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2020/11/29

2020年の私的ジャズベスト3

Patfromthis_20201126153201 2679_20201126153201 2700_20201126153201 とりあえず11月分までのCDを聴き終わり、ベスト3を発表する時になりました。いつもそうかもしれませんが、今年はかなりベタなベスト3になってしまいました。有名なミュージシャンを集めればだいたいこれになってしまうという。あとはAmazon Music HDでいずれもハイレゾで配信されていることも、配信で何度も聴き返す要因にもなっていて、今年はその基準も入っています。これが10枚選べれば個性的な選択もできるのですけど、今年はわずか60枚しか買ってないので(厳選はしてますが欲しいものも少なかったでした)、それもなかなか無理かと。特にキース・ジャレットが’18年より演奏できなくなっていたニュースはびっくりしましたけど、そこにこのアルバムが。好みは分かれるでしょうが、私はこういうサウンド、けっこう好きです。3つの順番は特にありません。

今年は7月でホームページのアルバムコメントの手直し作業が終わったし、12月のうちにはECMブログも追いついて毎日更新ではなくなるため、私自身転換点に差し掛かっていると思います。

 

From This Place/Pat Metheny(G, Key)(Nonesuch)(輸入盤) - Released 2020. Gwilym Simcock(P), Linda May Han Oh(B, Voice), Antonio Sanchez(Ds) with Meshell Ndegeocello(Vo), Gregoire Maret(Harmonica), Luis Conte(Per) and The Hollywood Studio Symphony, Joel McNeely(Cond) - 1. America Undefined 2. Wide And Far 3. Your Are 4. Same River 5. Pathmaker 6. The Past In Us 7. Everything Explained 8. From This Place 9. Sixty-Six Bonus Track: 11. Love May Take A While

(20/02/25)全曲パット・メセニーの作曲で、ジャズやフュージョンというよりも、76分間、ボーナストラックを含めた壮大なメセニーの叙事詩と言わざるを得ないようなアルバムに仕上がっています。個々のパートのソロを聴けるところも所々にあるけれど、もうこれは一気に聴きとおすためにあるような内容。年齢を経て、ある程度枯れてきたという感じもあるけど、その熟練性が作曲、演奏面の両方に現れています。確かにスゴい曲であり、演奏内容も素晴らしいのだけど、それだけにこのアルバムの完成度はただものではない、と思います。場面によってはオーケストラを入れたり、ゲストを招いたりしているけど、常に、穏やかさを見せつつも前進して今ある姿を見せてくれた、という感じです。もちろんギターを楽しむ聴き方もあり。

 

Swallow Tales/John Scofield(G)/Bill Stewart(Ds)/Steve Swallow(B)(ECM 2679)(輸入盤) - Recorded March 2019. - 1. She Was Young 2. Falling Grace 3. Portsmouth Figurations 4. Awful Coffee 5. Eiderdown 6. Hullo Bolinas 7. Away 8. In F 9. Radio

(20/06/07)ジョン・スコフィールド初のECMでのリーダー作で、スティーヴ・スワロウの曲集。おなじみのメロディから少し地味な曲まで取り揃えてあって、演奏を楽しめます。収録時間は53分。持ち込み音源のようで、やや静かな感じの部分もありながら、4ビートの曲も多く、ECMにしては自由でマイペースなジャズっぽいサウンドで魅了します。彼をはじめて知った時は若かったけどもう大ベテランで、落ち着きながらも例のジョン・スコ節でギターを演奏しています。メンバーもいいし、この独特なギターを聴けるだけでも聴く価値はあるのでは。それにしても期待を裏切らないさすがのギター・トリオ。持ち込み音源ながらマンフレート・アイヒャーが出す許可を出したとは、彼もずいぶん丸くなったものです。それにしても曲がいいですね。

 

Budapest Concert/Keith Jarrett(P)(ECM 2700/01)(輸入盤) - Recorded July 3, 2016. - 1. Part I 2. Part II 3. Part III 4. Part IV 5. Part V 6. Part VI 7. Part VII 8. Part VIII 9. Part IX 10. Part V 11. Part XI 12. Part XII - Blues 13. It's A Lonesome Old Town 14. Answer Me, My Love

(20/11/15)CD2枚組。収録時間は92分。ハンガリーのプダペストでのライヴ。例によって即興演奏ですが、アンコールと思われる13-14曲目は既成曲。1曲目からいきなりアグレッシヴで無調的な激しいピアノではじまり、ここでの演奏がただものではない入り方です。彼のバルトークへの敬愛のためでしょうか。その後緊張を強いる場面ばかりではなく、いつものように素直な曲もあったり、バラード調もあったりしますが、基本的に他の場面よりは現代音楽的な表現が多めで緊張感高めではないかと思います。なかなか完成度の高い演奏で、ある意味これが基準になる、と書いてあるものもあったりします。ただ、だんだん高度になっていくので、聴く人を選ぶライヴになったかもしれません。ここからさらに高みに行くはずが。

