Down Here On The Ground/Wes Montgomery
ハービー・ハンコックの競演・参加作の13日目。このアルバムはきちっとしたアレンジの中にも、ジャズの曲を入れたりしてウェス・モンゴメリーのテクニックの部分も見せたり、3作ある中では一番地味だけどマニアックなアルバムかなあ、と思います。ソロ・ギターでの聴かせどころもあったりしますしね。まだこの時点でも録音が’67年なので、クリード・テイラーは先を見る目があったと思います。ただ、次のアルバムを作ってウェスが亡くなってしまうのは非常に残念なんですけれども。自分にとって苦手とする’60年代以前のアルバムでも、ジャズ史的にはこういうアルバムもあったりフリーもあったりで、やってみるとけっこう面白いです。
Down Here On The Ground/Wes Montgomery(G)(A&M/CTI) - Recorded December 20-21, 1967 and January 22, 26, 1968. Ron Carter(B), Grady Tate(Ds), Herbie Hancock(P), Bobby Rosengarden(Per), Ray Barretto(Per), Mike Mainieri(Vib), Hubert Laws(Fl), etc. - 1. Wind Song 2. Georgia On My Mind 3. The Other Man's Grass Is Always Greener 4. Down Here On The Ground 5. Up And At It 6. Goin' On To Detroit 7. I Say A Little Prayer For You 8. When I Look In Your Eyes 9. Know It All 10. The Fox
収録時間は31分。これで10曲なのでテーマのエッセンスを強調してアドリブを抑え気味にしたコンパクトな曲が多いです。それがポップスとの共通性をイメージさせるのかな。ウェス・モンゴメリーのA&M/CTI3部作の中ではやや地味かなと思える選曲ですけれど、ジャズっぽいビートの曲が比較的多いアルバム。とは言うものの聴きやすい、あるいは有名な曲もあるしでイージー・リスニング・ジャズの範疇と思います。3、7曲目にはジャジーでギター度が満点の曲も入ってます。ほとんどの曲はドン・セベスキーのアレンジ(4曲目のみデオダートがアレンジ)。それでもウェスのギターのオクターヴ奏法が完璧なので、聴きやすいながらも聴き惚れてしまうのは間違いないと思います。特にこのアルバムはテクニックを出しています。
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コメント
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KUDO様、コンバンワ。このアルバムは聴いたことがありません。ジャズ度が高いということですので、一度聴いてみますね。
ウェスのこのクロスオーバーの一連の作品の魅力は、ウェスの画期的な奏法が楽曲に良い具合で自然に溶け込んで、わかりやすく親しめる所なんでしょうね。
まあ、ウェスは本当にギターが上手いんですけどね。兎にも角にもウェスを見直した今日この頃です。
私も紹介してみました。https://zawinul.hatenablog.com/entry/2020/05/12/235532
投稿: zawinul | 2020/05/13 00:09
>zawinulさん
コメントどうもありがとうございます。
ウェスのA&M/CTI3部作は、昔はどれも似たような印象だったと思ったのですが、それぞれに趣向が違いますね。ウェスのオクターヴ奏法を中心にしながら、アレンジがそれぞれカッコよくされている感じです。以前だったらここまでさかのぼらなかったのですが、むしろ名盤は多いなあ、と思います。
投稿: 工藤 | 2020/05/13 05:53