From This Place/Pat Metheny
また新譜が届きましたので、聴いていきます。繁忙期でもあるので、更新が途切れる日があるかもしれませんが。まず、すでにあちこちで話題になっているパット・メセニーの問題作から。実はストリーミングで出だしからしばらく、CDが届く前に聴いてみたのですが、これはCDで最初から最後まで聞く作品だと思いました。そしてCDが届いてからじっくり聴きましたけど、いやあ、すごいわ、このアルバム、という印象がまず出てきて、もうジャズとかフュージョンとか言う前に、メセニーの音楽世界が出来上がってしまっているのだなあ、という感想です。まあ、説明しきれないので、まずは聴いてくれ、というのはちょっと反則技かもしれないですけれども。
From This Place/Pat Metheny(G, Key)(Nonesuch)(輸入盤) - Released 2020. Gwilym Simcock(P), Linda May Han Oh(B, Voice), Antonio Sanchez(Ds) with Meshell Ndegeocello(Vo), Gregoire Maret(Harmonica), Luis Conte(Per) and The Hollywood Studio Symphony, Joel McNeely(Cond) - 1. America Undefined 2. Wide And Far 3. Your Are 4. Same River 5. Pathmaker 6. The Past In Us 7. Everything Explained 8. From This Place 9. Sixty-Six Bonus Track: 11. Love May Take A While
(20/02/25)全曲パット・メセニーの作曲で、ジャズやフュージョンというよりも、76分間、ボーナストラックを含めた壮大なメセニーの叙事詩と言わざるを得ないようなアルバムに仕上がっています。個々のパートのソロを聴けるところも所々にあるけれど、もうこれは一気に聴きとおすためにあるような内容。年齢を経て、ある程度枯れてきたという感じもあるけど、その熟練性が作曲、演奏面の両方に現れています。確かにスゴい曲であり、演奏内容も素晴らしいのだけど、それだけにこのアルバムの完成度はただものではない、と思います。場面によってはオーケストラを入れたり、ゲストを招いたりしているけど、常に、穏やかさを見せつつも前進して今ある姿を見せてくれた、という感じです。もちろんギターを楽しむ聴き方もあり。
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コメント
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おっしゃる通り、尋常な完成度でないとおもいます。
凄すぎました。
彼自身の演奏も、素晴らしくて、まだまだ、やるなぁ。。と、思いました。
久しぶりにトラバしますね。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-54aa25.html
投稿: Suzuck | 2020/02/29 09:14
>Suzuckさん
コメントどうもありがとうございます。
最初途中までストリーミングで聴いていたのですが、それではもったいなくて、それでCDで改めて聴いたら、長い割に一気に聴けてしまって、これはすごいわ、ということになりました。値段もお手頃なので、非常に良かったです。
投稿: 工藤 | 2020/02/29 10:19
工藤さん,こんばんは。
このアルバムは強烈でしたねぇ。予算も時間も無茶苦茶掛かっていますが,クァルテットの演奏は優れているのは当然として,このアルバムの価値を上げたのは,オーケストレーションであったという感じでした。Gil GoldsteinもAlan Broadbentもいい仕事してますね。しかもゲストも適材適所。Meshell Ndegeocelloの登場には驚きましたが。
ということで当方記事のURLを貼り付けさせて頂きます。
https://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2020/02/post-436b10.html
投稿: 中年音楽狂 | 2020/03/21 18:48
>中年音楽狂さん
コメントどうもありがとうございます。
このアルバム、力が入っていて、最初に流し聴きを途中までやっていて、これではいけないと、最初からじっくり聴き直したのでした。時間が長いにも関わらず、アルバム1枚まるまる一つのドラマになっているようなのには驚きました。制作は各曲バラバラだと思うのに、すごいなあと思います。今年のベストの候補にまず入ってきそうなアルバムですね。
投稿: 工藤 | 2020/03/21 20:16