはフレンチ・ホルンやチューバなども加わった低重心型で、緻密なアレンジを聴けば、ああデヴィッド・マシューズのサウンドだと気がつくでしょう。(02年4月24日発売)

2021/10/24

Bach2000/Manhattan Jazz Orchestra

Mjobach2000 マンハッタン・ジャズ・オーケストラの2回目。この時期の彼らのアルバムはあまり聴いたことがない人も多いのかもしれません。バッハを題材に、あくまでもデヴィッド・マシューズのペースでシャープでカッコ良いジャズに仕立て上げてしまっているので、なかなか他では聴くことのできないサウンドを耳にすることができます。やっぱりこういうところが、私は好きなんです。それでも2曲目あたりは原曲のイメージも感じさせるような優しいアレンジに出だしはなっていますけど、一部にキメのサウンドがあるのが面白い。変則編成のビッグ・バンドもこのためにあるかのような音ですし、さすが名アレンジャーだと思います。

 

Bach2000/Manhattan Jazz Orchestra(Videoarts) - Recorded February 5 and 6, 2000. Lew Soloff(Tp), Ryan Kisor(Tp), Joe Shepley(Tp), Scott Wendholt(Tp), Jim Pugh(Tb), Larry Farrell(Tb), Birch Johnson(Tb), David Taylor(Btb), Fred Griffin(French Horn), John Clark(French Horn), Tony Price(Tuba), Chris Hunter(As, Fl), Bill Evans(As, Ts, Fl), Roger Rosengurg(Bcl), Chip Jackson(B), Terry Silverlight(Ds), David Matthews(Arr, Cond) - 1. Toccata And Fuge 2. Air On The G String 3. Invention No. 4 4. Kyrie 5. Menuet (A Lover's Concerto) 6. Siciliano 7. Fuge No. 2

MJOによるバッハ特集。今回はデヴィッド・マシューズは、ピアノでの参加はありません。また、オリジナルも今回はなく、全曲バッハの曲。聴いてみて、1曲目の「トッカータとフーガ」の出だしのところからオヨヨ、けっこうカッチョエエ、という感じでインパクトがありました。アレンジがけっこうきっちりしていてタイトで高度。とはいうものの他のバッハ集にありがちな硬さがなくて、あくまでもジャズのエリアで勝負しているところがいい。その分バッハファンからは煙たがられるかもしれませんが。相変わらず木管を入れたアレンジが光っています。 個性的なバンドサウンドだと思いますし、けっこう聴き応えあり。セールスとビッグ・バンドの面白さを高度に融合させた1枚か。スピード感のある1、5曲目あたりが好みです。(00年5月24日発売)

2021/10/23

Hey Duke!/Manhattan Jazz Orchestra

Mjoheyduke ここからマンハッタン・ジャズ・オーケストラのアルバムを3枚ほど。このアルバムはデューク・エリントン特集だけど、曲は取り上げているけどあくまでデヴィッド・マシューズが自分のペースでアレンジ、演奏しているので、気が付きにくいかもしれません。ただ編成がギル・エヴァンス・オーケストラをポップにしたような感じになっているので、そういう意味ではマニアックな編成ですね。MJQの方は分かりやすいアレンジ、というのがありましたが、こっちは聴いた感じがカッコ良くなるようにはしているけど、奥行きの深いアレンジではないかなあと思います。まあ、評価は人それぞれだと思いますけど。

 

Hey Duke!/Manhattan Jazz Orchestra(Videoarts) - Recorded July 28-29, 1999. Lew Soloff(Tp), Ryan Kisor(Tp), Joe Shepley(Tp), Scott Wendholt(Tp), Jim Pugh(Tb), Larry Farrell(Tb), Birch Johnson(Tb), David Taylor(Btb), Fred Griffin(French Horn), John Clark(French Horn), Chris Comer(French Horn), Tony Price(Tuba), Chris Hunter(As), Aaron Heick(Ss, Cl), Lawrence Feldman(Ss, Cl), Roger Rosengurg(Bcl), Chip Jackson(B), Terry Silverlight(Ds), Christine Sperry(Vo), David Matthews(P, Arr, Cond) - 1. It on't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing 2. Prelude To A Kiss 3. Mood Indigo 4. Come Sunday 5. Satin Doll 6. Song For Edward 7. Cotton Tail 8. In A Sentimental Mood

MJOによるデューク・エリントン特集。もちろん1曲を除き全てエリントンの曲で、有名なものばかり。ただし、デヴィッド・マシューズのアレンジはギル・エヴァンス・オーケストラをポップにしたような感じなので、ホーンの重心はちょっと重めでシャープ。エリントンを期待するよりは、曲をエッセンスとしてそのカッコ良さを聴くアルバム。1曲目は特にカッコ良いスリリングなアレンジで、一気に聴かせてしまいます。複雑な色合いを持ったホーン・サウンドが心地良い2、7-8曲目、8ビートの部分もある3曲目、時々倍速になったりもする5曲目。意表をついたアレンジの曲もあって、個々にアレンジを注意深く聴いていくと、マニアックな部分も多いかもしれません。オリジナルは6曲目で、マシューズらしいメロディになっています。(99年10月21日発売)

2021/10/22

One Last Kiss/宇多田ヒカル のCDとLP

Utadaonelast 当初は長男の購入品だし、ジャズではないしで、あまり取り上げるつもりはなかったのだけど、CDとLPで3種類のジャケットが集まってしまったので、あえて取り上げてみようかと。でも、あまりにも有名すぎる歌手の有名すぎる歌で、もう、聴けば分かるとしか書けない自分が情けない(笑)。有名なポップスなどを取り上げているブログその他書き物をしている人たちを尊敬してしまいます。ただ、個人的には楽器の生演奏が好きなので、打ち込み系のドラムスやベースが多めの彼女の曲は、やはり自分よりは若い人向けなのかなあ、などと思って見たり。有名な曲は一通りストリーミングで聴いたのだけど、やはり天才だと思う反面、そんなことを思ってしまいました。

 

One Last Kiss/宇多田ヒカル(Sony Music) - Released 2021. - 1. One Last Kiss 2. Beautiful World (Da Capo Version) 3. Beautiful World 4. Beautiful World (PLANTiTb Acoustica Mix) 5. 桜流し 6. Fly Me To The Moon (In Other Words) [CDのみ] 7. One Last Kiss (Instrumental) 8. Beautiful World (Da Capo Version)(Instrumental)

