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2020年5月の記事

2020/05/31

ミュージック・マジック・オーケストラ

Musicmagicorc 田村夏樹氏と藤井郷子氏のFacebook情報により、田村氏が過去の貴重盤をチャリティーで放出するということでゲットした1枚。’91年発売の国内盤で、フリーの演奏をする前史の記録でもあり、サウンドも’90年代初頭のフュージョン的でもあって、珍しいビッグバンド参加作品になります。注文のタイミングで、’90年の2人が参加するビッグバンド作をゲットできなかったのは少々残念だけど、今回は今日のアルバムを含めて、田村氏の参加作2枚をラッキーにも注文できました。こういうバンドに参加することによって、譜面もバリバリ読めるスタジオ・ミュージシャン的な仕事もされていた、という側面がはっきりしました。

 

ミュージック・マジック・オーケストラ(Break Time)
Music Magic Orchestra(Break Time) - Released 1991. Yukio Uchiyama(Cond), Hiroaki Moribe(Ds), Hiroshi Kumagai(B), Yoshihiro Sunahara(Key), Yukio Katagiri(G on 4-6, 8, 10), Makoto Miyashita(G on 1-3, 7, 9), Yoichi Hosohata(Per), Nobutaka Soeda(As, Ss, Fl ), Hiroshi Haruki(As, Fl on 1-4, 7-8), Kazunari Oshima(As on 5-7, 9-10), Masamichi Nanji(Ts, Fl), Katsuyasu Fukuda(Ts, Fl), Shingo Sakuraoka(Ts on 1-2, 5), SUeo Ogawsawara(Bs), Ikko Takahashi(Tp, Flh), Natsuki Tamura(Tp, Flh), Yoshitsugu Takeda(Tp, Flh on 1-9), Michitoshi Iio(Tp, Flh on 1-3, 5-10), Yoshito Fukumoto(Tp, Flh on 1, 4, 10), Mitsukuni Kohata(Tp, Flh on 1, 7), Eric Miyashiro(Tp, Flh on 1, 5-6, 9), Yuji Ichinose(Tb) Katsuhiko Nagamatsu(Tb), Toshiyuki Kato(Tb on 1-2, 4-10), Akira Ueki(Tb on 3), Fumio Iwase(Btb on 4-5, 9-10), Kan Nishida(Btb on 1-5, 7-8) - 1. Happy Anniversary 2. "Shiosai" Soup Special 3. For Tomohiro 4. The Good Of Winds 5. A Runner's Solitude 6. Lapis Blue 7. After The Rain 8. Dream And Reality 9. The Fishing Beat No.1 10. Love Me To The 'Bone

(20/05/24)全曲内山有希夫作曲とアレンジ。田村夏樹はトランペットで全曲参加で、さらに9曲目でエリック宮城との掛け合いのトランペットのソロがあります。ビッグバンドの演奏は16ビート感やエレキ・ベースを使用しているので、まさに’90年代初頭のフュージョンサウンドという感じ。録音日は書いてないですが、メンバーの入れ替わりがあるのを見ると何日もかけて録音したものと思われます。田村の経歴からするとこういうオーソドックスでコマーシャルなサウンドのビッグバンドに参加しているのは異色で、おそらく譜面も高度にこなしているのだろうと思います。曲は割とストレートなビッグバンドのサウンドで、当時のことを考えるとやっぱりカッコいい。異色なアルバムに参加しているという点で、記憶に残る1枚と思う。

2020/05/30

当ブログが16周年

今日、当ブログが16周年を迎えました。いわゆるプロバイダーのブログができてから半年ぐらい後にはじめ、それが’04年の5月30日でした。多い時はココログで4つぐらいのブログを作って、目的に応じて使い分けていました(ECM、日記、自分たちのライブ音源など)が、それもだいぶ前に統廃合してしまい、ココログではこのブログだけにしてしまってます。

記事のエントリー数は今日現在で5,163件で、過去の統廃合で日記的な雑文も混ざっていますが、おおよそ4千枚以上のCDがここには掲載されているんじゃないかと思います。もともとはじめた当初は、主に’70年代以降のジャズ・フュージョンのミュージシャンがメインで、新譜中心に聴いていくということでした。最近は新譜は少なくなりました(特に今年は激減してます)が買い続けています。それと同時に’99年から始めたホームページのアルバムコメント手直し作業を休み休みやっていて、昨年あたりから少しスピードを上げて、今年の1月1日現在で残り208枚(重複あり)だったのが、今では58枚に減ってきています。それもブログアップの対象です。以前はやりやすいところから手をつけてしまったので、’60年代以前のジャズが多く残ってしまいましたけど(いわば昔と比べてイレギュラーな状態)。それはそれで知られているアルバムも多いということで、逆に聴いていて楽しい、という現象も出てきました。まあ、このペースを続けていれば、その作業も今年中(新譜を絡めてもうまくすれば8月)には終わるのではないかと思います。実に21年以上かかった計算です。それが終わったら次何をしようか思案中。まだすることが思い浮かばないんですよね。仕事も今の不景気を反映して来て、少し大変になってきたこともありますし、更新も少しゆっくりにしようかと。

長い間コンスタントに更新できているとは限らず、不定期更新にしたり、1か月半ぐらい更新しなかった時もありましたけど、最近はなるべくの外出自粛もあって、今までの1年間を見るとほぼ毎日更新できているようです。休みの日に他に予定がなければ、まとめてストックを作っておきます。ブログは自分の身の丈以上にはならないけど、それはそれで楽しくやっていければいいんじゃないか、という考えです。意外に継続しつつ何年も長続きする人って少なくて、全体の数パーセントじゃないかって言われてます。特にプロの物書きになるという向上心もなく、あくまでも趣味で楽しむことを目的としています。いつまで続くかは健康やコロナの影響も出てくるかどうか、不安なところもありますが、それまでお付き合いいただければ幸いです。

(追記)そういえば、いくつか追いかけていたレーベル(Enja、澤野、Winter&Winter、Hatologyなど)は’07-14年のあたりで追いかけるのをやめてしまいました。いくつかは消えて行ったり入手が難しくなったり、いくつかは興味が続かなかったレーベルでもあります。特に澤野は他の人でも取り上げている機会も多いので、わざわざ自分が追いかける必要もなくなったかな、と。

2020/05/29

ECMブログがライブドアに移転してちょうど1年

昨年の5月29日に、それまでココログでやっていたECMブログをライブドアに移転しました。ココログへのオプションで支払う費用を削減する目的と、ココログは仕事のインフラを使っているため、今の自営業の仕事を辞めた時(あるいは急に亡くなった時)にはほどなく削除されてしまうので、そのリスクを減らすためでもあります。ブログの初期の頃にいったんECMブログをはじめていたのですが、ホームページで当時CDで発売されていたものが全部追いついたのが’06年5月3日との記録が残っていて、ブログはそのもう少し後だったかと。当時でまだ800枚ぐらいだったと思います。なので古いコメントも多いのが特徴です。

その後、’14年10月にこちらのメインブログに統合、いったんECMブログを廃止してしまいました。その時のカウンターは323,000ほど。管理するうえでは統合した方が楽なんですが、ブログ上のECM番号が行ったり来たりしていて、レーベルとしての閲覧性にちょっと欠けるかな、ということに。そこで’18年の3月に復活させて(ブログ日付はバックデートさせていて’17年1月スタートになっていますが)、まだまだ追いつかない、という状況です。昨年’19年には、LPだけ出ていて未CD化作品の大半(メインの部分ではわずか3枚だけ現在も未配信)がストリーミングで(しかもハイレゾ)聴けるということになり、それも聴いて追加できました。今2400番台後半に入っていて、もう1,280枚ぐらいにはなっていますし、今のところはECM番号順に記載できています。これも、ECMは番号を行ったり来たりしての発売なだけに、追いついてきたときに番号順に記載できるか、DVDとか本とかも掲載していくか、など課題はありますけどまだ少し時間がかかりそうなのでゆっくりと考えることにします。

コンテンツ的にはこちらのメインブログやホームページからのコピペ作成なので、内容が同じでしかも後からのものはGoogle検索に引っ掛かりにくく、ちょっと損をしている部分もあります。ただ、ECMの個人的な整理目的もあり、あまり目立たなくてもいいのではないかと思っています。以前Criss Crossレーベルのブログも一時的に作りましたが、需要が全然なかったのと、自分でもあまり面白いと思わなかったので、すぐに削除してしまいました。そういう意味ではまだまだECMの方が人気レーベルではありますね。そちらも今後ともよろしくお願いします。

