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2020年8月の記事

2020/08/31

「ECMの真実(増補改訂版)/稲岡邦彌著」(河出書房新社)

Ecmnoshin 最初に「ECMの真実」が出たのが’01年のことで、この当時はブログがなかったため、書いてなかったですが、’09年5月の増補改訂版が出たときには、ブログで触れていなかったでした。そこで改めて、内容に触れてみたいと思います。まずは初版が出たときの感想がホームページに残っていたので、それを。

「ECMの真実」は、結局昨日と今朝で一気に読んでしまいました。ECMに興味のある方は読んでおいて損はない本ではないかな、と思います。裏話的な部分もあって、例えば現在リッチー・バイラークの諸作品が廃盤なのは、リッチー・バイラークとプロデューサーのマンフレート・アイヒャーとのケンカが原因だったとか。この話はある方から噂話として聞いてはいたのですが、冗談かと思っていました。つまり、30年もレーベルを維持していられるのはしたたかな彼の経営的手腕だと思っていたのですけれど、反対に彼の芸術家気質だったということが分かって少々ビックリ。カタログに載っているリストもセールスの実績としてではなく、彼のこだわりで廃盤にしないで残してあるのだということも分かりました。個々のアルバムよりもレーベルとしてのファンが多いということもうなずける内容。リッチー・バイラークのように、本国ドイツで廃盤のものが日本でだけ再発されるケースもあるので、国内盤の再発情報にも要注意ではあります。

ECMの創成期から知る、稲岡氏による文章で、けっこうためになりました。本の内容も、年代を追ってECMについて書いてある部分、それからミュージシャンのエピソードの部分と、ECMを知るうえでは読んでおく必要があると思います。そして増補改訂版では、初版後(初版はECM30周年で作られた)の’00年代のことが付け加わっています。増補改訂版は40周年記念版になってます。ヴォリュームも360ページと読み応え十分。自分も、もう一度読み直ししなければ、と思う本です。

2020/08/30

Data Loads/Maria Scheider Orchestra

Mariadaral 8月も終わり近くなって、やっとまた新譜が届きました。マリア・シュナイダーの新作でCD2枚組なのと装丁がけっこう凝っているので、お値段もそれなりにしましたけど、その代わり、少し厚めなブックレットが入っていたり、まあ、その凝り具合は現物を見てくださいとしか言いようがないのですが、素晴らしい。演奏も方も期待を裏切らないものです。ただ、好みは人によってあるかもしれませんけれども。CDはそれぞれ、デジタル・ワールドとナチュラル・ワールドに分かれていますが、あまりデジタルっぽさは感じなかったです。トランペット・ソロなどにエレクトロニクスをかけているところもあって、そう言えば、という感じですね。この編成のビッグ・バンドを使いながら、相変わらずそこからはみ出たサウンドを作り出す手腕は立派です。

 

Data Loads/Maria Scheider(Comp, Cond) Orchestra(Archistshare)(輸入盤) - Released 2020. Steve Wilson(As ,Ss, Cl, Fl, Afl), Dave Pierro(As, Cl, Fl, Afl, Piccolo), Rich Perry(Ts), Donny McCaslin(Ts, Fl), Scott Robinson(Bb, Bass & Contrabass Cl, Bs, Muson), Rony Kadleck(Tp, Flh), Greg Gisbert(Tp, Flh). Nadje Noordhuis(Tp, Flh), Mike Rodriguez(Tp, Flh), Keith O'Quinn(Tb), Ryan Keberle(Tb), Marshall Gilkes(Tb), George Flynn(Btb), Gary Versace(Accordion), Ben Monder(G), Frank Kinbrough(P), Jay Anderson(B), Jonathan Blake(Ds, Per) - [CD1] The Digital World: 1. A World Lost 2. Don't Be Evil 3. CQ CQ, Is Anybody There? 4. Sputnik 5. Data Roads [CD2] The Natural World: 1. Sanzenin 2. Stone Song 3. Look Up 4. Braided Together 5. Bluebird 6. The Sun Waited For Me

(20/08/29)CD2枚組。全曲マリア・シュナイダーの作曲とアレンジ。デジタルとナチュラルに分かれていますが、いつもの少し淡い色のサウンドでありながら、複雑で、ドラマチックな味わいのあるオーケストラアレンジは健在。1曲目などそういう意味ではけっこう重たい出だしですけど、ベン・モンダーのエレキ・ギターのソロがなかなか渋く切れ込んでいます。そして、それぞれのCDで最初から最後までストーリーが感じられるのは見事。編成的にはジャズのビッグ・バンドに近いのですけど、いわゆるビッグ・バンド・サウンドではなくもっと幅広い世界を目指しています。いわゆる管楽器中心である程度クラシックの音世界にも入り込んでいるというか。ソロなど自由度の高い部分もあるのですけど、壮大な音世界が広がっています。

2020/08/29

「Blue Giant Live Selection/石塚真一著」豪華マンガ単行本

200828blue 定価3,190円と高かったですけど、この豪華本、買ってしまいました。限定25,000部で発売ということで、石塚真一のBlue Giantシリーズはマンガ単行本で日本編、ヨーロッパ編計20冊持っているのですが。内容はB5の大きいサイズの本に、日本編のライヴシーンばかりを集めて凝縮して、掲載されています。いやあ、なかなか音を感じさせる絵の数々、楽しませていただきました。それと、けがをしたピアニストの後日談(退院時)のショートストーリー8ページと、対談もついていて、おまけとしてCDが1枚付いています。主に50-60年代のジャズジャイアンツの割と懐かしいジャズなんで、実際に彼らの音楽と親和性があるのかどうかと思ってましたけど、なかなかいいセレクションではありますね。有名な曲も多いですし。

ジャズのマンガというと、雰囲気をなぞっているか、ジャズジャイアンツの逸話の話が出てきたりするものが多めではありますが、石塚さん、けっこうジャズを分かってらっしゃるようで、それぞれのマンガのコマで、音が実際に出ていないし、書き文字も少ないのに、音が聴こえるように感じさせる描写力は見事です。ある意味迫力があります。それも、このマンガを追いかけている一因でもあるのですけど。ただ、自分が連想するのは、テナーサックス、ピアノ、ドラムスというベースレスの編成のため、どちらかというと往年の山下洋輔トリオの音なんかが、マンガを読みながら頭の中を駆け巡っているわけなんですけど。演奏シーンを主に集めて、通常の単行本より大きいので迫力満点ですし、抜けている部分は文字で説明していて、コレクションとしてはなかなかの出来ですね。

惜しいのは限定25,000部のため、28日発売なのに、すでに入手が困難になっている可能性が高いこと。CDもついているので、増刷が難しいんじゃないでしょうかね。私は少し前に、この本が出ることをキャッチしてすぐに大手通販に予約してます。まだ入手できれば、是非とは思うんですけれども。一部ではすでにプレミアがついてしまっているのが少々残念ではありますが。

2020/08/26

昔、ブログにはトラックバック(TB)という機能があった

最近ではもう、ブログにトラックバック(TB)という機能は、ほとんどのところでなくなってしまっています。トラックバックとは、相手のブログ先のページに、例えば自分のブログアドレスのページを送り込む機能で、私たちのようなCDレビューのブログでは、例えば相手先に同じアルバムを紹介している時に、お互いにトラックバックを送ってつながっておこうとする機能。これで、コメントと対で、お互いにコメント、トラックバックしあうという習慣が当時は活発化したのでありました。

ところが、そのトラックバック、相手先に自分のページアドレスを送り込める機能ゆえ、トラックバックスパムが横行して、各ブログのプロバイダーはその対策に追われることとなりました。スパムをする側にとっては非常に便利な機能のためだと思います。そうこうしているうちに、だんだんと本来のトラックバック機能を使う人も減り始めたからかどうか、各ブログのプロバイダーもトラックバックの機能を取り払っていき、今ではここのココログでもLivedoor Blogでもなくなってしまいました。昔はブログができたときの画期的な機能だったと記憶してはいるんですけどね。

まあ、それ以前から、特定の友人との取り決めで、大変だからお互いにコメント、トラックバックするのはやめにしておこう、ということもあって、少しずつ減っていったのですけど。トラックバックの機能がなくなってからは、コメント欄にお互いのリンクを残す方法に移行しました。でも、トラックバックの機能ほどの便利さはなくなり、結局知り合いの同じアルバムの紹介にもコメントを入れる習慣がだんだんなくなってきてしまいました。ちょっと残念ですけど、これもやはりトラックバックの機能があってこそだったと思います。

そういうわけで、個人的にはですけど、以前ほどには同じアルバムのレビューであってもコメントのやり取りが減ってきています。面倒だからというわけではなく、やはりトラックバックの機能って、重要だったなあ、と改めて思った次第です。まあ、時代の流れ故、この機能の復活はしないでしょうね。

