A Day In The Life/Wes Montgomery
ハービー・ハンコックの競演・参加作の12日目。ウェス・モンゴメリーのアルバムが少し続きます。この1曲目、確か小学校か中学校の放送でよく音楽がかかっていたので、かなりはっきりと覚えています。ウェス自体もこっちの方から入ったので、むしろ前期のバリバリのジャズギタリストだった方が意外でした。ここでも売れセンをけっこう意識したつくりにはなっているけれども、ギターは単にメロディを弾けているというだけではなくて、ジャズも弾けるんだけど余裕でこういう音楽もできるんだよ、という雰囲気を漂わせているところがいいですねえ。しかもピアノにハービー・ハンコックでベースがロン・カーターというぜいたくな布陣。ジャケ写もタバコは今なら使えないだろうなあ、と、歴史も感じます。
A Day In The Life/Wes Montgomery(G)(A&M/CTI) - Recorded June 6-8, 26, 1967. Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Grady Tate(Ds), Ray Barretto(Per), Jack Jennings(Per), Joe Wohlets(Per), George Marge(Bfl), Romeo Penque(Bfl), Joe Soldo(Bfl), Stan Webb(Bfl, Woodwinds), Phil Bodner(Woodwinds), Ray Alonge(French Horn), Margaret Ross(Harp) and Strings - 1. A Day In The Life 2. Watch What Happens 3. When A Man Loves A Woman 4. Carifornia Nights 5. Angel 6. Eleanor Rigby 7. Willow Weep For Me 8. Windy 9. Trust In Me 10. The Joker
収録時間は34分。アレンジと指揮はドン・セベスキー。1曲目のタイトル曲からして説明不要なほど有名で、アレンジも秀逸なアルバムですが、いわゆるストリングスの入ったイージー・リスニング・ジャズ。おなじみの曲がずずっと並んでいます。ここでハービー・ハンコックは全面的に参加していて、全体の雰囲気をこわさないようにおとなしく演奏しています。ただし、どの曲も良い出来であることは確かです。クリード・テイラーと組んでからは売れセンに走ったんじゃないか、と言われますが、その代わりにけっこうメロディの良い曲が多く、アレンジと相まって、印象深い曲も多くて記憶に残ります。いつ聴いても分かりやすいギターのメロディは、ジャズというよりウェス・モンゴメリーの知名度をかなり広げるのに役に立ったのではと。
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コメント
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KUDOさま。やっぱりこれですわ。
この1曲目。私も脳の奥深いところにこびり付いている気がします。校内放送で掛かっていたんですか?凄いですね。
私もこのアルバムはレンタルレコードで借りてカセットに録音して何度も何度も繰り返して聴いた覚えがあるんですけど、当時の若かりし自分の生活が蘇ってきますね。
何十年ぶりかに聴いたけど、年を経て聴き直すと、またその良さが際立って立ち現れてきますね。
あー素晴らし!ドン・セベスキー凄し!
投稿: zawinul | 2020/05/11 22:51
>zawinulさん
コメントどうもありがとうございます。
もう残っているミュージシャンが(6月以降の予定ですが)ハンコックのリーダー作とエヴァンスのサイド参加作品なので、私のところにしては’50-60年代がこれから当分多めに続くのですが、そんな中でも今日のように私も久しぶりに聴く名盤があるので、やめられないですねえ。アレンジもいいですし、ウェスの余裕の弾きっぷりが見事です。
投稿: 工藤 | 2020/05/11 23:06