2020/05/28

Nefertiti/Miles Davis

Milesnefer ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの12日目で一段落。これ以降は他の追っかけミュージシャンがマイルス・バンドに参加するたびに掲載しているので、割と数はあるのではないかと思います。あとはビル・エヴァンスの参加した、もっと前の時代のものが残っていますけど。さすがにこれだけのアルバム数になってくると、これからマイルスやりますとはなかなか言えません。本やネットでいい資料がいっぱいあるので、そちらをご参考にしていただければ。今日のアルバム、録音日的に「Water Babies」とほぼ対をなすとは考えていなくて、今回聴いて調べてはじめて対をなすと分かりました。そういうこともあるので、結局この趣味に終わりはないですね(笑)。

 

Nefertiti/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded June 7, 22-23 and July 19, 1967. Wayne Shorter(Ts), Herbie Hankock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. Nefertiti 2. Fall 3. Hand Jive 4. Madness 5. Riot 6. Pinocchio

ウェイン・ショーター作が1-2、6曲目、トニー・ウィリアムス作が3曲目、ハービー・ハンコック作が4-5曲目。前作に引き続きマイルス・デイヴィス自身の作曲はなく、任せています。そして次作の「Water Babies」とほぼ同時期の録音。ここで究極のタイトル曲の1曲目を録音します。なんとホーンは曲中メロディを淡々と吹くだけで、しかもユニゾン。それに対して他の3人が緊張感のあるアドリブを仕掛ける、結果として非常にドラマチックな曲になってます。2曲目も漂うメロディとそれに絡むメンバーの構図が多く出てきて、ある意味アルバムの完成度は、少し難しいけどかなり高め。3-4、6曲目はアップテンポの4ビート。リズムはサンバ的だけど、曲としても有名な5曲目。サウンド的に、もうこれでやり尽くした感じもあります。

2020/05/27

Sorcerer/Miles Davis

Milessoecerer ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの11日目。今回のスタジオ録音も、前作「Miles Smiles」の続きのようなサウンドで、モードも捨てて、さて、自由になりつつフリーではない、というギリギリの路線を行っている感じです。この時期シリアスなジャズもけっこうありますけど、マイルス・デイヴィスのアルバムはかなり売れていたと思うので、この路線はファンを戸惑わせたのかも。それでもその後の変遷も知っていると、もう変わりっぱなしで一生を終えているから、やはり俯瞰できるかどうかで彼に対するジャズ観が変わってくるだろうなあ、と思います。下調べしないで適当にアルバムを買うと、こんなはずじゃなかったってことも多いでしょうね。自分はけっこう好きですが。

 

Sorcerer/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded (August 21, 1962) and May 15-17 and 24, 1967. Wayne Shorter(Ts), Herbie Hankock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds), Frank Rehak(Tp on 7), Wayne Shorter(Ts on 7), Paul Chambers(B on 7), Jimmy Cobb(Ds on 7), William Correa(Per on 7), Bob Dorough(Vo on 7) - 1. Prince Of Darkness 2. Pee Wee 3. Masqualero 4. The Sorcerer 5. Limbo 6. Voneta 7. Nothing With You

ウェイン・ショーター作が1、3、5-6曲目、トニー・ウィリアムス作が2曲目、ハービー・ハンコック作が4曲目。そしてなぜか’62年録音のボブ・ドロー作の7曲目(しかもヴォーカル曲)。ここでもショーターの曲が多いので、彼の個性が前面に出ている感じです。前作に比べて、いくらか普通のサウンドに戻ったというか、シンプルになったという感じも。ややメロディが前に出ているけど、バッキングがけっこうすごい1曲目、やはり静かでメロディが印象に残るバラードの2、5曲目。3曲目以降もそうだけど、やはりメロディとかなり自由になっているバッキングとでいかに曲の完成度を上げるかチャレンジをしている雰囲気があります。これが7曲目になるとヴォーカルが入って雰囲気がガラリと変わるけど、ショーターとの邂逅だそうで。

2020/05/26

Miles Smiles/Miles Davis

Milessmiles ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの10日目。そして、今まではライヴが多かったけど、これはスタジオ録音。はっきりとスタジオでは、オリジナルが割と重視されるようになってます。そしてウェイン・ショーター作が多いのも今作の特徴。もうモードも捨てつつ、それでもベースの4ビートはほぼ維持することで、その上に乗っかるソロの音がかなり自由に暴れまわっている感じがします。フレーズの時間軸がきっちりしていてルーズではないのが決め手かな。こういうサウンドってセンスがないとまとまらないので、かなり高度な技だと思います。今まで意識してマイルスを時系列では聴いたことがなかったので、こういう進化の速さにはびっくりしました。2人が参加して、まだ3年目のことです。

 

Miles Smiles/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded October 24 and 25, 1966. Wayne Shorter(Ts), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. Orbits 2. Circle 3. Footprints 4. Dolores 5. Freedom Jazz Dance 6. Ginger Bread Boy

マイルス・デイヴィス作は2曲目、ウェイン・ショーター作が1、3-4曲目、ジャズメン・オリジナルが5-6曲目。スタジオ録音とライヴとの方向性が大きく違ってから2作目のスタジオ録音。ショーター色がけっこう強くなっていることが特色。モードを飛び越えて、手法としてはフリーにかなり近くなるも、ある意味曲としてのまとまりを見せていてフリーとは対極の方向でまとめています。1曲目などはそういう意味ではけっこうスリリングな演奏。2曲目はバラードですが、自由な音使いで繊細な曲に仕上げているのは見事。そして有名な曲になっていくサウンドが印象的な3曲目、アップテンポの4ビートですが、上に乗る音は極めて自由な4曲目、他人の曲にしてはかなり奔放な5曲目、アップテンポの4ビートと絡む自由な旋律の6曲目。

2020/05/25

At Plugged Nickel, Chicago/Miles Davis

Milesatplugged ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの9日目。邦題は「プラグド・ニッケルのマイルス・デイヴィス」。私の英題にChicagoが入ってなかったので慌てて付けましたけど、LP時代はなかったような気が。まあ、LPは持ってなかったですけどね。いや~、すごいライヴアルバムを聴いてしまったな、というのが久しぶりに聴いた本音です。前回のものとか、BOXセットとか、いくつか種類がありますけど、いわゆる’60年代ジャズのライヴでは、今日のアルバムをまず聴いてくれ、と思いますね。長いライヴでおいしいところをさらに凝縮してあります。ここ20年間は、’70年代以降に活躍したミュージシャンばかり追いかけてましたが、やはりジャズ・ジャイアンツと言われる人たちはすごいです。

 

At Plugged Nickel, Chicago/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded December 23, 1965. Wayne Shorter(Ts), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. Walkin' 2. Agitation 3. On Green Dolphin Street 4. So What - Theme

ライヴ録音。マイルス・デイヴィスの作曲は2、4曲目。LP時代には2つのアルバムが出たのだけど、CDでは当初これだけで、後から前出のアルバムが出て(しかもLP時代と収録曲が違うもよう)、その後BOXセットという流れです。いずれにしても公式盤ではこのメンバーでの最高のライヴだと思うので、機会があったら一度聴いてみたいところ。ここまでテクニックがあって、自在に演奏が変わっていくのはなかなかないので、まずは1枚というのであれば、このアルバムからか。1曲目からものすごいエネルギーでバンバン飛ばしまくり。そしてフリーの一歩手前の2曲目もあり、連続する自在感もあって緊張感も半端ではないです。そして3曲目では割と優しい曲ですが、やはり、という感じ。そして突っ走るモードの4曲目に突入。

2020/05/24

Cookin' At The Plugged Nickel/Miles Davis

Milescookplug ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの8日目。プラグド・ニッケルのライヴが2枚続きます。実はこれは7枚組(あるいは8枚組)のBOXセットが出ていて、私、数年前に売ってしまったんですよね。ちょっと後悔しています。7枚組の方は何曲かに編集が入っていて、8枚組の方は完全版のようです。ただ、Amazon Music HDを探したら、8枚組がストリーミングで聴けるようで、時間のある時にまとめて聴いてみたいと思います。今回のマイルス特集の中のライヴでは、やはりプラグド・ニッケルが最高の到達点なんじゃないかと思います。とにかく自由自在だし、テクニックも半端ではないですし。