6曲目がジャズのスタンダードの他は、全曲宇多田ヒカル作曲。1-2曲目が今回の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のエンディング・テーマで、3-6曲目は、過去のエヴァンゲリオンの映画の曲の2021リマスター・ヴァージョン。説明不要なくらいあちこちでかかっていて、聴けば分かると思う内容の曲。クレジットは書かなかったけど、曲によっては彼女自身の多重録音の楽器演奏が大きい割合を占めている曲も。やはり彼女は天才だと思うしかない出来で、何度聴いてもしみてくる感じはします、2、3、4曲目のサウンド違いの同じ曲を聴き比べるのもいいし、通して聴くのもいい。ジャケット違いでCD1種類、LP2種類(輸入盤は実はUS盤とEU盤があるのでもう1種類。ジャケは両方とも同じ)あるので、つい買ってしまう人も多そう。(21年3月10日発売)

2021/10/21

System Tandem/Jiri Stivin/Rudolf Dasek

60008ECM関連では10か月ぶりぐらいで、未CD化でなおかつストリーミングにもないLPを入手したので、取り上げます。これでECM本編と、JAPOで残り聴いてないアルバムが4枚に減りました。ECMも、あとストリーミング化してないものは10数枚というところなので、やってほしいところなんですが、(19年に廃盤のストリーミング化40枚やってからストップしたままになってます。収益があまり上がらなかったのかな?)残りのアルバムはLP中古を狙うと内容に比べてちょっと値段が高そうなので、このあたりがそろそろ限界かな、と思っています。値段の割には、という感じのアルバムもありそうなので。

 

System Tandem/Jiri Stivin(Fl, Recorder, Sax)/Rudolf Dasek(G)(JAPO 60008)(LPのみ)(輸入盤) - Recorded May 1974. - 1. Puddle On The Muddle 2. Moravian Folk Song - Forman Going Down The Valley 3. Hey, Man (Let's Play Something About Spain) 4. Shepherd Song 5. What's Your Story 6. Puzzle Game

(21/10/20)Jiri Stivinアレンジのフォークソングが2曲目、彼の作曲が1曲目、Rudolf Dasek作が3-6曲目。低音楽器のないデュオで、曲によって実質フリージャズという感じで、曲はある程度テーマなどの決まりはあるのだろうけど、けっこう自由です。テンポの速いフリーのように聴こえて、譜割が2人ともきっちり揃っていてかっちりとしている1曲目、落ち着いたバラードだけどほの暗い雰囲気を醸し出している2曲目、ギターをかき鳴らしてそれにフルートが舞い踊るという構図のやはりフリーに近い3曲目、やはりかき鳴らされるギターにサックスがその上を吹きまくる演奏で、緩急のある10分台の4曲目、比較的メロディアスなミディアムテンポの5曲目、超スピードの4ビート的フリーに聴こえてスリリングなやり取りの6曲目。

2021/10/20

Blue Bossa/Manhattan Jazz Quintet

Mjqbluebossa マンハッタン・ジャズ・クインテットの3日目で、クインテットに関しては一段落。ボッサやラテンの曲が多めなんですけど、いつものデヴィッド・マシューズ節で料理しています。テーマの部分など、ホーンの2管がユニゾンが多かったり、わざと分かりやすくアレンジしてあって、ジャズ初心者でも手を出しやすいようにしているのはいつもと同じ。それにしても、レコーディングとツアーのみのバンドだったけど、長く活動していたな、と思います。彼のシャープで分かりやすいアレンジが好きだし、そもそも私がジャズに踏み込むきっかけとなった1枚に、彼らのファーストアルバムがあるのだから影響は大きいです。収録時間は53分。

 

Blue Bossa/Manhattan Jazz Quintet(Videoarts) - Recorded February 19 and 20, 2003. David Matthews(P), Lew Soloff(Tp), Andy Snitzer(Ts), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Samba De Orfeu 2. Route 66 3. Englishman In New York 4. Agua De Beber 5. No More Blues 6. Don't Know Much 7. Blue Bossa 8. Wave 9. Amblin'

今回はボサノヴァ路線が半分以上含まれるアルバム。とは言いつつも、1曲目はシャープなアレンジでスピーディーなラテン・サウンドで、カッコ良い仕上がりになっています。いわゆるモッタリしているエキゾチックなボサノヴァではなく、やっぱりフュージョン世代以降のジャズ、という感じ。2曲目はボサノヴァ色はなく、オーソドックスなジャズで勝負しています。スティングのメロディアスな曲を起伏豊かに料理する3曲目、かなり洗練されながらボッサ(ラテン)の王道をいく(かもしれない)4-5曲目、淡々とメロディを語っていくバラードの6曲目、やはり有名でカッコ良さではかなりのセンをいくタイトル曲の7曲目、これまたこれでもか的に有名な曲でせまる8曲目、唯一オリジナル曲の、ミディアムの4ビートでひねりのあるメロディの9曲目。(03年5月28日発売)

2021/10/19

I Got Rhythm/Manhattan Jazz Quintet

Mjqigotrhythm マンハッタン・ジャズ・クインテットの2日目。彼らのアルバムというと初期の時代のものが知られていますが、この時期はレーベルもビデオアーツで入手もそんなに簡単ではないということで、あまり知られていないんじゃないかと思います。リズム・セクションには有名なミュージシャンをいろいろ使ってますけど、個人的にはこの時期のチャーネット・モフェットとヴィクター・ルイスの時期が面白かったと思ってます。重量感のあるベースですしね。曲はスタンダードだったり、ニュー・スタンダードだったりオリジナルだったりといろいろですが、区別がつきにくいこともあり、ちょっと枚数作りすぎたかな、という気も何となくしてます。収録時間は58分とちょっと長め。

 

I Got Rhythm/Manhattan Jazz Quintet(Videoarts) - Recorded August 8-10, 2001. David Matthews(P), Lew Soloff(Tp), Andy Snitzer(Ts), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. I Got Rhythm 2. Def Groove 3. Stuff Like That 4. Mr. Magic 5. Donna Lee 6. Why Wouldn't I? 7. Breezin' 8. Harbor Hotel 9. Feel Like Makin' Love

スタンダードやジャズメン・オリジナルで2曲、クインシー・ジョーンズやジョージ・ベンソンなどでおなじみのヒット曲(ニュー・スタンダードとでも言うべきか)から4曲、そしてデヴィッド・マシューズのオリジナルが3曲という構成。1曲目のタイトル曲や5曲目の「ドナ・リー」あたりはスピーディーでカッコ良い展開。オリジナルが並んでいても、オリジナルとは気付きにくいように、うまい構成になっています。有名な曲も多いのですが、例によって2管のユニゾンでテーマを奏でる場面が多く、シャープで分かりやすい演奏。逆に彼らのサウンドパターンが出来上がっていて、良い意味でのマンネリ気味かな、という感じも少々あります。当然ですがソロはけっこう力が入っています。ベースが重い感じで好み。好き嫌いが分かれそうなアルバム。(01年11月21日発売)

