Carmel/Joe Sample
影響を受けたアルバムで、なおかつ今までブログに掲載したことのないもの、というちょっと難しいお題も、このアルバムでとりあえず一段落。また見つけたら掲載していきたいと思います。こういうアルバムをカッコいいと思うのかどうかは個人的なものかもしれないし、時代的なものかもしれないし、それは何とも言えないところですけど、だいたいが若い頃にリアルタイムで聴いていたものになりますね。いわゆる刷り込みっていうやつですか。フュージョン全盛の時代だったのが高校大学時代だったんですもんね。大学では途中で辞めたけどフュージョン・サークルにも入りましたし。
Carmel/Joe Sample(P)(MCA Records) - Released 1979. Produced by Wilton Felder, Nesbert "Stix" Hooper & Joe Sample. "Stix" Hooper(Ds), Abraham Laboriel(B), Dean Parks(G), Paulihno Da Costa(Per), Robert Wilson(Ds), Paul Milton Jackson, Jr.(G), Byron Miller(B), Hubert Laws(Fl) - 1. Carmel 2. Paintings 3. Cannery Row 4. A Rainy Day In Monterey 5. Sunrise 6. Midnight And Mist 7. More Beautiful Each Day
邦題「渚にて」。これはフュージョン。LPが出てすぐの頃に買いました。ジョー・サンプルというとこの前の作品「虹の楽園」があまりにも有名ですが、こちらの方が編成がシンプルで私の好みなのと、メロディアスな曲は負けず劣らず多いことで、このアルバムは本当によく聴きました。特にエレキベースのフレーズや音量、間などがなんとも言えずいいのです。打ち込みなどのなかったこの時代ならではの味わい。どの曲も情景のイメージがわいてくるような気がします。全体のサウンドはアルバムジャケットそのものかも しれません。’97年にジョー・サンプルは「サンプル・デイズ」というセルフカヴァーアルバムを出していますが、私にとってのジョー・サンプル・サウンドはやっぱり’70年代のイメージです。
1曲目のタイトル曲で、エイブラハム・ラボリエルがフレットレス・ベースを演奏していますが、何と言っても渋くてかっこいい。ビートがきいている曲でもジョー・サンプルのピアノはメロディアス。単なる聴きやすいフュージョンよりは骨があり、それでいてピアノが楽しめます。2曲目、一転して静かな曲へ。邦題「淡彩画」。うーん、この訳のセンス。曲を表しています。3曲目、縦ノリでしばらくの間、ピアノとドラムのデュオが続きます。おー、いい感じ。2分半も過ぎた頃にベースがさりげなく加わってちょっと盛り上がります。4曲目。フェンダーローズピアノを使用。これはこのアルバムでこの曲だけですが、ローズならではの揺らぐサウンドをうまく利用していて、メロディアスな曲。5曲目はまたビートのきいた曲に。それから、6曲目。やっぱり出だしから美しいメロディですが、この曲のみフューバート・ロウズも参加しています。7曲目も盛り上がって、またうまくエンディングに導いてくれます。
ギタリストが2曲を除いて参加しているのですが、どの曲もソロはありません。これもなかなかうまい演出かもしれません。アルバム全体のサウンドはジャズとは離れていますが、じゃあ、ジョー・サンプルは単なるメロディ弾きかと言うと、このアルバムをピアノに集中して聴くとジャズのスピリットを持つピアニストとしてかなりスゴいのではないだろうかと思うのです。私にとってカッコいいサウンドとは、と聞かれると、このアルバムのようなサウンドだと思います。
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