Self Portraits/Richie Bairach
リッチー・バイラークの12日目。今日もソロ・ピアノですけどCMPレーベルからの完全即興演奏。こういうのもいいですねえ。牧歌的なゆったりした部分もあるけれども、割と中心になるのはフリー的な、それでいてしっかり構築されているような演奏で、もちろん過激な部分もあります。よくアイデアが尽きないな、と思うような音の連なり。こういう演奏は個人的には好きですね。今回の彼はたまたまソロの演奏が多いですけど、その中でもこのアルバムは好きな演奏でもあります。そういうのをなんで20年以上も聴いてなかったんだ、と言われると反論はできないですけれども(笑)。当時追っかけをしておいて良かったと思うひとときでした。
Self Portraits/Richie Bairach(P)(CMP) - Recorded May 1990 - 1. Grandfather's Hammer 2. Song Of Experience 3. A Quiet, Normal Life 4. Song Of Innocence 5. Darkness Into Air 6. Falling Off My Bike 7. Calcutta 8. Apprentice/Master
CMPレーベルの演奏はシリアスな印象があるのですが、ここでは録音するまで何の準備もしていない完全即興演奏。何枚もソロ・ピアノの作品を出しておきながら、いろいろな表現を試みるのは大変な事だと思いますが、ピアノの音がはっきり録音されていて好みです。ただ、既成の曲に比べて硬質なサウンドの印象は受けていて、極端なフリーという感じの場面も多少はあっても、いつもの演奏とボーダーレスにつながっている感じもしています。それにしてもこの構築力はたいしたもので、やはり実力のあるピアニストなんだな、ということが分かります。47分ほどの演奏が変化に富んでいて、ある意味現代音楽的ピアノに通じるところもありながら、フリージャズ的にも聴かせてしまうのはなかなかスゴいです。これも彼の一面か。
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