2021/10/18

Teen Town/Manhattan Jazz Quintet

Mjqteentown マンハッタン・ジャズ・クインテット(オーケストラ)も、’99年から’04年初期までのアルバム計6枚がまだブログにアップされてません。大いなるマンネリでも、売れていたのは間違いありませんし。このアルバムからテナーサックスがジョージ・ヤングからアンディ・スニッツァーに交代しています。このグループは、ストリーミングにほとんどないのが少々辛いところ。このアルバムの収録時間は50分で、久しぶりに聴いても、重量級のベース、ドラムスで聴いていて爽快ですね。今はデヴィッド・マシューズ氏は日本に住んでいて、もうMJQ(MJO)の活動がなさそうなのは少々残念かもしれないです。スウィングジャーナル誌のゴールドディスク。

 

Teen Town/Manhattan Jazz Quintet(Videoarts) - Recorded August 30 and 31, 2000. David Matthews(P), Lew Soloff(Tp), Andy Snitzer(Ts), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Flash Point 2. Blues Intro/The Chicken 3. Teen Town 4. Road Song 5. I Wish 6. To M.O. Emm 7. Sparkle 8. Pastime Paradise 9. Rumblin'

1曲目からオリジナルで勝負。スピード感あふれる曲、印象的で分かりやすいテーマ、それに続くエキサイティングなソロ。どの曲でもそうなのですが、ルー・ソロフのスタジオ・ミュージシャンとしての、トランペットの職人芸が見事。また、タイトル曲を含む2、3曲目はジャコ・パストリアスの曲で、アコースティック・ベースのチャーネット・モフェットの重戦車級の演奏を聴くことができます。そして、いわゆるニュー・スタンダードとも言うべき曲が並んでいますが、出てくる音はMJQとしての音。注意して聴くと、随所に無理なくアレンジされた痕跡や、サウンドの方向性があります。ずっとピアニストとしてやってきて、好セールスを獲得してきたことは、彼のアレンジした曲のカッコ良さ、シャープさ、分かりやすさなどによるものが大きいです。

2021/10/17

Live And Unreleased/Weather Report

Weatherliveunブログコメントの手直しはウェザー・リポートは遅めで、’17年頃にまとめてやってます。特集を作ったのはいいのだけど、アルバムコメント作業はよく知られたアルバムばかりだし、修正をやりにくくて遅れた、ということもありますけど。そんな中でも、まだブログに掲載されてないアルバムが、これ1つだけありました。ストリーミングを見ると、海賊盤なのかどうか、ライヴアルバムはたくさんあるけど、Sonyからこれは出ているので、公式のライヴなんでしょう。今では必ずしも音源を全部聴きたい、という欲求はないのでいいのですが、それでもこれはいろいろな時期の録音があるけど、うまくまとめられていると思います。グループ名の綴りを今までずっと間違えていたというのは内緒。

 

Live And Unreleased/Weather Report(Sony) - Recorded November 27, 1975, November 30, 1977, September 10, 1977, November 28, 1978, July 12-13, 1980 and June 3, 1983. Wayne Shorter(Ss, Ts), Josef Zawinul(Key), Alphonso Johnson(B), Chester Thompson(Ds), Alex Acuna(Ds, Per), Victor Bailey(B), Omar Hakim(Ds), Jose Rossy(Per), Jaco Pastorius(B), Peter Erskine(Ds), Robert Thomas(Per), Manolo Badrena(Per) - 1. Freezing Fire 2. Plaza Real 3. Fast City 4. Portrait Of Tracy 5. Elegant People 6. Cucumber Slumber 7. Teen Town 8. Man In The Green Shirt 9. Black Market 10. Where The Moon Goes 11. River People 12. Two Lines 13. Cigano 14. In A Silent Way/Waterfall 15. Night Passage 16. Port Of Entry 17. Rumba Mama 18. Directions/De. Honoris Causa

’75、’77、’78、’80、’83年のライヴ音源を、ジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターのプロデュースでまとめた2枚組CD。当然のことながら音も演奏も素晴らしい。曲の順序は古い順ではないですが、6回分ほどのライヴ録音から18曲が抜粋されています。リーダー格の2人の演奏はともかく、やっぱりベーシストにも目がいきます。ジャコ・パストリアスの天才的な演奏は言わずもがなですが、アルフォンソ・ジョンソンもヴィクター・ベイリーもかなり良い。今聴いても古さは全然なく、グループの圧倒的なサウンドとしてせまってきます。時代によってサウンドが変わっているのに、不思議な統一感。ジャコ・パストリアスは3-5、7、9、11、14-16曲目に参加。特に4曲目のベースソロ「トレイシーの肖像」が印象的でした。(02年10月23日発売)

2021/10/16

The Sweetest Punch/The New Songs Of Elvis Costello And Burt Bacharach/Arranged By Bill Frisell

Elvisthesweet ビル・フリゼールの競演作で、いくつか気になったものをあげてみたいのですが、このあたり、CDラックにランダムに詰め込まれていて、なかなか探せない状況です。いくつかは後回しにするかもしれませんけど、今日のアルバム、エルヴィス・コステロとバート・バカラックの新曲集ということで、そこにフリゼールがアレンジとギターでけっこう絡んでいるということで、興味深いアルバムです。元アルバム「ペインテッド・フロム・メモリー」と同じ曲というのも、私はそちらは持っていませんけど、比較して聴いてみるのもいいかもしれませんね。アレンジまでできてしまうんだ、という驚きもありましたが、なかなかいい感じですね。

 

The Sweetest Punch/The New Songs Of Elvis Costello(Vo, Comp) And Burt Bacharach(Comp)/Arranged By Bill Frisell(G, Arr)(Decca) - Released 1999. Brian Blade(Ds, Per), Don Byron(Cl), Billy Drewes(As), Curtis Fowlkes(Tb), Viktor Krauss(B), Ron Miles(Tp) - 1. The Sweetest Punch 2. Toledo 3. Such Unlikely Lovers 4. This House Is Empty Now 5. Painted From Memory 6. What's Her Name Today? 7. In The Darkest Place 8. Vamp Dolce 9. My Thief 10. I Still Have That Other Girl 11. Painted From Memory (Reprise) 12. The Long Division 13. Tears At The Birthday Party 14. I Still Have That Other Girl (Reprise) 15. God Give Me Strength

エルヴィス・コステロのバート・バカラックとのアルバム「ペインテッド・フロム・メモリー」と同じ曲で、同時期にビル・フリゼールのアレンジで作ってしまった別なアルバム。ただし、コステロは2、10曲目のみに参加。ただ、元のアルバムを聴いた事がないだけに、どう評価したら良いのか分かりません。さすがにいい曲がそろってい て、コステロの曲はどの曲も印象に残ります。ただ、ジャズとしてとらえるのはちょっと違う気もします。BGMとしては何回も聴いてしまいました。カサンドラ・ウィルソンが5、10曲目に参加していますが、控え目な印象。今ひとつこのアルバムのターゲットが不明確な気もしますが、ビル・フリゼールの露出度は高い方だと思うので、彼のギターとアレンジを楽しむには良いかもしれません。(99年10月22日発売)

