Thrust/Herbie Hancock
ハービー・ハンコックのリーダー作の11日目。今日のアルバムは「ヘッド・ハンターズ」の延長線上にありますが、よりリズミカルになって、グルーヴ感がハンパではないアルバムに仕上がっています。ここではポール・ジャクソンのエレクトリック・ベースがブイブイものを言わせて聴かせているのがいいですね。こういうベース、あこがれてますが、私は全然ブイブイ弾けません。まだディスコのリズムには少し早い時期だけど、ここまでファンクネスを見せつけてくれるのは、ある意味爽快ですね。まあ、エレクトリックなので、時代のサウンドという感じがありますけど。それを超えてノリにのせてくれる、という感じのパワフルさもあります。
Thrust/Herbie Hancock(Key, etc)(Sony) - Recorded August 1974. Bennie Maupin(Ss, Ts, Bcl, Afl, etc), Paul Jackson(B), Mike Clark(Ds), Bill Summers(Per) - 1. Palm Grease 2. Actual Proof 3. Butterfly 4. Spank-a-lee
4曲目は共作で、他は全部ハービー・ハンコック作曲。けっこう強力なファンクのグルーヴ感。ヘッド・ハンターズとはドラマーがメンバー交替しましたが、少しずつ洗練されたサウンドになってきています。どの曲も10分前後ある(収録時間は38分)ので、当時のサウンドらしい感じはあるけど、クロスオーヴァーというにはちょっとダンサブル。エレキ・ピアノがなかなかいい感じで出てきます。素直なようでいてリズムがクセのある1曲目は、ベースのグルーヴ感がなかなか良くてけっこうノレます。急速調でネバるリズムの2曲目は聴いていてかなりスカッとくるタイプの曲。ファンクというには複雑なフレーズが続きます。3曲目はラテンの香りもする、少し静かでその後何度も演奏する有名な曲。4曲目もネバりにネバりまくるナンバー。
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コメント
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KUDOさま、コンバンワ。
しかし、このジャケットは強烈ですね。頭から離れない。
軽いんだけどヘビー、シンプルに見えて複雑、この独特のリズムのうねりは、この頃からハンコックがウェイン・ショーターとともにご執心だった仏教の「空」の世界観の影響があるかもしれません。このマイク・クラークの叩き出すビートが大好きです。
すみません、リンク貼らせてください、よろしくお願いします。
https://zawinul.hatenablog.com/entry/2020/04/26/133000
投稿: zawinul | 2020/07/31 20:51
>zawinulさん
こんばんは。
この当時はジャケットがある意味マイルス・バンドにもあったサイケデリックな雰囲気を醸し出すようなジャケットですね。よりダンサブルになって、当時のクロスオーヴァーよりは、踊れるサウンドを目指していたのか、どうか。1枚ごとに変化があって面白いです。
投稿: 工藤 | 2020/07/31 21:30
工藤さん,こんにちは。
この辺のHancockのどファンクって絶対燃えますよねぇ。私がこのアルバムについて書いた時にも,Paul Jacksonのベースについて触れています。やっぱり彼の貢献度は大きいですよね。私はずっとこのアルバムをスルーしてきましたが,絶対間違ってました(爆)。コロンビアのボックスを買って正解でした。
ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2016/09/herbie-hancock3.html
投稿: 中年音楽狂 | 2020/08/01 17:28
>中年音楽狂さん
こんにちは。
マイルス・バンドの’70年代の前半の追っかけって、ある程度難しい部分もあるのですけど、ハービーの場合、どファンクということで、分かりやすいしダンサブルな感じもしています。自分自身エレキベースを弾くこともあって、できそうでできないポール・ジャクソンの演奏は尊敬してます。なかなかですね。
投稿: 工藤 | 2020/08/01 17:39