Twitter

無料ブログはココログ

« 2020年6月 | トップページ | 2020年8月 »

2020年7月の記事

2020/07/31

Thrust/Herbie Hancock

Herbiethrust ハービー・ハンコックのリーダー作の11日目。今日のアルバムは「ヘッド・ハンターズ」の延長線上にありますが、よりリズミカルになって、グルーヴ感がハンパではないアルバムに仕上がっています。ここではポール・ジャクソンのエレクトリック・ベースがブイブイものを言わせて聴かせているのがいいですね。こういうベース、あこがれてますが、私は全然ブイブイ弾けません。まだディスコのリズムには少し早い時期だけど、ここまでファンクネスを見せつけてくれるのは、ある意味爽快ですね。まあ、エレクトリックなので、時代のサウンドという感じがありますけど。それを超えてノリにのせてくれる、という感じのパワフルさもあります。

 

Thrust/Herbie Hancock(Key, etc)(Sony) - Recorded August 1974. Bennie Maupin(Ss, Ts, Bcl, Afl, etc), Paul Jackson(B), Mike Clark(Ds), Bill Summers(Per) - 1. Palm Grease 2. Actual Proof 3. Butterfly 4. Spank-a-lee

4曲目は共作で、他は全部ハービー・ハンコック作曲。けっこう強力なファンクのグルーヴ感。ヘッド・ハンターズとはドラマーがメンバー交替しましたが、少しずつ洗練されたサウンドになってきています。どの曲も10分前後ある(収録時間は38分)ので、当時のサウンドらしい感じはあるけど、クロスオーヴァーというにはちょっとダンサブル。エレキ・ピアノがなかなかいい感じで出てきます。素直なようでいてリズムがクセのある1曲目は、ベースのグルーヴ感がなかなか良くてけっこうノレます。急速調でネバるリズムの2曲目は聴いていてかなりスカッとくるタイプの曲。ファンクというには複雑なフレーズが続きます。3曲目はラテンの香りもする、少し静かでその後何度も演奏する有名な曲。4曲目もネバりにネバりまくるナンバー。

2020/07/30

Dedication/Herbie Hancock

Herbiededica ハービー・ハンコックのリーダー作の10日目。ハービー・ハンコックのアルバムを追っていくと、日本録音が混ざっていて、それが特徴的だったりします。今回はすでにブログアップしているものが多いので日本録音を飛ばしていくことが多いと思いますけど、このアルバムも、彼のこの時代では他にないソロ・ピアノと多重録音によるエレキピアノやシンセサイザーでのソロになっています。1枚ずつ作ってくれたら分かりやすくていいんだけど、コンサート前に数時間で録音してしまったそうなので、大したものです。’70年代に入ってくると、多様なアルバムが出てきて興味深いです。やはり自分にはこちらの時代の方が合っているのかも。

 

Dedication/Herbie Hancock(P, Key, Synth, etc)(Sony) - Recorded July 29, 1974. - 1. Maiden Voyage 2. Dolphin Dance 3. Nobu 4. Cantaloupe Island

来日中の録音で収録時間は40分。全曲ハービー・ハンコックの作曲。前半2曲がアコースティック・ピアノによるソロで往年の名曲を演奏しています。この時期では非常に珍しいことです。1、2曲目とも抑制の効いた叙情的なサウンド。2曲目は11分もの長さで、この時期のソロ・ピアノのブームも意識したようなドラマチックな弾き方。後半の2曲は同じくソロなのですが、エレクトリック・ピアノやシンセサイザーを駆使した演奏です。多重録音のようです。今からするとちょっと荒削りのサウンドかもしれませんが、聴いていてけっこうスリルがあります。当時の彼のシンセサイザーの取り組みがこの録音ではっきりと表れていると思います。4曲目は何と14分。LP時代の録音なので、A面B面というような分け方で録っているようです。

2020/07/29

Head Hunters/Herbie Hancock

Herbieheadh ハービー・ハンコックのリーダー作の9日目。いよいよ本格的にファンクの世界に入ってきました。’80年代あたりでジャズを聴き始めたときに、ハービーの追っかけをしていて、マイルス・デイヴィスと同じように録音した年代によりサウンドが違うということがあまり分かってないときには少し面食らってましたけど、それでもこのアルバムはけっこう好きな方でした。当時ジャズよりもクロスオーヴァーの方が親しみがあったこともあります。ジャズファン以外にけっこう売れたろうなあ、と思わせるサウンドです。まださらに先の段階で、どんどん変わっていくこともあって、久しぶりにこれを聴いて、いろいろ思い出したし、良かったでした。

 

Head Hunters/Herbie Hancock(Key, Synth, etc)(Sony) - Recorded 1973. Bennie Maupin(Ss, Ts, Bcl, Afl, Saxello), Paul Jackson(B, Marimbula), Harvey Mason(Ds), Bill Summers(Per) - 1. Chameleon 2. Watermelon Man 3. Sly 4. Vein Melter

1曲目が4人の作曲(インプロヴィゼーションか)で、2-4曲目がハービー・ハンコック作曲。収録時間は41分。当時のディスコ・ビートのようなはっきりしたシンプルでポップなサウンドになり、たいぶ方向性が変わったアルバム。1曲目は15分台の大作ですが、けっこうノレます。2曲目の「ウォーターメロン・マン」(編曲はハーヴィー・メイソン)はカッコよく再登場し、ゴキゲンなファンク・アルバムになってます。どの曲も印象的。3曲目のタイトルはスライ&ファミリー・ストーンからじゃないかと。センスの良い盛り上がるファンク。スローで渋めな、都会的なファンクの4曲目。ジャズからはどんどん離れていきますが、ジャズファン以外のファンを多くひきつけたことでしょう。ここでハービー自らはじめてシンセサイザーを操っています。

2020/07/28

Sextant/Herbie Hancock

Herbiesextant ハービー・ハンコックのリーダー作の8日目。ここからしばらくCBS(Sony)時代が続きます。このあたりになってくるとどんどんアルバムごとに進化していって、マイルス・バンドの向こうを張っているわけではないとは思いますが、雰囲気的にはそれも連想してしまいますね。ワンコードの反復的なリズムとか。まあ、面白い展開です。ある時期までは、かなり売れセンを目指していて、そして本当に売れたのではないでしょうか。今回も少し飛び飛びになってしまいますけど、ある程度順番に追えることを楽しみにしています。とはいっても今回は’97年録音のアルバムまでですけど。最近はリーダー作がないのが少し寂しい気もします。

 

Sextant/Herbie Hancock(Key, etc)(Sony) - Recorded 1973. Bennie Maupin(Ss, Afl, Bcl, etc), Julian Priester(Btb, Ttb, Atb, Per), Buster Williams(B, Per), Billy Hart(Ds), Eddie Henderson(Tp, Flh), Dr. Patrick Glesson(Synth), Buck Clarke(Per) - 1. Rain Dance 2. Hidden Shadows 3. Hornets

全曲ハービー・ハンコックの作曲で、収録時間は39分。CBS移籍後第1弾ですが、前作「クロッシング」とほぼ同じ編成で、曲調も似たような混沌系のアフリカン・ファンクサウンド。効果音的に、あるいはチープに、初期のシンセサイザーの使用が特徴的。意外にパーカッションの音と単調なリズムが心地良かったりしますが、やっぱりやや暗め。ポップな部分の萌芽も、何となく感じることもあります。1曲あたりの時間が長く、それぞれ9分、10分、19分。まだ自由なところもあるようですけど、彼ならではのファンクネスやキーボード、そして反復がカッコいい1曲目、ミディアムのワンコードでのファンクは当時の流れでシンセの使用が効果的な2曲目、反復するベースのフレーズが長時間にわたり、トランス状態を醸し出す3曲目。

2020/07/27

ビヨンド/フタリ

Fujiifutaibey 藤井郷子さん関連の新譜が20日余り遅れて届いたので、聴きました。今回のアルバム、冒頭の印象だけで書いていくと、特殊奏法中心に目が行きがちですが、途中からフリーながら通常のヴァイブラフォンとピアノのデュオのサウンドも出しています。また1曲の中に雰囲気を変えて行く曲もあったりして、久しぶりの2度聴き、全面書き直しということをやっています。それだけ枠にとらわれていないと思うのですけど、曲の途中で変わっていったりしてちょっとこれはこういう曲と書くのは難しいかな、と思います。緊密な2人の演奏の内容が伝わってくれたらいいのですが。ところで昨日の新譜と今日の新譜、意外なところでつながりが。両方ともマイケル・マルシアーノのミックス、マスタリングなんですね。なかなか面白い。

 