 

Cookin' At The Plugged Nickel/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded December 22 and 23, 1965. Wayne Shorter(Ts), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. If I Were A Bell 2. Stella By Starlight 3. Walkin' 4. Milestones

ライヴ録音。4曲目のみマイルス・デイヴィスの作曲。後年このライヴのプラグド・ニッケルの7枚組(あるいは8枚組)のBOXセットが出るも、処分してしまいました。このアルバムの曲としては、今までのライヴと同じような選曲ですが、時期的にかなり進化したこの5人での演奏を堪能することができます。1曲目も優しいメロディのテーマの曲ですけど、メンバーの過激度はけっこうキていると思います。確かにこの1曲目で、ここまでアドリブやってしまうか、というところが随所に出ていて、聴く価値があると思います。2曲目はテーマはバラードなんだけど、それぞれのアプローチが破綻しない程度に自由ギリギリのことをやっていて、アップテンポの4拍子で盛り上がりもありこれまたスゴい。そして、パワフルな曲は極限までパワフル。

2020/05/23

E.S.P./Miles Davis

Milesesp ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの7日目。このシリーズで追いかけはじめて、久しぶりのスタジオ録音になりました。スタンダードなしの全曲オリジナルでの勝負は冒険だったし、その内容も、さらにジャズの先を見据えたものだったので、ライナーには当時賛否両論あったと書いてあります。むしろ’80年代以降によく出た当時の現代ジャズに近いものを感じますけど、考えてみたらそっちの方がこのアルバムをはじめ、マイルス・デイヴィスからの影響を含めて大きかったのだな、と思います。それにしても、わずか2年間でここまで持ってきたのは、やはりこのメンバーだったからこそ、なんでしょうね。

 

E.S.P./Miles Davis(Tp)(Sony) - Recordeed January 20-22, 1965. Wayne Shorter(Ts), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. E.S.P. 2. Eighty-One 3. Little One 4. R.J. 5. Agitation 6. Iris 7. Mood

久しぶりのスタジオ録音。マイルス・デイヴィス作は1(ウェイン・ショーターと共作)-2(ロン・カーターと共作)、5曲目、ショーター作が6曲目、カーター作が4、7曲目、ハービー・ハンコック作が3曲目。そして更なる進化と深化がある。タイトル曲の1曲目からショーターの影響を受けたテーマではじまりますが、アドリブの部分はアップテンポの4ビートで、メロディらしさを避ける傾向。どことなく新しさのある8ビート、時に4ビートで進んでいく2曲目、エキゾチックなメロディを持つ不思議なバラードの3曲目、モードの演奏の総まとめのようなアップテンポの4曲目、フリーの一歩手前なんだけど、明らかにそれとは違うサウンドを持っている5曲目、浮遊感のある淡い印象のバラードの6曲目、そして静かで哀愁の漂うバラードの7曲目。

2020/05/22

Miles In Berlin/Miles Davis

Milesberlin ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの6日目。やっとここでウェイン・ショーターが加わってきます。2人と一緒に参加している公式のアルバムでは、「Water Babies」の途中までで、計8枚ということに。のちに7枚組BOXの「コンプリート・プラグド・ニッケル」が出て買ったんですけど、残念ながら処分してしまいました。まあ、これは分量が膨大すぎてコメントにならなかったろうとは思いますけど。’60年代では、やはりこのあたりのアルバムが好みですかねえ。ベルリンでショーターが入ると、サウンドの雰囲気が以前とは変わりますね。もちろんジョージ・コールマンもサム・リヴァースもいい仕事はしてましたが、さらに進化するという意味で。

 

Miles In Berlin/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded September 25, 1964. Wayne Shorter(Ts), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. Milestones 2. Autumn Leaves 3. So What 4. Walkin' 5. Theme

ベルリンでのライヴ。マイルス・デイヴィス作は1、3、5曲目。ここでウェイン・ショーターが参加して、いわゆる’60年代の黄金時代のクインテットになります。割と長く活動した方だとは思いますが、進化が止まらず、’67年には再びメンバーチェンジをして次のステップに行くことになります。やはりショーターの参加で、グループの雰囲気はけっこう変わり、ガンガン攻めつつも、サックスは少しミステリアスな感じもあります。曲はこの時代のライヴでは何度も演奏している曲が多いのですが、やはりそれらは表現のための、あくまでも素材だったということが分かります。アドリブも研ぎ澄まされ、曲もさらに柔軟性に富むようになりました。2曲目「枯葉」もここまで自由になったかという感じ。ライヴばかりでの演奏もここでひと区切り。

2020/05/21

Miles In Tokyo/Miles Davis

Milestokyo ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの5日目。アルバムごとに同じ曲が続いても、いつも進化しているグループなので、聴き飽きるということがありません。これを聴いているのが連休中ということもあるけれど、どんどん先を聴きたくなってしまいます。ビル・エヴァンスのように、ある程度の位置まで来たら、そこからはあまり変わらずにマイペースで演奏してきたミュージシャンもいますが、マイルスは常に変わり続けていました。なので、いきなり基礎知識なしにアルバムを適当に選んでしまうと、これではなかった、ということも聞いてますけど。最低限必要な知識(時期的にどういうアルバムか)は必要かと思います。

 

Miles In Tokyo/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded July 14, 1964. Sam Rivers(Ts), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. Introduction 2. If I Were A Bell 3. My Funny Valentine 4. So What 5. Walkin' 6. All Of You

東京でのライヴ。収録時間は54分。マイルス・デイヴィス作は4曲目のみで、あとはおなじみのスタンダードなど。サックスがサム・リヴァースに交代しています。コードに沿った演奏を意識するも、より自由になったイメージがあります。音質が今ひとつか。この頃のグループは日々発展していて、アルバムごとに曲が重なっていても、全く違うことを演奏しているので、全然飽きない面白さがあります。2曲目はミュート・トランペットで聴かせるも、アップテンポでの演奏で、けっこう元気です。メンバーはこーだるにもモーダルにも演奏を発展できるし、テンポも速くなったり遅くなったり、その自在さが聴いていて心地よい。3曲目はバラードですが、この演奏はここだけのもの。4曲目はこれぞモードという演奏をこれでもかと聴かせます。

2020/05/20

Four & More/Miles Davis

Milesfourand ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの4日目。この時期なぜか多いなあ、と思ったら、2種類で1つのコンサートの演奏でした。LPの当時は1年ずらして発売していたようですね。こういう時に演奏通りの曲順の方がいいのかどうか、意見が分かれるところですけど、このアルバムの場合、静と動に分けていて正解だったのでは、と思います。それぞれにいい面がありますし。いや~、それにしても、マイルス・バンド、聴く前はあれほど気が重かったのに(ブログにアップするという意味で)、聴き始めたら楽しくて、今日(5月3日の休日です)は何と午後から4枚も聴いてしまいました。やはり聴いて楽しいのが一番かと。ところで静と動、って一般で言われている言葉なんですね。どこかで読んだ記憶があったのか、どうか。

 

Four & More/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded February 12, 1964. George Coleman(Ts), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. So What 2. Walkin' 3. Joshua - Go Go 4. Four 5. Seven Steps To Heaven 6. There Is No Greater Love - Go Go

「My Funny Valentine」と同日のライヴ録音で、あちらが静ならこちらは動のアルバム。マイルス・デイヴィスの作曲ないし共作は1、4-5曲目で、3曲目はヴィクター・フェルドマン作、他はスタンダード。オリジナルが多めで収録時間は54分ですが、LPを考えると2枚組だったのかと。一部軽めの曲もありますが、これでもかと攻めてくるにぎやかで、あるいはアップテンポの曲が多いのが特徴。1曲目から、だいぶアップテンポでせまってきます。2曲目もかなりのスピード。ライナーによると、この2種類のアルバムで、この日の全曲の演奏を出しているそうですが「Go Go」が2か所にあるところで、前半と後半の終わりにそれぞれ、ということらしいです。とにかく迫力があるし、この後も変わっていくけどここでも相当まとまってます。