2021/10/15

Shadow Plays/Craig Taborn

2693ECMの新譜2枚目でとりあえず一段落。これはCraig Tabornのコンサートレコーディングで、収録時間は76分あります。おそらく完全即興演奏ではないかと思われ、穏やかに進むところ、盛り上がるところ、アブストラクトなところ、ミニマルなところ、いろいろな要素が入っています。この時間を聴き通すにはやや難解だなあ、と思う方もいらっしゃると思うので、聴く人を選ぶかも、という文言を使いました。こういう時、キース・ジャレットなら難解でも有無を言わさずついてこい的な迫力があるのですが、この人の場合、もっと自由にどうぞという感じにも聴こえます。まあ、それについてはまず聴いてみてからということで。最近はストリーミングもありますし。

 

Shadow Plays/Craig Taborn(P)(ECM 2693)(輸入盤) - Recorded March 2, 2020. - 1. Bird Templars 2. Discordia Concors 3. Conspiracy Of Things 4. Concordia Discors 5. A Code With Spells 6. Shadow Play 7. Now In Hope

(21/10/13)Wiener Konzerthausでのライヴ録音で、おそらくピアノは即興演奏だと思われます。収録時間は76分。静かなところから、盛り上がりのあるところまで、ドラマチックにコンサートは進行していきますが、やはり流れを意識しているのか、それともその場でどこへ行くのか決めているのか、彼の構成力を感じます。次はどこに行くのか。その流れに身をゆだねていくのがいいと思いますが、時にアブストラクトなアプローチになってみたり、クラシックや現代音楽の緊張感もそのフレーズからは感じます。時に同じフレーズを繰り返したりしますが、彼のピアノは思索的な部分が多い印象。抽象的な部分もさりげなく織り込む。結果的にはレーベルカラーに合っているための採用だったのかも。ある意味聴く人を選ぶアルバム。

2021/10/14

When We Leave/Mathias Eick

2660ECMの新譜が2枚届いたので聴いていきます。今月下旬から来月上旬までにECMから5枚ぐらい出るようで、コロナ禍の前のペースに戻るのではないかなあと思いますが、ちょうどその最中の録音が少ないと思われるため、一時的なものかもしれません。さて、Mathias Eickのこのアルバム、けっこうメロディアスで聴きやすく、ほとんどインタープレイ的なシリアスな場面がないため、あまりECMには親しみがない方でも聴けるのではないかなあ、と思います。それでいて、サウンドがそのペースのまま盛り上がっていくところもあって、聴いていてある程度メリハリもありますし。収録時間が適度に短めなのも、全体のまとまりを良くしている感じです。

 

When We Leave/Mathias Eick(Tp, Key)(ECM 2660)(輸入盤) - Recorded August 2020. Hakon Aase(Vln, Per), Andreas Ulvo(P), Audun Erlien(B), Torstein Lfthus(Ds), Helge Andreas Norbakken(Ds, Per), Stian Carstensen(Pedal Steel G) - 1. V(輸入盤) - 1. Loving 2. Caring 3. Turning 4. Flying 5. Arvo 6. Playing 7. Begging

(21/10/13)全曲Mathias Eickの作曲。収録時間は38分。ノルウェーのトランぺッターらしく、北欧の流れていくような、ジャズと当地の空気を含んだ陰影のあるメロディの音楽とをうまく組み合わせています。ECMらしいベース(ベースはやや目立ったアプローチですが)とドラムスが、中心にサポートしています。インタープレイ的なものもメロディアスで、どの曲も前面にメロディが出てくることが特徴になってます。穏やかで、少し低い温度感のあるサウンド風景が広がっています。それでいてその雰囲気のまま盛り上がる場面もあって、音的には必ずしも静かというわけではなく、そのあたりで物語性を持っている感じ。マンフレート・アイヒャーのプロデュースですが、このアルバムに関してはそんなにシリアスに構える必要はないです。

2021/10/13

Orfeu/Ron Carter Sextet

Ronorfeu ここで、ビル・フリゼールのサイド参加作の中でいくつかを。東芝系のSomethin'elseレーベルの作品ですけど、なぜかこのアルバムはストリーミングでは見つかりませんでした。探し方が悪いのかな。CDを発見するまで時間がかかり手間取りましたってこともあります。オリジナルと有名なボッサ曲とが混在するアルバムですが、その境目がうまくいっていて、通して聴いても自然な感じの流れになっていて、さすがロン・カーターだと思いました。これもスウィングジャーナル誌のゴールドディスクになっていて、その分聴きやすいというのはあるのかもしれないんですが、個人的にはけっこう好きなアルバムになっています。収録時間は45分とちょうどいい長さ。

 

Orfeu/Ron Carter(B) Sextet(Somethin'else) - Recorded Fenruary 1999. Houston Person(Ts), Bill Frisell(G), Stephen Scott(P), Payton Crossley(Ds), Steve Kroon(Per) - 1. Saudade 2. Manha De Carnaval 3. Por-Do-Sol 4. Goin' Home 5. 1:17 Special 6. Obrigado 7. Samba De Orfeu

ロン・カーター初のボサノヴァ・アルバム。有名な曲だけでなく、オリジナルが半分以上。どの曲も印象的なメロディなのですが、特に1曲目はオリジナルとは思えないほど美しい。抑制のきいた哀愁の漂う演奏がテナー、ギター、テナー、ピアノと続き、泣けます。「サウダージ」という曲名もなるほど。2曲目は有名な、あえて説明不要の哀愁系の曲。3曲目は一転明るい「日没」。4曲目「家路」はご愛嬌?少々俗っぽい気も。5曲目はリズムが少々違いますが、アルバムの流れとしては自然。ギターがブルースっぽい。6曲目もゴキゲンな曲。個人的にイチ押しなのが、ビル・フリゼールのギター。エフェクターの効きが今回は弱いながらも個性的な音色で、それほどジャズのフレーズを弾くわけでもない。ギターのモンクとも言われる。

2021/10/12

Eberhard/Lyle Mays

Lyleeberhard ライル・メイズは、私たちの前から姿を消した(活動はしていたのでしょうけど、地元の方に移住したのか、どうか)からしばらく経って、昨年に訃報が入って非常に残念だったのですが、亡くなる少し前(亡くなる数か月ほど前、とのこと)に録音された音源が8月に発売されました。アルバム分ぐらいの分量があることを期待したのですが、13分ほどのこの1曲のみの録音です。それでも、ファンにとっては十分すぎるくらいの内容で、素晴らしい音楽を残してくれたなあ、と聴いてみて思いました。まさにライルのサウンドになっていて、私たちはこれを待っていた、というのも言い過ぎではないくらいの曲でした。今これを聴けて良かったです。

 