ビヨンド/フタリ(Libra Records)
Beyond/Futari(Libra Records) - Recorded June 26, 2019. Taiko Saito(齊藤易子)(Vib), Satoko Fujii(藤井郷子)(P) - 1. Molecular 2. Proliferation 3. Todokanai Tegami 4. Beyond 5. On The Ro0ad 6. Mizube 7. Ame No Ato 8. Mebius Loop 9. Spectrum

1、9曲目が2人のインプロヴィゼーション、3曲目が齊藤易子作曲、他の曲は全曲藤井郷子作曲。ピアノとヴァイブラフォンの組み合わせですが、冒頭1曲目では時にヴァイブラフォンに弓を使い持続音を出したり、ピアノも特殊奏法を交えたり(2曲目)して、フリー・インプロヴィゼーションかそれに近い音。間を聴かせる部分もあって、独特な空気感。通常のピアノとヴァイブラフォンのデュオの音は途中から出てきますが、作曲が前面に聴こえる3、7曲目で聴くことができ、またはフリー的には5、6、8曲目など。2人が合わせるのは大変と思われる部分が多々ありますが、そこが独特なデュオ・サウンドで思索的でもあり。タイトル曲の4曲目、ラスト9曲目も、自在に空間が変わっていく。曲によっては雰囲気が途中で変わります。(20年7月4日発売)

2020/07/26

From Here To Here/David Gilmore

1405 本当はこの新譜、昨年秋には出るはずだったのですが、Criss CrossレーベルのオーナーのGerry Teekens氏が亡くなり、いったんは発売が見送られたようです。そして やっとここにきて発売。6月10日には発売されていたようなんですけど、コロナの影響か、日本には入ってくるのが遅れて、やっと昨日入手したところです。それでも諦めていたアルバムだっただけにうれしいですね。M-BASE色の強いサウンドも、私にとっては’80年代のこのサウンドがジャズの根本で大きな部分を占めるので、聴くのがかなり快感になってます。メイン・ストリーム系だけでなく、こういうところにも目配りしていたレーベルオーナーだったので、亡くなったのは非常に残念です。

 

From Here To Here/David Gilmore(G)(Criss Cross 1405)(輸入盤) - Recorded September 18, 2018. Luis Perdomo(P), Brad Jones(B), E.J. Strickland(Ds) - 1. Focus Pocus 2. Cyclic Episode 3. Metaverse 4. Child Of Time 5. When And Then 6. Innerlude 7. Interplay 8. The Long Game 9. Free Radicals 10. Libation

(20/07/25)サム・リヴァース作が2曲目、ビル・エヴァンス作が7曲目で、他はすべてデヴィッド・ギルモア作。オーナーのGerry Teekens氏が’19年10月31日に亡くなっているので、トリビュート作でもあります。おそらくCriss Crossレーベル最後のアルバム。1曲目からいきなり変拍子とメカニカルなギターでのテーマで、やはりギルモアの出自はM-Baseなのだなあ、と思わせる展開になっています。他の曲も変拍子の曲が多めだし、彼のトンガリ具合が心地よく、収録時間66分という長い時間にも関わらず引きこまれていきます。他のメンバーもいいチョイスで、ベースはアコースティックとエレキの両刀使い。4曲目のようにアコースティックギターで割と静かに進む曲も今っぽい。7曲目は懐かしいテーマでここだけ別世界のよう。

2020/07/25

The Prisoner/Herbie Hancock

Herbieprison ハービー・ハンコックのリーダー作の7日目。飛び飛びなので、さっそくブルーノートの最終作です。次のワーナー時代(短かったけど)は手をつけてあるので、今までの長かった’60年代以前の手直しにも別れを告げ、そしてほぼオーソドックスなジャズからも別れを告げる(V.S.O.P.はやってしまったので)時が来てしまいました。ホームページのアルバムコメントの手直しはあと18枚。ハービーのさまざまに変化していく姿を追いかけることになります。今日のアルバムも、基本的にはジャズなんだけど、ホーンの使い方とか、いわゆるジャズをはみ出た部分は多く出ています。これも久しぶりに聴いてみて、印象が変わったアルバムでした。

 

The Prisoner/Herbie Hancock(P)(Blue Note) - Recorded April 18, 21 and 23, 1969. Johnny Coles(Flh), Joe Henderson(Ts, Afl), Garnett Brown(Tb), Buster Williams(B), Albert "Tootie" Heath(Ds), Hubert Laws(Fl), Jerome Richardson(Bcl, Fl), Romeo Penque(Bcl), Tony Studd(Btb), Jack Jeffers(Btb) - 1. I Have A Dream 2. The Prisoner 3. Firewater 4. He Who Lives In Fear 5. Promise Of The Sun

3曲目はバスター・ウィリアムス作曲、他は全曲ハービー・ハンコックの作曲。比較的大編成のホーンをバックにした演奏。曲名の意味は深いそう(人種差別に関連するものもあるそう)なのですが、聴いた感じではそのホーンアレンジと曲の色彩感覚の豊かさが目立つアルバムです。ホーンの構成も彼流の独特なものがあって、そのハーモニーが心地よい。1曲目は、ホーン・アレンジの心地良さと映画音楽を聴いているような、ドラマチックな響きの味わい。ソロの部分もなかなか良い。2曲目は一転、テーマ部が5拍子基調のアップテンポでモード的な空間のある演奏。美しいホーンのテーマのアレンジがキラリと光る3曲目、基本は4ビートなんだけど、何となく中間色的味わいの4曲目。5曲目は重心の低いホーンが印象的。

2020/07/24

Speak Like A Child/Herbie Hancock

Herbiespeak ハービー・ハンコックのリーダー作の6日目。時代は一気に’68年まで来てしまいました。マイルス・バンドでの経験がここにはあるそうです。はるか以前に聴いた印象の記憶では、このアルバムはひたすら美しいアルバムだったのかな、と思っていたら、意外に普通にジャズしている曲も多く、もっとハードな感じでした。ただ、柔らかい音のホーン・アンサンブルが、ソロを取らずにバックで流れている(1曲目のように時にテーマをアンサンブルで吹く)、という記憶は変わりませんでしたけど。それに従って、アルバムコメントもだいぶ手を加えました。ここまで印象が変わっていることもあまり多くはないのですけれども。名盤には変わりないと思います。

 

Speak Like A Child/Herbie Hancock(P)(Blue Note) - Recorded March 6 and 9, 1968. Ron Carter(B), Michkey Roker(Ds), Thad Jones(Flh), Peter Phillips(Btb), Jerry Dodgion(Afl) - 1. Riot 2. Speak Like A Child 3. First Trip 4. Toys 5. Goodbye To Childhood 6. The Sorcerer

3曲目はロン・カーター作曲、他は全曲ハービー・ハンコック作曲。基本はピアノトリオで、やや音の重心をおとした柔らかいホーンをバックに印象のある曲、美しい曲があります。とは言うものの1、3-4、6曲目など、ジャズとしてしっかりしています(3、6曲目はホーンなし)。ホーンはソロの演奏としては登場せず、こだわりのあるアンサンブルを聴かせるという使い方をしているのも特徴的。それでもバックに淡々と流れるだけではなく、1曲目のような緊張感のある曲のテーマのアンサンブルや緊張感のある合いの手的な加わり方が見事です。2曲目のタイトル曲は少しゆったりしていて、けっこう美しい曲です。ホーンがけっこう個性的なのが分かります。3曲目は普通にややアップテンポのジャズだし、4、6曲目は4ビートです。

2020/07/23

Blow-up/The Original Soundtrack

Herbieblowup ハービー・ハンコックのリーダー作の5日目。名作「処女航海」などはしばらく前に取り上げたので、ここまで飛びます。’66年リリースのサウンドトラックですが、「Music composed, conducted and played by Herbie Hancock」とジャケットに書いてあるので、あえてリーダー作に入れました。ただ、こういうアルバムにありがちな、参加ミュージシャンのクレジットがないのがちょっと残念ではありますが。リーダー作だけでは見えてこないけど、サイド参加作なども合わせて考えるとこういう先を占えるようなサウンドは貴重かもですね。聴き直して、ジャズの曲が多いなあ、というのも意外でした。まあ、古い記憶がどこかで改変されたのだと思います。

 

Blow-up/The Original Soundtrack(TCM Turner Music) - Released 1966. - 1. Main Title "Blow Up" 2. Verushka(Part 1) 3. Verushka(Part 2) 4. The Naked Camera 5. Bring Down The Birds 6. Jane's Theme 7. Stroll On 8. The Thief 9. The Kiss 10. Curiosity 11. Thomas Studies Photos 12. The Bed 13. End Title "Blow Up" 14. Am I Glad To See You 15. Blow-up