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コメント

今年の注目作3選、という感じですね。今年は新録が少なかったこともありますけど、アルバムの内容や奏者や話題性とひっくるめて考えても、誰にベスト3を訊いても1,2枚は被りそうです。自分はECM作品の作品ではTerje Rypdal の作品が結構気に入りました。

自分のベストアルバムはCecil Taylor & Tony Oxley "Birdland, Neuburg 2011"(Fundacja Słuchaj)でした。正直これが気に入りすぎて他のアルバムが霞んでしまったのでこの1作だけ上げておきます。
ただ工藤さんにもおすすめしたいところでしたが、つい昨夜このアルバムのCDが売り切れたという知らせがBandcampのレーベルのページから届いたのでCD派の工藤さんにはなんとも・・・。

ところで、このFundacja Słuchajから藤井郷子さんのアルバムが発売されたそうです。CD4枚組の大作だそうですが、CD版は200コピー限定らしいので早めに入手するのがよさそうですね。
https://sluchaj.bandcamp.com/album/the-great-tone-has-no-sound

P.S. 上の誤送コメントはお気になさらず削除してください。

>Abacusさん

こんばんは。

今年は購入した枚数が少なかったこともあって、まあベタだけどいいか、的な感じで決めてしまいました。あとはチック・コリアのソロも出ましたので、ちょっと迷いましたけど。

最近は海外からの購入はなかなかできないというか、3月にイタリアから知り合いが発送してくれたCDが9月に届く、ということもあって、慎重になってます。紛失したと思って2枚目を7月に届けてくれました。藤井さんのCD、聴いてみたい気持ちはありますが、4枚組のうち、4枚目のみの出演のようですね。う~ん、これも迷うなあ。いろいろと情報ありがとうございます。

工藤さん,こんにちは。

年末となりましたので,私もベスト盤をアップしました。アルバムを購入する枚数が激減する中,工藤さんが挙げられた3枚は購入しましたし,Pat Methenyは私もベスト盤の1枚に選びました。あのオーケストレーションは予算を確保できないと無理!って感じですが,実に「壮大」という表現がぴったりのアルバムでした。

今年は状況が状況ゆえ,音楽界の活動そのものが活発だったとは言えないと思いますが,それでも記憶に残るアルバムは何枚もあったと思います。来年はもう少し良い年になることを祈りたいと思います。

ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2020/12/post-744534.html

>中年音楽狂さん

今まで100枚程度まで購入枚数が落ち込んだことはありましたが、さすがに60枚台まで落ち込むとは思いませんでした。しかも私のベスト3はかなりベタなものになってしまいましたし。

録音に関しては本格的にCDの発売点数に影響が出てくるのは来年以降でしょうね。少し気が重いです。でも何とか皆コロナ禍からの正常化を祈っているし、ワクチンもできてくるので、少しずつ良くなってくるといいですね。

来年もよろしくお願いします。

工藤さま、今年もお世話になりました。

パット・メセニーは、年があけて早い時期のリリースでしたが、
一年間、色あせませんでしたね。
キースも、スワローのCDも、重なりました。
そして、マーク・コープランドのCDの情報もありがとうございました。
おかげさまで、ブログアップは間に合いませんでしたが、年内に届きました。

来年もよろしくお願いいたします。m(_ _)m

https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-31f65f.html

>Suzuckさん

早いものでもう年末ですね。
こちらこそ、お世話になりました。

今年はいいアルバム、重なりましたね。買った枚数が例年より少なかったこともありますが、やはりいいものはいい、というのは重なりやすいのかな、と思います。その方が説得力もありますし。

マーク・コープランドの方は、見つけたのは偶然に近いのですが、いろいろな人が注文してくれて良かったなあと思います。来年もよろしくお願いします。

なかなか、好みの合うジャズアルバムを紹介しているサイトが無かったので、めちゃくちゃ参考になりました。その流れで、このサイトの2006年まで遡って、上半期と通年のベスト3をチェックさせていただきました。60枚近いアルバムを発掘できたので、順次消化していきます。

>井口さん

はじめまして、かな?

毎年のベスト3はけっこうえいやっと決めてしまうことが多いのですが、その都度の感覚って、割と信用できるのではないかと思ってます。ただ個人的なベスト3ですので、井口さんの好みに合うかどうかは分かりませんけれども。合うといいですね。

またこのブログともども、よろしくお願いします。

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