(追記)ブログにアルバムコメントを書いている時よりも、雑文を書いている時の方がその記事にアクセスが多い。ちょっと皮肉な出来事ではあるなあ。

2020/08/25

CD収集が続けてこれたわけ

12hondana 200824audio 今、家には若い頃からのCDが数千枚あります。もちろん適宜処分はしていますが、増えていく方が多いですね。結婚した時にはある程度持っていて、オーディオも1-2世代今より古かったけどありました。まあ、うちのカミさんはそういうことには口出しをしてこない方で、助かったということもあります。まだ家も古い時の家のまま。そして、嫁いできてから、即、うちの母親とも同居で、そういう意味では家にかかるお金が少なくて済んだ面もあります。何と言っても、当時は会計事務所勤務時代で、資格もまだ持ってなかったですから、給料も安かったですし。独立して家を構えるのには、ちょっと無理があった点もありました。

結婚した翌年に親と同居の家を建て替えることになり、その時に、防音の効いている、とりあえずは事務所にもなればオーディオルームにもなれるという、中途半端な仕様の部屋を作っておいたんですね。その2年後かな?資格試験に合格して、会計事務所の給料もそれなりに良くなりました。まあ、独身の時と、この時の蓄えでCDを買えたという面もあります。ただ資格試験に通った翌年、勤めていた会計事務所が川崎から横浜に移転することになり、私はその時独立させてもらうことになりました。ゼロからのスタートです。平成9年4月のことでした。そこで、事務所兼オーディオルームが布石になります。

最初はお客さんもいないので、ホームページも見よう見まねで作りました。独立した年の平成9年の8月22日には事務所のホームページが、9月30日にはジャズのホームページが出来ました。新しいCDもそこそこ買ってましたけど、経済的にはきつい時期。手持ちのCDをホームページにアップする作業と、それから新譜をアップする作業が続きます。部屋が一緒なのと、時間だけはあったので、けっこう速いペースで増殖していきました。この時から思うのですけど、決め手はオーディオも仕事部屋にあるし、CDをこのオーディオルーム兼仕事場の移動式ラックに詰め込んでいたので、目立たなかったというのはありますね。生活の場には置かなかったので。

自営業ゆえ、収入の多い時もあれば、少ない時もありました。多い時には、仕事の通帳からあまったお金を数十万円単位で定期に入れたりできましたけど、今の不景気な時期ではそれほど余裕はないですね。その代わりきっちり仕事の資金繰り表を作って管理しています。毎月何とか2-3万円ぐらいの資金をねん出して、CD購入に充てていました。他にお金のかかる趣味は、バンド活動と楽器の収集(中古、それも売ったり買ったりで3台に落ち着いている)でしたが、復活したのは10年くらい前で、それまで20年ぐらい楽器にも触らない日々があり、その間はCD聴きに専念してました。

また今年はコロナ禍の影響か、欲しいCDが少なくバンド活動もないですし、多少仕事にも響いてきてますけど、あまり影響なく来れてます。とにかく、うちのカミさんは仕事に関することには金銭的に口をはさまないし、趣味も自分の手持ちの小遣いの中でやる分には何も言ってこない。目立って高いものもそんなに買わなかった(ここ数年は長男と合わせてオーディオをチョコチョコ買ってはいましたが)ことと合わせて、結局はカミさんの存在が一番大きかったなあ、との結論です。これが合わないと、どうなっていたことやら...。結論:趣味が音楽のカミさんではなくて、結果的に良かった、ということかな。監視されていないのは天国でもあります。あと、自分自身の自制心も大切かも。

2020/08/24

「ジャズCDの個人ページ ECM Blog」について

数日前にも少し触れましたが、ここの弟分のブログである「ジャズCDの個人ページ ECM Blog」というのは今も作っている最中ですけど、もう昔からの読者の方は少ないような気もするので、一度振り返ってみます。

’05年6月12日 ココログのスペースでメインブログの分家版という形でECM Blogを作り始める。1001番から。
’07年9月3日 ECM Blogが追いつき、発売直後で未入手の7枚と、廃盤、未CD化盤を除き、掲載。その時814枚。
’14年10月19日 いったんメインブログに統合、ECM Blogは廃止(この時のアクセス数は累計33万強ありました)。それによってECMに関しては不完全だったメインブログにデータが集まりました。
’18年3月17日 ECM Blogを’17年1月1日からにバックデートして再びココログで始める。
’19年5月30日 Livedoorに移転。ブログ消滅のリスクを分散させるためと、3月のココログの改編で不具合が多発したため。

そして現在も、何とか番号順に掲載出来ていて、今日現在1,369枚(ECM2589まで)の掲載になっています。以前はECM Blogも’07年に追いついた以降は発売順の、番号がバラバラの掲載になっていたため、そこを今回は改める目的もありました。なので、この後2600番まで行ったら、いったんDVDその他発売点数の少ないシリーズを先にして、書籍なども掲載し、その後JAPOのLP以外で聴ける音源(最近(’19年あたりから)はECMもJAPOも、未CD化盤でストリーミングまたはダウンロードのみのものもある)をやはり番号順にまわってから、戻って2601番から続けようと思ってます。その後もなるべく番号順に掲載していきたいためでもあります。

私がECMの聴き手としては向いてないとか、いくつかご批判もあるかと思いますが、人生の中でいろいろな種類のジャズ・フュージョンを聴いてきているし、私よりもECMを聴く時間が長い方は世間にはけっこう多いんじゃないかとは思います。でもディスコグラフィーサイトを除いて、コメント付きでネット上にほぼ網羅的に掲載しているのは日本ではそこだけだと思うし、ECM Catalog(東京キララ社刊)よりも先に作っていたのは、ある程度自分に自信を持ってもいいんじゃないかと(もしかして他にあるのを私が気が付いてないだけかもしれないので、もしあればお教えください)。既存の書籍やWeb上のデータなど、補足的な意味では参考にさせていただいてます。まあ、網羅を追いすぎて内容に拙い点はあちこち見受けられますが、手直しをしていくかどうかは今後の課題とさせてください。ここ数年40-50枚/年ほどの発売で追いつくのが大変でしたけど、今年はコロナの影響か、発売点数が少なく助かっています。そちらも今年中には追いつくかな。それでも毎日アップを続けていても、それが私のホームページからの基本コピペ掲載でも、4年ほどかかってしまうのはけっこうハードル、高いです。

(追記)たまたま今日、Livedoor Blogがhttps化されたので、「ECMブログ」の方も設定しておきました。リンクやブックマークは自動転送されますが、ブックマークの変更されておいてもいいです。

2020/08/23

松任谷由実のベストアルバム(40周年、45周年、各3枚組)

Matsutouya40 Matsutouya45 実は今まで松任谷由実のアルバムって、一度も買ったことがなかったんですが、今回ベスト集を買って(と言ってももう数か月前ですが)、かなりの割合で知っている曲が多かったというのは、やはり彼女は昔から相当売れていたんだなと思いました。その分耳にしているので、覚えてしまっているんですね。実は彼女のCDを買うことになったのも、ストリーミングの影響です。Amazon Music HDでは、彼女の曲はすべてハイレゾ配信になっていて、それで何度も聴いているうちにCDを欲しくなってしまったというわけ。CD規格でも元のマスタリングがしっかりしているので、音はいいです。でも結局ストリーミングで聴いていることの方が圧倒的に多いんですけれどもね。どういうわけでCDを買ったのか、というと、気に入ったものはCDで持っていたいという、オヤジ的性格から来ています(笑)。で、買ったのは以下の2種類(それぞれ3枚組)。

「日本の恋と、ユーミンと/松任谷由実」40周年記念ベストアルバム(EMI Records)
「ユーミンからの、恋のうた/松任谷由実」45周年記念ベストアルバム(EMI Records)

40周年の方は文字通りベストで、有名な曲がめじろ押しになってます。45周年の方がその次に有名な曲を、CD3枚、Pure Eyes、Urban Cowgirl、Mystic Journeyとテーマ別にまとめたものという感じでしょうか。最初は40周年ばかり聴いていたのですが、だんだん45周年の味わいが好きになってきました。やはり曲も詞もユーミンならではのアピール力の強い、頭に入ってくる曲ばかりで、時間をかけてストリーミングで全アルバムを制覇していこうかな、という気持ちにもなっています。J-POP(ニューミュージック)のアレンジの良さというものも際立っていて、私も学生時代はニューミュージックの曲を多く演奏していたこともあって、今聴いてもなかなかいいと思いますし、やはりこの良さはもっと注目されていてもいいんじゃないかと思います。アーティストによっては若い頃に聴いた曲は良くても、一定の時期以降はあまり受け付けなくなることがあるのですが、ユーミンにはそれがなく、割と最近の曲でもすんなりと入ってきて記憶される感じなんですね。ただベストには’90年代以前の曲、特に’80年代以前の割合が多かったと思いますけど。