Eberhard/Lyle Mays(P, Synth)(Oim)(輸入盤) - Released 2021. Bob Sheppard(Ts, Fl, Afl, Cl, Bcl), Mitchel Forman(Wurlitzer, Org), Steve Rodby(A-B), Jimmy Johnson(E-B), Alex Acuna(Ds, Per), Jimmy Branly(Ds, Per), Wade Culbreath(Marimba, Vib, Orchestra Bells, Xylophone, Tome Bells), Bill Frisell(G), Aubrey Johnson(Vo), Rosana Ecjert(Vo), Gary Eckert(Vo), Timothy Loo(Ecllo), Erika Duke-Kirkpatrick(Cello), Eric Byers(Cello), Armen Ksajikian(Cello) - 1. Eberhard

(21/10/11)ライル・メイズの遺作で、1曲のみ、13分ほどの収録。タイトルはエバーハルト・ウェーバーにちなんだ曲名だし、エレキのフレットレス・ベースがそれっぽいフレーズを弾いてはいますが、内容的には以前のパット・メセニー・グループのかなりの割合で彼の色が出ていたのではないかと思わせるような、壮大でそれでいて包み込むような分厚いサウンドだったり、ドラマチックな進行だったりと、彼なしには出せないようなサウンドに包まれているところが見事。参加メンバーもなかなか豪華ですし、彼の人望があまり人前には出なくなってからもあったのだなと思います。まあ、このスケールの大きさとドラマは一度聴いてみないと、と思います。せめてアルバム1枚分の分量があれば、と思わせるようなさすがな内容でした。

2021/10/11

ホームページにあってブログにないアルバムの探し出し

以前、ブログにホームページのアルバムを全部移して、ホームページは廃止を考えていた時期がありました。その時はホームページのアルバムコメントの手直し作業の途中だったので、そんな余裕は全然なかったのですけど、それも昨年の7月に終了。そして今年の7月ぐらいから、その移行作業を再び始めました。

アルバムコメントの直しの作業は、何から最初にやっていったかというと、まずM-BASE関係のミュージシャンの半分くらいを’99年のうちにやってしまったかと思います。なので、これらを先に手をつければいいんですけど、読者にとって面白いかどうか、という点では、今になってまとめて紹介するのもどうかなあと思い、他のミュージシャンのセレクトもしてみました。例えばビル・フリゼールあたりが面白いのでは、と思ったのですが、実際にアルバムコメントを直す作業は’12年頃に行ってます。そうすると、ブログ開始前(’04年5月以前)でかつ、ホームページのアルバムコメントの直しをはじめた’99年以降のアルバムしか未掲載のものがなくなっているんですよね。当初リーダー作が17枚あると思って調べた結果、ブログ未掲載のものは6枚という結果になりました。このあたりなかなか難しいですね。

結局、全部移行するということは、1枚1枚ブログ検索をかけていって、重複がないか調べる作業が膨大になってしまいますし、20年くらい前のアルバムをまとめて今紹介しても、あまり面白くないかもしれない、と思っています。まあ、全部は無理にしても、やれるところまではやってみたいとは考えていますけど。これも前に書いてますが、’99年以降のCDはCDラックにランダムに突っ込んだものが多いので、探せずにストリーミングで聴いてアップすることも増えてきました。探すのが手間取るのといちおう1枚1枚聴き直しながらのアップですので、これからはほぼ毎日更新は難しくなる可能性があるので、その点はご了承ください。

もともとアルバムコメントの直しの作業が終わったら、ゆっくりする宣言はしてるのですが、もう今まで何回同様の宣言をしたのかは、覚えてないくらい書いていますね。気長にお待ちいただければ、と思います。

2021/10/10

The Intercontinentals/Bill Frisell

Billinterconti ビル・フリゼールの’03年作は、ワールドワイドな民族音楽系のミュージシャンのサウンドを取り入れて演奏したサウンド。それでも民族音楽色は強くはなく、彼の色合いというのは強く出ていて、いろいろな趣向を凝らしてみても、本質というのは変わらないで、マイペースで演奏しているんだなあ、ということが分かります。まあ、彼のギターがどこまでも好きなので追いかけてはいますけど。この頃は初期のハードコアなサウンドは影を潜めてますが、後年に再び出そうと思えば出せるのが、どんな組み合わせでも演奏できてしまうすごさなのでは、と思ってます。これ以降のアルバムは既にブログにアップしてありますので、彼のリーダー作はこれで一段落です。

 

The Intercontinentals/Bill Frisell(G, Loops, B)(Nonesuch) - Peleased 2003. Sidiki Camara(Calabash, Djembe, Conga, per, Vo), Vinicius Cantuaria(G, Vo, Ds, Per), Christos Govetas(Oud, Vo, Bouzouki), Greg Leisz(Slide G, Pedal Steel G), Jenny Scheinman(Vln) - 1. Boubacar 2. Good Old People 3. For Christos 4. Baba Dream 5. Listen 6. Anywhere Road 7. Procissao 8. The young Monk 9. We Are Everywhere 10. Yala 11. Perritos 12. Magic 13. Eli 14. Remember

5曲を除いてビル・フリゼールのオリジナル。タイトル通り、ブラジル、マリ、ギリシャ出身のミュージシャンなども参加しながら、アメリカ大陸をこえたワールドなサウンドでせまってくる曲が多いです。もちろん、アメリカ風なサウンドも。曲によって、アフリカの明るいリズムが見えてきたり、中近東風のサウンドが漂ってきたり、ということはありますが、基本的なメロディラインは淡々としたビル・フリゼールそのものが自然に出てくる感じの曲。また、個々のインプロヴィゼーションで表現しているというよりは、メンバー全員のフレーズの集まりで、ゆったりと時間の流れとともに聴かせてくれるような雰囲気。さらにジャズとは遠ざかって、どこの地平に行こうとしているのでしょうか。でも、これもジャズかも 、と心の隅で思います。(03年4月9日発売)

2021/10/09

The Willies/Bill Frisell

Billwillies ビル・フリゼールの’02年作は、カントリー・ミュージシャンとの共演です。もともとこういう要素があっただけに、何の違和感もなく競演できてしまっています。こうなってくるとジャズでもなければフュージョンでもない世界に突入したのかな、とも思いますけど、その境目は分からなくて、あくまでもフリゼールの世界のギターサウンドということで、ケリがついてしまうのではないかと思います。でも、聴いていて面白い。曲数が多く詰まっているのとカントリー系メインということで、1曲あたりの時間はそんなに長くないようですけど。このアルバム、あるはずなのだけど探しても見つからないので、とりあえずストリーミングで聴いてしまいました。

 