2020/05/19

My Funny Valentine/Miles Davis

Milesmyfunny ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの3日目。ライヴでボンボンこの時期出てきます。それだけライヴでの演奏が充実してきたということなんでしょうけど、彼らの場合、ライヴの時はスタンダードなどが多めなので、それも楽しい要因のひとつです。もちろんスタジオ録音のオリジナルもいいですけど。そして、どんどんグループとして柔軟性が出てきて、もう少しするとフリー一歩手前のかなり冒険的な演奏がスリリングだったりするのですが、今回のアルバムはバラード中心で歌心でせまってきます。もうこのあたりは何を聴いてもいいと思うので、文章がけっこう主観的になっているかもしれないですが。

 

My Funny Valentine/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded February 12, 1964. George Coleman(Ts), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. My Funny Valentine 2. All Of You 3. Stella By Starlight 4. All Blues 5. I Thought About You

ニューヨークでのライヴ。ライヴが続きます。収録時間は63分。マイルス・デイヴィスの作曲は4曲目のみで、他はスタンダード。この時期のライヴはスタンダードなどが多くなる傾向があります。アルバムもどんどん出すし、それだけ油が乗っていたということでしょう。1曲目の渋い静かな出だしから、メロディアスにバラードで進行するタイトル曲など、これでつかみはOKというところ。ライヴなので1曲あたりの演奏時間は長くなりますが、LP時代なので2枚組だったのでしょう。全体的に軽めな曲が多いのもこのアルバムの特徴か。2曲目も4ビートになるも少し盛り上がって割とおとなしめ。メロディアスではあるけど、曲というよりは彼らの少し抑制されたジャズを聴いている感じ。そのセンスはなかなか。4曲目は賑やかな演奏かも。

2020/05/18

Miles Davis In Europe/Miles Davis

Mileseuropeハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの2日目。聴いていて、やはり自分のジャズに関する基準はマイルス・デイヴィスだったんじゃないかと思ってます。CD初期に発売されたものが多かったので、当時はゴッチャに何回も聴いてましたが、その後音源には疎遠になり、その間には本も何冊か読んでサウンドの変化なども分かるようになり、改めて聴いてみると、そういうことでした。時系列に判断ができてるようになったってことですね。そんなわけで、ホームページの手直しから封印していた、これらのアルバムを再び聴くようになったということです。特にこの時期は聴いていて楽しいですし。

 

Miles Davis In Europe/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded July 27, 1963. George Coleman(Ts), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Tony Williams(Ds) - 1. Introduction 2. Autumn Leaves 3. Milestones 4. Joshua 5. All Of You 6. Walkin'

マイルス・デイヴィスの作曲は3曲目、ヴィクター・フェルドマンの作曲は4曲目、他はスタンダードなど。有名な曲が多いので、それぞれの曲に関しては説明不要と思いますが、まだ新しいバンドを結成して2か月ほど。その後に見られるようなフリー的になる直前まで発展する強烈なアドリブはありませんが、それでも新主流派のメンバーを入れたことで、サウンド的にかなり新しくなっています。サックスはまだメンバー交替が残っていますけど、基本的にはほぼこのメンバーで長い間続くので、よほどマイルスの当時の現在進行形の設計図に合っていたんだろうと思います。ハービー・ハンコックのピアノは目立つし、トニー・ウィリアムスもまだ17歳だったということで、運命的なものを感じます。作品としても経過点としてもいい。

2020/05/17

Seven Steps To Heaven/Miles Davis

Milessevenst ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加のマイルス・バンドの1日目。本当はここに出てくる12枚のアルバムは、他でも論評されつくしているし、掲載する予定がなかったのですが、ホームページのアルバムコメントの手直し作業が思ったより早く進んで、聴くことにしました。あれほど忌避していたビル・エヴァンスの一連のリーダー作も何とか終わらせることができたのも、理由の一つかも。このアルバムが2人の初参加となったアルバムですが、新旧メンバー半々ずつの収録ですしまだ画期的にサウンドが変わったということではないです。まあ、アルバムの方向性もあったのでしょうが。その後の変容ぶりが楽しみなので、まずはこのアルバムから時系列的に。ちなみに、持っているCDはほぼ初期のプラジャケです。

 

Seven Steps To Heaven/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded April 16 and May 14, 1963. Victor Feldman(P on 1, 3, 5), Ron Carter(B), Frank Butler(Ds on 1, 3 ,5), George Coleman(Ts on 2, 4, 6), Herbie Hancock(P on 2, 4, 6), Tony Williams(Ds on 2, 4, 6) - 1. Basin Street Blues 2. Seven Steps To Heaven 3. I Fall In Love Too Easily 4. So Near, So Far 5. Baby Won't You Please Come Home 6. Joshua

邦題「天国への7つの階段」。ヴィクター・フェルドマン作が6曲目、彼とマイルス・デイヴィスの共作がタイトル曲の2曲目。他はスタンダードなど。半分の曲にハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスが初めてグループに加わっています。新旧グループが交互に曲を演奏しているけど、以前からのグループの方がやはりオーソドックスなジャズで、新メンバーの方が新しい。特にこのアルバムはスタンダードでソフトな曲は多いため、余計にそう感じます。もちろんマイルスは圧倒的な存在感があって、通して聴いてもある程度のゴージャス感があって違和感はありませんけれども。1曲目を聴いた後に2曲目を聴くと、過激ではないにしろ、その新しさ(本領発揮はもっと後だけど)が分かります。あえて交互に配置したのもいい感じ。

2020/05/16

Native Dancer/Wayne Shorter Featuring Milton Nascimento

Waynenative ハービー・ハンコックの競演・参加作の17日目で、これで一段落。楽しさで言ったら、好きなアルバムだけを取り上げてブログにアップした方がいいのですけど、あえてホームページのアルバムコメントの修正作業で、今後聴くことがなかったであろうアルバムにもあたって聴いていくと、ほぼ20年以上ぶりに聴くものが多いので、かえって新鮮な時も多いです。今日のアルバムもその1枚。1曲目のインパクトがかなり強かったので、そのイメージだけでいたのが、ミルトン・ナシメントの参加していない曲は、割といつものウェイン・ショーター(ややおとなしいけど)だな、というのが分かる感じ。こういう出会いも大切だな、と思います。

 

Native Dancer/Wayne Shorter(Ss, Ts, P) Featuring Milton Nascimento(G, Vo)(Sony) - Recorded September 12, 1974. Herbie Hancock(P), Airto Moreira(Per), Dave McDaniel(B), Roberto Silva(Ds, Per), Wagner Tiso(Key), Jay Graydon(G, B), David Amaro(G) - 1. 1. Ponta De Areia 2. Beauty And Beast 3. Tarde 4. Miracle Of The Fishes 5. Diana 6. From The Lonely Afternoons 7. Ana Maria 8. Lilia 9. Joanna's Theme

ウェイン・ショーター作が2、5、7曲目、ハービー・ハンコック作が9曲目。ミルトン・ナシメントが大半の曲(1、3-4、6、8曲目)で作曲(共作を含む)と演奏、歌で参加していて、ブラジルの広い大地やのどかな風景を思わせるような曲調が多いです。ショーターとの相性もけっこう良い感じ。ショーターのアルバムの中では異色作ですが、ブラジル音楽がややジャズに寄り添っているというスタンスか。1曲目はヴォイスではじまり、素朴な歌の曲なのでほのぼのとします。8曲目は5拍子でやや硬派なサウンド。ナシメントの曲でないものは、いつもの彼らしいサウンドで、どことなく牧歌的。サックスがけっこう良い感じのフレーズを奏でています。 ジャズという感じでもなく、その素朴さにかえって受けるインパクトが大きいと思います。

2020/05/15

Jack Johnson/Miles Davis

Milesjackj ハービー・ハンコックの競演・参加作の16日目。この時代(’60年代末から’70年代にかけて)のマイルス・デイヴィスはけっこうホームページにアップしてきたと思ったのですが、今日のアルバムは参加メンバーが少なくて、関係するのがハンコックだけだったので、今になってのアップになりました。これをきっかけに、もう少ししたらちょっとさかのぼって’60年代のいわゆる黄金時代のマイルス・クインテットも手をつけようと思っています。いずれにしてもこのペースならば年内に終わると思いますし。しかしこのアルバム、「オリジナル・サウンド・レコーディング」と書いてありますけど、どういう風に切り取って映画に使ったのか、けっこう興味は尽きないです。いずれ機会があれば観たいですね。

