Man-child/Herbie Hancock
ハービー・ハンコックのリーダー作の13日目。’70年代も半ばになってくると、ソウル・ミュージックやディスコなどを意識しつつも進化していくことが分かります。もう売れっ子なので、さらにポピュラーの世界で売れていかねばという使命感もあるのでしょうが、ここでの変化は決して嫌いではありません。むしろ最近個人的に正統派ジャズ周辺をうろうろしていたので、久しぶりに聴けて良かったと思うアルバム。確かこれらのアルバムの大半はCDで’80年代に購入しているのですけど、まだ当時は、アルバムが出た時期からそんなに遠くはなかったんですね。今聴いてもいいということが、自分の時があれから止まってしまっているのでは、なんてことを思わせます。
Man-child/Herbie Hancock(Key, etc)(Sony) - Recorded July 1975. Bennie Maupin(Ss, Ts, Bcl, Bfl, Afl), Bud Brisbois(Tp), Jay DaVersa(Tp), Ernie Watts(Sax, Fl), Jim Horn(Sax, Fl), Garnett Brown(Tb), Dick Hyde(Tuba, Btb), Blackbird McKnight(G), David T. Walker(G), Wah Wah Watson(G), Paul Jackson(B), Louis Johnson(B), Henry Davis(B), Mike Clark(Ds), Harvey Mason(Ds), James Gadson(Ds), Bill Summers(Ds), Stevie Wonder(Harmonica) - 1. Hang Up Your Hang Ups 2. Sun Touch 3. The Traitor 4. Bubbles 5. Steppin' In It 6. Heartbeat
1、3、6曲目が共作で、2、4-5曲目がハービー・ハンコック作曲。収録時間は45分。ヘッド・ハンターズのメンバーを中心に、クレジットを見ると分かりますが、豪華なゲストを迎えて入れ替えたり、ホーンセクションを増やした録音。聴いていてノリの良いビートの上にホーンのアレンジがけっこうカッコ良い。ただ、誰が何曲目に参加しているかクレジットからは読み取れませんでした。聴けばある程度分かります。徐々にサウンドが深くなっているような気がします。ノリの良さでは1、3、5-6曲目あたり、叙情性では2、4曲目あたりか。いわゆるダンス・ミュージック的に聴ける(当時のソウル・ミュージック的というか)のは、やはり音楽性が進化している感じがしてます。この辺マイルス・バンドと違う進化がなかなか興味深いです。
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コメント
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KUDOさま、コンバンワ。「今聴いてもいいということが、自分の時があれから止まってしまっているのでは」・・・・、こういう感覚は、私も最近、よく感じます。
10から20代によく聴いていた音楽を時を経て聴き返すと、自分の音楽の嗜好が結局、今もそれほど変わっていないのだなと、嬉しくもあり、ある意味悲しくもありますね。40から50代によく聴いた音楽を、70から80代に聞き返すと同じ様な感覚を覚えるのでしょうか。
なんだか、若いときに繰り返し聴いた音楽は、身体全体に染み付いてしまっていて、自分にとって格別で大切な気がします。
このアルバムなんかは、その最たるもののひとつです。
投稿: zawinul | 2020/08/04 22:00
>zawinulさん
こんばんは。
若い頃聴いていた音楽は今でもけっこう印象に残っていて、LPをわざわざCDに買い直したものもありますが、最近のジャズ(特に先端的なと言われるもの)については、ほとんど聴いてないですねえ。自分的にはやはり20代あたりまでか遅くとも30代前半までに聴いているものが、やはり心に残っています。
もうあと10枚ちょっとで、新譜以外で若い頃からやりたかったことが終わるので、その後をどうしようか、思案中でもあります。
投稿: 工藤 | 2020/08/04 22:12