The Willies/Bill Frisell(G)(Nonesuch) - Released 2002. Danny Barnes(Banjo, G, Harmonica, Pump Organ), Keith Lowe(B) - 1. Sittin' On Top Of The World 2. Cluck Old Hen 3. Everybody Loves Everybody 4. I Want To Go Home 5. Single Girl, Married Girl 6. Get Along 7. John Hardy Was A Desperate Little Man 8. Sugar Baby 9. Blackberry Blossom 10. If I Could I Surely Would 11. Cluck Old Hen(Reprise) 12. Cold, Cold Heart 13. I Know You Care 14. Goodnight Irene 15. Big Shoe 16. The Willies

トリオといってもジャズ・ミュージシャンではなく、フォークやカントリー系のミュージシャンとの共演です。自作の曲が半分ぐらい(3-4、6、10、12-13、15-16曲目)で、フォークやブルーグラス系の曲がやはり半分ぐらい。当然のことながらジャズ色はないのですが、ミディアムからスローなテンポの曲が多く、ほのぼのとした牧歌的なサウンド。短調の曲でも、時々感じるエキゾチックさはややあるものの、ごく自然な展開です。ナチュラルに流れていくギターのフレーズや音色などは、まさに近年のビル・フリゼール的な世界。ジャズではなくても何をやってもワン・アンド・オンリー。 ただ、これこそ本当に彼に心酔した人が聴くべき音楽です。こういうカントリー的な香りのあるところに足を踏み入れるのもいいかも。(02年6月26日発売)

2021/10/08

Bill Frisell With Dave Holland And Elvin Jones

Billholanndj ビル・フリゼールによるジャズ系のリズム・セクションを従えたギター・トリオのアルバム。他に’05年録音でロン・カーターとポール・モチアンとのトリオ作もあります。こういうトリオだからといって4ビートになったりはしませんが、こういうメンバーでもフリゼールの世界を表しているのは、やっぱり彼の適応力と、周りのメンバーを土俵に引き寄せてしまう力かと思います。ここではオリジナルは再演曲ばかりとのことですが、この時期やその前の時期はあまり聴きこんでないため、あるいは忘れてしまったため、比較できないところがちょっとクヤしい。それでもこういうメンバーになっても牧歌的なところがあるのが彼の強みかな、と思います。

 

Bill Frisell(G) With Dave Holland(B) And Elvin Jones(Ds)(Nonesuch) - Released 2001. - 1. Outlaws 2. Twenty Years 3. Coffaro's Theme 4. Blues Dream 5. Moon River 6. Tell Your Ma, Tell Your Pa 7. Strange Meeting 8. Convict 13 9. Again 10. Hard Times 11. Justice And Honor 12. Smilin' Jones

異色のトリオの組み合わせによるアルバム。全12曲中10曲がオリジナル。どこか聴いたことがある曲が多いと思ったら、このアルバムのオリジナル曲はすべて再演曲とのこと。彼の前のアルバムの同じ曲と聴き比べてみるといいかも。このような強力なベースとドラムスとの組み合わせでも、結局はビル・フリゼール流の牧歌的だったり哀愁が漂ったり、カントリー調だったり、時々盛り上がったりする世界になってしまっているのが面白い。デイヴ・ホランドは誰とでも合わせられるのですが、エルヴィン・ジョーンズは抑え気味の演奏が多く、ややミス・マッチ的な楽しさがあります。そんな中でも6、8曲目あたりは本領発揮。5曲目の「ムーン・リバー」はホンワカと聴かせます。 なかなか興味深い取り合わせのサウンド。(01年11月21日発売)

2021/10/07

Blues Dream/Bill Frisell

Billbluesd ビル・フリゼールの’01年作。マイナーなスローのブルース的な曲が1曲目にあって、いわゆる普通のブルース的なブルースの曲集ではないなあ、というのは聴いていて思いました。でも彼らしいといえばこの上なく彼らしいアルバムなので、そういう意味ではけっこううれしいですね。彼のアルバムというと、ECMでの初期3枚と、あるいは新作ばかり聴いているので、このような20年ぐらい前のアルバムを久しぶりに聴くのもなかなかいい感じではあります。どこを切っても金太郎あめ的にフリゼールの音楽ですが、やはりアルバムごとに印象が違ってくるのは、彼の引き出しの多さを表しているのでは。そんなに大きい変化ではないですが。

 

Blues Dream/Bill Frisell(G)(Nonesuch) - Released 2001. Greg Leisz(Steel G), Ron Miles(Tp), Billy Drewes(As), David Piltch(B), Kenny Wollesen(Ds, Per), Curtis Fowlkes(Tb) - 1. Blues Dreams 2. Ron Carter 3. Pretty Flowers Were Made For Blooming 4. Pretty Stars Were Made To Shine 5. Where Do We Go? 6. Like Dreamers Do (Part One) 7. Like Dreamers Do (Part Two) 8. Outlaws 9. What We Do? 10. Episode 11. Soul Merchant 12. Greg Leitz 13. The Tractor 14. Fifty years 15. Slow Dance 16. Things Will Never Be The Same 17. Dream On 18. Blues Dream (Reprise)

ブルースの曲が多いアルバム。とは言うもののフツーのブルース(聴いた事はありませんが)ではない感じ。何たって全曲オリジナル。曲によりホーンセクションがいい味を出していて、やっぱり彼独自のダークな、あるいは 時によって明るい世界を表しているようなサウンド。メンバーといい、サウンドといい、やっぱり彼の曲とギターを聴くためのアルバムかな、と思います。ブルースばかりではなくて明るいカントリーの世界が表出している曲も何曲もあります。全部で18曲あり、カラフルな世界を堪能。ジャズ度はほとんどなしですけれど、なぜかジャズやブルースを感じる部分があるのは、やっぱり彼のキャラクターによるものかも しれません。ただ、少々聴く人を選ぶので、やっぱり彼のファン向けか、と思います。(01年3月23日発売)

2021/10/06

Ghost Town/Bill Frisell

Billghostt ビル・フリゼールの’00年リリース作。これは1人多重録音のアルバムですが、聴いた感じ、他のアルバムとあまり違いがないようにも感じます。そのあたり、彼のマイペースでゆったりした場面の多いサウンドが影響しているのでは、と思いますけど、どうなんでしょうか。確かにほとんど弦楽器での多重録音のため、ビート感などは全然ないですけど、曲によってある程度哀愁があったり、カラッとしていたりと、マイペースなところはあまり崩れていないような気がしています、どんなフォーマットでも何でもできてしまって、それでいて彼らしいところをきっちり抑えているところは好きですね。バンジョーは彼独特の使い方のようですけど。

 

Ghost Town/Bill Frisell(G, Banjo, B, etc)(Nonesuch) - Released 2000. - 1. Tell Your Ma, Tell Your Pa 2. Ghost Town/Poem For Eva 3. Wildwood Flower 4. Creep 5. Variation On A Theme 6. Follow Your Heart 7. I'm So Lonesome I Could Cry 8. What A World 9. My Man's Gone Now 10. Outlaw 11. When I Fall In Love 12. Big Bob 13. Winter Always Turns To Spring 14. Justice And Honor 15. Fingers Snappin' And Toes Tappin'