邦題「欲望」オリジナル・サウンド・トラック。収録時間は39分。7曲目はヤードバーズが演奏。14-15曲目はトゥモロウの演奏。当然この3曲はロックです。他は全てハービー・ハンコックによるものですが、時代の要請か、ジャズ・ロック色も強い(というより、1曲目のメインテーマはかなりロック寄りなサウンドの感じも)演奏もあります。もちろんジャズっぽい表現の渋い曲も多めですが、曲の長さが短いものが多く、バラエティに富みすぎていて、どちらかと言うとジャズの聴き方ではなく、情景描写的にサウンドトラックとして聴く、ということに。 まあ、こういう演奏も、映画方面からの要請でこういうアルバムもあるよ、という感じの聴き方でいいと思います。彼のそれから何年後かの方向性を占う意味でも面白い1枚ではあるので。

2020/07/22

ホームページのコメント手直し作業終了

’99年から断続的にやっていたホームページのアルバムコメントの手直し作業、20年以上かけてやっと昨日(7月21日)終了しました。ブログには8月中旬にかけて出てきますが。何度もやめようかとか、一生終わらないんじゃないかとか考えたのですが、仕事柄、積み重なったものを淡々とこなしていく作業自体は苦にならないので、なるべくその間は形式とか内容を変えないように、そこは気を付けてやってきました。何とか終わり、ホッとしています。読者の方からすれば、退屈なアルバムのアップの続いた日もあったんじゃないかとは思いますが、やることの道筋があったので、何とか継続できました。最後の方は少しグダグダだったかもしれないし、この作業自体、自己満足の域を出ないのですけど。

ホームページをはじめた’97年から数年間は、ネットもそんなに発達していなくて、情報量も少なかったことから、文章は短く、そして新譜をできるだけ早く聴いてアップするところからはじまりました。どんな内容のCDなのか、発売直後に知りたい方も当時は多かったのでは。ただ、’99年には自分の簡単な文章があまりにも簡単すぎると思い、新譜はその時から今と同じ少し長めの文章で書き、そしてそれまでのものをコメント手直しと称して直しはじめるようになりました。’04年の5月にブログをはじめると、ホームページと同じことを書きながら(プラス前書き)、アクセスがブログの方に多くなってきて、ホームページの少なくともトップページのカウンターの進みは少なくなっていきます。

そしてGoogle検索が発達してくると、今度は検索で目的のアルバムを見つけてみていく人が多くなってきました。もうこうなるとブログの方が中心になってきて、ホームページはデータ置き場ですね。まだそれでも購入が主だったのか、新譜を買う時にどんなアルバムかを見る人が多かったのだと思います。携帯(その後はスマホ)が増えてくると、今度は購入する現場で情報を探して見たりする人が多くなったようです。もちろん定期的にホームページやブログを見ていく人もいますが、だんだん減ってきた傾向にあります。

ストリーミング時代になると、もっと気軽に、今聴いているアルバムを調べたりとか、そういう例も聞いてます。批評というものでもなく、どんなアルバムかが分かればいいかなと、気楽な気持ちで書いてますが、意外に責任は重かったのかどうか(笑)、あまり考えたくないですけどね。

そしてここ1-2年ほどのコメント手直し終盤になって、ブログの更新ペースをほぼ毎日と早めたり、今年は特に購入CDが少なかったのでどんどん先に進めたりと、何とか終わるめどがついた時はホッとしました。昔はやりやすいところから聴いて直していったので、残ったミュージシャンを見て、う~ん、とうなったこともありますけど(笑)。手直しは、処分してなければ、手持ちのCDを聴けばいいので、お金がかからないところもメリットですし。

これから何をやるかは、ぼんやりとしか考えてないですけど、あるにはあります。ただ、今まで通り毎日更新はないかもしれないですが。とりあえず一段落できたのは皆さんのおかげでもあります。どうもありがとうございます。

2020/07/21

Inventions And Dimensions/Herbie Hancock

Herbieinvent ハービー・ハンコックのリーダー作の4日目。このあたりすでにブログアップしてあるものもあって、飛び飛びになります。彼のアルバムとして珍しい点は、ホーンが入ってないということで、この後トリオのアルバムの録音が’77年なので、それまで待つことに。ここでもパーカッションが入っている点ではトリオではないですけど、やはりそれでも珍しいですね。あとは、4曲目を除いて、その場の打ち合わせで演奏し、録音したらしいことで、それがピアノがメロディアスだったりパーカッシヴだったりする要因になっているんでしょうね。こういうサウンド、割と好きな方なので、自分としては歓迎なのですが、このアルバム特有のサウンドになってます。

 

Inventions And Dimensions/Herbie Hancock(P)(Blue Note) - Recorded August 30, 1963. Paul Chambers(B), Willie Bobo(Ds, TimBals), Osvaldo "Chihuahau" Martinez(Per) - 1. Succotash 2. Triangle 3. Jack Rabbit 4. Mimosa 5. A Jump Ahead

全曲ハービー・ハンコックの作曲。彼のアルバムにしては珍しくホーンがなく、しかもパーカッションの起用。1曲目などある意味では実験的だったと思うのですが、メロディとリズムがぶつかり合い、あるいは調和して面白い効果が出ています。アドリブの合間にピアノがある意味パーカッシヴなリズムに反応して進んでいくのが面白い。2曲目は前半は割とオーソドックスな演奏に戻っていて、ピアノ・トリオの演奏に中盤で打楽器が混ざって強調されているという印象。3曲目もピアノのメロディとリズムと打楽器の対比をしつつ、少しシリアスに前に進んでいきます。唯一作曲してきた曲だそうで、メロディアスに流れていく演奏がなかなか情緒感のある4曲目、アップテンポで、ハービーの洗練されたピアノのフレーズが魅力の5曲目。

2020/07/20

Takin' Off/Herbie Hancock

Herbietakin ハービー・ハンコックのリーダー作の3日目で、やっと彼の正式な初リーダー作。まあ、こういうこともありますね。しかもブルーノートなので、ジャズらしいジャズをジャズの音で聴けた、という感じも強いですし。この当時少し緩くも8ビート的ジャズロックのリズムを使っているのは「ザ・サイドワインダー」より早いので、ススんでいた、という気もしています。ハービー個人としての技量はこの後ジャズを飛び越えたり、ピアノが素晴らしくなっていったりしますが、その元の位置にあるということで、久しぶりに聴いてなるほどなあ、と思いました。メンバーもなかなかいいですしね。これからどこまで変わっていくのか、興味深いところです。

 

Takin' Off/Herbie Hancock(P)(Blue Note) - Recorded May 28, 1962. Freddie Hubbard(Tp), Dexter Gordon(Ts) Butch Warren(B), Billy Higgins(Ds) - 1. Watermelon Man 2. Three Bags Full 3. Empty Pockets 4. The Maze 5. Driftin' 6. Alone And I

正式にはこれが初リーダー作で全曲彼の作曲。この当時に少し緩めのジャズロック風のタイトル曲。テーマも頭に入ってくるし、やっぱりススんでいました。ピアノが当時から洗練されていて、これが魅力だったのだと改めて認識。ミステリアスな8分の6拍子で少し渋い雰囲気のある2曲目、ブルースで攻めて各メンバーのアドリブで勝負するような、割と正攻法の3曲目、メロディも哀愁が漂っていい感じだし、ピアノ・ソロの一部にけっこう自由にバックが演奏しているところもあって変化に富む4曲目、心持ち8ビート的でもあり4ビートでベースが動くこともあり、時代の境目を感じる5曲目。割とオーソドックスな曲は多いですが6曲目のバラードがいい雰囲気。メンバーにけっこう有名な人が入っているので、ソロも当然楽しめます。

2020/07/19

Jammin' With Herbie/Herbie Hancock

Herbiejamminwith ハービー・ハンコックのリーダー作の2日目、と言いつつ今日のアルバムは収録年もまちまちだし、昨日紹介したアルバムと音源がダブっている曲もあるようで、今日も少し怪しげなアルバムです。とは言いつつも、その後はしっかりしたレコード会社から出るので、そういうこともなくなるのですけど。特にジャズジャイアントと言われるミュージシャンには非公式録音から正式発売になるのが多いですが、私のやった特集ではビル・エヴァンスぐらいでしょうか。それも全部ではないですけど。今日のアルバム、割り切って聴く分には割と音もいい(マスタリングの具合がよくない曲もありますけど)ので、こういうアルバムもあるということで。

 

Jammin' With Herbie/Herbie Hancock(P)(Pnec) - 詳細な録音年月日、参加ミュージシャンなどは不明 - 1. Maulana 2. Rock Your Soul 3. Baraka 4. Kamili 5. Dunia(Kuumba) 6. Hot Piano 7. Live & Awake 8. Night Walker 9. Jammin' With Herbie 10. Scoochie