こういう出会いもストリーミングの影響で、いい出会いだったなあ、と思います。宇多田ヒカルもハイレゾ配信で、曲はいいし売れたのですが、世代が違うせいか全部を受け入れるというわけではなかったですね。アレンジに関しても、同様です。ある時期片っ端から昔のなじみのニューミュージックをストリーミングで聴いていた時があって、振り返るにはいい機会でした。ジャズやフュージョンが今いくら好きでも、その前の多感な時期の重要性を改めて知ることもできましたし。これらは別格ですね。これを語りだすときりがないので、今日はやめときますが(笑)。

2020/08/22

ストリーミングにはまってます

実際には、私はストリーミングには全然縁がなく、とにかくCD一筋で去年の7月ごろまで来ていたわけです。それまで、ダウンロードをしたものもありますけど、それは限定状態。具体的には昨年(’19年)7月から8月にかけて、ECMやJAPOレーベルでの未CD化作がストリーミングのみの配信されるようになって(しかもハイレゾ)40枚プラス’18年に配信されていた3枚の、計43枚を聴きたくなり、9月になってネットワークプレイヤーを買ったというわけ。それでブログアップをしていったのですが、あとから再発された未CD化作のBOXものもバラして聴くことをやったりして、9月からはじめてそれが終わったのが12月ごろ。それ以降もブログアップ目的ではどうしてもCDで入手できなかったものとか、CD棚から探せなかったり、お目当てのCDを処分済みだったりしたものだけで1桁にとどまります。このあたりは方針を外していない、というか、ストリーミングを多用すると聴き方が変わってしまうということもありますね。現在もAmazon Music HDのみを契約。まあ、プライベートではいろいろ聴いているので、基本、自分の聴くものはCD音質以上だし、月額料金は他に比べ少々高めでも、今のところペイしていると思います。ちなみにポータブルは持っていません。

ちょうど、それまで縁のあまりなかったオーディオ機器も2年半ぐらい前から買いはじめ、一段落ついて、あとはよほどのことがない限り、買い替えはないでしょうね。私は機器より音楽志向なので。購入したものは、以下:

’18年2月 Oppo SONICA DAC(これはSA-12が来てから役割はあまりなくなったのですが、原則長男のもの)
’19年9月 マランツ ネットワークプレイヤー NA-6006(これでストリーミングを聴いています)
’19年10月 Fostex スピーカー G2000a(これは展示処分品で、長男が費用を負担していて長男のもの)
’19年12月 マランツ SACD/CDプレイヤー SA-12(私の本や楽器などを処分して得たお金に長男が5万負担して購入、DACとしても使用)
’20年2月 マランツ プリメインアンプ PM-12(モデルチェンジに伴う展示処分品を購入。でも衝動買いのため負担がきつかった。)

今はこのマランツ勢の組み合わせに長男製作のスピーカー、スーパースワンの組み合わせで主にジャズを聴いています。新しいフュージョンとか、J-POPなどはアンプに長男自作のAB級6L6プッシュプルアンプ(真空管アンプ)とスピーカーがG2000aの組み合わせになることも。こちらの方は重低音が決め手ですけど、ソースと聴き方によっては(個人的な感想ですが)その重低音に疲れてしまうということも。あと、なぜ昨年春独立した長男の機材が我が家にあるかというと、長男の古いマンションでは大きな音が出せず、帰省しても片道3時間ぐらいなのでまだここに置いてあります。さすがにコロナ以降は帰省もまばらになり、このお盆休みは帰って来なかったですが。

ストリーミングで、若い頃よく聴いていた音楽をかけたり、CDを出すには少々面倒だなと思う時に気軽に聴くようにしたら、聴いている時間が増えました。あとは買おうか迷っているアルバムですね。それから最近出てきたECMのパット・メセニーのハイレゾ音源。事務系の自営業なので、仕事中でもかけようと思えばかけられますけど、やはり聴きっぱなしは疲れるので、適宜、というところ。ちょっとCDオンリーの時と聴き方が違ってきましたね。これでスマホで操作するHEOSの使い勝手がもっと良くなればなあ、と思っています。

2020/08/21

当ブログの方も一段落

先に7月21日にホームページの方が一段落して、その追っかけで当ブログに記事を出してきましたが、それも前日までで一段落しました。その間に新譜でブログアップしたのは5枚だけで、あとは自由に音楽を聴いてました。時折出てくる新譜以外で、いくつかやろうとするアイデアはあるものの、8月は仕事も忙しいし、少し更新間隔を空けてのんびりしようかと思います。

前にも書きましたが、ここニフティのスペースは仕事のインフラを使っているため、万が一私が急死すれば(こういうことも少しは考えなければならない年齢に)プロバイダー契約が無くなるので、そのまま消滅の運命にあるし(ホームページの方は、パソコンにデータがあるので子供たちに移行はしてもらえるだろうと思うのですが。)、時間がある程度あったにしても、ブログの方は写真のリンクが元のままデータがエクスポートされてしまうので、移行はけっこう分量もあるし、写真とそのリンクを全部手作業で移行しなければならず、手間になります。昔はこういうものは消えないよなあ、と安心していたら、例えば運営会社の方針変更でYahooブログなどは簡単に消え去ってしまったので、それに移行した先が果たして何年もつのか不透明な部分もあるので、ブログは消えたら終わり、などの明確な方針を考えようと思っています。

それにしても、昔書いたアルバムコメントで、特に曲順に紹介しているもの、今見返すとなんでこんなもの書いてたんだ?という感じになってしまいます。特に多い曲のアルバムを無理やりこの形式で圧縮して紹介したもの。文章として読むとつまらない。記録としてはいいかもしれませんが。やはり全体をとらえてこういう感じのアルバムという風に背景を交えて説明していた方が良かったなあ、と今更ながら思います。もうあと20年かけてやり直しとか、そういう時間はないですし。そういう意味でも、歳を取ったら閉鎖でもいいのかなあ、という気もしています。

でも長年文章を書きながら音楽を聴いてきたせいか、その方が音楽が頭に入るということもあって、新譜はなるべく続けていきたいなあ、と考えてはいます。一生終わらないと思っていたホームページのコメント手直し作業が還暦前に一段落してしまったので、腑抜け状態でもあるんですけど。あとは今まで書き足りなかった雑文的なことも書いていきたいし、ここから先は余禄だと思って、いろいろ試行錯誤しながらやっていきたいと思います。と言いつつ、明日の分までストックはありますが。

ネットに出ていることで不愉快な思いやトラブルやも少しは経験してきましたが、同好の士とたくさん知り合いになれたし、多くの方の励ましその他のうれしいことの方が多かったので、やっぱり自分のやっていることは、これはこれで良かったんだと考えてます。

あともう少し「ECMブログ」の方は毎日更新で続きます。そちらはこちらのメインブログで書いてきたものをまとめ直しただけのものですが、お暇だったらそちらも覗いてみてください。そちらも掲載枚数は今日で1,366枚になりました。

2020/08/20

Dance Singles/Herbie Hancock

Herbiedancesハービー・ハンコックも終わって、これで全部終わり、やれやれ、と思っていたら、あとから1枚どこに入れていいのか分からないアルバムが出てきました。正式なリーダー作ではないのですけど、シングル・コレクションのアルバム。アナログ時代はショート・ヴァージョンやロング・ヴァージョン、はたまたリミックスのシングル(あるいは12インチシングル)が、例えばアメリカだけどか、英国だけとか、出ていたことが多かったのです。特にダンス系は。それを集めたアルバムがこれ。個人的には時期的にあまり思い入れのあるものではありませんけれども、その中でも「カメレオン」の14分にわたるロング・ヴァージョンのリミックスの曲が印象に残りました。

 

Dance Singles/Herbie Hancock(Key, Synth, Vovoder, etc)(Sony) - Released 1995. 1. Rock It (U.S./12inch Short Version) 2. Magic Number(U.S./Single Version) 3. Lite Me Up!(U.S./Single Version) 4. I Thought It Was You(U.S./Single Version) 5. It All Comes 'Round(U.S./Single Version) 6. Go For It(U.S./Single Version) 7. Tell Everybody(U.S./Single Version) 8. Everybody's Broke(U.S./Single Version) 9. Vibe Alive(U.S./Single Version) 10. Hard Rock(U.S./12inch Shoprt Version) 11. The Bomb(U.S./Short Version) 12. Mega Mix(U.S./12inch Version) 13. Chamereon (1983 Re-Mix)(U.K./12inch Only Version)

