Lebroba/Andrew Cyrille
11月末近くなってECMの新譜が1枚届いていて、自分たちのライヴも終わったので聴いてみました。実はアルバムを聴く前にプロデューサーはマンフレート・アイヒャーではなくてSun Chungということは知っていた(彼はアイヒャーの後継者とされる)し、私もフリージャズは割と聴いていて好きな方ではあるのですが、このアルバムを聴いて、アイヒャーのような、何かもう一つのマジックのようなものが足りない、と思いました。果たしてブラインドでそこまで判定できるかどうかは分かりませんけど。せっかくこれだけのメンバーを集めているわけだし。個人的には、アイヒャーが引退した時が、自分のECM追っかけの終わりの時かなあ、と漠然と考えてます。
Lebroba/Andrew Cyrille(Ds)(ECM 2589)(輸入盤) - Recorded July 2017. Wadada Leo Smith(Tp), Bill Frisell(G) - 1. Worried Woman 2. Turiya: Alice Coltrane - Meditations And Dreams: Love 3. Lebroba 4. TGD 5. Pretty Beauty
(18/12/02)3人のインプロヴィゼーションが4曲目、Andrew Cyrille作が3、5曲目、Wadada Leo Smith作が2曲目、ビル・フリゼール作が1曲目。フリー・インプロヴィゼーションに近い語り合い、というような趣きで、静かで少しとっ散らかったようなサウンドが興味深い。それでいて1曲目などは、トランペットのちゃんとしたメロディが浮かぶ部分も多い。小刻みなドラムスと、例によって例のごとくのギターとの組み合わせ。2曲目は何となく愁いのあるアフリカを思い起こすようなサウンドが17分間。こういう演奏もアリだと思いますが、自由過ぎて空間表現の融合が今ひとつのような気も。おおむねゆったりした演奏が続きますが、4曲目のように、やや激しめな曲も。ミキシングで少し抑えている感じ。ここが、と言うのがちょっと難しい。
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工藤さん,こんばんは。TBありがとうございます。
工藤さんがこのアルバムへの評価がイマイチというのは,私にとっては意外でしたが,Sun Chungのアンビエンス系のプロダクションは,評価が分かれる部分もあるように思います。但し,私にとっては,Wadada Leo Smithの参加がこのアルバムのキモと思えましたし,ビルフリはいかにもビルフリって感じでよかったと思います。
その一方,実のところ,私はSteve Lakeのプロデュース作を苦手としておりますが...(爆)。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2018/12/23 18:36
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
私の方はSteve Lakeのプロデュースは好物(笑)なのですが、なぜかこのアルバムは、あまり向いてなかったような気がします。まあ、このあたり個人差があるので、説明は難しいのですが、このアルバムを高評価している人も複数いらっしゃるので、おそらくどこに重点を置いて聴かれるかで評価が分かれるのではないかと思います。でも、音そのものはけっこうひかれるものがありましたです。
投稿: 工藤 | 2018/12/23 19:51
ECMマジックの有無は、(それほどECMを聴いていないから)自分にはわかりませんが、
Wadada Leo Smithのサウンドを中心に据えて聴いていて、良さを感じていたように思います。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64716225.html
投稿: oza。 | 2019/01/24 06:43
>oza。さん
コメントどうもありがとうございます。
おかげさまで、こちらのコメントが入らない問題も解消したようです。
なぜだか周りは皆絶賛なのですが、そういう私も、このアルバムのブックレットを注文したりして、そんなに嫌いなわけでもなさそうです。
投稿: 工藤 | 2019/01/24 11:30