’70年ごろの録音らしいのですが、詳細は分からないとのこと。どう聴いても60年代前半のような気がする曲もあります。’70年頃と思われる録音はかなりアフリカ寄りのリズムです。こういう録音をしていたのは確かにこの頃だったか、と思います。作曲は5曲目までM'Tumeとなっていますが、2曲目は’61年の録音のようだし、クレジットを間違えているのかも。一部の曲は’88年に出たワーウィック・レーベルの「Jammin'」(’61年録音)と同じ曲のようですが、ハードバップとバリトンサックスで判断です。ライナーにも詳しいことは書いてありません。海賊盤ではなく、国内盤で発売したのは日本コロンビアだし、このあたりが不思議ですね。まあ、この際71分の演奏を安価な値段の国内盤で楽しめたので、これで良しとしますか。

2020/07/18

Jammin'/Herbie Hancock

Herbiejammin 今日からハービー・ハンコックのリーダー作を25回かけてやります。その1日目。いわゆるホームページのアルバムコメントの手直し作業はこれが終わったら一段落。でも、ハービーもかなりいろいろ音楽的に変遷して来ているので、うまく追いかけられるかどうか心配。反面、元のコメントが長くなってくる境目でもあり、直す部分が少ないものもあるのが楽と言えば楽。今日のアルバムはしょっぱなから出所があいまいな、いわゆる非公式盤になってしまいましたが、気軽に聴いている分にはなかなかいい感じ。でも、既成のアルバムの組み直しの可能性もあるとライナーには書いてありましたんで、こんなものも出たことがあるという程度に考えていただければ。

 

Jammin'/Herbie Hancock(P)(Warwick) - Recorded 1961. Donald Byrd(Tp), Pepper Adams(Bs), Laymon Jackson(B), Jimmy Cobb(Ds) - 1. Jammin' With The Herbie(Curro's) 2. Herbies Blues(Bird House) 3. Rock Your Soul(Mr. Lucky) 4. TCB With Herbie(Out Of This World) 5. Soul Power(Day Dreams) 6. Cat Call (I'm An Old Cowhand)

収録時間は37分。ペッパー・アダムス、ドナルド・バード・クインテットの「アウト・オブ・ジス・ワールド」の別テイク集らしい(私はそちらは聴いていないので分からないのですが)、ということがライナーに書いてありました。しかも可能性として別テイクというよりも編集をして順序を変えただけという可能性もあるそうです。確かにピアノソロからはじまってあとにテーマが来るというのは不自然かも。曲もカッコ書きのものと同一曲だそうです。ただ、そこに目をつぶればけっこう聴けます。音もそんなに悪くないと思います。もともと公式盤ではないのだから、そういうことには目をつぶって、当時の演奏を楽しむ聴き方ができればいいのではないかと。それにしてもハービー・ハンコックの初期でこういうアルバムはちょっとミステリーです。

2020/07/17

Monk/Stefano Travaglini

Stefanomonk 実は今日紹介する新譜、イタリアから3月上旬にCDを郵送で送ったとの連絡があるのだけど、コロナの影響か、6月に再度送ってもらうも今日にいたるまでまだ届いていないのです。そこで、遅ればせながらストリーミングで聴きました。日本人で私たちの世代特有なのか、CDやLPなどもので持っていたいというのがポリシーでしたが、最近少しずつ方針を転換していかなければなあ、と思ってます。Stefano Travagliniのアルバムを聴いたのが3枚目で、欧州特有の硬質なピアノが大好きです。セロニアス・モンクの曲をどのように料理するのか、興味がありました。クラシック的で欧州的な、完全に別方向からのアプローチで、これはモンクを意識しない人でも興味深く聴けるアルバムだと思います。

(追記28日)イタリアからCDが届きました。2度目の発送なので、3月発送の1枚目は郵送途中でとどまっているか、紛失の可能性が強いです。

 

Monk/Stefano Travaglini(P)(Notami)(ストリーミング) - Recorded May 5, 2019. - 1. Trinkle Tinkle 2. Children's Song 3. Well, You Needn't 4. Ruby, My Dear 5. Criss Cross 6. Straight No Chaser 7. Ugly Beauty 8. Bemsha Swing 9. Round Midnight 10. Monk's Dream 11. Introspection 12. Evidence 13. Brilliant Corners 14. Misterioso 15. In Walked Bud

(20/07/16)全曲セロニアス・モンクの曲。この有名な曲たちをStefano Travagliniが今の手法のソロ・ピアノで解体・再構築して聴かせてくれます。有名な曲が並んでいるけど、いつもの硬質でクラシックの要素もある欧州的なピアノで、さまざまに表現をつけて今によみがえらせてくれる感じ。モンクが演奏したものと比べて、そこにはモンク特有のフレーズの引っ掛かりはなく、こう来たか、という彼ならではの意外性があってどの曲も興味深いです。ここまで別の角度からモンクを表現するミュージシャンもなかなかいないのでは。モンクは素材で、Travagliniの世界がそこには広がっていく感じがして、モンクのファンも、欧州ピアノファンも、一度は聴いておいてもいいのでは。その曲の物語性と叙情性はなかなかのものがあります。

2020/07/16

Pike's Peak/The Dave Pike Quartet

Davepikes ビル・エヴァンスの参加作の33日目で一段落。実はこの後に「アンダーカレント」とか、有名な競演作があるのですが、それらはリーダー作を聴いていったときに一緒に聴いてしまいました。それにしても5-6年の間で33枚(それ以外にすでにホームページやブログアップ済みのものもありますし)というのは、この時期いかにサイド参加が多かったか、ということですね。録音で残されているものでこれだけあるんだから、実際の演奏は多忙だったことでしょう。ところで白状してしまうと、このアルバム、CD棚から見つけられず、ストリーミングで聴いてしまいました。処分はしてないのでどこかにありますが。まあ、そういうこともあるさということで。

 

Pike's Peak/The Dave Pike(Vib) Quartet(Epic Sony) - Recorded November 1961. Bill Evans(P), Herbie Lewis(B), Walter Perkins(Ds) - 1. Why Not 2. In A Sentimantal Mood 3. Vierd Blues 4. Besame Mucho 5. Wild Is The Wind

デイヴ・パイクの作曲が1曲目、デューク・エリントン作の2曲目、マイルス・デイヴィス作の3曲目で、4曲目はおなじみ「べサメ・ムーチョ」など。これもピアノ・トリオ・プラス・ヴァイブラホンのクァルテットのアルバムとしてもおかしくないです。ただし、デイヴ・パイクも演奏しながらうなり声を上げるので、そこがやや気になる点ですが。1曲目はモードの影響を受けていて、やはり’61年という時期を感じさせます。全体的に聴きやすい曲が揃っていて、当時としては売れたのではないかと思います。もちろんのことながらエヴァンス度が高く、そろそろ参加作が減っていく頃での全面参加だったので、話題にはなりますね。ヴァイブラフォンとピアノの組み合わせは難しいようですが、ここでは何の問題もなくクァルテットとして演奏してます。

2020/07/15

Rah/Mark Murphy

Markrah ビル・エヴァンスの参加作の32日目。今日は男性ヴォーカルのマーク・マーフィーのアルバムですが、エヴァンスの参加曲は過去に書いてあったのですが、今ライナーとかネットで調べても分かりませんでした。他のミュージシャンも同様なので、いちおうこの曲と仮定して、との前提でそのままにしておきます。昔まだCDが少なかったころに買ったアルバムで、男性ヴォーカルものはあまり得意ではなかったのですが、豪華なミュージシャンと曲で、割と聴いていた記憶があります。それでも今回聴いたのはだいぶ久しぶりなんですけれども。やっぱり大編成でホーンが鳴るし、リヴァーサイドとしてはかなり力の入ったアルバムではなかったでしょうか。

 

Rah/Mark Murphy(Vo)(Riverside) - Recorded September and October 1961. Ernie Wilkins(Arr, Cond), Clark Terry(Tp), Blue Mitchell(Tp), Joe Wilder(Tp), Bernie Glow(Tp), Ernie Royal(Tp), Jimmy Cleveland(Tb), Urbie Green(Tb), Melba Liston(Tb), Bill Evans(P), Wynton Kelly(P), Barry Galbraith(G), Sam Herman(G), George Duvivier(B), Art Davis(B), Jimmy Cobb(Ds), Ray Barretto(Cga) - 1. Angel Eyes 2. Green Dolphin Street 3. Stoppin' The Clock 4. Spring Can Really Hang You Up The Most 5. No tears For Me 6. Out Of this World 7. Milestones 8. My Favorite Things 9. My Favorite Things 10. Doodlin' 11. L'il Darlin' 12. Twisted 13. I'll Be Seeing You