ビル・フリゼールによる多重録音のギター・ソロ・アルバム。曲によってバンジョーの音色もあるのが彼らしいところ。カヴァー曲もありますが、オリジナルの方が多い構成です。彼特有のアメリカの田舎を感じさせる牧歌的(フォーク的)、あるいは不思議な浮遊感のある雰囲気が目の前に広がっていきますが、何と言えば良いのだろうか、インプロヴィゼーションはあってもいわゆるジャズ的なアプローチではありません。そして派手な演奏でもありません。優しく語りかけてくるような感じ。この空気感もいい。 こういうホンワカしているサウンドも、確かに彼の世界には違いないと思います。ギター・ミュージック。ジャズというよりも、彼の演奏自体が好きかどうかがこのアルバムに対する判断の分かれ目になってくるのでは。(00年5月24日発売)

2021/10/05

Good Dog, Happy Man/Bill Frisell

Billgooddog ちょっと趣向を変えて、ビル・フリゼールのリーダー作を先に。まだ取り上げてないアルバムの枚数がけっこうあったと思ったら、6枚だけでした。これはアルバムコメント手直しの作業を’12年に終えているからで、実際残っているのはコメント手直しをはじめた’99年から’04年のブログがはじまる時期までだったです。まあ、何枚も続いても、彼のアルバムの場合、内容の差別化がしにくいので、このぐらいの枚数の方が良いのかな、とも思いますけど。聴く限り、ジャンルはロック・ポップスに近いのかもしれませんけど、いちおうフュージョン/ファンクの方にも入れておきます。独特なサウンドですが、この方がアメリカでは売れたのでしょうね。アルバムが何枚もこの時期出ています。

 

Good Dog, Happy Man/Bill Frisell(G)(Nonesuch) - Released 1999. Greg Leisz(Steel G, Mandolin), Wayne Horvitz(Org, P), Viktor Krauss(B), Jim Keltner(Ds, Per), Ry Cooder(G) - 1. Rain, Rain 2. Roscoe 3. Big Shoe 4. My Buffalo Girl 5. Shenandoah (For Jonny Smith) 6. Cadillac 7. The Pioneers 8. Cold, Cold Ground 9. That Was Then 10. Monroe 11. Good Dog, Happy Man 12. Poem For Eva

いわゆるジャズ色はありません。むしろロック(ウエスト・コースト寄り)とカントリーの中間を行くようなゆったりしたアコースティック(エレクトリックも入っていますが)中心の曲が多く続きます。あえて言うならば、ジャズファンはがっかりしてビル・フリゼールのファンは狂喜するアルバム。ウェイン・ホーヴィッツはアヴァンギャルドなアルバムでも共演していた仲ですが、ビルの嗜好に合わせてか、ここではサウンド自体がアメリカの乾いた青い空を予想させるような、明るいゆったりとした、ある意味でジーンズが似合うようなサウンドに包み込まれています。私はけっこうハマりました。ライ・クーダーの参加した曲も他の曲と同じように流れていくので、特に彼の参加ということにはこだわらなくてもいいかと思います。(99年6月23日発売)

2021/10/04

Tropical Breeze/Jasmine

Jasminetrop カサンドラ・ウィルソンがメジャーになるずっと前に録音があって、それが’02年になって初CD化になったというアルバムが、これです。ブラジリアン・フュージョンなので意表を突かれますが、珍しいと思われるアルバムなので、これも紹介したいと思います。収録時間は35分で、元々LP時代のアルバムなので短いです。カサンドラの歌い方も、ジャズの歌い方ではないので、聴いても気が付かない可能性もありますね。何枚かグループでアルバムを出しているらしいですが、彼女の参加はこれ1枚だけのよう。今となっては珍しいアルバムなので聴いてみたいと思う人は多いと思いますが、特に聴かなくても、あまり関係ないかなあ、という気もしてます。探すの面倒だけどAmazon Music HDにはありました。(アルバムタイトルで探しました。)

 

Tropical Breeze/Jasmine(Inner City) - Recorded 1981. Cassandra Wilson(Vo), Kent Jordan(Fl), Sun Kim(Vln), Patrice Fisher(Harp), Jim Markway(B), James Black(Ds), Mark Sanders(Per) - 1. O Pepita: Daughter To Be 2. Jasmine 3. Pretty Black One 4. Everything I Do With You 5. Malaguena 6. Dream Dancer 7. Dream Street 8. Rose Tower 9. Tropical Breeze

ブラジリアン・フュージョン・グループで、しかも編成がフルート、ヴァイオィン、ハープなど、けっこう変わっています。その楽器の組み合わせを強調するようなサウンドの時もありますが、大半は聴きやすいフュージョンに仕上がっています。リーダーはハープのパトリス・フィッシャー。やっぱりハープでフュージョンは少々大変そうなイメージも聴いていて何となく。フルートやヴァイオリンでメロディやソロは清涼感があります。カサンドラ・ウィルソンは1-2、4、6-8曲目でその歌を披露していて、彼女がメジャーなデビューをするはるか以前の吹き込みなので、興味深いです。声が多少若々しいにしても、やっぱり彼女の存在感があって、印象に残ります。 彼女の名前でなければ、手にとる人は少なそうなアルバム。(02年4月25日発売)

2021/10/03

Glamoured/Cassandra Wilson

Cassaglamour ブログ未掲載のカサンドラ・ウィルソンのリーダー作も、これで最後です。私の場合’10年頃まで国内盤中心で買い続けていて、’08-09年頃から輸入盤購入に徐々に切り替わったのですが、このアルバムは’03年なのにわざわざUS輸入盤と書いてあります。ブログの記録の’04年のあたりにも頻繁に登場しているのですが、コピーコントロールCDを徹底的に回避していたのですね。EU盤もCCCDのものが多かったので、わざわざUS盤を購入しています。コピー防止のために一部のレコード会社が導入したけど、結局皆買わなくなり、エイベックスでは20%も売り上げを減らした、との記述を見つけました。特に東芝EMIはジャズまでもCCCDが多かったので、当時はUS盤をわざわざ待って買ったりと、苦労は多かったです。CCCDから撤退した時はうれしかったですね。ハード側からの動作保証もなく、音を悪くしてまで売っているものを買うわけにはいかなかったです。ストリーミングでは、カサンドラのアルバムはAmazon Music HDではハイレゾ(96K/24)のものとCD規格(44.1k/16)のものと混在している感じですね。

 

