Sunrise Reprise/Chris Potter Circuits Trio
クリス・ポッターの新譜です。実は前々作の「Circuits」(’17年)でもほぼ同じメンバーだった(前回はベースは一部の曲に参加)ので、コロナの影響でこういう編成になったという説は却下かもしれません。ただ、サウンドを聴いているとひとつの方向性を示しているような気もしてます。ユニゾンのところや決められた部分がけっこう多めなので、記譜された部分が多いことも想像させますけど、相変わらず素晴らしいですね。でも、個人的にはベーシストがいた方がいいというのは自分の考えが保守的なのか、どうか。ジャンル分けも自分はジャズに感じましたけど、フュージョン・ファンクと考えても不思議ではないかもしれません。いろいろと話題になりそうなアルバムではあります。
Sunrise Reprise/Chris Potter(Ts, Ss, Cl, Fl, Key) Circuits Trio(Edition Records)(輸入盤) - Recorded September 19, 2020. James Francis(Key), Eric Harland(Ds) - 1. Sunrise And Joshua Trees 2. Southbound 3. Serpentine 4. The Peanut 5. Nowhere, Now Here/Sunrise Reprise
(21/06/08)全曲クリス・ポッターの作曲。収録時間は54分。コロナ禍での録音で、トリオの演奏とともにキーボードでベース音その他をかぶせたものと思われます。緻密な印象。これからこういうサウンドの録音が増えてくるか。やはりドラムスは専門の人が叩くのがいい。キーボードではじまり、ドラマチックな出だしから、けっこう記譜された部分が多いと思われる長いテーマを経て静かに終わる1曲目、やはり複雑なテーマを持つ、ちょっと浮遊感を持たせて、メカニカルでスピーディーなフレーズもある2曲目、目まぐるしくメロディが行きかうアップテンポ気味のカッコいい3曲目、これぞバラードという感じのゆったりとしたメロディ基調の4曲目、長大な曲で、ドラマチックでもあり、かなり凝っていて、いいところを見せる5曲目。
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コメント
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工藤さん,こんばんは。
こういう音をクリポタのファンは求めているんだと思わせるアルバムでした。宅録を披露した前作はそれはそれなりに面白いものでしたが,リアル・ドラマー,それもEric Harlandのような凄腕が叩いていると,クリポタの熱量も上がるって感じでした。
コロナ禍が落ち着いたら,是非このメンツで来日して欲しいと思うのはきっと私だけでぇあないと思っています。
ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2021/05/post-80c34f.html
投稿: 中年音楽狂 | 2021/06/10 22:44
>中年音楽狂さん
おはようございます。
コロナ禍だから小編成なのかと思ったら、このグループ名では2作目なんですねえ。今のジャズと言う感じでカッコいいです。やはりドラマーは専門の人がいいですね。どう多重録音をやっているのか、ライヴでの再現性があるのかがちょっと気になります。
投稿: 工藤 | 2021/06/11 07:30
気に入っているのですけど、、
私もベーシストが居て、そこから生まれるケミストリーな感覚も欲しかったなぁ。。
って、思ってしまいました。
でも、最高!
って、ことで、リンクを置いていきます。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-3e7e93.html
投稿: Suzuck | 2021/06/12 11:18
>Suzuckさん
こんにちは。
自分もベースに先に耳が行くタイプなので、ちょっと気になったりはします。ただ、ポール・モチアン・トリオのように意外にベースレスのアルバムも多いので、全体で良ければそれで良し、みたいなところはあります。ベーシストはライヴバンドになった時に参加しそうな気がしてます。
投稿: 工藤 | 2021/06/12 12:24