ビル・エヴァンスは6、8-9曲目に参加。誰が何曲目に参加しているのかクレジットでは分からないので、どうやって探したのかが不明。豪華メンバーをブラスセクションとして豪華に使い、しかも有名な曲ばかりを演奏しているので、お買い得度は高いかもしれません。ただし、ビル・エヴァンスはバッキングでなるほどなあ、と思わせる部分はありますが。あまり目だっていません。 冒頭からちょっとエキゾチックなアレンジで、男性ヴォーカルが聴こえていて、よく覚えているので昔は割と聴いた方だと思います。マーク・マーフィーの代表作でもありますし。男性ヴォーカルはあまり得意な方ではないと言いつつも、例外はあります。それにしても豪華なアルバムで、これがリヴァーサイドから出ていたことも、トピックにはなりえますね。

2020/07/14

The Blues And The Abstract Truth/Oliver Nelson

Olivertheblues ビル・エヴァンスの参加作の31日目。このアルバムにもエリック・ドルフィーが参加していて、そういえばドルフィーの参加作も昔は集めていたなあ、と思い出しました。特集を組もうと思えばできるのですが、今になって私がやっても、もうすでに語りつくされている感もあるし、今後の課題ですね。エヴァンスをやるのも、今となってはけっこう勇気がいりますね。ここでのエヴァンス、バッキングなどでも相手に合わせつつ、ソロになるとやはり彼らしいなあ、と思います。編成が4管なので、出番はそんなに多くないですが。このアルバムもけっこう有名盤ですね。こういうのも久しぶりに聴くと、けっこういいですね。

 

The Blues And The Abstract Truth/Oliver Nelson(As, Ts, Arr)(Impulse) - Recorded February 23, 1961. Eric Dolphy(As, Fl), Freddie Hubbard(Tp), George Barrow(Bs), Bill Evans(P), Paul Chambers(B), Roy Haynes(Ds) - 1. Stolen Moments 2. Hoe-Down 3. Cascades 4. Yearnin' 5. Butch And Butch 6. Teenie's Blues

全曲オリヴァー・ネルソンの作曲。収録時間は36分。ブルースをベースにしたオリジナル曲のアルバムですが、いかにもブルースという感じでないのもいいし、参加メンバーがまず、すごい。エリック・ドルフィーのように個性的なミュージシャンもいて、出てくるサウンドも当時としては比較的新しいと思います。ホーンアレンジも良く、聴いてみる価値はあります。1曲目の出だしで、その緻密なホーンアレンジで引きこまれてしまい、アドリブ的には落ち着いたミディアム・テンポの進行。考えてみれば誰がソロを取ってもいい演奏は間違いなしのメンバーなので、ブルースが基本でもけっこうジャズとして楽しめます。そして2曲目は急に明るくなって、曲ごとに色合いが違います。3-6曲目のエヴァンスのピアノ・ソロもなかなかです。

2020/07/13

Know What I Mean?/Cannonball Adderley With Bill Evans

Cannonballknow ビル・エヴァンスの参加作の30日目。今日のアルバムはかなりエヴァンス度が高く、本文でも書きましたけど、エヴァンス・トリオ・プラス・キャノンボール・アダレイといった雰囲気のサウンド。すでにこのアルバムを聴いた方は多いと思いますが、エヴァンスファンでまだの方はぜひ聴いていただきたいと思います。ここまでのサイド参加作ってこの時期なかなかなかったですし。同じミュージシャンのリーダー作で2-3回録音するのはチェット・ベイカーとかリー・コニッツと同様で、キャノンボールもこれで3枚目じゃなかったかな。結果、このアルバムが一番印象に残りました。というわけでアルバムコメントもいい時は内容がグダグダ気味なのをお許しください。

 

Know What I Mean?/Cannonball Adderley(As) With Bill Evans(P)(Riverside) - Recorded January 27, February 21 and March 13, 1961. Percy Heath(B), Conny Kay(Ds) - 1. Waltz For Debby 2. Goodbye 3. Who Cares? 4. Venice 5. Toy 6. Elsa 7. Nancy (With The Laughing Face) 8. Know What I Mean? Bonus Track: 9. Who Cares?(Take 4) 10. Know What I Mean?(Take 12)

ビル・エヴァンス作は1、8、10曲目。ジョン・ルイス作が4曲目で、9-10曲目はボーナストラックの別テイク。出だしのエヴァンスのピアノからして、性格的には、ビル・エヴァンス・トリオ・プラス・キャノンボール・アダレイのアルバムとしてもおかしくないアルバム。サウンド的にもまさにその通りというか。アルバムのタイトルにはウィズでエヴァンスの名前がありますし。彼のゆかりの曲も何曲か。MJQのリズムなので、ピアノとホーンを中心に十分楽しめます。それだけにエヴァンスの一連のリーダー作と比べても、彼のアルバムとして聴くに値するような内容だと思います。この時期、すでにジュリアン・アダレイとは名乗ってないので、キャノンボールが定着したのでしょう。なかなかいいアルバムで、何度でも聴き返せると思います。

2020/07/12

Jazz Abstractions/John Lewis

Johnjazzabst ビル・エヴァンスの参加作の29日目。かなり大がかりで、すごいアルバムに参加しています。リーダーとなるジョン・ルイスはなぜかピアノで参加していなくて、3-4曲目のエヴァンスもあまりピアノ度はないですけど、その代わりにオーネット・コールマンやエリック・ドルフィーなどをけっこう堪能できます。そろそろサイド参加作が’60年も終わってだんだんと少なくなってくる段階ではありますが、有名な、あるいは話題のアルバムの割合が高くなってくる感じでしょうか。私はこっち方面のサウンドも割と好きな方なんですけど、それでもこれを聴いたのは久しぶりです。’60年でこういうアルバムはけっこう革新的ではなかったかと思います。

 

Jazz Abstractions/John Lewis(Atlantic) - Recorded December 20, 1960. Ornette Coleman(As on 1, 4), Jim Hall(G), Scott Lafaro(B), Alvin Brehm(B on 1), Sticks Evans(Ds on, 1, 3-4), Eric Dolphy(Fl, Bcl, As on 3-4), Robert Didomenica(Fl on 3-4), Eddie Costa(Vib on 3-4), Bill Evans(P on 3-4), George Duvivier(B on 3-4), The Contemporary String Quartet - 1. Abstruction 2. Piece For Guitar & Strings 3. Variants On A Theme Of John Lewis(Django) 4. Variants On A Theme Of Thelonious Monk(Criss-Cross)

正式にはJohn Lewis Presents Contemporary Musicとなり、ジョン・ルイスが弾いているわけではないです。ビル・エヴァンスは3-4曲目に参加。36分収録。曲によって入れ替わりはありますが、オーネット・コールマン、エリック・ドルフィー、スコット・ラファロなど、すごい顔ぶれと、ジム・ホール作(2曲目)とガンサー・シュラーも作曲(1、3-4曲目、ただし3-4曲目はルイスとセロニアス・モンク作の変奏曲)して、サード・ストリーム・ミュージックやフリー・ジャズの走りのような演奏も一部にあり、独特な輝きを見せるアルバム。1曲目からフリージャズという感じで、ある程度構築感もあるようなサウンド。当時としてはかなり実験的だったのでは。2曲目のホールもなかなか挑戦的な演奏。それでも2曲目以降の方が分かりやすい。

2020/07/11

The Incredible Kai Winding Trombones/Kai Winding

Kaiincredible ビル・エヴァンスの参加作の28日目。今日は引き続き、カイ・ウインディングのアルバムです。参加曲は7-9曲目と少ないですけれど、ピアノ・ソロをとる場面もあって、そこだけでも聴きたい、という方は多いんじゃないでしょうか。やはりメロディアス系でトロンボーンの重厚なハーモニーも心地よいし、気軽に聴ける1枚だと思います。トロンボーン2人とバス・トロンボーン2人という編成は、誰が考えたんでしょうね。通所だと3人プラス1人というバランスが多いのですけれども。シリアスなジャズもいいけれど、こういうジャズもたぶん当時はもっと売れていたんだろうなあと。

 