ハービー・ハンコックのシングルを集めたアルバム。CDでは’95年に出ています。だいたいのアルバムはLPやEP時代に出ていて、シングル・ヴァージョンとか、12インチ・シングル・ヴァージョンとかで、長さが調整してあって、単体で売りやすいようになっています。この中でも12-13曲目は少し珍しいんだそうで、特に13曲目は’70年代前半の「カメレオン」をリミックスした上に14分の長い曲に仕立て上げていて、しかもこのアルバムの中では少々時代をさかのぼったファンク時代の曲で、U.K.だけで発売されていただけに、けっこう珍しいようです。さすがに売れセンの曲をこれだけ揃えられるとおなかいっぱいになってしまいますが、こういう時代もあったのは、記憶に残るべきことかもしれません。売れていた時代の曲たち。

2020/08/19

1+1/Herbie Hancock, Wayne Shorter

Herbieoneplus ハービー・ハンコックのリーダー作の25日にして一段落。’99年からはじめていたホームページのアルバムコメント手直し作業も一段落、とここまではいいのですが、今日のアルバム、競演・参加作ではないかということで、ホームページの方は掲載個所を移しました。まあ、自分では一生終わらない、と思っていたことがとりあえず20年以上かけても達成できてよかったと思っています。しかもアルバムのラストは自分の好みのジャズ。似たような例として、リッチー・バイラークとデイヴ・リーブマンのデュオが何枚もあったりしますし。けっこうシリアスではありますけど、これで企画の有終の美(?)を飾れて、良かったと思ってます。(と書きつつ、実はまだあと1枚見つけた。)

 

1+1/Herbie Hancock(P), Wayne Shorter(Ss)(Verve) - Recorded 1997. - 1. Meridinanne - A Wood Sylph 2. Aung San Suu Kyi 3. Sonrisa 4. Memory Of Enchantment 5. Visitor From Nowhere 6. Joanna's Theme 7. Diana 8. Visitor From Somewhere 9. Manhattan Lorelei 10. Hale-Bopp, Hip-Hop

2人の作曲が5、8-9曲目(インプロヴィゼーションか)、ハービー・ハンコックの作曲が3、6、10曲目、ウェイン・ショーターの作曲が1-2、7曲目で、Michael Borstlap作が4曲目。収録時間は61分。この2人ならデュオでなくて、バンド編成でフュージョン系をやってくれてもいいと思いますが、神経を研ぎ澄まして対峙している2人も納得。オリジナルが中心で、静かめの曲ばかりなので、フレーズが真剣すぎて聴き流すにはちょっと緊張を要する点も。ショーターがソプラノ・サックスだけを使用している点もここでの特徴ですけど、ほとんど爆発することなく、2人で1つの世界を作れてしまっているところがさすがに一流ミュージシャンなことだけあるなあ、と感心してしまいます。そこから出てくるサウンドはただものではないですね。

2020/08/18

Valentine/Bill Frisell

Billvalentine また新譜が来たので先に聴いていきます。楽しみにしていたビル・フリゼールのギター・トリオの新譜。注文した時よりも発送した時の方が値段がかなり安くなり、しかも予定していた発送日が繰り上がったのもうれしいところです、メンバーがいいですし、それでもあくまでもマイペースを貫いているフリゼールがもちろん、いい。ギター・トリオになっても、ゆったりと弾くのは相変わらずだけど、なぜかこれがいいんですよね。似たようなジャズ・ギタリスト(と言っていいのかどうか)がいないのも強みではありますし。でもいわゆるヘタウマではないですし、そうだからこそ、いろいろなところから声がかかるんですね。なお、国内盤には2曲のボーナストラックが入っています。

 

Valentine/Bill Frisell(G)(Blue Note)(輸入盤) - Released 2020. Thomas Mogan(B), Rudy Royston(Ds) - 1. Baba Drame 2. Hour Glass 3. Valentine 4. Levees 5. Winter Always Turns To Spring 6. Keep Your Eyes Open 7. A Flower Is A Lovesome Thing 8. Electricity 9. Wagon Wheels 10. Aunt Mary 11. What The World Needs Now Is Love 12. Where Do We Go? 13. We Shall Overcome

(20/08/17)ビル・フリゼール作は2-6、8、10、12曲目で、他はトラディショナル、ジャズメン・オリジナルその他。この3人での活動は活発だそうだけど、過去には5人では録音あり。1発目から彼のギターと分かるラフな出だしで、そのまま曲に入っていきます。ジャズのフレーズを全然使わないで、最もジャズに接近しているだけあって、8ビートメインながら、そのギターの味はなかなか唯一無二のサウンドになっていて、何度聴いても飽きないです。名手のトーマス・モーガンとルディ・ロイストンと組んでいるあたりがその信用を得ている証拠でしょう。その独特な味をうまく引き出しているのは、またもやプロデューサーのリー・タウンゼント。一聴、似たり寄ったりの曲調が連なりますが、飽きさせずに素朴な味を聴かせてます。

2020/08/17

Dis Is Da Drum/Herbie Hancock

Herbiedisisda ハービー・ハンコックのリーダー作の24日目。時代は’90年代に入り、だんだんリーダー作も間隔が開く代わりに大作になってきたような気がします。CDを買うようになってからは、ハービーの新譜ではほぼヒップホップ系だったので、昔のジャズのアルバムを聴きつつ、このアルバムが出たときは小躍りしたような記憶があります。パーカッション重視のサウンドとはいえ、ある意味こちら方面の集大成的な意味合いを持っているなあ、と思ったものでした。でもこれでもやはりジャズやフュージョンというよりは、もっと一般向けを意識したアルバムの作り方だったのかなあ、と考えられますけど。まあ、収録時間も長くなったし、聴きごたえはありました。

 

Dis Is Da Drum/Herbie Hancock(P, Key, Synth)(Mercury) - Released 1994. Wallace Roney(Tp), Bennie Maupin(Ts), Wah Wah Watson(G), Frank Thibeaux(B, G), Darrell "Bob Dog" Robertson(G), Ken Strong(Ds), Will Kennedy(Ds), Will "Rock" Griffin(Synth), Bill Summers(Per), Miyayi Asiedu(Per), Mars Lasar(Sound Design), Darrel Smith(Key), Airto Moreira(Per), The Real Richie Rich(DJ), Francis Awe(Vo), Hubert Laws(Fl), Lazaro Galarraga(Vo) - 1. Call It 95 2. Dis Is Da Drum 3. Shooz 4. The Melody (On The Deuce By 44) 5. Mojuba 6. Butterfly 7. Juju 8. Hump 9. Come And See Me 10. Rubber Soul 11. Boba Be Da 12. Call It 95 Remix 13. Mojuba Remix

6年ぶりのリーダー作。ハービー・ハンコックを含む共同作曲は1-2、5-6、9-13曲目で、他の曲も共同名義になっています。収録時間は65分。重低音が強調されたサウンドの上をジャズ、ラップ、ファンク、アフリカンとさまざまな語法が飛び交います。タイトル通り、リズムがけっこう濃いものとなっています。ビル・サマーズとの共同プロデュースが理由か。ヒップホップとかファンク、ディスコ路線の、ハービー流のサウンドのひとつの頂点かも しれません。トランペットやテナー・サックス、生ピアノなどの演奏が時々耳に入ってくるのが意外。そういう意味ではジャズの要素も少し。4曲目など、ラップとファンクとジャズが同居していてカッコ良い。6曲目でおなじみ「バタフライ」も盛り上がり、かつ、渋め。最後の2曲はリミックス。

2020/08/16

Perfect Machine/Herbie Hancock

Herbieperfect ハービー・ハンコックのリーダー作の23日目。このアルバムでヒップホップ第3弾です。さらにだいぶ後になって「Future 2 Future」(’01年)も作っているので、もう、彼の当時の柱のひとつと言っていいのかもしれません。個人的にはディスコ、ヴォーカル路線までなら今は何とか、と思ってますが、このアルバムはCDで当時リアルタイムで買って聴いてました。でもやっぱりジャズ・ミュージシャンとしてのハービーとは何か違う、とも思っていたんだろうとは思いますけど。もうこのあたり、今回聴くのは20年以上ぶりのものが多いので、確かに興味深くは聴けていて、当時は知らなかったことまで分かってきましたけれども。

 

Perfect Machine/Herbie Hancock(Key, Synth, etc)(Sony) - Released 1988. William Collins(B), Sugar Foot(Vo), Nicky Skopelitis(Ds), DST(Turntables), Mico Wave(Synth, B), Jeff Bova(Synth) - 1. Perfect Machine 2. Obsession 3. Vibe Alive 4. Beat Wise 5. Maiden Voyage/P. Bop 6. Chemical Residue

