Sand Storm/KAZE & Ikue Mori
新譜が1枚届いたので先に聴いていきます。田村夏樹さん、藤井郷子さん参加のフリー・ジャズのグループで、今回はイクエ・モリさんもエレクトロニクスで参加しています。このエレクトロニクスが、フリーのサウンドをまた厚くしてくれて、効果的に加わっています。けっこうハードなフリーなので、聴く人を選ぶかもしれませんが、フリー・ジャズのファンならば、一度耳を通しておいてみてもいいのでは。なんたってギャロンギャロンのスタンスをはるかに超えて、非イディオム系というか、音階のない世界に突入することも多いので、それなりに好きでも覚悟は必要かも。でも慣れてしまうと、こういう世界が離れられなくなるんだよなあ、と、まあ、これは個人的な感想ですけど。
Sand Storm/KAZE & Ikue Mori(Electronics)(Circum Libra) - Recorded February 12, 2020. Christian Pruvost(Tp, Flh), Natsuki Tamura(Tp, Voice), Satoko Fujii(P), Peter Orins(Ds) - 1.Rivodoza 2. Poco A Poco 3. Kappa 4. Under The Feet 5. Noir Poplar 6. Suna Arashi 7. Noir Soir
1曲目がChristian Pruvost作、3曲目が田村夏樹作、5曲目がPeter Orins作、7曲目が藤井郷子作で、他の曲は短く、全員のクレジットなのでフリー・インプロヴィゼーションか。録音時期もコロナで交通手段が遮断される前の貴重なニューヨークでの記録。いきなり擦過音的で強烈な出だしでびっくりさせますが、そこからエレクトロニクスの効果を交え(これも大きい)、非イディオム系のまま徐々に情景が変化していき、ラストでメロディのテーマ?が出てくる1曲目、森の奥で河童がうごめいているような物語的な進行をトランペットその他の楽器で示唆している感じの3曲目、おどろおどろしい出だしから徐々にその表情が変わっていく5曲目、穏やかな出だしからメカニカルなピアノ中心のフリーになりヴォイスの場面もある7曲目。(20年8月8日発売)
« 発熱と病院通院の顛末記 | トップページ | Sound-System/Herbie Hancock »
「音楽」カテゴリの記事
- 2023年私的ジャズベスト3(2023.11.24)
- Over Here/Jim Rotondi Quintet(2023.11.23)
- Arvo Part/Tractus(2023.11.22)
- Call On The Old Wise/Nitai Hershkovits(2023.11.21)
- Thomas Larcher/The Living Mountain(2023.11.20)
「ジャズ」カテゴリの記事
- 2023年私的ジャズベスト3(2023.11.24)
- Over Here/Jim Rotondi Quintet(2023.11.23)
- Call On The Old Wise/Nitai Hershkovits(2023.11.21)
- Here Now/Soren Bebe Trio(2023.11.17)
- Uncle John's Band/John Scofield(2023.11.05)
コメント