The Incredible Kai Winding Trombones/Kai Winding(Tb)(Impulse) - Recorded November 17, 21, 23 and December 13, 1960. Johnny Messner(Tb on 1-6), Tony Studd(Btb on 1-6, 10), Paul Faulise(Btb), Ross Tompkins(P on 1-6, 10), Bob Cranshaw(B on 1-6, 10), Al Beldini(Ds on 1-6, 10), Ray Straring(Mellophone on 1-6, 10), Olatunji(Per on 1-6, 10), Jimmy Knepper(Tb on 7-9), Dick Llieb(Btb on 7-9), Bill Evans(P on 7-9), Ron Carter(B on 7-9), Sticks Evans(Ds on 7-9), Ephie Resnick(Tb on 10) - 1. Speak Low 2. Lil Darlin' 3. Doodlin' 4. Love Walked In 5. Mangos 6. Impulse 7. Black Coffee 8. Bye, Bye, Blackbird 9. Michie (Slow) 10. Michie (Fast)

カイ・ウインディング作は6、9-10曲目で他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。収録時間は36分で10曲と、比較的各曲はコンパクト。ビル・エヴァンスは7-9曲目に参加。トロンボーン2本とバス・トロンボーン2本でアンサンブルを十分聴かせてくれます。路線は、「サ・グレートJ&K」路線のメロディアスな明るいジャズといった感じです。トロンボーンの分厚くて重心の低いアンサンブルが、聴いていて心地よい。ハードな路線とは対極ですが、けっこう聴きやすい。それでスタンダード比率が高めなので、さらにメロディアス度は増していきます。時々のコンガの参加もアクセントを添えていて、ここではサウンドの引き締めにひと役買っています。もう一人のRoss Tompkinsのピアノもなかなかいい感じ。リラックスして聴けます。

2020/07/10

The Great J & K/J.J. Johnson & Kai Winding

Kaiandjj ビル・エヴァンスの参加作の27日目。今日のアルバムはけっこう有名なんじゃないかと思います。トロンボニストのカイ・ウインディングとJ.J.ジョンソンの双頭アルバムで、しかもビル・エヴァンスが全面参加。’60年も秋になってくると、そろそろ彼のいろいろなアルバムに参加するのもあと少しになってくるので、よくこういろいろなアルバムに参加しているなあ、ということの確認と、それを味わいながら、聴いています。ここでのメロディ重視は売れたでしょうけど、ちょっと間違えるとイージーリスニング的にもなるなあ、なんてことを思いながら。でも難解なジャズばかりが世の中にあったわけではないわけで、こちらの方が当時はむしろ主流だったのかも。

 

The Great J & K/J.J. Johnson(Tb) & Kai Winding(Tb)(Impulse) - Recorded October 3, November 2, 4 and 8, 1960. Bill Evans(P), Paul Chambers(B on 1-3, 6-7), Tommy Williams(B on 4-5, 8-11), Roy Haynes(Ds on 1-3, 6-7), Arthur Taylor(Ds on 4-5, 8-11) - 1. This Could Be The Start Of Something 2. Georgia On My Mind 3. Blue Monk 4. Judy 5. Alone Together 6. Side By Side 7. I Concentrate On You 8. Theme From Picnic 9. Trixie 10. Going, Going, Gong! 11. Just For A Thrill

スタンダード&ジャズメン・オリジナル集で、収録時間は42分。トロンボーン2管による演奏。ハードバップというより、メロディアスなイージーリスニング的トロンボーンのハーモニーといった感じです。もっとも当時は彼らの右に出るものはあまりいなかったと思うので、演奏には余裕が感じられます。時々入るビル・エヴァンスのピアノやバッキングがいい感じ。それにしても、ジャズとして聴くには少し明るいかな、という感じも。それでも2人のトロンボーンのメロディはかなり良いので、けっこう売れたのではないかと思います。BGMにもいいかもしれないけれど、それだけではちょっともったいないかも。エヴァンス度も全曲に参加しているので、まあ、そこそこには出てきます。それでもここでの2管のトロンボーンのイメージが強いか。

2020/07/09

The Soul Of Jazz Percussion/Booker Little/Donald Byrd

Bookersoul ビル・エヴァンスの参加作の26日目。このアルバムも1-3曲目と一部参加です。まだ消費税のない独身時代だったしバブルの時代でもあったので、当時はよくいろいろなCDを買ってました。調べてみれば国内盤では複数回出ているようでした。その中にこういうCDもあったんですね。昔のCDは処分してしまったのもあるので、よく今まで残っていたと思います。いわゆるジャズとラテンの融合した音楽というより、まだ両者が並行して同じ曲を演奏している、という感じなんですが、そこのあたりがまた原初的な感じもして、久しぶりに聴くといいなあ、と思います。それにしても入れ替わりつつ豪華なメンバーですね。こういうアルバムは残ってほしいです。

 

The Soul Of Jazz Percussion/Booker Little(Tp on 4-8)/Donald Byrd(Tp on 1-6)(Warwick) - Recorded Spring 1960. Curtis Fuller(Tb on 7-8), Philly Joe Jones(Ds on 1-3, 7-9), Paul Chambers(B on 1-3), Pepper Adams(Bs on 1-3), Bill Evans(P on 1-3), Mal Waldron(P on 4-9), Ed Shaughnessy(Ds on 4-6), Armando Peraza(Per on 4-6), Marcus Belgrave(Tp on 4-6), Addison Farmer(B on 4-9), Don Ellis(Tp on 7-8), Willie Rodriguez(Per on 7-8), Earl Zindars(Per on 1-3), Ed Shaughnessy(Ds, Per, Vib on 4-7, 9), Armando Peraza(Per on 4-6) - 1. Ping Pong Beer 2. Prophecy 3. Quiet Temple 4. Wee Tina 5. Chasing The Bird 6. Call To Arms 7. November Afternoon 8. Witch Fire 9. Construction Crew

収録時間は37分。ビル・エヴァンスは1-3曲目に参加。ワーウィック・レーベルという超マイナーレーベルですが、国内盤CDで出たことがあるんですよね。編成的には4種類あって、それぞれのセッションを並べてアルバムにしたものと思います。ドラム・プラス・パーカッションという編成の初期の頃ではないかと。パーカッションは、今とサウンド・イメージが違っていて、もっとドロドロとした感じがしないでもなく。曲も通常とは一味もふた味も違ったものが多いですが、ホーンもピアノもリズムも適度に気を配って会って、当時のジャズとしてもけっこう楽しめると思います。エヴァンスもソロを時々取っていて、短めながら、エヴァンス度はやや高め。マイナーレーベルながらメンバーもいいですし、一度聴いてみてもいいんじゃないかと。

2020/07/08

The Soft Land Of Make Believe(Frank Minion In Bethlehem)/Frank Minion

Franksoftland ビル・エヴァンスの参加作の25日目。クレジットには’69年の1月録音とありましたが、ライナーの方で’60年1月とあったので、そちらの方が時期的にも正しいのでしょう。ベツレヘムでのフランク・ミニオンのアルバムですが、録音年月の分からない曲も多く、出演メンバーの分からない曲がカップリングの後半の方にあったりとミステリアスなアルバムではあるけれど、内容的には男性ヴォーカルのアルバムとして気軽に楽しめるものではないかと思います。私は個人的にはあまり得意ではないので、このアルバムはたった3曲に出ているエヴァンス目当てだったのだと思いますけれども。そんなに長くなくても存在感のあるソロをとっています。

 

The Soft Land Of Make Believe(Frank Minion In Bethlehem)/Frank Minion(Vo)(Bethlehem) - (10-12曲目)Recorded January 1960. Bill Evans(P), Paul Chambers(B), Jimmy Cob(Ds), (1-9曲目)Tommy Flanagan(P), Roland Alexander(Ts, Fl), George Tucker(B), Danny Richmond(Ds) - 1. Introduction To Black Opium Street/The Soft Land Of Make Believe 2. Knowbody Knows 3. Autobiography Of a Musician 4. Bongo Blues 5. Oddsville, U.S.A. 6. Things Ain't Like They Used To Went 7. Salaam My Child 8. Laughing Boy 9. Later 10. Framenco Sketches 11. Round Midnight 12. So What 13. Watermelon 14. You I Love -The Forward Sound- 15. Take The "A" Train 16. But Not For Me 17. I've Done My Share 18. Night In Tunigia 19. Night And Day 20. Doodlin' 21. Who Stole The Mambo 22. Lady Bird 23. Holy Mackerel

フランク・ミニオンはクラブ・シンガーとのことで、曲の間にナレーションが入ったり、そういう意味ではトータル的に聴かせる歌手なのかなと思わせます。10-12曲目がビル・エヴァンス、ポール・チェンバース、ジミー・コブのトリオ参加ですが、曲が「フラメンコ・スケッチ(実はオール・ブルース)」「ラウンド・ミッドナイト」「ソー・ホワット」(しかもヴォーカル入り)とおもしろい内容。当時としては挑戦的な内容だったのでは、と思います。エヴァンスがここでは短いながらソロをとっていて、それが聴きもの。9曲目までも組曲のような感じになっています。他の曲もさすがのバック・メンバーで、なかなかの人選と思われますが、やはりメインはヴォーカルということで、露出度という点では、少し弱いか。15曲目以降別アルバムのカップリング。

