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2020/06/10

Arctic Riff/Marcin Wasilewski Trio/Joe Lovano

2678 ECMレーベルの新譜聴きの4日目。単純に同時に届いた番号の若い方から聴いているだけなんだけど、順々に有名なミュージシャンのアルバムに行くようになっていて、これはこれで、待ち遠しいし楽しい。今日はECMなら(そうでなくても)有名なピアノ・トリオとテナーサックスです。やはりECMらしい展開にはなっているのだけど、ただ単に耽美的なピアノ・トリオにはせずに、高度に聴こえるフリーな演奏も混ざっていて、しかも大きなうねりの中で聴いているような、そんな硬軟取り混ぜた、なかなか聴きごたえのあるアルバムに仕上がっています。ここまでの4作は全部マンフレート・アイヒャーのプロデュース。やはり彼の主義が表れているように感じます。

 

Arctic Riff/Marcin Wasilewski(P) Trio/Joe Lovano(Ts)(ECM 2678)(輸入盤) - Recorded August 2019. Slawomir Kurkiewicz(B), Michal Miskiewicz(Ds) - 1. Glimmer Of Hope 2. Vashkar 3. Cadenza 4. Fading Sorrow 5. Arco 6. Stray Cat Walk 7. L'Amour Fou 8. A Glimpse 9. Vashkar(Var.) 10. On The Other Side 11. Old Hat

(20/06/07)4人でのインプロヴィゼーションが3、5-6、8曲目、Marcin Wasilewski作が1、4、7、11曲目、ジョー・ロヴァーノ作が10曲目、カーラ・ブレイ作が2、9曲目。収録時間は62分。ECMではおなじみのトリオにロヴァーノが加わっていて、さすがに大物の録音では、例えば1曲目のような、静かな情景描写的な大きな流れの中に、さらに美しいメロディが流れていく。貫録を見せていますね。2曲目もカーラの曲を彼らのものにしてしまって、独特な世界を構築しています。インプロヴィゼーションの曲も多いのだけど、作曲されたも曲もその危ういバランスの上をうまく4人で渡っているという雰囲気があり、これはやはり彼らならではの世界では。7曲目は元気でジャズ的。フリーの硬派度も聴いていてけっこう引き締まります。

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コメント

コンバンワ。KUDO様。
まだ全曲聴けてないんですが、冒頭の曲、本当に美しいですね。
研ぎ澄まされたリズム隊に浮かぶ、まさに貫禄のブロー。
カーラの曲「Vashkar」はマルチンの選曲だと思いますけど、いい塩梅にロヴァーノが絡んでますね。早く全曲聴いてみたいです。

工藤さん,こんばんは。

Marcin Wasilewskiのやることですから,全幅の信頼を置いている私ですが,冒頭の"Glimmer of Hope"からして,こちらの期待を裏切らない出だしでした。ただ,私はここでの集団即興が,彼らの透徹な美学を体現しているとは思えなかったというのが実感で,「書かれた曲」とのギャップを感じてしまったというのが正直なところです。

それは音楽のレベルが低いということではなく,私の求めるところの違いにほかなりません。ミュージシャンにはその時々で創造への意欲があるはずですから,私がどうこう言っても仕方ないのですが,意欲は認めても,全面的に支持できないっていうトーンが私の記事には出ちゃっている気がしますね。でも好きですが...。

ということで,当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2020/06/post-5ad559.html

>zawinulさん

こんばんは。

ECMのアルバムは、前半と後半とイメージが変わってくることもあって、聴きながら同時進行で書いてるので、書きかけたのをまた書き直し、なんてこともあります。4曲の小品も含めたインプロヴィゼーションも、なかなかいいですね。やはりこのメンバーだからかな、と思います。機会があれば通して聴いてみてください。

>中年音楽狂さん

こんばんは。

今回は後に行くほど、期待の高まる順で聴いてます。偶然ですけれども。インプロヴィゼーションを間に4曲入れたのはアイヒャーのアイデアではないかなあ、と思います。録音を流しっぱなしにして出来のいいところを採用していくような。個人的にはこういう演奏も好きなんですが、他の曲と比べて少し異色で、好みの問題はあるかもしれませんね。

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