ビル・ラズウェルとの共同プロデュースの打ち込みサウンド第3弾。いかにもリズムが打ち込みダンスアルバム、といった内容で、この方向で進化しています。ただ、ヒップホップとしての音楽性も以前よりは洗練されたものになってきています。1曲目のタイトル曲は、タイトな打ち込みのリズムの上を流れるようなメロディ。普通にアレンジしても印象深い曲かも。そして、数曲についてはヴォーカルやヴォコーダー・ヴォーカルが入っています。3曲目など、曲としては良いと思うのですが、その強烈なアレンジから、聴く人を選ぶかなあと。4曲目はエレクトリック・ベースなのでホッとしました。5曲目は現代版「処女航海」で、これもけっこうスゴいアレンジ。これを好きかどうかはお任せします。6曲目は地味ながらメロディアスで渋い展開。

2020/08/15

Village Life/Herbie Hancock And Foday Musa Suso

Herbievillage ハービー・ハンコックのリーダー作の22日目(というよりもジャケ写では競演で並列で名前が掲載されているので、本当は競演作だとは思うのですけど、背の部分にはハービーだけの名前でした。結果ホームページでは競演・参加作に移しました。)。ちょっと一風変わった明るいアフリカ音楽のアルバムです。とは言うものの伝統音楽ではなくて作曲したものなので、出身国の音楽を背景に、いわゆるキーボードとデュオでコラボしている、という感じでしょうか。同じフレーズの繰り返しでトランス効果も出てきてますし、なかなか興味深いです。でも、こういう明るい系はあまり個人的には得意ではないので、まあ、聴いてみました、ということでお許しください。

 

Village Life/Herbie Hancock(Key, etc) And Foday Musa Suso(Kora, Per)(Sony) - Recorded August 7-9, 1984.  - 1. Moon/Light 2. Ndan Ndan Nyaria 3. Early Warning 4. Kanatente

収録時間は40分。アフリカのガンビア出身のフォディ・ムサ・スソとのデュオ作品で、来日時に録音されたものとのこと。とは言うものの、プロデューサーはビル・ラズウェルとハービー・ハンコック。いわゆる日本制作という感じではないです。コラという楽器はハープのような楽器だそうで、聴いて納得。共作が1、4曲目で、ムサ・スソが作曲の、牧歌的でアフリカ的な内容の曲(2曲目)もあれば、ハービーが作曲のシンセ中心の曲(3曲目)もある、といった構成ですが、いずれも比較的素朴なアフリカンサウンド。異色のアルバム。1-2、4曲目のアフリカの明るいヴォーカルとサウンドが印象的。前作「サウンド・システム」で、ムサ・スソが何曲か活躍しているので、その流れだろうと思います。これはジャズと言うよりアフリカ音楽。

2020/08/14

Sound-System/Herbie Hancock

Herbiesound ハービー・ハンコックのリーダー作の21日目。今日もヒップホップのアルバムです。ただ、こちらの方はフォディ・ムサ・スソのカリンバとかパーカッションなどで、何曲かはアフリカンな感じが出ていて、そこが前作とは違うところかなあ、と思います。収録時間は33分で短いですけど、けっこう密度が濃い感じで、もっと長く聴いていたように思いました。5曲目はT. Thomas作となってますが、当時ヒットしていた曲でしょうか。ライナーにはこのあたりのことが言及されてなかったので。個人的には打ち込みは苦手なんですが、久しぶりに聴いている分には、なかなかいい感じで聴けました。

 

Sound-System/Herbie Hancock(Key, Synth, etc)(Sony) - Released 1984. Bill Laswell(B), D.St.(Turntables), Nicky Skopelitis(G), Henry Kaiser(G), Daniel Ponce(Bata), Rob Stevens(XMD), Will Alexander(Prog), Foday Musa Suso(Per), Wayne Shorter(Ss, Lyricon), Toshinori Kondo(Tp), Aiyb Dieng(Ds), Anton Fier(Ds), Bernard Fowler(Vo) - 1. Hardrock 2. Metal Beat 3. Karabali 4. Junku 5. People Are Changing 6. Sound-System

打ち込みサウンド第2弾。収録時間は33分。ハービー・ハンコック作が2曲目、ビル・ラズウェルらとの共作が1、4、6曲目、他の共作が2曲目など。より洗練されたヒップホップのアルバム。1曲目の「ハード・ロック」はシングルカットもされただけあって、ノリノリの曲。この曲で踊った人もかなりいるのでは。曲によってはエスニックな感じも強く、3曲目などはアフリカン調の曲で、生ピアノが目立つのは意外。4曲目は何と!オリンピックの公式テーマ曲だとのこと。ヴァージョンは公式のものと違うそうですが。そう言えばいろいろなミュージシャンが4、6曲目は当時の先端サウンドだけでなく、エスニック色や様々な要素も織り込んだ集大成的サウンド。5曲目は比較的オーソドックスなヴォーカル入り。時代が創ったサウンドですね。

2020/08/13

Sand Storm/KAZE & Ikue Mori

Kazesands 新譜が1枚届いたので先に聴いていきます。田村夏樹さん、藤井郷子さん参加のフリー・ジャズのグループで、今回はイクエ・モリさんもエレクトロニクスで参加しています。このエレクトロニクスが、フリーのサウンドをまた厚くしてくれて、効果的に加わっています。けっこうハードなフリーなので、聴く人を選ぶかもしれませんが、フリー・ジャズのファンならば、一度耳を通しておいてみてもいいのでは。なんたってギャロンギャロンのスタンスをはるかに超えて、非イディオム系というか、音階のない世界に突入することも多いので、それなりに好きでも覚悟は必要かも。でも慣れてしまうと、こういう世界が離れられなくなるんだよなあ、と、まあ、これは個人的な感想ですけど。

 

Sand Storm/KAZE & Ikue Mori(Electronics)(Circum Libra) - Recorded February 12, 2020. Christian Pruvost(Tp, Flh), Natsuki Tamura(Tp, Voice), Satoko Fujii(P), Peter Orins(Ds) - 1.Rivodoza 2. Poco A Poco 3. Kappa 4. Under The Feet 5. Noir Poplar 6. Suna Arashi 7. Noir Soir

1曲目がChristian Pruvost作、3曲目が田村夏樹作、5曲目がPeter Orins作、7曲目が藤井郷子作で、他の曲は短く、全員のクレジットなのでフリー・インプロヴィゼーションか。録音時期もコロナで交通手段が遮断される前の貴重なニューヨークでの記録。いきなり擦過音的で強烈な出だしでびっくりさせますが、そこからエレクトロニクスの効果を交え(これも大きい)、非イディオム系のまま徐々に情景が変化していき、ラストでメロディのテーマ?が出てくる1曲目、森の奥で河童がうごめいているような物語的な進行をトランペットその他の楽器で示唆している感じの3曲目、おどろおどろしい出だしから徐々にその表情が変わっていく5曲目、穏やかな出だしからメカニカルなピアノ中心のフリーになりヴォイスの場面もある7曲目。(20年8月8日発売)

2020/08/12

発熱と病院通院の顛末記

9日の(日)夕方、あまり冷房の効かない部屋で少し寝て起きたら、だるい。そしてその夜、最高で体温計が38.6度まで上がりました。これはもしやと、今後の仕事その他もろもろどうするかを考えつつ、発熱での病院受診は問い合わせが面倒だし、お盆でやっている病院も少なく、ましてや発熱は診ませんという内科も多い。さてどうするか、とりあえず仕事場兼オーディオ部屋に布団その他を持ち込み、自主隔離。と翌日10日の朝になったら、しばらく経って測ったら36.8度まで体温は下がってました。いたって元気というほどでもないけど、昨日のあれば何だったんだ状態。その後お昼にまた37.8度まで上がるも、夕方にはまた下がりました。熱中症も似た症状だそうですが、その時は気が付かず。

とりあえずは10日(月・祝)朝、市の新型コロナウィルス感染症センターに電話をして、昨夜熱が上がっただけではっきりした症状が出てないんだけど、と説明するも、昔うわさで聞いたようなつっけんどんな対応はなく、今日は休日なのでガマンできればしていただいて、もしどうしても今日という場合はネットで対応病院のリストを見てください、と言われました。今でも渡航歴はありますか、という質問があるのね。

もインフルエンザと違って無症状感染の可能性もあるので、気を抜けなかったです。ショックだったのは外出をできるだけ控えていて、体調管理も気を使っていて発熱してしまったことで、ここまで首都圏で蔓延してくると、注意していてもかかる可能性はある、ということかもしれません。皆さんもお気を付けください。診察を受けるまで自分もコロナではないことを祈ってましたし。発熱の症状のある人はほぼ全員、コロナを疑った手順で相談してからでないと、診察を受けられないのも手間ですね。

