葉月/藤井郷子
年内に届いた新譜もおそらくこれで一段落。フリーで名を馳せている藤井郷子さんですが、このアルバムはピアノアルバムとして割と聴きやすいのではないのでしょうか。おそらくポール・ブレイや、有名どころではキース・ジャレットのフリーに近い演奏の部分からそんなに離れていないはず。そしてピアノの音がいいので、その音列が耳に入ってくるのが非常に心地よいのです。自室で録音したとは思えなくて、どこかのスタジオかホールなどで録音した感じが聴いて残るのは、やはりマスタリングがマイケル・マルシアーノだからか。そういう意味でオーディオ好きでそんなフリーに強くない方でも、聴いてみてもいいのでは、と思います。
葉月/藤井郷子(P)(Libra Records)
Hazuki/Satoko Fujii(P)(Libra Records) - Recorded August 2020. - 1. Invisible 2. Quarantined 3. Cluster 4. Hoffen 5. Beginning 6. Ernesto 7. Expanding 8. Twenty Four Degrees
コロナ禍の中、自宅で録音した藤井郷子作のソロ・ピアノ集。タイトルもコロナに関するものを予想させるものが多いけど、それ以前に作曲された曲も何曲か。48分収録。録音は8月で、マイケル・マルシアーノのマスタリングでピアノが迫ってくる存在感はなかなか。重々しくて色彩的に暗めの曲が多く、やはりそのコロナの中での状況を表したかったのかなあと。こういう状況だから生まれたアルバムとして、貴重な記録になるでしょう。自宅での動画を見たことがあるけど、しっかりとしたピアノとピアノ室があればこその名録音ではないかと思います。ピアノとしての特殊奏法はおそらくなく、音そのものでコロナの存在を表しているのではと思います。作曲がされている曲が多いけど即興を加えてここまでにしてしまうのは見事。(20年12月19日発売)
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