 

Jack Johnson/Miles Davis(Tp)(Sony) - Recorded April 7, 1970. Steve Grossman(As), Herbie Hancock(Key, Org), John McLaughlin(G), Michael Henderson(B), Billy Cobham(Ds) - 1. Right Off 2. Yesternow

マイルス・デイヴィスの作曲ですが、テーマだけ決めて即興で演奏する一発ものの曲。元はサウンドトラック。ここではパーカッションがなく、シンプルで強力なロックのビートにのって演奏が繰り広げられています。これだけシンプルなロックビートはこの前後のアルバムでは見られず、映画のためにこういうパーカッションを省いた編成にしたと思われます。2曲とも25分以上の長尺もので、しかも基本的には一発モノですが、1曲目はイケイケのロックで、2曲目は静か。ハービー・ハンコックもキーボードで演奏をしていますが、リズムの2人とギターを合わせ、これもかなりロック的。意外にスティーヴ・グロスマンが渋いフレーズを連発しています。これをどのように使ったか、映画を観てみたい気もしてますが、音楽だけでもなかなか。

2020/05/14

Red Clay/Freddie Hubbard

Freddieredcハービー・ハンコックの競演・参加作の15日目。CTIはこの時期けっこう有名だったレーベルで、ジャズが落ち込む中、アレンジを聴かせたアルバムを作る一方で、こういうジャズのアルバムを有名なミュージシャンを集めて作っていました。ジャスと言ってもサウンド的にはエレキピアノを使っていたり、ビート感が何となく’70年代っぽいというところはありますけど。ある意味当時のジャズメンたちの救世主でもあったのだろうと思います。ミュージシャン別にはいくらかこのレーベルの手持ちがありますが、もっと力を入れて集めて聴いてみたかったなあ、という気持ちもありますね。それももう50年近く前の話なんですが。

 

Red Clay/Freddie Hubbard(Tp)(CTI) - Recorded January 27 - 29, 1970. Joe Henderson(Ts), Herbie Hancock(Key), Ron Carter(B), Lenny White(Ds) - 1. Red Clay 2. Delphia 3. Suite Sioux 4. The Intrepid Fox

全曲フレディ・ハバードの作曲。オールスターキャストで繰り広げられるジャズ。CTIとしてはけっこうジャズ寄りなのですが、4ビートでない曲もあったりエレキピアノが使われているのは時代のせいでしょうか。それでも12分台の1曲目のタイトル曲のように、8ビートのリズムの上をゴリゴリと迫ってくるフレーズはけっこう快感です。出だしトラストはフリーっぽい感じですけど、テーマに入るとジャズロック的な曲になります。2曲目は静かにはじまりゆっくりと盛り上がる8分の6拍子のブルースのような曲。ペンタトニック主体のテーマのような部分と、アップテンポの、あるいはその半分速の4ビートの入り組んだ繰り返しのスリルのある3曲目。4曲目はテーマのカッコ良いアップテンポの4ビートジャズ。フレーズも斬り込んできます。

2020/05/13

Road Song/Wes Montgomery

Wesroadsong ハービー・ハンコックの競演・参加作の14日目。そしてウェス・モンゴメリーの最終作。この路線でもっと’70年代以降も続いてくれたらと思っても、こればかりは寿命があるので止むを得ません。以前のアルバムと違うのは木管楽器が前面に出てきて、クラシック・バロック調のアレンジが特徴になりました。ウェスのギターは分かりやすいうえにところどころテクニックがあるなあ、と思わせる演奏で、安心感があります。その時代の有名な曲のいくらかは、今聴いても分かる名曲になっていますし。じっくり聴くのも良し、BGMにも良し、というのは、なかなかジャズではありそうでなさそうではありますね。

 

Road Song/Wes Montgomery(G)(A&M/CTI) - Recorded May 7-9, 1968. Herbie Hancock(P on 1-7, 9), Hank Jones(P, Harpsichord on 3-6), Sivert Johnson(Harpsicord on 1-2, 7, 9), Eric Leber(Harpsichord on 8), Richard Davis(B on 1-7, 9), Ed Shaughnessy(Ds on 1-7, 9), Grady Tate(Ds on 3-6), Ray Barretto(Per on 1-2, 7, 9), Jack Jennings(Per on 1-2, 7, 9), Don Sebesky(Arr), etc. - 1. Road Song 2. Greensleeves 3. Fly Me To The Moon 4. Yesterday 5. I'll Be Back 6. Scarborough Fair(Canticle) 7. Green Leaves Of Summer 8. Serene 9. Where Have All The Flowers Gone?

ウェス・モンゴメリーの最後のアルバム。収録時間は30分。ビートルズやS&Gなどの有名な曲がこれでもかと並んでいるイージー・リスニング・ジャズですが、親しみやすいメロディのせいか、けっこう印象に残ります。ドン・セベスキーのアレンジも木管やストリングスが中心で、バロック音楽を何となくイメージさせて、ゆったりとしている印象。3日間の録音ですが、それぞれの日によって参加者が違っています。それでもこの時期でこれだけ豪華なアルバムを制作できるというのは、やはりこのあたりの彼のアルバム、けっこう売れていたということなんでしょう。時にテクニックを見せるところもありますが、メインはあくまで聴かせやすいメロディをというところはあったと思います。8曲目は彼のギターとストリングスによるバラード。

2020/05/12

Down Here On The Ground/Wes Montgomery

Wesdownhere ハービー・ハンコックの競演・参加作の13日目。このアルバムはきちっとしたアレンジの中にも、ジャズの曲を入れたりしてウェス・モンゴメリーのテクニックの部分も見せたり、3作ある中では一番地味だけどマニアックなアルバムかなあ、と思います。ソロ・ギターでの聴かせどころもあったりしますしね。まだこの時点でも録音が’67年なので、クリード・テイラーは先を見る目があったと思います。ただ、次のアルバムを作ってウェスが亡くなってしまうのは非常に残念なんですけれども。自分にとって苦手とする’60年代以前のアルバムでも、ジャズ史的にはこういうアルバムもあったりフリーもあったりで、やってみるとけっこう面白いです。

 

Down Here On The Ground/Wes Montgomery(G)(A&M/CTI) - Recorded December 20-21, 1967 and January 22, 26, 1968. Ron Carter(B), Grady Tate(Ds), Herbie Hancock(P), Bobby Rosengarden(Per), Ray Barretto(Per), Mike Mainieri(Vib), Hubert Laws(Fl), etc. - 1. Wind Song 2. Georgia On My Mind 3. The Other Man's Grass Is Always Greener 4. Down Here On The Ground 5. Up And At It 6. Goin' On To Detroit 7. I Say A Little Prayer For You 8. When I Look In Your Eyes 9. Know It All 10. The Fox

収録時間は31分。これで10曲なのでテーマのエッセンスを強調してアドリブを抑え気味にしたコンパクトな曲が多いです。それがポップスとの共通性をイメージさせるのかな。ウェス・モンゴメリーのA&M/CTI3部作の中ではやや地味かなと思える選曲ですけれど、ジャズっぽいビートの曲が比較的多いアルバム。とは言うものの聴きやすい、あるいは有名な曲もあるしでイージー・リスニング・ジャズの範疇と思います。3、7曲目にはジャジーでギター度が満点の曲も入ってます。ほとんどの曲はドン・セベスキーのアレンジ(4曲目のみデオダートがアレンジ)。それでもウェスのギターのオクターヴ奏法が完璧なので、聴きやすいながらも聴き惚れてしまうのは間違いないと思います。特にこのアルバムはテクニックを出しています。

2020/05/11

A Day In The Life/Wes Montgomery

Wesadayin ハービー・ハンコックの競演・参加作の12日目。ウェス・モンゴメリーのアルバムが少し続きます。この1曲目、確か小学校か中学校の放送でよく音楽がかかっていたので、かなりはっきりと覚えています。ウェス自体もこっちの方から入ったので、むしろ前期のバリバリのジャズギタリストだった方が意外でした。ここでも売れセンをけっこう意識したつくりにはなっているけれども、ギターは単にメロディを弾けているというだけではなくて、ジャズも弾けるんだけど余裕でこういう音楽もできるんだよ、という雰囲気を漂わせているところがいいですねえ。しかもピアノにハービー・ハンコックでベースがロン・カーターというぜいたくな布陣。ジャケ写もタバコは今なら使えないだろうなあ、と、歴史も感じます。

