Sun ChungはECMのプロデューサーを辞めたのか
3月に菊地雅章の新譜がキングインターナショナルより出ます。「菊地雅章 / ラスト・ソロ~花道 (Masabumi Kikuchi / Hanamichi-The Final Studio Recordings) 」というタイトルで、彼の最後の録音のアルバムになるとのこと(録音は’13年12月)。そこでの「仕掛人は元ECMのプロデューサー、Sun Chung (サン・チョン)」という、CDの説明を見かけたのでした。彼こそがECMのマンフレート・アイヒャーの後継者と見られていただけに、少々残念な気もします。ただ、各CDショップのCDの商品説明にこの文言があるだけで、具体的に、彼がECMを辞めたという文章を、検索しても見かけたことはないのですが、今回他社から出るアルバムに名前が掲載されているということは、やはり確定なのかなと思います。
彼のECMでプロデュースしたアルバムは、全部は拾えないかもしれないけれど、おおむね以下の通り。
The News/Andrew Cyrille(Ds) Quartet(ECM 2681) Recorded August 2019.
Dreamlife Of Debris/Kit Downes(P, Org)(ECM 2632) Recorded Novembeer 2018.
Lebroba/Andrew Cyrille(Ds)(ECM 2589) Recorded July 2017.
Near East Quartet/Sungjae Son(Ts, Bcl)(ECM 2568) Recorded December 2016.
Obsidian/Kit Downes(Pipe Org)(ECM 2559) Recorded November 2016.
Time Is A Blind Guide/Thomas Stronen(Ds, Per)(ECM 2467) Recorded June 2015. (リーダーとの共同プロデュース)
The Declaration Of Musical Independence/Andrew Cyrille(Ds, Per) Quartet(ECM 2430) Recorded Jult 2014.
Amorphae/Ben Monder(G, Baritone G)(ECM 2421) Recorded October 2010 and December 2013.
Arborescence/Aaron Parks(P)(ECM 2338) Recorded November 2011.
Lua Ya/Yeahwon Shin(Voice)(ECM 2337) Recorded May 2012.
Piano/Myung Whun Chung(P)(ECM New Series 2342) Recorded July 2013.
それでいてSun Chungが次男にあたる、このアルバムはアイヒャーのプロデュース。ピアノ名曲集としてもECM初だそう。
録音時期から、話が本当だったら、つい最近まで在籍したことになりますね。やはりアイヒャーの眼鏡にかなう人はなかなか出ないということか。割と最近にCriss Crossレーベルのオーナーが亡くなって、その後それまでに録音されていた1枚が出て、たぶんレーベルも終わりというのを見ているだけに、少々つらいですね((注)その後息子が引き継いで細々とやっている)。まあ、昔のBlue Noteのように買収されても形を変えて発売され続けたこともあるけど、ECM独特の味が無くなってしまったら、自分はそれ以上追いかけることは無くなるかもしれません。
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もうずっと以前から覗かせてもらっていたのですが初めてコメントさせて頂きます。
チョン・ミュンフンの息子がECMを離れたというのは本当であれば結構大きなニュースですよね。アイヒャーも77歳。そろそろ人生の最終コーナーだろうと思いますが、個人的にはECM=アイヒャーと言うことで無理に誰かに引き継がなくてもいいのかな、という気もしなくもないです。
ただ、今でも新しい才能を抜擢し続けてるんで、そういう意味では先行きがどうなっても良いということはありえないんですけどね。クリスクロスもそうだったんですが、全然衰えてないからなぁ。しかしジブリとかと同じでうまく引き継がれるイメージが全くわかないです…
投稿: akgn | 2021/02/06 15:21
>akgnさん
はじめまして。
私も知っていることは、ECM以外からアルバムを手掛けて出したことと、そのアルバムのメーカーからのインフォ(だと思う)に「仕掛人は元ECMのプロデューサー、Sun Chung (サン・チョン)」と書かれていたことだけなんですけど、こういった事実だけでも、彼はECMを離れたのかな、というのがほぼ確信できたと思います。だから今回のアルバムの発売はこのタイミングになったのかも。ECMのアルバムとしても、割といいセンのアルバムを出していたんですけどね。まあ、ここまでの世界観を出したECMはアイヒャーで終わらせてもいいのではないか、と最近思うようにもなってきました。今でも超個性的なレーベルですもんね。
投稿: 工藤 | 2021/02/06 16:53
しつこくすいません。どうもサン・チョンがECMを離れたのは間違い無い情報のようですね。
https://jazztokyo.org/reviews/cd-dvd-review/post-61778/
感傷的過ぎて読みづらい文章ですけど…
投稿: akgn | 2021/02/07 20:47
>akgnさん
こんばんは。
多田さんは昔からECMでは有名な方ですね。Sun Chungが辞めた本当の理由はレコード会社が知っていると思うのですけど、これは表に出てこないと分からない。でも、このタイミングで’13年録音が出てくるのは、やはりこの辺に理由がありそうです。情報どうもありがとうございます。
投稿: 工藤 | 2021/02/07 21:31