Glamoured/Cassandra Wilson(Vo, G)(Blue Note)(US輸入盤)- Recorded December 2002, February and March 2003. Fabrizo Sotti(G), Brandon Ross(G, Banjo), Reginald Veal(B), Calvin Jones(B), Gregoire Maret(Harmonica), Jeffrey Haynes(Per), Teri Lynne Carington(Ds), Herlin Riley(Ds, Washboard) - 1. Fragile 2. Sleight Of Time 3. I Want More 4. If Loving you Is Wrong 5. Lay Lady Lay 6. Crazy 7. What Is It? 8. Heaven Knows 9. Honey Bee 10. Broken Drum 11. On This Train 12. Slow It Away

(03/10/13)カサンドラ・ウィルソンのオリジナル(共作含む)は7曲。ピアノは参加せずにアコースティック・ギター (エレキもあり)とパーカッションをうまく組み合わせた独特なサウンドが、彼女の重めに感じるヴォーカルにマッチして、独特なサウンドを醸し出しています。有名な1曲目のスティング作「フラジャイル」、5曲目のボブ・ディラン作「レイ・レディ・レイ」 をこんな風に料理するとは。もはや彼女自身の世界かも。ただ、以前の深い暗い蒼さは薄まってフォーク色が強くなったような気も。 この編成でパーカッシヴにファンクしている3曲目もカッコ良い。6曲目のウィリー・ネルソン作はあまり重くなく。リズミックでビートが効いている7、9、11曲目あたりもなかなかインパクトがあります。人間の原初的な部分の琴線に触れるようなジャズ。

2021/10/02

Belly Of The Sun/Cassandra Wilson

Cassabellyof カサンドラ・ウィルソンも’00年代の録音に入っていきます。彼女らしく、アフリカンなテイストを残しつつ、フォークやロックのサウンドにより近くなって、果たしてこれをジャズと言えるのかどうか、分からないですけど。他に適当なジャンルがないので、あえてジャズに入れておきますが。’01年にノラ・ジョーンズが「Come away with me」を録音後、カサンドラのこのアルバムと同じくらいの時期に発表していて、ジャズをある意味逸脱したアルバムがブルー・ノートから出た時期でもありますね。カサンドラもその流れの中にいたのかもしれません。ますますピアノ・トリオをバックに歌うということが少なくなってきてます。それでも人の心をつかむ太い声のヴォーカルはなかなか味がありますね。14曲目は日本盤のみのボーナストラック。

 

Belly Of The Sun/Cassandra Wilson(Vo)(Blue Note) - Released 2002. Marvin Sewell(G), Kevin Breit(G, Vo), Mark Peterson(B), Cyro Baptista(Per, Vo), Jeffrey Haynes(Per), Xavyon Jamison(Ds), "Boogaloo" Ames(P), Children Of M.S.44(Vo), Richard Johnson(G, Vo), Rhonda Richmond(Vo), Patrice Moncell(Vo), Jewell Bass(Vo), Henry Rohdes(Vo), Vasti Jackson(Vo), India Arie(Vo), Jesse Robinson(G), Olu Dara(Tp) - 1. The Weight 2. Justice 3. Darkness On The Delta 4. Waters Od March 5. You Gotta Move 6. Only A Dream In Rio 7. Just Another Parade 8. Wichita Lineman 9. Shelter From The Storm 10. Drunk As Cooter Brown 11. Show Me A Lobe 12. Road So Clear 13. Hot Tamales 14. Corcovado

ブルースへの接近をみせたり、ブラジルのアントニオ・カルロス・ジョビンらの曲を取り上げたり、彼女のオリジナルが4曲あったりとカラフルなアルバム。ブルース方面ではブーガルー・エイムスとのデュオの3曲目や、ギターをバックにヴォーカルがメインの5曲目あたりがけっこう渋いです。と思うと6曲目はジェームス・テイラーの曲で、8曲目はジミー・ウェッブ、そして9曲目が何とボブ・ディランと、ロックやフォークの世界への接近も。あちこちに登場する様々な種類のギターやパーカッションが、サウンド上のキー・ポイント。もはやジャズ作というよりはカサンドラ・ワールドといった方が良いかも。ただし今回はやや明るめの色彩感覚。ジャズよりは広い視点でとらえて聴きたいアルバムです。(02年3月27日発売)

2021/10/01

Traveling Miles/Cassandra Wilson

Cassatravel_20210925141801 カサンドラ・ウィルソンのアルバムがもう少し続きます。このアルバム、’99年のスウィングジャーナルのゴールドディスクになっているのですね。その時私たちは有志で「ゴールドディスクを斬る」という特集をやっていたのですが、そこでのアルバムコメントを、何年か前に通常のブログで発表する長さに縮めたものです。個人的にはけっこう好きなアルバムでしたけど。収録時間は68分で、13曲目は日本盤のみのボーナストラック。カサンドラ本人のプロデュースでそのプロデュース能力にも驚かされます。メンバーも豪華だし、マイルスのトリビュートにもしっかりとなっていると思います。不思議なのは以前どこにも使ってなかったジャケ写をスキャンしてあったこと。いつスキャンしたのだろう?

 

Traveling Miles/Cassandra Wilson(Vo)(Blue Note) - Recorded December 1997, May and September 1998. Dave Holland(B), Lonnie Plaxico(B), Olu Dara(Cor), Steve Coleman(As), Pat Metheny(G), Marvin Sewell(G), Kevin Breit(G), Doug Wamble(G), Eric Lewis(P), Jeffrey Haynes(Per), Mino Cinelu(Per), Marcus Baylor(Ds, Per), Perry Wilson(Ds), Cecilia Smith(Marimba), Vincent Henry(Harmonica), Regina Carter(Vln), Stefon Harris(Vib), Angelique Kidjo(Guest Vo) - 1. Run The VooDoo Down 2. Traveling Miles 3. Right Here, Right Now 4. Time After Time 5. When The Sun Goes Down 6. Seven Steps 7. Someday My Prince Will Come 8. Never Broken(ESP) 9. Resurrection Blues(Tutu) 10. Sky And Sea(Blue In Green) 11. Piper 12. VooDoo Reprise 13. Prancing

マイルス・デイヴィスへのトリビュートアルバム。オリジナルも半分近くあり、表現されているのはまさに彼女自身の黒い)世界です。そのサウンドは原曲に負けてません。ギターは、むしろR&Bなどに近い感じで、マーヴィン・スーウェルのギターはとにかく渋い。9曲目のエレキ・ギターの間奏を渋いと感ずるか、音程をハズした下手くそなギターととるか。2曲目にスティーヴ・コールマンが参加。相変わらず個性的ですが、もっとアップテンポの曲で暴れまわって欲しかった気も。6曲目は7拍子の部分が小気味良い。7曲目も斬新なアレンジ。10曲目は何とパット・メセニーが参加です。8、9、11曲目と好みの曲が続きます。12曲目は遠きアフリカの血を呼び覚ます現代の魂の歌とも感じられ、この曲で私はノックアウトされました。(99年3月3日発売)

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