Nefertiti/Miles Davis
ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの12日目で一段落。これ以降は他の追っかけミュージシャンがマイルス・バンドに参加するたびに掲載しているので、割と数はあるのではないかと思います。あとはビル・エヴァンスの参加した、もっと前の時代のものが残っていますけど。さすがにこれだけのアルバム数になってくると、これからマイルスやりますとはなかなか言えません。本やネットでいい資料がいっぱいあるので、そちらをご参考にしていただければ。今日のアルバム、録音日的に「Water Babies」とほぼ対をなすとは考えていなくて、今回聴いて調べてはじめて対をなすと分かりました。そういうこともあるので、結局この趣味に終わりはないですね(笑)。
Nefertiti/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded June 7, 22-23 and July 19, 1967. Wayne Shorter(Ts), Herbie Hankock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. Nefertiti 2. Fall 3. Hand Jive 4. Madness 5. Riot 6. Pinocchio
ウェイン・ショーター作が1-2、6曲目、トニー・ウィリアムス作が3曲目、ハービー・ハンコック作が4-5曲目。前作に引き続きマイルス・デイヴィス自身の作曲はなく、任せています。そして次作の「Water Babies」とほぼ同時期の録音。ここで究極のタイトル曲の1曲目を録音します。なんとホーンは曲中メロディを淡々と吹くだけで、しかもユニゾン。それに対して他の3人が緊張感のあるアドリブを仕掛ける、結果として非常にドラマチックな曲になってます。2曲目も漂うメロディとそれに絡むメンバーの構図が多く出てきて、ある意味アルバムの完成度は、少し難しいけどかなり高め。3-4、6曲目はアップテンポの4ビート。リズムはサンバ的だけど、曲としても有名な5曲目。サウンド的に、もうこれでやり尽くした感じもあります。
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KUDO様コンバンワ。KUDOさんの紹介に合わせて、私も60年代後期のマイルスを一枚ずつ聴き返しています。
前回のソーサラは私の大好きなアルバムですので、あえてコメントを控えて、これまで自分としてもどう評価していいか漠然としていた、このアルバムを改めて聴き直してみました。
印象としては、より余分なものが削ぎ落とされたというか、ミニマル的になっているというか。雰囲気は抜群にあるのだが、少し物足りない感じ、もどかしい感じがするのである。これまでのESP、マイルス・スマイルズ、ソーサラの時のようなドギドキ感がない。個人的な感想ではあるが、この作品は後に大傑作「ビッチズ・ブリューブ」として結実する最初の布石的な位置付けの作品として重要かもしれないが、試行的な側面が強いと思うのです。
投稿: zawinul | 2020/05/28 22:17
>zawinulさん
こんばんは。
私の印象は、1曲目のタイトル曲にとどめを刺します。主旋律はテーマのメロディを繰り返すだけなのに、サイドでいろいろ仕掛けてくる、という構図は、たぶんこれがジャズではおそらく初めてではなかったかと。このインパクトがかなり強かったでした。逆に言うと、他の曲は、いいんだけどあまり印象に残ってないとも言えますが、アルバムとしてのインパクトは聴いた当初、強かったでした。
投稿: 工藤 | 2020/05/28 22:35
KUDO様。なるほど。タイトル曲のこの構図はジャズ史上初めての試みかもしれませんね。確かに、タイトル曲は強烈な印象でした。何事が始まったかと思いますからね。いつになったら、ソロに入るんじゃとか。
話は変わりますが、この「ネフェルティティ」の演奏で好きなのは、何と言ってもチックコリアのアルバム「ARC」に収録されたもの。長いイントロからテーマに入って行くところがいつもゾクゾクします。
投稿: zawinul | 2020/05/29 22:20
>zawinulさん
聴いた感じでは、マイルスの曲もフリーの範疇に入れてもいいんじゃないかと思うのですが、世間の通説に従って、その一歩手前のところを行っているとすれば、チック・コリアの方は(しばらく聴いてないですけど)確か曲中にフリーの場面もあったかと思います。こちらの方も、曲の進み方は良かったと思いますし、ECM初期なのでインパクトは強いです。
投稿: 工藤 | 2020/05/29 22:40