ところがお目当ての病院に電話をしたら、まずは市の衛生局の帰国者・接触者相談センターというところで相談してからまたお電話くださいとのこと。そしてたらいまわし案件のような感じで、そちらで詳しい事情を聞かれる。それから何度かやり取りして、やっと病院の方に行って診察なのですが、少々外で待たされてから、発熱ということだけで、完全防疫の部屋と物々しい恰好での看護師さんはじめその他の方々、逆に申し訳ないと思ってますが、とりあえず肺のレントゲンと血液検査で(PCR検査はしなかった)その場で結論が出て、肺炎の兆候は見られないということでホッとしてます(ほぼコロナではないということ)。ただ、だからと言ってコロナではないという保証は100%はできないと医師が言っていて、万が一重篤化するようなことがあれば、また来てくださいとのこと。

とりあえずは現時点ではコロナの兆候はなしとのことで良かったのですが、1月あたりまでだったら、ここまで厳重な診察は発熱程度ではなかったでしょう。そして熱が下がって2週間は活動自粛とのこと(私の場合、暦で言えば24日まで)。 お盆を絡めてなのと自宅でできる仕事が多めの時だったのでスケジュールも何とかなり助かったですけど、やれやれという気持ちもなくはありません。実際もうほぼ体温、症状等治ってますし。こういう状態が数年は続くとすると、インフルエンザの流行る冬は大変なことになりそうです。(16日追記)4日目ぐらいから、家族と食事したりしていますが、たぶん熱射病の見立てなので、今のところ何ともなってません。

(12日夕方追記)報道とかを見ていても、毎日発熱する人は一定数いるわけだし、コロナかどうかを選別するために、負担増なのに完全防疫下で診療をしなければならない病院関係者には頭が下がります。政府は病院のこの負担を考えてあげてもいいのではないかなあ。

2020/08/11

Future Shock/Herbie Hancock

Herbiefuture ハービー・ハンコックのリーダー作の20日目。ここでヒップホップが出てきます。この頃割とリアルタイムで聴いてはいますけど、元々は自分でも楽器をいじったりしていたので、ポップになるのはいいんだけど、音楽観的に出来上がってもいたから(まだ学生だったですけどね)、打ち込み系は、やっぱり苦手だったんです。しかもターンテーブルの音も。でも当時以降はボブ・ジェームスその他、多くのミュージシャンが打ち込みやってますよね。今改めて聴くと、ハービーのキーボードのフレーズがカッコ良かったりするのに気が付いたり楽しみもありますけど、やはりこれは1回聴けばいいかなあ、と個人的には思います。その後音楽的には融合していくんですけどね。

 

Future Shock/Herbie Hancock(Key, Synth, etc)(Sony) - Released 1983. Bill Laswell(B), Michael Beinhorn(Synth), Grand Mixer D.ST(Turntables), Danniel Ponce(Bata), Dwight Jackson Jr(Vo), Bernard Fowler(Vo), Pete Cosey(G), Sly Dunbar(Ds, Per), Lamar Wright(Vo), Bernard Fowler(Vo) - 1. Rockit 2. Future Shock 3. TFS 4. Earth Beat 5. Autodrive 6. Rough

ハービー・ハンコックとビル・ラズウェルとマイケル・バインホーンとの共作が5曲(1、3-6曲目)、タイトル曲の2曲目はカーティス・メイフィールド作。収録時間は38分。ヒップホップの分野では最初に売れたアルバムらしいです。打ち込みサウンドとターンテーブルが思いっきり出てくる当時としては非常に新しいアルバム。特に1曲目の「ロックイット」はジャズ以外でけっこうヒットしたらしく、なるほど、と思わせます。ただしタイトル曲の2曲目はドラムが打ち込みでなくヴォーカル入りなので、意外にオーソドックスな感じです。ここは作曲者の違いで、ディスコやソウルのようなサウンド。6曲目は従来系と打ち込み系の中間か。他の曲はやっぱり思いっきり打ち込み系。ここで思い切って舵を切ったのはセールス的にはよかったかも。

2020/08/10

Lite Me Up/Herbie Hancock

Herbielitemeハービー・ハンコックのリーダー作の19日目。いやー、ポップなアルバムが出来上がってしまいました、しかもミュージシャンにスティーヴ・ルカサーその他有名な人が多く参加しています。ハービー自身が参加していない曲もあったり、クレジット見ているとキーボードの表記がなかったりしていますが、8曲目の終わりの方に明らかにキーボードを弾いている演奏があるので、いちおうKeyと入れておきました。ここまでくると誰のアルバムか分からないような気もしますけど、ハービー色ってどうなんでしょうね。ロッド・テンパートンのリズム&ヴォーカルアレンジの曲が多いので。でもポップアルバムとしては上質な方だと思います。

 

Lite Me Up/Herbie Hancock(Vocoder, Vo, Key, etc)(Sony) - Released 1982. Steve Lukather(G), John Robinson(Ds), Louis Johnson(B), Paulinho Da Costa(Per), Wayne Anthony(Vo), Jerry Hey(Tp, Flh), Patti Austin(Vo), David Williams(G), Michael Boddicker(Synth), Jeff Porcaro(Ds), Abe Laboriel(B), Jay Graydon(G), David Foster(P), Bill Champlin(Vo), Narada Michael Walden(Ds), Randy Jackson(B), Corrado Rustici(Synth), Frank Martin(Vo), Chuck Findley(Tp, Tb), Paulette McWilliams(Vo), Patrice Rushen(Vocoder) - 1. Lite Me Up! 2. The Bomb 3. Gettin' To The Good part 4. Paradise 5. Can't Hide Your Love 6. The Fun Tracks 7. Motor Mouth 8. Give It All Your Heart

完全にポップというか、ディスコのアルバムになってしまいました。全曲がヴォーカル入り。38分収録で8曲なので、ポップス的な曲の長さでもあります。8曲中6曲(1-3、6-8曲目)がロッド・テンパートンの曲(ハービー・ハンコックとの共作を含む)ということからもそのことがうかがえます。4-5曲目はハービーと他の人との作曲。ただし、ジャズの視点を離れて、そういうものだと思って聴くと、けっこうノリも良くてメロディも良いアルバムだとは思います。演奏者としてのハービーはほぼヴォーカルやヴォコーダーのクレジットのみで、参加していない曲もあって、ある意味ここでは作り手側にまわっているのだと思います。けっこう売れたであろう内容ですけど、ここはジャズやファンク的な視点は入れずに聴いておくのがいいのかも。

2020/08/09

Monster/Herbie Hancock

Herbiemonst ハービー・ハンコックのリーダー作の18日目。前作「Mr. Hands」と次の「Magic Windows」は以前紹介済みなので、このアルバムになります。完全にヴォーカルアルバムですね。でもこういうアルバムも好きなんですよね、たまに聴く分には。もうターゲットはジャズ・フュージョンのファンではなくて、完全に一般のファンで、しかもヒットチャートを目指している、という感じでしょうか。このブログをご覧になっている方には退屈な方もいらっしゃるかもしれませんが、もうしばらくご辛抱を。と言いつつ、ホームページのコメント手直しもあと7枚でそのまま先をまだ考えてないので、ジャズに戻りきらずに特集終了になってしまうかもしれませんけど。

 

Monster/Herbie Hancock(Key)(Sony) - Recorded 1979 and 1980. Alphonse Mouzon(Ds), Freddie Washington(B), Wah Wah Watson(G), Sheila Escovedo(Per), Devadip Carlos Santana(G on 1), Ray Parker Jr(G on 2), Randy Hansen(G on 4, 6), Oren Waters(Vo on 3), Bill Champlin(Vo on 6), Greg Walker(Vo on 1, 5), Gavin Christopher(Vo on 2, 4), etc. - 1. Saturday Night 2. Stars In Your Eyes 3. Go For It 4. Don't Hold It In 5. Making Love 6. It All Comes Round

1-3曲目はハービー・ハンコックの共作で、4-6曲目は他人の作品。収録時間は42分。とうとう本職のヴォーカリスト達まで全曲で起用してしまった本格的なヴォーカル・アルバム。曲の作りは、よりポップになって当時のヒットチャートを賑わせそうな感じです。ギタリストも曲に合わせて起用しています。本格的なディスコや曲によってはロックのアルバムとも言えますね。1曲目に参加のカルロス・サンタナのギターが渋く泣いています。これでもかと言わんばかりのノリノリの曲が多いので、これはこれで爽快です。ただ、ジャズやフュージョンとの接点は?と言われると、ちょっと遠いところへ行ってしまったのかなあ、という感じも少々。それでもアレンジはけっこう高度で、いろいろ聴いているとオッとなるところもけっこうあります。

