Human/Shai Maestro
ECMの今月の新譜2枚のうちの2枚目。コロナ禍以前のように一度に5枚前後出すということはなくなって、お財布に優しいとも、ちと寂しいとも言えます。今日のアルバムはシャイ・マエストロのECMリーダー作2枚目。全曲ではないけれど、クァルテットの演奏になってます。何というか、ある程度の譜面はあるのでしょうけど、ある時は叙情的に、ある時は情念で組み上げ、盛り上げていってしまうその人間的なサウンド、いいですねえ。でもやはりこれもある程度聴く人の好みによるところもあるのかな、と思います。ある方面では話題になっているらしいので、まずは聴いてみては、と思うのですけど。
Human/Shai Maestro(P)(ECM 2688)(輸入盤) - Recorded February 2020. Jorge Roeder(B), Ofri Nehemya(Ds), Philip Dizack(Tp) - 1. Time 2. Mystery And Illusions 3. Human 4. GG 5. The Thief's Garden 6. Hank And Charlie 7. Compassion 8. Prayer 9. They Went To War 10. In A Sentimental Mood 11. Ima (For Talma Maestro)
(21/01/30)10曲目のみデューク・エリントンらの作曲(リズミカルでかなり独特なアレンジ)で、他は全てシャイ・マエストロの作曲。収録時間は56分。叙情的でもあり、フリー色が近いとも言え、その中で彼の内面世界を表している感じ。タイトル曲の3曲目はその最たるものか。イスラエル色はほとんどなく(5曲目、9曲目は少しあるかも)、洗練された、そして微妙なニュアンスの上に立ったECM的な演奏。メロディは明るい色を出しているところもあり、哀愁もあり。時に情念的な盛り上がりがあり、2曲目の後半、5曲目の後半、8曲目はその強いメロディを出しながら盛り上がっていきます。穏やかな上に不思議なスケールのトランペットを聴ける4曲目、有名な2人に捧げられたバラードの6曲目、神秘的な雰囲気もある11曲目。
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コメント
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遅まきながら、現在このアルバムを聴いているんですが・・・・
このアルバムはシャイ・マエストロのオリジナル曲が主体で・・・彼のピアノ演奏はじめ音楽能力の高さに驚いています。
大抵は、ピアニストはピアノ・トリオから入って、そのうちサックス、トランペット等を加えてのカルテットなどを演ずることが多く、このアルバムも単にそのパターンかと思って聴いたのですが、あのエスニックな世界をトランペットに求めたことが感じられて、したたかな計算がなされていたことと解釈しました。
そして9曲目がイスラエル社会の彼にとって哀しい世界であることも訴えていて感動しました。彼の思いがかなり込められたアルバムと受け止めています。
TBさせてください ↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2021/02/post-539adb.html
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2021/02/17 12:05
>photofloyd(風呂井戸)さん
こんにちは。
このアルバム、けっこういいですねえ。情念的ではあるけれども、ECMっぽさも濃くて。メロディが出てくる場面は、どこまでが譜面でどこからがアドリブなのかがわからないのも、考えられていて、まるで狙っているようで興味深かったでした。でも聴いていて何やら内側からメラメラと燃えてくるところの感じが、うまく言えないんだけれども、なかなか好きな雰囲気です。
投稿: 工藤 | 2021/02/17 13:56