 

A Day In The Life/Wes Montgomery(G)(A&M/CTI) - Recorded June 6-8, 26, 1967. Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Grady Tate(Ds), Ray Barretto(Per), Jack Jennings(Per), Joe Wohlets(Per), George Marge(Bfl), Romeo Penque(Bfl), Joe Soldo(Bfl), Stan Webb(Bfl, Woodwinds), Phil Bodner(Woodwinds), Ray Alonge(French Horn), Margaret Ross(Harp) and Strings - 1. A Day In The Life 2. Watch What Happens 3. When A Man Loves A Woman 4. Carifornia Nights 5. Angel 6. Eleanor Rigby 7. Willow Weep For Me 8. Windy 9. Trust In Me 10. The Joker

収録時間は34分。アレンジと指揮はドン・セベスキー。1曲目のタイトル曲からして説明不要なほど有名で、アレンジも秀逸なアルバムですが、いわゆるストリングスの入ったイージー・リスニング・ジャズ。おなじみの曲がずずっと並んでいます。ここでハービー・ハンコックは全面的に参加していて、全体の雰囲気をこわさないようにおとなしく演奏しています。ただし、どの曲も良い出来であることは確かです。クリード・テイラーと組んでからは売れセンに走ったんじゃないか、と言われますが、その代わりにけっこうメロディの良い曲が多く、アレンジと相まって、印象深い曲も多くて記憶に残ります。いつ聴いても分かりやすいギターのメロディは、ジャズというよりウェス・モンゴメリーの知名度をかなり広げるのに役に立ったのではと。

2020/05/10

Cyrillus Kreek/The Suspended Harp Of Bebel/Vox Clamantis/Jaan-Eik Tulve

2620 ECM New Seriesの新譜が来たので、先に割り込ませて聴いていきます。収録時間は69分と少々長めですが、少しエキゾチックで宗教的な響きのある合唱は心を落ち着かせます。ニッケルハルパという楽器は、ヴァイオリンに似た民族楽器です。Vox Clamantisは他のアルバムでも以前出ていましたけど、やはりエストニアの合唱団。うまく民族的な要素が合わさって、なかなかいい感じに仕上がっています。Kannelというのは携帯型のハープという感じで少し低めな音が出ます。合唱だけで進行する場面が多いですが、時々これらの楽器が絡む場面、もしくはインストルメンタルの場面があるところもあります。

よく考えてみるとECMも新譜はハイレゾ配信されているので、CDで追っかけなくても(クレジット等は本家ホームページを参照して)いいのではないか、という自己矛盾に陥ってもいますけれども...。

 

Cyrillus Kreek/The Suspended Harp Of Bebel/Vox Clamantis/Jaan-Eik Tulve(Cond)(ECM New Series 2620)(輸入盤) - Recorded April 2018. Marco Ambrosini(Nyckelharpa), Angela Ambrosini(Nyckelharpa), Anna-Liisa Eller(Kannel) - 1. Paeval Ei Pea Pailene/The Sun Shall Not Smite Thee (Psalm 121) 2. Kui Suur On Meie Vaesus/Whilst Great Is Our Poverty 3. Jakobi Unenagu/Jacob's Dream - Alguslaul/Proemial Psalm (Psalm 104) 4. Ma Tulen Teevast Ulevelt/From Heaven Above To Earth I Come 5. Kiida, Mu Hing, Issandat/Bless The Load, My Soul (Psalm 104) 6. Mu Suda, Arka Ules/Awake, My Heart 7. Kiitke Issanda Nime/Praise The Name Of The Lord (Psalm 135/136) 8. Kas On Linnukesel Muret?/Do The Birds Worry? 9. Issand, Ma Huuan Su Poole/Lord, I Cry Unto Thee (Psalm 141) 10. Kes Jumalat Nii Laseb Teha/He, Who Lets God Prevail 11. Paabeli Jogede Kaldail/By The Rivers Of Babylon 12. Viimane Tants/The Last Dance 13. Oh Jeesus, sinu Valu/O Jesus, Thy Pain - Dame, Vostre Doulz Viaire

(20/05/09)Cyrillus Kreekは20世紀エストニアの作曲家。これをエストニアのVox Clamantisが歌っています。彼の作曲は3曲目前半、12、13曲目後半以外の全部で、民族音楽起源のものも。12曲目はニッケルハルパ演奏の2人のもの、3曲目前半はエストニアのルーン文字の歌、そしてGuillaume De Machaut作の13曲目後半。民族的要素のある宗教音楽という感じの演奏は心地よい混成合唱と教会の響きが心を落ち着かせます。

2020/05/09

Take A Look/Natarie Cole

Natalietakea ハービー・ハンコックの競演・参加作の11日目。今日はちょっと順番を変えて、手直しの中の’80年代以降で唯一残っていたアルバムを急に聴きたくなったもので。このナタリー・コールも’15年に亡くなっているんですね。3回結婚したうちのこの時期2回目の配偶者がアレンジのアンドレ・フィッシャーということが分かり、ちょうどこの時期3枚連続ぐらいでジャズ寄りのアルバムを作っていることと、やはり関係があるのかも、と思います。それにしても豪華なアルバムですね。最近では普通なら40分ぐらいでまとめてしまうところを、あえて64分収録というのも、お腹いっぱいだし、当時のCD制作は長い時間のものが多かったでした。

 

Take A Look/Natarie Cole(Vo)(Elektra) - Released 1994. (8, 11曲目のパーソネル)Herbie Hancock(P), John Clayton(B), John Chiodini(G), Jeff Hamilton(Ds), (18曲目のパーソネル)Herbie Hancock(P), John Clayton(B), John Chiodini(G), Harold Jones(Ds) - 1. I Wish You Love 2. I'm Beginning To See The Light 3. Swingin' Shephered Blues 4. Crazy He Calls Me 5. Cry Me A River 6. Undecided 7. Fiesta In Blue 8. I'm Gonna Laugh You Right Out Of My Life 9. Let There Be Love 10. It's Sand Man 11. Don't Explain 12. As Time Goes By 13. Too Close For Comfort 14. Calypso Blues 15. This Will Make You Laugh 16. Lovers 17. All About Love 18. Take A Look

ナタリー・コールがジャズに近づいていた時期の、ゴージャスなミュージシャンを迎えゴージャスな演奏を聴かせるアルバム。スタンダードが中心。64分収録で、少しお腹一杯。曲数が多いことも特徴ですが、それぞれの曲に力が入っています。さすがに大手が資金を投入していることはある、と思わせる仕上がり。曲によってオーケストラやビッグバンドがバックで、これまた非常に豪華。とは言うものの、歌唱はいつものナタリー・コール。でも、ジャズヴォーカルにも向いてますね。ハービー・ハンコックは8、11、18曲目に参加していますが、ハンコック度はほとんどなし。まあ、そういうアルバムなので、クレジットを気にせずに聴いてもいいかと。プロデューサーも曲により、トミー・リピューマとアンドレ・フィッシャーが適材適所で。

2020/05/08

California Dreaming/Wes Montgomery

Wescalifor ハービー・ハンコックの競演・参加作の10日目。まだレーベルはVerveですけど、クリード・テイラーのプロデュース。こういうアルバムを作るようになってから、ウェス・モンゴメリーもそうだけど、ジャズの様相が変わってきたのかなあ、と思います。私も’70年代半ばの中学生の時、こっち方面に飛びついたのはまずCTIレーベルのアルバムからだったので、確かにその頃は売れているジャズとかクロスオーヴァーとかいうとこういう感じでした。それがこのアルバムは’66年の録音だったのだから、先を見る目があったのでしょうね。ウェスはだいぶこっち方面の人と思ってましたけど、前期のジャズバリバリの演奏を大人になってから聴いて、意外だった記憶があります。もちろん良かったでしたが。

 