2020/08/08

Direct Step/Herbie Hancock

Herbiedirect ハービー・ハンコックのリーダー作の17日目。今日も東京録音で、しかもLP時代はダイレクトカッティングでの制作。録音を直接盤面のマスターに刻み込む方法なので、演奏の失敗は許されない厳しい方法ですが、当時はこれが音が良い制作方法で、時折この方法のLPを見ました。曲もやり慣れた曲を演奏しているようで、ちょっと無難にまとめたという印象がしないでもないです。でも、そこはトッププロなので、けっこうテクニック的にはすごいんじゃないかと、聴いていて思います。まあ、路線のメインのアルバムではないけど、こういう方向もありました、という記録としては素晴らしいものを残してくれたと思います。

 

Direct Step/Herbie Hancock(Key, etc)(Sony) - Recorded October 17 and 18, 1978. Webster Lewis(Key), Alphonse Mouzon(Ds), Paul Jackson(B), Ray Obiedo(G), Bennie Maupin(Ss, Ts, etc), Bill Summers(Per) - 1. Butterfly 2. Shiftless Shuffle 3. I Thought It Was You

LP時代にダイレクト・カッティングという方式で録音されたアルバム。録音を直接レコードの溝に刻み込むので失敗が許されない方法です。これも東京録音。アルバムの収録時間は30分と短いですが、1発録りとは思えないほど完成されていて、クロスオーヴァーの要素が色濃く出ています。ここでは、ポール・ジャクソンのベースが生きたファンクでカッコよくさせている理由の一つではないかと。1曲目は何度も再演されている曲だけれども、上質のファンク/クロスオーヴァーという感じで、聴き心地が良い。ここでのサウンドも落ち着いていて、いい感じの演奏になっています。2曲目はロック・ビートの曲で後半盛り上がります。3曲目はハービー・ハンコックのヴォコーダー・ヴォーカルが聴ける、臨場感あふれる15分台の大作。

2020/08/07

The Piano/Herbie Hancock

Herbiethepiano ハービー・ハンコックのリーダー作の16日目。今日のアルバムは東京録音です。しかもソロ・ピアノ。アメリカでの録音だとやはりソロ・ピアノというのは考えにくいなあ、と今は思いますけど、ディスコアルバムの間に挟まって、こういうアルバムが出てくるところが結果として良かったと思います。惜しいのは収録時間が少々短めなことかな。LP時代にはこういうことは多かったと思うので、まあ、いいんですけど。ちょっと聴きには、最初の3曲のスタンダード、手を加えすぎではないかと思わないでもないけど、これがその時点での彼の内面の表出だと思うので、これはこれでありかなあと思います。いや、素晴らしいんですけどね。

 

The Piano/Herbie Hancock(P)(Sony) - Recorded July 25 and 26, 1978. - 1. My Funny Varentine 2. On Green Dolphin Street 3. Someday My Prince Will Come 4. Harvest Time 5. Sonrisa 6. Manhattan Island 7. Blue Otani

収録時間は31分。4-7曲目はハービー・ハンコックの作曲で、ありそうでなかなかない彼のアコースティックピアノのソロアルバム。しかも冒頭3曲はおなじみのスタンダード曲。そして、独自の解釈で弾いているように感じます。こういうアルバムは、ほぼ東京録音になってます。音もなかなかいいし、あっという間に全編聴きとおしてしまいます。ちょっと内省的な感じで、しかも繊細。原曲のイメージを少し変えて弾いているような演奏。当時流行ったソロ・ピアノの一環としての位置づけなんでしょうけど、ここまで素のハービーを聴ける機会もアルバムとしてはなかなかありません。格調も高い雰囲気がありますし。オリジナル曲の方も、ピアノの響きを生かした、なかなかいい演奏に仕上がっています。7曲目は少し陽気な感じも。

2020/08/06

Feets, Don't Fail Me Now/Herbie Hancock

Herbiefeets ハービー・ハンコックのリーダー作の15日目。この前に「Sunlight」がありますが、それは以前取り上げたので。いやー’78年ですねえ。もうディスコミュージックになっていて、6曲目を除きヴォーカルアルバム。ジャズ度はなく、リズムは踊りやすいようにシンプルなものになっている感じがしてます。やはりジャズファンではなくて一般の音楽ファンが多く聴いていたのだろうと思います。時系列的な概念がなかった段階でこのアルバムを買ってますので、聴いた時には戸惑いました。でももともとこういうジャンルの音楽も、音源としては少なかったとはいえ、好きな方だったので、まあ、結果としてはまだ手元にあるわけなんですが。

 

Feets, Don't Fail Me Now/Herbie Hancock(Key, etc)(Sony) - Recorded 1978. Eddie Watkins(B), James Gadson(Ds), Ray Obiedo(G), Bill Summers(Per), Julia Tillman Waters(Vo), Maxine Willard Waters(Vo), Oren Waters(Vo), Luther Waters(Vo) Bennie Maupin(Ss on 6), Wah Wah Watson(G on 6), Freddie Washington(B on 6), James Levi(Ds on 2, 6), Ray Parker Jr(G on 3), Coke Escovedo(Per on 3), Shelia Escovedo(Per on 3), Gordon Bahary(Synth, Prog) - 1. You Bet Your Love 2. Trust Me 3. Ready Or Not 4. Tell Everybody 5. Honey From The Jar 6. Knee Deep

全曲ハービー・ハンコックを含む共作。収録時間は40分。クロス・オーヴァーというよりは、完全なディスコアルバム、ということのようです。1-5曲目までは、彼自身のヴォコーダー・ヴォーカルを含め、ヴォーカリストも呼んだヴォーカル入り。ダンス・ミュージックとしてとらえると、けっこう音楽的にもレベルも高いと思えてノレるので、これはこれでゴキゲンなアルバム。しかし、こういうところまで来てしまうのは、予想してたとはいえ、完全に一般向けのサウンド。1曲目からヴォーカルが前面に出て、踊れる音楽になっています。個人的にはやや渋めな2曲目が好み。4曲目はこれでもか、という感じでノリノリにさせられるので、マイッタです。ただ、ヴォーカルメインになっているので、そこが好みの問題か。ゴキゲンではありますが。

2020/08/05

Secrets/Herbie Hancock

Herbiesecrets ハービー・ハンコックのリーダー作の14日目。発売順は分かりませんが、この後にV.S.O.P.の録音がドドッと出てきます。そちらの方を気にしなければディスコ路線とか、’80年代の「フューチャー・ショック」の方向にまっしぐらという感じになってます。そこに日本録音でのアコースティックなアルバムが絡む感じでしょうか。コメント手直しの最終作業がこういう流れになってきてますが、ジャズ周辺も好きな私にはふさわしい方向性じゃないかな、なんてことを考えてます。確かに時代を感じさせはしますけど、こういうサウンド、当時は好きだったな。たまたま友人でスリー・ディグリーズとかコモドアーズあたりのソウル(ディスコ)を好きな友人がいました。

 

Secrets/Herbie Hancock(Key, etc)(Sony) - Recorded June 1976. Bennie Maupin(Sax, Bcl, etc), Wah Wah Watson(G), Ray Parker Jr(G), Paul Jackson(B), James Levi(Ds), Kenneth Nash(Per) - 1. Doin' It 2. People Music 3. Cantalope Island 4. Spider 5. Gentle Thoughts 6. Swamp Rat 7. Sansho Shima

ベニー・モウピン作が7曲目、共作が1-2、4-6曲目、ハービー・ハンコックの作曲が3曲目。収録時間は48分。よりディスコ・ビートのサウンドに近づいたアルバム。これはギターのワー・ワー・ワトソンとレイ・パーカー・Jrの参加によるところが大きいのではないかと思います。共作が増えたのも、ディスコ的にアイデアを出し合って、時間をかけて作り上げていったと思われます。1曲目など、完璧にディスコという感じの曲になってます。逆にリズム的にどっしり落ち着いた感じ。2、4曲目はややドラマチック。渋めでもリズムは出ていて、アルバムの方向性ははっきりしてます。3曲目は有名な曲ですが、レゲエ風になって意表をついてます。ちょっと軽いノリの5曲目。6曲目も面白いビートで、7曲目はアップテンポでカッコ良い。