2020/07/07

You And Lee/Lee Konitz

Leeyouand ビル・エヴァンスの参加作の24日目。今日は再びリー・コニッツのアルバムです。ジミー・ジュフリーのアレンジだし、けっこうマニアックなアルバムかなという記憶があったのですが、久しぶりに聴き直してみるとスタンダードやジャズメン・オリジナル集だし、割と普通のジャズでかなり聴きやすかったです。ヴァーヴでこのジャケットとくれば、やっぱりそうなるかな、と記憶の修正につとめました。収録時間は短めなのと、ピアノやギターは大きめの管楽器の編成に埋もれがちにはなるけど、アルバムトータルとしてはけっこういいんじゃないかと思いました。それにしても豪華なメンバーですね。イメージは違ったけど久しぶりに聴いてよかったと思った1枚。

 

You And Lee/Lee Konitz(As)(Verve) - Recorded October 29, 1959 (October 30, 1959) Ernie Royal(Tp), Marky Markowitz(Tp), Phil Sankel(Tp), Eddie Bart(Tb), Bill Byers(Tb), Bill Evans(P on 1-2, 4, 8), Sonny Dallas(B), Roy Haynes(Ds), Jimmy Giuffre(Arr), Jim Hall(G on 3, 5-7) - 1. Ev'rything I've Got (Belongs To You) 2. You Don't Know What Love 3. You're Driving Me Crazy 4. I Did't Know About You 5. You're Clear Out Of This World 6. The More I See You 7. You Are Too Beautiful 8. I'm Getting Sentimental Over You

スタンダードとジャズメン・オリジナル集。収録時間は33分と短め。ビル・エヴァンスは1-2、4、8曲目に参加。他の曲はジム・ホール(G)が代わりに参加。これだけでもなかなか豪華なイメージがあります。ジミー・ジュフリーのアレンジで、しかもホーンの人数が多いので、ビッグバンド編成とまではいきませんが、割と個性的なアレンジで聴きごたえのあるサウンドに仕上がっています。それでも難解さよりはメロディの親しみやすさが前面に出てくる感じで、割と普通にスタンダード集のアルバムとして聴けるのではないかな、と思います。メンバーもなかなかいいですし。コニッツのホーンもクールさが引っ込み、メロディアスな面がもっと前に出ている印象で、やはりヴァーヴで出し続けていることが大きいのでは、と思わせます。

2020/07/06

Unity All/大西順子セクステットプラス

Onishiunityall 新譜が届いたので、先に聴いていきます。今日の大西順子のアルバムは以前に「IXライヴ」として11曲収録出てていたものを、3日間のライヴ前28曲をCD3枚で収録した完全版で、204分ある大作です。聴くのに土日と2日間かけてしまいました。いや、さすが。ディスクユニオンが制作していることもありますけど、3日のライヴの完全収録、しかもダブり曲なし、というのはやはり彼女以外にはなかなかできないんじゃないかと。それでいてワンマンバンドという感じはあまりしなくて、曲の提供もメンバーがほぼ同じ割合で出し合っている感じで、なんだかすごいものが出ちゃったな、と思います。ぶっ続けで聴くのには体力がいります。

 

Unity All/大西順子(P、Key)セクステットプラス(Somethin' Cool)
Unity All/Junko Onishi(P, Key) Presents The Sextet Plus(Somethin' Cool) - Recorded November 22-24, 2019. Akihiro Yoshimoto(Ts, Ss, Fl), Miki Hirose(Tp, Flh), Yuzo Kataoka(Tb), Yosuke Inoue(B), Shinnosuke Takahashi(Ds), Satoshi Yoshida(G), David Negrete(As), Wornell Jones(Vo) - [CD1] 1. Unity 1 2. Remembering Spring 3. Gate Crasher 4. Baby I'm Yours 5. Magic Touch 6. Falling Rocks 7. Head Towards The Light 8. Lost And Confident 9. One Lap Behind [CD2] 1.Unity 2 3. Rain In March 3. King 4, July 5. Water Reflection 6. Two Laps Behind 7. Dr. Pu! Poon 8. Dark Chime 9. Tropical Sky [CD3] 1. Unity Blues(Unity 3) 2. Route 43 3. Wakanda 4. Apple Of The Eye 5. To THe End Of The World With You 6. Peace In Chaos 7. Cura De Gatos 8. Teenager 9. Alert 5! 10. Speak Your Name

CD3枚組の大作ライヴ。全員の作曲ないしはインプロヴィゼーションが各CDの1曲目にあり、大西順子作ないし共作はCD3の3-4、8、10曲目で、以前出たアルバム(「IXライヴ」はここから11曲をセレクト、今回は28曲全曲収録)のようにメンバー6人で割と均等に作曲を受け持っているようです。ピアノ/キーボードを使い分けたり、ベースもアコースティック/エレクトリックを使い分けたり、ここでは時々ゲストが加わったりと変化に富んでいますが、かなり骨太の、ある意味男っぽいジャズであり、ファンクであり。収録時間もCD3枚で204分と、かなり聴きごたえがあります。今の日本でこういう演奏ができるのはこのグループ(あえて言えば大西順子)だけなのでは、と思わせるほど。骨太なだけに、聴きとおすには体力も。(20年7月1日発売)

2020/07/05

Chet Baker Plays The Best Of Lerner And Loewe

Chetlerner ビル・エヴァンスの参加作の23日目。今日のアルバムは、何回か参加しているチェット・ベイカーのアルバムで、おそらく経歴の中ではチェットの最後の参加作では。しかも全曲ではなくて半分ほど。それでもこの時期になってくると、はっきりエヴァンスがピアノを、たとえバッキングであっても、弾いていると分かるような場面が増えてくるのがうれしいですね。このアルバムでは静かに主に単音でピアノ・ソロを弾いている曲や、8曲目あたりは全開になっている感じもあるので、余計にもう一人のピアニストと比べられてしまうのでは、と思います。もっと地味なバラード・アルバムかと思ってましたが、知っている曲もあり、サウンドもカラフルでした。

 

Chet Baker(Tp) Plays The Best Of Lerner And Loewe(Riverside) - Recorded July 21, 1959 (July 22, 1959). Herbie Mann(Fl, Ts), Zoot Sims(As, Ts), Pepper Adams(Bs), Bill Evans(P on 2, 6-8), Bob Corwin(P on 1, 3-5), Earl May(B), Clifford Jarvis(Ds) - 1. I've Grown Accustomed To Her Face 2. I Could Have Danced All Night 3. The Heater On The Hill 4. On The Street Where You Live 5. Almost Like Being In Love 6. Thank Heaven For Little Girls 7. I Talk To The Trees 8. Show Me

ビル・エヴァンスは2、6-8曲目に参加。ラーナー&ロウのコンビは、ミュージカル作品の作詞家&作曲家ですが、その作品集。チェット・ベイカーのウエスト・コースト色があり、ハード・バップ色が薄いのも特色。ジャズというよりはムードミュージック的なメロディの流れもあるので、特にバラードでのホーンのサウンドなども含めてBGMにもいいかも。8曲目はアップテンポの4ビート。フルートやバリトン・サックスが加わると魅力的。特定の音楽家に焦点を当てたことで、’40-50年代の味わいのあるその音楽を、メロディも、そのアレンジも含めて強く感じることができます。エヴァンスのピアノ・ソロも地味めのもあるが各曲にあるので、それなりにエヴァンス度はあり、バッキングにまわったときも、分かる人には分かるサウンド。

2020/07/04

Lee Konitz With Jimmy Giuffre

Leemeetsjimmy ビル・エヴァンスの参加作の22日目。リー・コニッツのアルバムにビル・エヴァンスの参加しているアルバムは今日のだけではなくて、まだこれから紹介するものもありますけど、この時期特定のミュージシャンに何作かずつ登場するのはありますね。営業上の理由なのか、個人的な方向性なのかは分かりませんけれども。今日のアルバムは4LPが2CDになっている、しかもリーダーが違う変則仕様なのですが、’96年発売の輸入盤の国内仕様。普段ならめったに手に取ることもないアルバムも混ざっているので、まあ、持っていてもいいか、と思います。ただ目的のアルバムがCD2枚に分かれていた、というのは、ちょっとなあ、とも思いますけど。

 

