Spaces/Doug Hammond
DIWレーベルの4枚目にして一段落。このアルバム、私の手持ちの中ではスティーヴ・コールマンがいちばん早く録音したもので、DIWで発売する時に、コールマンによりリマスターされたもののようです。いわゆるM-BASEの萌芽が見られる録音。それらしい部分もあれば、チェロが入っているし、何となく現代音楽的に聴こえないこともないような、まだ原初的なサウンドに包まれています。そういう洗練されていない部分もあるけど、M-BASEの最初の部分を知るには貴重な音源かもしれません。LP時代の録音だったので、収録時間は44分と少し短めですけど、その分11曲が凝縮されて入っています。このアルバム、最近再発されてるようですね。
Spaces/Doug Hammond(Ds)(DIW) - Recorded 1982. Steve Coleman(As), Byard Lancaster(As), Kirk Lightsey(P), Muneer Abdul Fataah(Cello) - Space And Things (Suite, 1 to 3) 1. Lopin' 2. Water Moves 3. Spell Dance-Memo Mosso 4. To My Family 5. Cud Ba-Rith 6. Snakepit Strut 7. Mini Ensemble 8. Rizz Biz 9. Uhren 10. Murdxas 11. Figit Time
実験的要素が強い作品。ダグ・ハモンドとスティーヴ・コールマンのオリジナルが半分ぐらいずつありますが、ダグ・ハモンドの曲もコールマン寄りの曲調もあるのが面白い(あるいは影響はその逆か)。基本のビートはファンクではなくジャズのもので4ビートの部分もありますが、変拍子もあり、すでにこの当時からM-BASE的な要素は見え隠れしています。ベースのかわりにチェロが入っているので現代音楽的に聞こえる部分もあります。アヴァンギャルドなメロディーの動きではあるものの、アンサンブルで聴かせる部分も。作曲された4曲目など、音楽をバックに詩の朗読。あらゆる意味で時代を先取りしたアルバム。とはいうもののあまり洗練されていなくて少々面白みに欠けるかもしれません。
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