Sorcerer/Miles Davis
ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの11日目。今回のスタジオ録音も、前作「Miles Smiles」の続きのようなサウンドで、モードも捨てて、さて、自由になりつつフリーではない、というギリギリの路線を行っている感じです。この時期シリアスなジャズもけっこうありますけど、マイルス・デイヴィスのアルバムはかなり売れていたと思うので、この路線はファンを戸惑わせたのかも。それでもその後の変遷も知っていると、もう変わりっぱなしで一生を終えているから、やはり俯瞰できるかどうかで彼に対するジャズ観が変わってくるだろうなあ、と思います。下調べしないで適当にアルバムを買うと、こんなはずじゃなかったってことも多いでしょうね。自分はけっこう好きですが。
Sorcerer/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded (August 21, 1962) and May 15-17 and 24, 1967. Wayne Shorter(Ts), Herbie Hankock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds), Frank Rehak(Tp on 7), Wayne Shorter(Ts on 7), Paul Chambers(B on 7), Jimmy Cobb(Ds on 7), William Correa(Per on 7), Bob Dorough(Vo on 7) - 1. Prince Of Darkness 2. Pee Wee 3. Masqualero 4. The Sorcerer 5. Limbo 6. Voneta 7. Nothing With You
ウェイン・ショーター作が1、3、5-6曲目、トニー・ウィリアムス作が2曲目、ハービー・ハンコック作が4曲目。そしてなぜか’62年録音のボブ・ドロー作の7曲目(しかもヴォーカル曲)。ここでもショーターの曲が多いので、彼の個性が前面に出ている感じです。前作に比べて、いくらか普通のサウンドに戻ったというか、シンプルになったという感じも。ややメロディが前に出ているけど、バッキングがけっこうすごい1曲目、やはり静かでメロディが印象に残るバラードの2、5曲目。3曲目以降もそうだけど、やはりメロディとかなり自由になっているバッキングとでいかに曲の完成度を上げるかチャレンジをしている雰囲気があります。これが7曲目になるとヴォーカルが入って雰囲気がガラリと変わるけど、ショーターとの邂逅だそうで。
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