ジャズCDの個人ページBlog

また新譜が１枚届いているので、先に新譜を。昨年１２枚CDを出した藤井郷子さんですが、今年は毎月ではないにしても、それでもハイペースです。音楽が即興演奏（フリー）なので、ライヴやスタジオ録音があれば、どれが出てもおかしくない状態で、しかも、アルバムごとに趣向が凝らされていて、私のようなこっち方面のフリー好きにとってみれば、飽きることがありません。やはり趣向を凝らしているので、けっこう考えるだけでも大変だし、自分でCD制作まで関わっているので、世界各地をライヴ演奏しながら並行しでCDを出すのは大変なことだと思います。もはや全部を追いかけるのは難しいかもですが、好みの演奏をピックアップして聴いてみるのもいいかと思います。

コンフルエンス／藤井郷子（P）／ラモン・ロペス（Ds）（Libra Records）
Confluence/Satoko Fujii(P), Ramon Lopes(Ds)(Libra Records) - Recorded December 12, 2018. - 1. Asatsuyu 2. Road Salt 3. Run! 4. Winter Sky 5. Three Days Later 6. Tick Down 7. Quiet Shadow 8. Confluence

１、５曲目が藤井郷子作曲、他の曲は２人のフリー・インプロヴィゼーション。１曲目は叙情的なピアノの演奏だけど、ドラムスもかなり繊細に加わっていて、その一体感と世界観がなかなか見事。まるで語り合っているみたいなやや静かな流れに身をまかせているよう。他の曲も繊細な局面に振れているサウンドであって、それでいてドラムスも歌っているようです。以前の吉田達也とは反対のベクトルを持つドラマーで、インプロヴィゼーションであっても、まるで既成の曲のように聴こえるのが、なかなかいい。ドラムスのフレーズがしなやかとでも言ったらいいのか。それでもいかにもフリーといったフレーズの曲も３曲目にありますし、７曲目ではピアノの特殊な音も使用か。それでも２人の一体感というのは、そこに表れています。（１９年５月１１日発売）