2020/08/04

Man-child/Herbie Hancock

Herbiemanchi ハービー・ハンコックのリーダー作の13日目。’70年代も半ばになってくると、ソウル・ミュージックやディスコなどを意識しつつも進化していくことが分かります。もう売れっ子なので、さらにポピュラーの世界で売れていかねばという使命感もあるのでしょうが、ここでの変化は決して嫌いではありません。むしろ最近個人的に正統派ジャズ周辺をうろうろしていたので、久しぶりに聴けて良かったと思うアルバム。確かこれらのアルバムの大半はCDで’80年代に購入しているのですけど、まだ当時は、アルバムが出た時期からそんなに遠くはなかったんですね。今聴いてもいいということが、自分の時があれから止まってしまっているのでは、なんてことを思わせます。

 

Man-child/Herbie Hancock(Key, etc)(Sony) - Recorded July 1975. Bennie Maupin(Ss, Ts, Bcl, Bfl, Afl), Bud Brisbois(Tp), Jay DaVersa(Tp), Ernie Watts(Sax, Fl), Jim Horn(Sax, Fl), Garnett Brown(Tb), Dick Hyde(Tuba, Btb), Blackbird McKnight(G), David T. Walker(G), Wah Wah Watson(G), Paul Jackson(B), Louis Johnson(B), Henry Davis(B), Mike Clark(Ds), Harvey Mason(Ds), James Gadson(Ds), Bill Summers(Ds), Stevie Wonder(Harmonica) - 1. Hang Up Your Hang Ups 2. Sun Touch 3. The Traitor 4. Bubbles 5. Steppin' In It 6. Heartbeat

1、3、6曲目が共作で、2、4-5曲目がハービー・ハンコック作曲。収録時間は45分。ヘッド・ハンターズのメンバーを中心に、クレジットを見ると分かりますが、豪華なゲストを迎えて入れ替えたり、ホーンセクションを増やした録音。聴いていてノリの良いビートの上にホーンのアレンジがけっこうカッコ良い。ただ、誰が何曲目に参加しているかクレジットからは読み取れませんでした。聴けばある程度分かります。徐々にサウンドが深くなっているような気がします。ノリの良さでは1、3、5-6曲目あたり、叙情性では2、4曲目あたりか。いわゆるダンス・ミュージック的に聴ける(当時のソウル・ミュージック的というか)のは、やはり音楽性が進化している感じがしてます。この辺マイルス・バンドと違う進化がなかなか興味深いです。

2020/08/03

RoundAgain/Joshua Redman/Brad Mehldau/Christian McBride/Brian Blade

Joshuaroundまた新譜が届いたので先に聴いていきます。これだけのメンバーが集まるリユニオン・アルバムという先入観念があったので、それを排除して聴けばよかったかなあと。周りは大絶賛している人が多いのですけど、けっこう良い演奏なんだけど、大絶賛まで自分は行ってないような気も。通常はフリーだろうが難解なジャズだろうが、受け入れる方ではあるのですが。ただ、現代ジャズであるにも関わらず、それをあまり感じさせないような演奏は見事だなと思います。本来なら客観的に淡々と、というのが自分の方針なのですが、今回は気になる部分を確かめるために3回も聴き直したりしてました。本来ならだいたい1発回答で聴いた感想を引き出せるのですけれども。それが私の即興演奏の聴き方ですし。逆に言えば結果的にヘヴィー・ローテーションになっているという説も。

 

RoundAgain/Joshua Redman(Ts, Ss)/Brad Mehldau(P)/Christian McBride(B)/Brian Blade(Ds)(Nonesuch)(輸入盤) - Recorded September 10-12, 2019. - 1. Undertow 2. Moe Honk 3. Silly Little Love Song 4. Right Back Round Again 5. Floppy Diss 6. Father 7. Your Part To Play

(20/07/31)1、3-4曲目がジョシュア・レッドマン作曲、2、6曲目がブラッド・メルドー作曲、5曲目がクリスチャン・マクブライド作、7曲目がブライアン・ブレイド作。26年ぶり再会のアルバム録音だそうで、よく今これだけのメンバーが集まったなあ、という印象。その曲と演奏自体はそれぞれのメンバーで高度なアプローチが繰り返されていて、もうこのある程度の変拍子とかフレーズとかは消化しきれて、現代ジャズの方向性としては間違っていないとは思います。3曲目のように少し肩の力を抜いて、分かりやすいジャズを届けてくれているところもありますし、2、4曲目も割と楽しめる曲だし。さすがこのメンバーと思わせる展開や絡みが興味深い。ただ、現代ジャズの範疇だし、少し聴く人を選ぶのではないか、というのはある。

2020/08/02

ECMのパット・メセニー11作が7月31日よりハイレゾ化

200731ecm 少し以前から情報が出ていて気にはなっていたんだけど、7月31日からダウンロード、ストリーミングにおいて(私の場合はAmazon Music HD)ECMのパット・メセニー11作がハイレゾ化されました。早速聴いてみました。

ストリーミングのAmazon Music HDでは(私の場合、PCを通さずスマホからHEOSでネットワークプレイヤーを操作してます)、まだ「ウィチタ・フォールズ」の1曲目だけハイレゾではなくCD音質で、前半で(時に後半で)音飛びし、すぐ2曲目からハイレゾになる不具合のあるものもありますが(8月10日現在ハイレゾになっていて音飛びがなく修正されてます)。(8月8日追記)Amazonとの3回やり取りの結果、CD音質かハイレゾになっているかは、Amazonではコントロールできなくて、配信元の事情だそうです。

ハイレゾ化は、ポリシーもあってか、派手な変化はなく、元の音とあまり変わらない気がする。むしろアナログの音に近づいた感じ? しかしメセニーを聴いていると、ECMカラーの薄いものもあり、改めてレーベルとして広い音楽性を持っているなあ、と思いました。まあ、ECMはもともとCD規格のレベルでもリマスターをするのを極力避け続けていたレーベルでもあり、なるほどなあ、と思わせるところも。今回もネットで検索したら、アナログ・マスター・テープから忠実に原音再生できるようにしたということで、リマスターという表現よりも、原音再生に近づけた、という方が適切でしょうか。

昔はよく聴いたECM時代のパット・メセニーですが、最近はとんとご無沙汰で、今回改めてまたまとめて聴いて、やっぱりこの時代はいいなあ、と思ってます。もともとリマスターには消極的だったレーベルではありますが、これからどんどんハイレゾ化、進めてほしいと思ってます。新譜ではだいたいですが’18年頃のものから、あとは昨年の未CD化作のストリーミング化でハイレゾになっているので、あとはこの流れでどんどん行ってくれれば。もともとCD音質でもあまり不満はないんですけれども(実際に私はCDを買ってますし)、有名でCD化が早かったものほどハイレゾ化を進めてほしいと思います。次はキース・ジャレットのLP時代の名盤あたりやってほしいですね。何作かはすでになっているようですけど。

2020/08/01

Flood/Herbie Hancock

Herbieflood ハービー・ハンコックのリーダー作の12日目。今日は日本でのライヴ。収録時間が74分なので1枚のCDにできなかったかな、とも思うのですが、当時ではLPと同じ収録になったのでは、と推測されます。でも’75年の日本のライヴ、すごいですねえ。私はまだ中学生だったので、こういうライヴの存在自体知らなかったけど、なかなかにファンキーなライヴになっています。当時のポール・ジャクソンはすごいなあ、と思います。友人からソウル・ミュージックを聴かされていた年齢でもあったのですが、それ以上のものを感じます。ファンク度でいけば、マイルス・バンドよりも好みだったかもしれないのに今、気が付きました。

 

Flood/Herbie Hancock(Key, etc)(Sony) - Recorded June 28 and July 1, 1975. Bennie Maupin(Ss, Ts, Bcl, Bfl, Afl), Paul Jackson(B), Mike Clark(Ds), Bill Summers(Per), Blackbird McKnight(G) - 1. Introduction - Maiden Voyage 2. Actual Proof 3. Spank-a-lee 4. Watermelon Man 5. Butterfly 6. Chameleon 7. Hang Up Your Hang Ups

2枚組CDで日本でのライヴ。収録時間は74分。6-7曲目は共作で、他は全曲ハービー・ハンコックの作曲(4曲目のアレンジはハーヴィー・メイソン)。曲は他のアルバムとダブっていますが、やはりライヴの方が迫力があるファンクという感じです。アコースティック・ピアノで静かにはじまる有名な1曲目は、後半メンバーが加わって徐々に盛り上がり、間髪を入れず2曲目に。例によって急速調のネバるリズムは健在。カッコ良い。3曲目も小刻みなリズムでネバります。おなじみの有名な4曲目もファンク・サウンド。静かなテーマが印象的な5曲目も中間部はやや盛り上がりを見せます。6曲目もけっこうノレますがシンセサイザーの使い方が時代を感じさせます。7曲目もゴキゲンなファンク・サウンドで、何と19分台の大作です。

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