Bayou/Thomas Stronen/Ayumi Tanaka/Marthe Lea
ECMの新譜が3枚届きましたので、また聴いていきます。このアルバムでも日本人の田中鮎美がピアニストとして参加していますが、ノルウェー在住のため、北欧のトリオの演奏として聴いていいんじゃないかと思います。多少盛り上がる場面はあるものの空間を生かした、音数が少なめのインプロヴィゼーションです。オーディオ的にも静かな中で間を生かしたドラムスの音がなかなか印象的です。特に緩いバスドラのドーンという音の揺れは、気持ち的に安定感をもたらし、インプロヴィゼーションもそのやり取りで、間がありつつも完成度の高いものになって聴こえてきます。聴く人を選ぶかもしれないけど、個人的には心に深く突き刺さったアルバム。
Bayou/Thomas Stronen(Ds, Per)/Ayumi Tanaka(P)/Marthe Lea(Cl, Voice, Per)(ECM 2633)(輸入盤) - Recorded August 2018. - 1. Bayou 2. Pasha 3. Duryea 4. Nahla 5. Varsha 6. Eyre 7. Dwyn 8. Bayou II 9. Como 10. Chantara
(21/04/12)1、8曲のみノルウェーの民謡に基づいたインプロヴィゼーションで、他の曲は全て3人のインプロヴィゼーション。収録時間は42分。1、8曲目は歌詞入りのヴォイスが入っているけど、やはり北欧の冷たい空気が漂うような静かなやり取りです。時に盛り上がりもあったり、それでいて優しい、緊張感も混ざるようなスローなフレーズが主に続きます。2曲目はドラムスとパーカッションが最初入って、ピアノも加わって、非メロディ的なやり取りがなかなか。その後の曲も3曲目のようにクラリネットが入ったりピアノが目立ったりと、それぞれのメンバーへの重点を変えつつ、アルバムがひとつの物語のように流れていきます。北欧らしいインプロヴィゼーションで作られたアルバム。このメンバーだからというのもあるかも。
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