California Dreaming/Wes Montgomery(G)(Verve) - Recorded September 14-16, 1966. Herbie Hancock(P), Richard Davis(B), Grady Tate(Ds), Ray Barretto(Per), Don Sebesky(Arr), etc. - 1. California Dreaming 2. Sun Down 3. Oh You Crazy Moon 5. Without You 6. Winds Of Barcelona 7. Sunny(Alternate Take) 8. Sunny 9. Green Peppers 10. Mr. Walker 11. South Of The Border

ウェス・モンゴメリー作は2、10曲目のみで、他は当時の流行りの曲が多い感じ。クリード・テイラーがプロデュースの、俗に言うイージー・リスニング・ジャズですが、ドン・セベスキーのアレンジもあって、印象に残る曲が多いです。39分で11曲と、短めな曲が多いですが、その分きっちりと内容が詰まっているサウンドです。ギターをじっくり聴いていてもBGMにしてもけっこう満足のいくアルバム。出だしの1曲目のメロディは、ウェスの効果的なオクターヴ奏法が効果的に使われていて、特に印象が強かったでした。ハービー・ハンコックは2曲目などでピアノソロもありますけれど、いたって真っ当に曲の雰囲気に沿ってピアノを弾いています。 ウェスの曲は、以前の彼らしい曲だし、他のバラードなども含めトータルで聴けるアルバム。

2020/05/07

Blue Spirits/Freddie Hubbard

Freddiebluesp ハービー・ハンコックの競演・参加作の9日目。実はハンコックはCD時代になって未発表演奏のみに参加、というのはここにあげておいていいのだろうか、という疑念もあります。ブルーノートは何度も再発してますし、未発表演奏や別テイクを加えたもの、オリジナルフォーマットで出したものなど、何種類もありますからね。まあ、たまたま自分の手持ちのCDが本編も曲順が変わって、こういう形態で発売されたもの、と考えていただければ。ジャズロック的な8ビートも入ってきてますし、ラストの7曲目はフリーの演奏に近いしと、当時のジャズシーンを表しているアルバムだと思います。ホーンが多くて、そのアレンジも楽しめます。

 

Blue Spirits/Freddie Hubbard(Tp)(Blue Note) - Recorded March 5, 1966.(and February 19 and 26, 1965.) James Spaulding(As, Fl on 1-5), Joe Henderson(Ts on 1-2, 6-7), Hank Mobley(Ts on 3-5), McCoy Tyner(P on 3-5), Herbie Hancock(P, Celeste on 6-7), Elvin Jones(Ds on 6-7), Kiane Zawadi(Euphonium on 1-5), Harold Mabern Jr.(P on 1-2), Larry Ridley(B on 1-2), Clifford Jarvis(Ds on 1-2), Big Black(Per on 1-2), Bob Cranshaw(B on 3-5), Pete La Roca(Ds on 3-5), Hosea Taylor(Bassoon opn 7), Reggie Worklam(B on 6-7) - 1. Soul Surge 2. Cunga Black 3. Outer Forces 4. Blue Spirits 5. Jodo 6. The Melting Pot

全曲フレディ・ハバード作曲。ハービー・ハンコックは未発表演奏のボーナストラックのみの6-7曲目に参加。8ビートで割と当時の感覚のクインテットの6曲目と、バスーンも参加の冒険的でアグレッシヴな面の多い、ある意味フリーな7曲目。1-5曲目は4管編成のブラス・サウンドのハーモニーが美しくてカラフルなアルバム。両者のバランスはとれている感じで、本編も録音順に並べ替えてあるようです。10分台の8分の7拍子基調のジャズロックが当時を物語る1曲目、やはり8ビートでメロディアスなサウンドがなかなかいい2曲目、カラフルなテーマと割とオーソドックスな4ビートの3曲目、12分台の重厚なテーマで、少しホンワカした8分の6拍子のアドリブ部のタイトル曲の4曲目、シャープなサウンドがカッコいい5曲目。

2020/05/06

Happenings/Bobby Hucherson

Bobbyhappen ハービー・ハンコックの競演・参加作の8日目。ブルーノートも4200番台に入ってきてますが、割と初期に国内盤CD化されたアルバムで、当時かなり聴き込んだアルバムの中の1枚です。まだ、時代によってジャズの変遷とかがあまり分かってなかった頃かな。今改めてメンバーを見ると、アコースティックベース時代のボブ・クランショウの名前が。’70年代はエレキベースでソニー・ロリンズのバンドで有名でした。このアルバムも本当に久しぶりに聴いたのですけど、7曲目にフリーの曲が入っているあたりが当時らしいなあと思います。でも、ジャケットのインパクトもそうですけど、今でも印象に残るアルバムの1枚であることは確かなようです。

 

Happenings/Bobby Hucherson(Vib)(Blue Note) - Recorded February 8, 1966. Herbie Hancock(P), Bob Cranshaw(B), Joe Chambers(Ds) - 1. Aquarian Moon 2. Bouquet 3. Rojo 4. Maiden Voyage 5. Head Start 6. When You Are Near 7. The Omen

4曲目以外はボビー・ハッチャーソンの作曲。ヴァイブラホンとピアノのクァルテットの編成。ヴァイブラホンのみならず、ホーンなしのこのメンバーのブルーノートサウンドも当時は新鮮だったと思います。1曲目からホーンがなくても緊張感をはらみながらアップテンポの4ビートで快調に飛ばしまくります。3拍子でゆったりした、不思議なバランスを持っている2曲目、ラテンタッチのリズムで割と軽快に突っ走っている3曲目、ハービー・ハンコック作の有名な曲だけど、このメンバーのヴァイブラフォンの効いた落ち着いたアレンジでもけっこういいと思う4曲目、モードのシンプルでノリの良いストレート・アヘッドなアップテンポの4ビートの5曲目、メロディアスな、かつ哀愁漂う静かなバラードの6曲目、陰影のあるフリーな展開の7曲目。

2020/05/05

Adam's Apple/Wayne Shorter

Wayneadams ハービー・ハンコックの競演・参加作の7日目。偶然なのかどうなのか、同じミュージシャンのリーダー作が続くことが多いです。実はこの前の「The All Seeing Eye/Wayne Shorter」というアルバムも参加作なんですが、’03年に新しい形式でコメント済み。時期が時期なので、まだブログがなかった時でもあります。個人的な好みから言うと「Speak No Evil」や「Ju Ju」の方は好きかなあ、というのはありますけど。それにしても’60年代以前というのは私は聴くのは好きでも書くのがあまり得意ではないので、少々荷が重い感じもしています。このあたりだと他にいくらでも素晴らしいレビュー、ありますからね。

 

Adam's Apple/Wayne Shorter(Ts)(Blue Note) - Recorded February 3 and 24, 1966. Herbie Hancock(P), Reginald Workman(B), Joe Chambers(Ds) - 1. Adam's Apple 2. 502 Blues (Drinkin' And Drivin') 3. El Gaucho 4. Footprints 5. Teru 6. Chief Crazy Horse 7. The Collector

だんだんウェイン・ショーターの曲(1-6曲目)やフレーズに個性的な深みが増してきます。しかもここではワン・ホーンで勝負。時代も少し進んで’66年というジャズのある意味成熟期。1曲目のみ2月3日の録音。ジャズロック的なビートの上をサックスがおおらかに舞うタイトル曲の1曲目、8分の6拍子での哀愁漂うテーマの、1曲目もブルース進行っぽかったけどこれもブルースの2曲目、ボサノヴァっぽいリズムで、けっこうノリの良い3曲目、言わずと しれた有名な曲ですが、ここでの演奏はいわゆるジャズっぽいサウンドの4曲目、ミステリアスで幻想的な雰囲気が漂うバラードの5曲目、テーマのリフの繰り返しが魔術的な印象もある6曲目。極めて自由でシャープなボーナストラックの7曲目は、ハービー・ハンコック作です。

2020/05/04

Speak No Evil/Wayne Shorter

Waynespeak ハービー・ハンコックの競演・参加作の6日目。すでにアルバムコメントが直っているものが飛び飛びにあるので、こちらの方も飛び飛びになってしまいます。今日はウェイン・ショーター。この時期のショーターはけっこう好きなサウンドで、改めて参加メンバーを見ると、なるほど、と思ったりします。実はこのあたりがアルバムコメントの形式の移行の過渡期で、2行から5行へ徐々に増えていくところで、前の文章はなるべく活かしたいので、そうするとあまり書き足すことがなくなっています。ちなみにこのアルバムは元が4行。あまり形式的な部分にこだわっても、と思っても、枠組みを決めておかないと長続きしない、というのも理由のひとつです。