Lee Konitz(As) With Jimmy Giuffre(Bs, Arr)(Verve) - (Lee Konitz With Jimmy Giuffre のアルバムについての録音日とミュージシャン) Recorded May 1959. Hal McKusick(As), Ted Brown(Ts), Warne Marsh(Ts), Bill Evans(P), Buddy Clark(B), Ronnie Free(Ds) - (Disc 1)(Lee Konitz With Strings - An Image) 1. 'Round Midnight 2. The Daffodil's Smile 3. I Got It Bad (And That Ain't Good) 4-6. Music For Alto Saxophone And Strings 7. What's New 8. Blues For Our Children 9. An Image Of Man (Ralph Burns - Free Forms) 10. Terrisita 11. Lillith 12. Vignette At Verney's 13. Cameo 14. Places, Please 15. Tantallon 16. Spring Is 17. Someday, Somewhere (Lee Konitz With Jimmy Giuffre) 18. Darn That Dream (Disc 2) 1. Palo Alto 2. When Your Lover Has Gone 3. Cork'n' Bib 4. Somp'm Outa' Nothin' 5. Someone To Watch Over Me 6. Uncharted 7. Moonlight In Vermont 8. The Song Is You (Jimmy Giuffre - Piece For Clarinet And String Orchestra/Mobiles) 9-13. Piece For Clarinet And String Orchestra 14-19. Mobiles

なんと4枚のLPが2枚のCDになっているアルバム。ビル・エヴァンスは「リー・コニッツ・ミーツ・ジミー・ジュフリー」(1枚目18曲目-2枚目8曲目)に参加。リーダーも別々な4枚のアルバムをまとめてしまうのもちょっと強引でどうか(しかも、LP2枚ずつ各1枚のCDにはまとまっていない)と思いますが、めったに出ないアルバムも聴けるので、少し感謝しています。さて、ここでは表題のアルバムだけのコメントを。最初の曲は管楽器だけの合奏の小品で、何となくこのバンドの方向性をうかがえて、興味深いです。コニッツの作曲は2枚目の1、3曲目、ジュフリーの作曲は同4、6曲目で、他はスタンダードなど。アレンジも担当していてなかなか個性的で厚みのあるホーンアレンジが聴けます。ピアノ度はまあまあかなといったところ。

2020/07/03

Kind Of Blue/Miles Davis

Mileskind ビル・エヴァンスの参加作の21日目。今日のアルバムはもう、説明不要でしょう。おそらく自分がアルバムコメントを書いてきた中でも一番有名なアルバムのひとつになるのでは、と思います。それがなぜ、アルバムコメントの手直し作業の最後の方になってしまったかというと、単に自分がホームページを’70年代以降のジャズを中心に運営してきたから、としか言いようがないです。もう何度も聴いてけっこう内容を覚えてしまっているのだけれども。それでも、このアルバムが苦手だという方もいらっしゃるようですね。まあ、ジャズは趣味だし強制されるものではないので、自分が好きだと思えるアルバムを聴いていくのが一番いいのだと思います。

 

Kind Of Blue/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded March 2 and April 22, 1959. Julian Cannonball Adderley(As on 1-2, 4-5), John Coltrane(Ts), Bill Evans(P on 1, 3-5), Wynton Kelly(P on 2), Paul Chambers(B), Jimmy Cobb(Ds) - 1. So What 2. Freddie Freeloader 3. Blue In Green 4. All Blues 5. Flamenco Sketches

ビル・エヴァンスは1、3-5曲目に参加。誰もが知っているジャズのモードへの転換を示す歴史的名盤です。収録時間は45分。3曲目のみマイルス・デイヴィスとエヴァンスの共作(諸説あり)で、他はマイルスの作曲。このときすでにエヴァンスはマイルス・バンドを退団していたのですが、この録音のために呼び出されたそうです。理論的なことはともかく、このアルバムは、エヴァンスの参加なしでは平凡に終わっていたのではないかと。曲調から、2曲目のみウィントン・ケリーがピアノで参加しているのも必然か。オリジナル曲の、しかもモード奏法の完成をみたアルバムで、ここからジャズの歴史が変わっていきます。ただ今でも好き嫌いは聴く人によってあるかも。素朴なジャズの骨格を見たような気もするけど、音楽は豊穣。

2020/07/02

Live At The Half Note/Lee Konitz

Leelivehalf ビル・エヴァンスの参加作の20日目。この頃から’59年に入っていきますが、それにしても以前書いたクレジットやコメントの誤記が多いこと。見つけるたびに直してはいるのですけど。今回はホームページのポール・モチアンの項目にこのアルバムを入れ忘れていました。それにしても、リー・コニッツとウォーン・マーシュの2管に、エヴァンス、ジミー・ギャリソン、ポール・モチアンとの組み合わせ、珍しいんじゃないでしょうか。CD2枚組で約95分、たっぷり聴けます。ただ、このあたりの演奏も好みが分かれそうなところではありますね。昔は私もあまり好きではありませんでしたが、今聴いてみると、なかなかいいじゃないかと思うようになりました。

 

Live At The Half Note/Lee Konitz(As)(Verve) - Recorded February 24 and Possibly March 3, 1959. Warne Marsh(Ts), Bill Evans(P), Jimmy Garrison(B), Paul Motian(Ds) - 1. Palo Alto 2. how About You? 3. My Melancholy Baby 4. Scrapple From The Apple 5. You Stepped Out Of A Dream 6. 317 E 32nd 7. April 8. It's You Or No One 9. Just Friends 10. Just Friends 11. Baby, Baby All the Time 12. Subconscious-Lee

リー・コニッツ作は1、12曲目で、他はジャズメン・オリジナルやスタンダードなど。2枚組CDで出ましたが、ライヴ演奏なので長い演奏を十分に楽しむことができます。ピアノはバッキングは奥に引っ込んでいるけど、ソロがある時には十分前に出てくるので、そんなに不満はありません。コニッツとウォーン・マーシュの2管の音は独特だなあと思いますが、やはりこれが個性なんでしょうね。あと、このメンバーだとホーンが出ている時はピアノはバッキングをやらない場面もある程度あって、かすかにバッキングの音が聴こえる場面もあったりします。エヴァンスのピアノもこのメンバーに合わせて、ストイックなソロが多いような気がします。彼と分かるソロは貴重かも。ポール・モチアンの参加も珍しいか。こういう方面も出演してます。

2020/07/01

Chet/Chet Baker

Chetchet ビル・エヴァンスの参加作の19日目。今日のアルバムはけっこう有名なのではないでしょうか。ただ、エヴァンスはバッキングのクセで分かるのですが、3管が前面に出ているだけに、なかなかソロをとる場面がまわってこない。10曲目のボーナス・トラックが一番長くて目立つソロをとっている、という皮肉な結果となってしまいましたけど。それでも、全体として聴いてみると上質なバラード集だと思います。時に緩い4ビートにもなる曲がありますけどね。まあ、国内盤はビル・エヴァンスの名前を出してまで売りに出そうという気持ちは分かりますけど、チェット・ベイカーのみの名前でも十分売れたのでは、と予想させます。

 

Chet/Chet Baker(Tp)(Riverside) - Recorded December 30, 1958 and January 19, 1959. Pepper Adams(Bs on 1-2, 4-5, 7, 9-10), Herbie Mann(Fl on 1-2, 4-5, 7, 9-10), Kenny Burrell(G on 3, 6), Bill Evans(P on 1-2, 4-5, 7-10), Paul Chambers(B), Connie Kay(Ds on 1-2, 5-7. 10), Philly Joe Jones(Ds on 4, 8-9) - 1. Alone Together 2. How High The Moon 3. It Never Entered My Mind 4. 'Tis Autumn 5. If You Could See Me Now 6. September Song 7. You'd Be So Nice To Come Home To 8. Time On My Hands (You In My Arms) 9. You And Th Night And The Music 10. Early Morning Mood

ビル・エヴァンスは1-2、4-5、7-10曲目に参加。チェット・ベイカーの甘い(?)トランペットで、主にスタンダードばかりのバラードの作品。4ビートになる曲もありますが。ここでも、エヴァンスの参加が全体のサウンドを方向づけているような気がします。国内盤の帯には「チェット・ベイカー・ウィズ・ビル・エヴァンス」と書いてあるので、やはりこちらで売り出したいのかなあ、と思います。たまにあるピアノ・ソロがけっこう聴かせます。多くの曲での3管編成のアレンジがなかなかいいですね。トランペット、バリトンサックス、フルートの編成も趣きがあっていい。3、6曲目には他の楽器の代わりにケニー・バレルのギターが登場して、割と優しい演奏を聴かせてくれます。やはり名盤のうちに入るかも。10曲目はボーナス・トラック。

« 2020年6月 | トップページ | 2020年8月 »

Amazon検索

HMVへのリンク

  • HMVジャパン CD DVD 書籍 音楽 ゲーム
2020年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

メールアドレス

友人が運営しているサイト