 

Speak No Evil/Wayne Shorter(Ts)(Blue Note) - Recorded December 24, 1964. Freddie Hubbard(Tp), Herbie Hancock(P), Ron Carter(B), Elvin Jones(Ds) - 1. Witch Hunt 2. Fee-Fi-Fo-Fum 3. Dance Cadaverous 4. Speak No Evil 5. Infant Eyes 6. Wild Flower

メンバーがスゴい、という事もありますが、全曲オリジナルでどの曲もウェイン・ショーターの個性が出ていて、いわゆる黒魔術的な妖しさが漂ってくる曲も。特に1、4曲目。サックスのフレーズもまたしかり。ピアノも雰囲気を察してやや怪しげ。1曲目は出だしで何がはじまるかと思ったら、テーマがかなり怪しげなサウンドが。モード基調だし、なかなかやるなあという感じ。フレディー・ハバードは活躍はしていますが、ややオーソドックスという感じも。比較的優しい雰囲気のミディアムの4ビートの2曲目、メロディやアドリブの進行に浮遊感が漂う3曲目、やはりモード基調のシンプルな曲なのだけど、十分に怪しげなサウンドのタイトル曲の4曲目、静かで幻想的なバラードの5曲目、流麗なテーマとアドリブの対比が印象的な6曲目。

2020/05/03

The Standard/Sonny Rollins

Sonnystandard ハービー・ハンコックの競演・参加作の5日目。参加作と言いながらここでも10曲中3曲の参加にとどまっているのは少々残念ですが、このあたりの時期のアルバムはやはりリーダーで聴く、というのがあると思います。そういう点で行くとけっこう満足の高いアルバムになると思いますけど、どうでしょう。個人的には’60年代以前のアルバムって、他に書いている人も多くて、なかなか自分的には書きづらいところもあるんですが、例えばストリーミングなどで再生しながら付随的に読んでもらえるといいのではないかと思います。サイド作で聴いていないものの方が多いけど、それでも手持ちだけでも満足度が高いので、これで良しとしておきます。

 

The Standard/Sonny Rollins(Ts)(RCA) - Recorded June 11, 23-24, 26 and July 2, 9, 1964. Bob Cranshaw(B on 1-5, 7-10), Mickey Roker(Ds on 1-5, 7-10), Jim Hall(G on 3, 6, 8, 10), Herbie Hancock(P on 4, 6 ,9), Dave Izanson(B on 6), Teddy Smith(B on 6), Stu Martin(Ds on 6) - 1. Autumn Nocturne 2. Night And Day 3. Love Letters 4. My One And Only Love 5. Three Little Words 6. Travelin' Light 7. I'll Be Seeing You 8. My Ship 9. It Could Happen To You 10. Long Ago (And Far A Away)

ソニー・ロリンズのスタンダード集。収録時間は35分で10曲入っていて、1曲あたりの演奏時間はプロデュースの方針もあってかかなりコンパクトですが、サックスの歌心は健在です。ピアノレス・トリオでも3曲(1-2、7曲目)あります(ピアノの代わりにギターの入っている曲は4曲)。ハービー・ハンコックは4、6、9曲目に、ジム・ホールは3、6、8、10曲目に参加。サックスを盛り上げています。6曲目が実験的な感じで、アルコのベースとピチカートのベースの2台が入っている演奏。ただ、役割をはっきりと分けているので、あまり実験的には聴こえません。スタンダード集ということもあり、流ちょうなサックスが軽妙洒脱な印象も受けます、それにしてもどんなフォーマットでもロリンズのサックスとして完成されているのはすごい。

2020/05/02

Now's The Time/Sonny Rollins

Sonnynows ハービー・ハンコックの競演・参加作の4日目。RCA時代のソニー・ロリンズのアルバムが続きます。これも久しぶりに聴いたのですが、せっかくハンコックが出ているのに、参加している曲が8曲中3曲。ちょっともったいないなあと、聴く前には思ってました。でもさすがロリンズ、ピアノレスでも十分聴かせてくれて、楽しませてくれます。1曲が短いということも、その流ちょうな演奏で忘れてしまいますし。最近は決まって「サキソフォン・コロッサス」を何度もかけていましたけど、このあたりのアルバムもけっこういいなあ、と思った次第です。RCAではもう1枚参加作があるので、また聴いていきたいと思います。

 

Now's The Time/Sonny Rollins(Ts)(RCA) - Recorded February 14 and 18, 1964 (and January 20, 1964). Herbie Hancock(P on 1, 6-7), Ron Carter(B on 1, 5-7), Roy McCurdy(Ds), Bob Cranshaw(B on 2-4, 8), Thad Jones(Cor on 4) - 1. Now's The Time 2. Blue'n Boogie 3. I Remember Clifford 4. Fifty-Second Street Theme 5. St. Thomas 6. Round Midnight 7. Afternoon In Paris 8. Four

ソニー・ロリンズのジャズメン・オリジナル集。彼自身の有名な曲も5曲目に。収録時間は34分で短めの曲が多いですが、有名な曲ばかりなので親しみやすい演奏。ピアノレス・トリオの演奏も5曲(2-5、8曲目)あります。ハービー・ハンコックは1、6-7曲目に参加(ちなみにこれらの曲のベースはロン・カーター)していて、ピアノ度はけっこう高い方かもしれません。それでもロリンズはピアノレスでも十分いい演奏が聴けるので悩ましいところ。あえてピアノを少なめにして、それでいて全体がいい感じに流れていきます。2、4、8曲目のアップテンポの演奏もけっこうスリリング。1曲目のタイトル曲はチャーリー・パーカー作の有名な曲。これぞ、という雰囲気で演奏するロリンズは風格が漂います。どこを聴いてもいい演奏ですね。

 

2020/05/01

After The Bridge/Sonny Rollins

Sonnyafterthe ハービー・ハンコックの競演・参加作の3日目。今日から少しソニー・ロリンズのアルバムが続きます。今日のアルバムは’82年にLPで出て、その後’94年にCDで発売されたRCA時代の別テイク、未発表曲集。ロリンズのことなので、そういうアルバムでも全然そん色はないので、安心して聴けます。こういうトップミュージシャンになってくると、そういうアルバムもけっこう多いですね。ロリンズも’80年代より後はまとめていて、その他の追っかけミュージシャンがあるときも取り上げてはいるのですが、マイペースすぎる人なので、全部ブログにアップしようとする気持ちにはなかなかならないところ。というよりはこの人だと、他でいい論評をたくさん見つけることができますし。

 

After The Bridge/Sonny Rollins(Ts)(RCA) - Recorded January 24, June 11, July 2, 1964. (and January 20, 1964.) - Thad Jones(Cor on 4) Bob Cranshaw(B on 4, 9-10), Roy McCurdy(Ds on 1-8), Herbie Hancock(P on 2-3, 6-7, 9-11), Ron Carter(B on 1-3, 5-8), Jim Hall(G on 11), Dave Izenson(B on 11), Teddy Smith(B on 11), Stu Martin(Ds on 11), Mickey Roker(Ds on 9-10) - 1. Fifty-Second Street Theme 2. Django 3. Now's The Time 4. I Remember Clifford 5. St.Thomas 6. Afternoon In Paris 7. Four 1 8. Four 2 9. Winter Wonderland 10. When You Wish Upon A Star 11. Travelin' Light

後から発売された、ソニー・ロリンズのRCA時代の別テイク集でCD2枚組。彼の作曲は5曲目のみで、セロニアス・モンク作のアップテンポの1曲目、ジョン・ルイス作の2、6曲目、チャーリー・パーカー作の3曲目、ベニー・ゴルソン作の4曲目、マイルス・デイヴィス作の7-8曲目、その後はスタンダード。長い曲も数曲あって、未発表曲も3曲(2、9-10曲目)あります。ただ、出来は良いのだけれどもサックスのフレーズがオリジナルのアルバムに収録されたものに比べ、けっこうマニアックなものも。1、4-5、8曲目はピアノレスだけど、さすが別テイクでもロリンズという感じ。11曲目は2ベースという異色な編成。ハービー・ハンコックは2-3、6-7、9-11曲目に、ジム・ホールは11曲目に参加。ここまで追いかけてもいい。

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